くどくど語るよりも、思わずよだれが出ちゃいそうな描写を載せるに限る:
毎朝、僕は食い意地の張ったカケスたちと競い合うように、「ニヴレッリ」と呼ばれる、甘くてさっぱりとした、小さな黒無花果を頬張った。僕の大好物の果物だ。木から捥いですぐの実を十個ほど平らげてから、皿いっぱいに盛ってテーブルに運び、世界一おいしい朝食にありついた。
オーブンから取り出したばかりのパンと黒無花果、そしてドイツのコーヒーをブラックで。砂糖を入れなくても、黒無花果が口のなかにも人生にも、甘みを添えてくれた。
この箇所が本当に好き。無花果を口に含んだときの、あの天国の味わいを思い出すことができる。
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