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あの素晴らしき七年 (Shinchosha CREST BOOKS) 単行本 – 2016/4/27
初めての息子の誕生から、ホロコーストを生き延びた父の死まで。七年の万感を綴る、自伝的エッセイ集。戦闘の続くテルアビブに生まれ、たくさんの笑いを運んできた幼い息子。常に希望に満ちあふれ、がん宣告に「理想的な状況だ」と勢い込んだ父。現代イスラエルに生きる一家に訪れた激動の日々を、深い悲嘆と類い稀なユーモア、静かな祈りを込めて綴った36篇。世界中で人気を集める掌篇作家による、家族と人生をめぐるエッセイ集。
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2016/4/27
- 寸法13.2 x 1.7 x 19.3 cm
- ISBN-104105901265
- ISBN-13978-4105901264
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2016/4/27)
- 発売日 : 2016/4/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 190ページ
- ISBN-10 : 4105901265
- ISBN-13 : 978-4105901264
- 寸法 : 13.2 x 1.7 x 19.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 136,372位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,210位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代のイスラエルがよくわかる。エルサレムや、テルアビブを旅してきたので特に面白かった。
2020年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イスラエル、ユダヤ人、ホロコーストと聴くと身構えてしまいますがそうでもなかった。家族と愛とユーモアと、時折 悔しさと悲しみと。
2017年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
出会えずに死んだら後悔したでしょう。
どんな本?と聞かれてもひとことで説明できません。
それくらい、広く、深く、
自分の中にこころの中に眠っていた、自分自身でも気付かなかったさまざまな感情を呼び起こしてくれる一冊です。
読んでみてください。としか言えません。
どんな本?と聞かれてもひとことで説明できません。
それくらい、広く、深く、
自分の中にこころの中に眠っていた、自分自身でも気付かなかったさまざまな感情を呼び起こしてくれる一冊です。
読んでみてください。としか言えません。
2019年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
NHK−BSでエドガル・ケレットのドキュメンタリー番組を見て「なんてユニークな面白い作家だろう!これは買って読まなきゃ!」とアマゾンで注文。期待に胸を膨らませ怒涛のショートストーリーが始まるかと思いきや、斜に構えたシニカルな短編が続くだけ。あれっ?と違和感を感じながらそのまま最終章。現代イスラエルから見た世界をもっと味わえるのかなと期待していましたので残念です。世界的に大変な売れっ子作家だそうですが巧みなプロモーションというのも今日では大切な要素なのだと勉強になりました。
2016年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中東の問題は私には複雑過ぎ、その宗教観にもついていけないと思いがちだった。今もそうだが。イスラエルに生まれ、ホロコーストを生き抜いた両親に育てられ、きょうだいでも宗教観、生き方が全く違う。日々戦争や内戦が続くのがふつうのこの生活環境で、ケレットのエッセイは現実的だが、全く悲観的でなく、しかし確固たる覚悟も伺え、とにかく圧倒された。タクシーの運転手とのやり取り、息子との会話、妻との関係、慈愛に満ちた父母との血の系譜。同じ年代として同じ時代を生きてることに気後れすら感じた。面白かった。すごく泣けた。世界に行きてるってこういうことなのか。文章の合間に反ユダヤ主義やシオニストも調べてみた。自分の無知を反省した。
2016年5月4日に日本でレビュー済み
「もっとも作品が万引きされる作家」「囚人の間でもっとも人気のある作家」
訳者あとがきでそんな形容が紹介されているイスラエル出身ユダヤ人作家の自伝的エッセイ。
テロが起きるといろいろ滞ってめんどうだ。看護師が慣れた様子でそんな愚痴をこぼす病院で「作家のケレットさん?」と著者は記者から取材を受ける。いつも同じようなリアクションしか聞けなくて困っていたんです、作家ならではのオリジナルなテロへの意見はありませんか。
「テロってのはいつも同じなんだから。爆発だとか無意味な死についていったいどんなオリジナルなことが言えるって言うんだい?」ケレットはそう答える。彼はテロに居合わせのではなく、妻の出産のために病院に来たのだ。本書は、そんな日に息子レヴが誕生してから、ホロコーストを生き延びた父が死を迎えるまでの七年間を綴った掌編集である。
被害者性と加害者性がぐちゃぐちゃになっている民族と国家の歴史。不条理な暴力も頻繁に起こる。でも、そうした「戦時下」の状況は、まるでもはや気候や風土の特色と同じになってしまっているかのようにシニカルに扱われる。夜に砂嵐が吹く乾燥地域の人々の暮らし、といった感じで、サイレンが鳴る街で暮らす親子の日常が描かれる。
そして、中心にあるのは笑いだ。
たとえば、核開発を進めるイランがあと数ヶ月でミサイルをテルアビブに落とすという噂をケレットは友人から聞きつける。家に帰った彼は、天井に雨漏りがしているので配管工を呼んでほしいと妻から頼まれるが「あと二ヶ月で町全体がすっかり消滅させられてしまうなら、修理したって意味ないだろ?」と断る。「あなたの言っていること、わたしがちゃんと理解できてるなら、庭の手入れも先延ばしにした方がいいってことよね?」と妻が応じて、彼は頷く。
影響を受けた作家としてカフカやヴォネガットなどの名前をケレットは挙げているそうだけど、このブラックなユーモアは、個人的にはウディ・アレンの映画を連想した。たとえば、家族で訪れたパリのディズニーランドで不公平に行列待ちをさせられてグズる息子に以下のように語るやりとりなんて、ウディ・アレン映画のセリフに出てきそう。
「『ミッキーにお願いする!』と息子はめそめそと言う。
(中略)
『ミッキーもプルートも本当は存在しないんだよ』とぼく。『万が一存在したとしても、成功を収めている上場企業コングロマリットの利益最大化方針に犬やネズミが影響を与えられる可能性なんてほとんどないさ。もしミッキーがぼくらを助けたりしたら、きっとすぐにクビを切られてー』」(憂園地)
ウディ・アレンもユダヤ系だけど、彼の映画のテーマについて映画評論家の町山智浩さんがかつて「笑いがなければこの世は闇」という言い方をしていた。神を信じていたのに、大虐殺にあった。この世は無意味で、理不尽なことばかり。でも笑いを忘れちゃいけない。というか、こんな酷い状況、もう笑うしかない。本書にも通じるテーマだと思う。
「ただただ面白くて、時々大笑いして、そして、泣いてしまった。」
本書の帯文で西加奈子さんがそう賞賛を寄せている。これは誇張ではないだろう。声を出して笑って、最後の2年間に描かれるエピソードで泣かされる、最高の一冊である(両親の出会いのエピソードとそれに続く数編が素晴らしすぎる)。
でも、もしエトガル・ケレットが日本にいたら「西加奈子さんってたいがい大笑いして泣いている気がするから、真偽はきみが読んで確かめてね」とかシニカルに言うかもしれない。短編だけでなくこの作家の長編もいつか読んでみたい。
"Comedy is tragedy plus time."(コメディとは時間が経った悲劇なのだ)
ーウディ・アレン「重罪と軽罪」より
訳者あとがきでそんな形容が紹介されているイスラエル出身ユダヤ人作家の自伝的エッセイ。
テロが起きるといろいろ滞ってめんどうだ。看護師が慣れた様子でそんな愚痴をこぼす病院で「作家のケレットさん?」と著者は記者から取材を受ける。いつも同じようなリアクションしか聞けなくて困っていたんです、作家ならではのオリジナルなテロへの意見はありませんか。
「テロってのはいつも同じなんだから。爆発だとか無意味な死についていったいどんなオリジナルなことが言えるって言うんだい?」ケレットはそう答える。彼はテロに居合わせのではなく、妻の出産のために病院に来たのだ。本書は、そんな日に息子レヴが誕生してから、ホロコーストを生き延びた父が死を迎えるまでの七年間を綴った掌編集である。
被害者性と加害者性がぐちゃぐちゃになっている民族と国家の歴史。不条理な暴力も頻繁に起こる。でも、そうした「戦時下」の状況は、まるでもはや気候や風土の特色と同じになってしまっているかのようにシニカルに扱われる。夜に砂嵐が吹く乾燥地域の人々の暮らし、といった感じで、サイレンが鳴る街で暮らす親子の日常が描かれる。
そして、中心にあるのは笑いだ。
たとえば、核開発を進めるイランがあと数ヶ月でミサイルをテルアビブに落とすという噂をケレットは友人から聞きつける。家に帰った彼は、天井に雨漏りがしているので配管工を呼んでほしいと妻から頼まれるが「あと二ヶ月で町全体がすっかり消滅させられてしまうなら、修理したって意味ないだろ?」と断る。「あなたの言っていること、わたしがちゃんと理解できてるなら、庭の手入れも先延ばしにした方がいいってことよね?」と妻が応じて、彼は頷く。
影響を受けた作家としてカフカやヴォネガットなどの名前をケレットは挙げているそうだけど、このブラックなユーモアは、個人的にはウディ・アレンの映画を連想した。たとえば、家族で訪れたパリのディズニーランドで不公平に行列待ちをさせられてグズる息子に以下のように語るやりとりなんて、ウディ・アレン映画のセリフに出てきそう。
「『ミッキーにお願いする!』と息子はめそめそと言う。
(中略)
『ミッキーもプルートも本当は存在しないんだよ』とぼく。『万が一存在したとしても、成功を収めている上場企業コングロマリットの利益最大化方針に犬やネズミが影響を与えられる可能性なんてほとんどないさ。もしミッキーがぼくらを助けたりしたら、きっとすぐにクビを切られてー』」(憂園地)
ウディ・アレンもユダヤ系だけど、彼の映画のテーマについて映画評論家の町山智浩さんがかつて「笑いがなければこの世は闇」という言い方をしていた。神を信じていたのに、大虐殺にあった。この世は無意味で、理不尽なことばかり。でも笑いを忘れちゃいけない。というか、こんな酷い状況、もう笑うしかない。本書にも通じるテーマだと思う。
「ただただ面白くて、時々大笑いして、そして、泣いてしまった。」
本書の帯文で西加奈子さんがそう賞賛を寄せている。これは誇張ではないだろう。声を出して笑って、最後の2年間に描かれるエピソードで泣かされる、最高の一冊である(両親の出会いのエピソードとそれに続く数編が素晴らしすぎる)。
でも、もしエトガル・ケレットが日本にいたら「西加奈子さんってたいがい大笑いして泣いている気がするから、真偽はきみが読んで確かめてね」とかシニカルに言うかもしれない。短編だけでなくこの作家の長編もいつか読んでみたい。
"Comedy is tragedy plus time."(コメディとは時間が経った悲劇なのだ)
ーウディ・アレン「重罪と軽罪」より
2020年5月16日に日本でレビュー済み
淡々と短いエッセイの連続ですが、1篇がもたらす充足度が大きく、1日1篇ずつゆっくり読みました。
描かれていることは多くないのに、なぜこんなに沁み込んでくるのか、語彙力のない私にはとうてい語れないのですが、著者の内面にある歴史、教養、宗教観、死生観…そんなものが、たったこれだけの出来事をこんなふうに描写するんだなと、薄っぺらな自分はうっとりしてしまいました。
特に高尚な話をしているわけでもなく、携帯ゲームの話をしたり機嫌の悪い妻の話をしたり、拾っている素材は何でもないことです。
そんな生活が繰り広げられている土台が戦争中であるということ。紛れもなくホロコーストの歴史の延長に存在していること。
重い現実の上だからこそ成り立つユーモアなのか、全体にカラッと軽やか、それなのに胸にじんと残るものがあります。
自分の祖父母は原爆を被爆しました。大叔父はシベリアに7年抑留されました。私の生活も重い重い歴史の延長にあるのに、まったく死生観やユーモアが育まれなかった。
これって宗教観なんだろうか、と最近思うのです。結局信仰と哲学がないと人は生きて行けないと思うのに、自分ときたら…
そんな自分への、本当に処方薬です。治る気配は、ないのですけれど。
描かれていることは多くないのに、なぜこんなに沁み込んでくるのか、語彙力のない私にはとうてい語れないのですが、著者の内面にある歴史、教養、宗教観、死生観…そんなものが、たったこれだけの出来事をこんなふうに描写するんだなと、薄っぺらな自分はうっとりしてしまいました。
特に高尚な話をしているわけでもなく、携帯ゲームの話をしたり機嫌の悪い妻の話をしたり、拾っている素材は何でもないことです。
そんな生活が繰り広げられている土台が戦争中であるということ。紛れもなくホロコーストの歴史の延長に存在していること。
重い現実の上だからこそ成り立つユーモアなのか、全体にカラッと軽やか、それなのに胸にじんと残るものがあります。
自分の祖父母は原爆を被爆しました。大叔父はシベリアに7年抑留されました。私の生活も重い重い歴史の延長にあるのに、まったく死生観やユーモアが育まれなかった。
これって宗教観なんだろうか、と最近思うのです。結局信仰と哲学がないと人は生きて行けないと思うのに、自分ときたら…
そんな自分への、本当に処方薬です。治る気配は、ないのですけれど。
2018年11月12日に日本でレビュー済み
訳者の方の次の言葉が、この本の良さを見事に要約していると思う。(本書あとがきより)
“短く、笑えて、読者を選ばない、なりは小さくても中身はでっかい、そして読み終わったあとにずっと腹に残る。長大で難解でなくても、これだけ軽やかであっても、深遠であることは可能なのだ”
著者のケレット氏のような感性と、ユーモアと、温かい心を持って生きていけたらなあと思う。
英語訳版も買ってみたけれど、日本語版の訳が生き生きとしてすばらしいなと思った。
友達にも母親にも勧めたし、もし本好きの小学生が周りにいたらこの本を貸すと思う。そのくらいお勧めです。
“短く、笑えて、読者を選ばない、なりは小さくても中身はでっかい、そして読み終わったあとにずっと腹に残る。長大で難解でなくても、これだけ軽やかであっても、深遠であることは可能なのだ”
著者のケレット氏のような感性と、ユーモアと、温かい心を持って生きていけたらなあと思う。
英語訳版も買ってみたけれど、日本語版の訳が生き生きとしてすばらしいなと思った。
友達にも母親にも勧めたし、もし本好きの小学生が周りにいたらこの本を貸すと思う。そのくらいお勧めです。