「権力というのは結局、いかれた連中がうろうろしているこの建物、
人間そっくりな焼け死んだ馬のこの臭い、侘しいこの夜明けなのか」(『族長の秋』より)
「物語を語るために生まれてきた」。
そうガルシア=マルケスは述べているが、まさにその本領が発揮されている作品。
表題「族長の秋」は、一国の中心にいるはずなのに、なぜか国の出来事からことごとく外されてしまっている、喜劇的な専制君主の物語である。
身に覚えのない命令、自分好みに変えられた映画の内容、知らぬ間に行われていた政権100周年の記念行事。
世界すべてが彼をだまし、彼もまただまされたふりをして、真実を語っているのはトイレの落書きだけ。
大統領は、残虐非道を尽くす独裁者だが、小心でちっぽけな老人である。
彼は、人を愛したことがなかった。また、母をのぞいて彼を愛してくれた人もなかった。
世界から切り離され、愛に飢えたその姿は、人間としてじつに悲しい。
時間、空間、語り手までが入り乱れて、まるで嵐のように文章がほとばしる。
本の厚み以上に、読後がずしんと来る作品。
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族長の秋 他6篇 単行本 – 2007/4/1
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- 本の長さ443ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/4/1
- ISBN-104105090127
- ISBN-13978-4105090128
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/4/1)
- 発売日 : 2007/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 443ページ
- ISBN-10 : 4105090127
- ISBN-13 : 978-4105090128
- Amazon 売れ筋ランキング: - 465,378位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 162位スペイン文学
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2010年12月3日に日本でレビュー済み
作品自体は「ああー、ガルシア=マルケスだなー」というもので、好きなら読んでおいて損のないものばかり。
しかしながら、本書の編集については、かなり疑問。
「エレンディラ」他の6篇は、「族長の秋」と一緒にした結果、「族長の秋」がやたら長くてわけがわからず読みにくい作品に思えてしまうのです。
実際はそうでもないし、「空気読めない(そして周囲も当人に読ませない)マザコンファシストを主人公とした魔術的リアリズム小説」として、相当の面白さであるはずなのに、残念でならない。
しかしながら、本書の編集については、かなり疑問。
「エレンディラ」他の6篇は、「族長の秋」と一緒にした結果、「族長の秋」がやたら長くてわけがわからず読みにくい作品に思えてしまうのです。
実際はそうでもないし、「空気読めない(そして周囲も当人に読ませない)マザコンファシストを主人公とした魔術的リアリズム小説」として、相当の面白さであるはずなのに、残念でならない。
2007年5月22日に日本でレビュー済み
待たされました。集英社で文庫として出されていたのがなぜか絶版になっていて、図書館においてあった「集英社世界文学ギャラリー」で少し覗いただけ。ようやく入手できるようになったというわけで、とりあえず目玉の「族長の秋」だけ読みました。
この作者特有の摩訶不思議、奇妙奇天烈な怪異譚がもりだくさん。主人公である、100年以上生きた大統領とその側近や愛妾らの物語なのだけれど、この大統領は一種の超人で、見た目は薄汚れているけど、やろうと思えば自然環境だって意のままにしてしまう。しかし周囲には理解者なんかほとんどいなくて、中盤からはほとんど誰にも相手にされなくなってゆき、実に孤独な人生を送ります。
この作者は、20世紀の世界文学でも屈指の作家になっているけど、そんなに特別視すべきなのか。確かに面白いけど、モダニズムの流れに乗せてフォークロアを語るというアイディアはそれほど珍しくないような気もする・・・まあ、後から言うとそうもなってしまうけど、昔は度肝を抜いたのでしょう。
言うまでもなくフォークナーの影響は強い。いくつかのチャプターで構成されているけど、段落の切れ目が全くなかったような気がします。無意識の内にあふれだす情報の表現でしょう。
こういう怪異譚は、たとえば中国人がやると決まるような気がします。既に莫言がいるけど。埴谷雄高は、中国にフォークナーみたいなのが現れるのを夢想していたようだけど。
この作者特有の摩訶不思議、奇妙奇天烈な怪異譚がもりだくさん。主人公である、100年以上生きた大統領とその側近や愛妾らの物語なのだけれど、この大統領は一種の超人で、見た目は薄汚れているけど、やろうと思えば自然環境だって意のままにしてしまう。しかし周囲には理解者なんかほとんどいなくて、中盤からはほとんど誰にも相手にされなくなってゆき、実に孤独な人生を送ります。
この作者は、20世紀の世界文学でも屈指の作家になっているけど、そんなに特別視すべきなのか。確かに面白いけど、モダニズムの流れに乗せてフォークロアを語るというアイディアはそれほど珍しくないような気もする・・・まあ、後から言うとそうもなってしまうけど、昔は度肝を抜いたのでしょう。
言うまでもなくフォークナーの影響は強い。いくつかのチャプターで構成されているけど、段落の切れ目が全くなかったような気がします。無意識の内にあふれだす情報の表現でしょう。
こういう怪異譚は、たとえば中国人がやると決まるような気がします。既に莫言がいるけど。埴谷雄高は、中国にフォークナーみたいなのが現れるのを夢想していたようだけど。
2012年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難解で、読み進むのに苦労してます。
しかし詩的な内容で心がリッチになります。
しかし詩的な内容で心がリッチになります。
2012年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ガルシア・マルケスの作品を初めて読んだ。
悪夢の中で蠢いている主人公(この作品に「主人公」がいればだが)が、円環のように
ぐるぐると悪夢の周りを動き回る作といえようか…
どうにも形容しようのない作品。
ただ、このような作品を描きうるのは南米の作家だけであろうと思う。
一人の独裁者が支配する国。教養はないが決して愚かではない独裁者。
その独裁者の孤独な物語り。
文章は緻密に練りあげられ、緊密な文章がどこまでもどこまでも続く。
段落変えもなく、文章そのものも文章の内容もあくまでも濃く、いつまで物語りが続くのかと
不安になる、。
ボルヘスは何冊か読んだが、その作品とどうにも同じ「匂い」がする。
初めての作家でここまで衝撃を受けた作家は少ない。
特に驚くのが、「乾いた残酷さ」。罪のあるなしに関わらず、人がいともたやすく命を奪われる。
その「命の重さ」がまるで意味をなさない国でなければ、ここまで「乾いた文体」で「濃密」に
描くことはできないのでゃないかとさえ思える。
残酷なシーンが多いのではなく、簡単に(独裁者からであれ、隣人からであれ)拷問され、
殺される。
「死」が通常の生活空間に入り込んでくる不気味さ。
そして … 「独裁者の孤独」
この二つが織り成すタペストリー。
自分でどう表現すべきか分からなくなるほどの「異世界」、そしていつのまにか物語の中に
入り込んでしまった自分を見つけてしまう。
物語に引きずり込まれ、本書を一日で読み終え、なんとも言えない「不快感」とも「非現実感」とも
つかない思いをした。
少なくとも本書を読んで「読めない」と思うことはあっても「読んで面白くない」とは思わない。
ここでは、「100年の孤独」を読んでいないため、作家の意図自体が分からず(無論私の無知ゆえ)に
星は四つとしておく。
ぜひ読んでみてレビューを書いてください。
悪夢の中で蠢いている主人公(この作品に「主人公」がいればだが)が、円環のように
ぐるぐると悪夢の周りを動き回る作といえようか…
どうにも形容しようのない作品。
ただ、このような作品を描きうるのは南米の作家だけであろうと思う。
一人の独裁者が支配する国。教養はないが決して愚かではない独裁者。
その独裁者の孤独な物語り。
文章は緻密に練りあげられ、緊密な文章がどこまでもどこまでも続く。
段落変えもなく、文章そのものも文章の内容もあくまでも濃く、いつまで物語りが続くのかと
不安になる、。
ボルヘスは何冊か読んだが、その作品とどうにも同じ「匂い」がする。
初めての作家でここまで衝撃を受けた作家は少ない。
特に驚くのが、「乾いた残酷さ」。罪のあるなしに関わらず、人がいともたやすく命を奪われる。
その「命の重さ」がまるで意味をなさない国でなければ、ここまで「乾いた文体」で「濃密」に
描くことはできないのでゃないかとさえ思える。
残酷なシーンが多いのではなく、簡単に(独裁者からであれ、隣人からであれ)拷問され、
殺される。
「死」が通常の生活空間に入り込んでくる不気味さ。
そして … 「独裁者の孤独」
この二つが織り成すタペストリー。
自分でどう表現すべきか分からなくなるほどの「異世界」、そしていつのまにか物語の中に
入り込んでしまった自分を見つけてしまう。
物語に引きずり込まれ、本書を一日で読み終え、なんとも言えない「不快感」とも「非現実感」とも
つかない思いをした。
少なくとも本書を読んで「読めない」と思うことはあっても「読んで面白くない」とは思わない。
ここでは、「100年の孤独」を読んでいないため、作家の意図自体が分からず(無論私の無知ゆえ)に
星は四つとしておく。
ぜひ読んでみてレビューを書いてください。
2007年5月24日に日本でレビュー済み
個人的に「族長の秋」はマルケスの作品で一番好きな作品です。マルケスはその饒舌な文体を好きになれるかなれないかが好悪の分かれ目だと思うのですが、密度というのでしょうか、僕個人の読書力ではこの長さが限界のような気がします。「百年の孤独」なんかはそういった読書力の問題かもしれませんが、すこし冗長に感じてしまいます。それからこれは蛇足かもしれませんが、以前この作品を読んだ時その前後に、イヴリン・ウォーの「黒いいたずら」を読んだせいか、なにか重なって思えるのは単なる勘違いでしょうか。
2009年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「族長の秋」は「百年の孤独」に匹敵するほど面白いというから、買ってよんでみました。
結果はひどいものです。その他6篇を一日で読み、
期待を躍らせて、「族長の秋」を読んでみたのですが、その内容たるや退屈な駄作。
あの超傑作「百年の孤独」に匹敵する面白さがあるとはとても思えない退屈な小説でした。
「百年の孤独」は長い小説ながら決して冗長な部分のないはらはらどきどきの事件が
次々と起こるのですが、「族長の秋」は印象に残る事件は二つぐらいです。
影武者の話と婦人が権力をもちすぎた話ぐらいです。
それ以外は平凡で陳腐な話の連続でした。何の変化もないことが延々と語られます。
おすすめできません。こんな話を褒める人たちはどうかしていると思います。
星二つはその他6篇に対する点数です。「族長の秋」だけなら星ひとつです。
結果はひどいものです。その他6篇を一日で読み、
期待を躍らせて、「族長の秋」を読んでみたのですが、その内容たるや退屈な駄作。
あの超傑作「百年の孤独」に匹敵する面白さがあるとはとても思えない退屈な小説でした。
「百年の孤独」は長い小説ながら決して冗長な部分のないはらはらどきどきの事件が
次々と起こるのですが、「族長の秋」は印象に残る事件は二つぐらいです。
影武者の話と婦人が権力をもちすぎた話ぐらいです。
それ以外は平凡で陳腐な話の連続でした。何の変化もないことが延々と語られます。
おすすめできません。こんな話を褒める人たちはどうかしていると思います。
星二つはその他6篇に対する点数です。「族長の秋」だけなら星ひとつです。