19世紀終わりから20世紀初頭のアメリカを包括したかのような小説。
主筋というか本筋は多分労働争議に沸く20世紀初頭のアメリカの激動で、様々な事件が起こった労働に関する挿話が虚実ない交ぜにことこまかに語られていき、これが最近のウォール街占拠デモのような格差社会になりつつある現代のアメリカを過去から現在に照射したかのようで、過去の経験から現在を見直さなければならないという著者からのメッセージのように受け取れましたがどうでしょうか。タイトルの意味もここら辺からきているように思いました。
傍筋は発明や開発に沸く今世紀初頭の全世界で物理学や数学の発展により高度、精度が増したこの時点での世界で科学技術や物の考え方が急速に発達し、それが戦争やら労働やら移動手段やらに応用され、あらゆる地域で坩堝の様に沸点に達した世界中の様相が描かれていて、相変わらずあちこちに脱線ぎみに詳述されへとへとになるまで読まされます。この辺は多分今現在の科学の発見等が社会を良くする為に使われているかを問い直せという著者からの警告のように受け手れましたが穿ち過ぎですかね。
兎に角長い小説で上下あわせて1700ページくらいあり、主要登場人物も10人くらいいて、上に書いたように相変わらず脱線に次ぐ脱線で集中力がとぎれそうになることも再三あり、全てのシーンを憶えていられませんでしたが、小説の全体像は多分こんなもんかと思いましたが、浅学菲才の身による解釈なのであまり信用しないでもらいたいです。
蛇足ですが、今まで同じ著者の作品を何冊か読みましたが、初期に比べると平易な筆致で読みやすくなっていて驚きました。また、過去の作品に顕著だった失笑ギャグが減っているのが残念でした。あと、拳銃のルビに「チャカ」と振ってありましたが、時代的には「ハジキ」の方がふさわしいのでは?と少し思いました。
ともあれ、長大な小説なので読むにかなりの忍耐が必要になるタイプの物なのでこれから読む方は覚悟の上読んだ方がいいです。まぁ面白かったですが。
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逆光 上 (Thomas Pynchon Complete Collection) 単行本 – 2010/9/1
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- 本の長さ862ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/9/1
- ISBN-104105372041
- ISBN-13978-4105372040
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/9/1)
- 発売日 : 2010/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 862ページ
- ISBN-10 : 4105372041
- ISBN-13 : 978-4105372040
- Amazon 売れ筋ランキング: - 427,047位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,238位英米文学
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2013年1月31日に日本でレビュー済み
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2021年8月21日に日本でレビュー済み
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僕はこの作品を読み、重要なワードを全て参照できるように見取り図を作り、互いに関連する記述には全て双方のページ数を書き込んだ。結果、本は鉛筆書きの数字と注釈の海と化してしまった。書き込みだらけの汚いこの本は僕にとって唯一無二の、世界に一冊しかない参照メモ付きの「逆光」で、これがなくなったら悲惨なことになる。本のページに直接書いたメモ以外にも一般的な書籍にして150ページに及ぶ手書きのストーリーガイドも書いてしまった。僕にこんな面倒なことをさせた作家はプルーストとディレイニー、グルジェフぐらいだ。ところでこの作品のイメージをそのまま表現したようなエルンスト・フックスの絵があるのをご存知だろうか。飛行船とビルと骸骨が描かれた幻想的な絵「詩篇」だ。
2015年7月18日に日本でレビュー済み
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死ぬほど退屈で、読むのが苦痛です。
他のレビュワーの方々が星を何個も付けておられるのがちょっと信じられません。
爆弾テロリストの家族を中心に据えてる、ということが少し面白く感じられましたが、
その中心がまったく見えなくなるくらいの情報量・・・に圧倒されるのならいいんですが、
圧倒されるにはあまりにもじりじりと迫ってくるのでうんざり、辟易してしまいました。
何も考えずに大量の文字を読むのがお好きな方とか、
「最先端の文学」を読んだ気分に浸りたい方にはちょうどいいのかもしれませんが、
こんなことのために時間を使いたくない私は、そもそもピンチョンの想定してる読者層ではないのでしょう。
現在読もうかどうか迷われてる方、
ほんとうにこれが自分の求めてる本なのか、よくよく冷静になって考えてみてください。
払うのはお金だけじゃないはずです。
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その中心がまったく見えなくなるくらいの情報量・・・に圧倒されるのならいいんですが、
圧倒されるにはあまりにもじりじりと迫ってくるのでうんざり、辟易してしまいました。
何も考えずに大量の文字を読むのがお好きな方とか、
「最先端の文学」を読んだ気分に浸りたい方にはちょうどいいのかもしれませんが、
こんなことのために時間を使いたくない私は、そもそもピンチョンの想定してる読者層ではないのでしょう。
現在読もうかどうか迷われてる方、
ほんとうにこれが自分の求めてる本なのか、よくよく冷静になって考えてみてください。
払うのはお金だけじゃないはずです。
2012年4月20日に日本でレビュー済み
おすすめは、iPhone片手にevernoteで登場人物とかメモりながらの読書を。
これこそ、電子書籍でメモりながら読むのに最適なんでしょうね。
概念もややこしながら、登場人物も錯綜してややこしい。
概念は、なかなかクリアに理解できない所もあるが、登場人物のポジションをしっかり把握できてれば
ストーリーは掴める。
ストーリーが掴めてると、やはりピンチョン先生は面白い。
これこそ、電子書籍でメモりながら読むのに最適なんでしょうね。
概念もややこしながら、登場人物も錯綜してややこしい。
概念は、なかなかクリアに理解できない所もあるが、登場人物のポジションをしっかり把握できてれば
ストーリーは掴める。
ストーリーが掴めてると、やはりピンチョン先生は面白い。
2010年10月13日に日本でレビュー済み
応用科学萌芽期、ノスタルジックながらかなりいかがわしいムード横溢するなか一見全体の組み立てはシンプル、登場人物の絡み合い方もよくある小説の感じ。しかし、黒子役として登場したかのような気球乗りたちは、天使のような(死者のような)存在に変貌していき、世界や人物の輪郭線を作る光のさまざまな幻影を生み出すエピソードが随所に挿入され、「普通の物語」を変容させていく。そして、このささやかな仕掛けが、次第に威力を発揮し明暗反転したかのような光景の大団円へと導き、主役三人兄弟こそが狂言回しであったのかと悟らせることになる。文中に何度か登場する「微分可能性」の吟味、つまり変化、変容こそこの物語の真骨頂だと思われ、その賞味のためにはある程度スピードをつけて一気呵成に読んでしまうことが必要だろう。