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スタン・ゲッツ :音楽を生きる 単行本 – 2019/8/27
ドナルド・L・マギン
(著),
村上 春樹
(翻訳)
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フィッツジェラルドこそが小説であり、スタン・ゲッツこそがジャズであった。ボサノヴァなど新しいスタイルを常に取り入れ、第一線で半世紀近く活躍したスタン・ゲッツ。酒やクスリに溺れていても、ひとたびステージに上がれば自由自在な即興が冴えわたり、どんな楽曲も美しく演奏せずにはいられない。その音楽を愛し続けてきた村上春樹が、いつの日か翻訳したいと願っていた傑作評伝、ついに完訳。
- 本の長さ587ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2019/8/27
- 寸法14 x 3.1 x 19.7 cm
- ISBN-104105071319
- ISBN-13978-4105071318
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2019/8/27)
- 発売日 : 2019/8/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 587ページ
- ISBN-10 : 4105071319
- ISBN-13 : 978-4105071318
- 寸法 : 14 x 3.1 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 209,219位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,174位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スタンゲッツの譜面は、他のジャズマンとちがいます。一応譜面になっていますが、譜面記号でも表せない演奏になってます。譜面を頼りに、ゲッツの世界を勉強できます。
2021年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり大部のジャズ・サキソフォン奏者スタン・ゲッツの評伝。
その生い立ちから、死に至るまで、演奏活動と私生活、さらにはジャズ界の出来事などを交えて詳しく記した一代記。訳者の手際もあり、この手の音楽関係の翻訳本としては、日本語に殆んど違和感なく読み進められた。そして、その華やかな音楽家としてのプロ活動とは裏腹な、暗く凄惨な舞台裏が明るみにされ、ページを繰る手が時に重くなりながらも、最後まで読み進められたのは、関係者の証言を交えた、公平で、安定した叙述と訳者の的確な日本語に依る所が大きいと思う。何事にも動じない、著者と訳者の、ゲッツの音楽への一貫した愛あればこその一冊だと感じた。
評者は、ゲッツの音楽は好きだが、テナー奏者としては、ロリンズなどのような、テナーサックス本来の、男性的で、太い音色が好きなので、ゲッツの俊敏華麗ではあるものの、やや締まり気味の音色は必ずしも好みではない。ただ、時折見せる野性的な演奏(「フォー・ミュージシャンズ・オンリー」の『黒い瞳』で見せる、時にリードトラブルを起こしながらも、荒々しく吹き切るゲッツのソロ)に、奏者の本音を垣間見るようで、より親近感を抱く。本書に記された、舞台裏でのゲッツの狂的な振る舞いは、村上氏の言う通り、その美しい音楽とコインの表裏をなすとは思うが、評者としては、むしろその音楽に狂的な思いをもっとぶつけても良かったのでは、と詮無い思いに駆られる。訳者は、ゲッツを評して「叙情と悪魔」と言い、ゲッツの音楽の特質を「リリシズム」とする。確かにそうだが、私はあえて「ロマンチシズム」と言いたい。
本書に描かれたゲッツは、音楽にも、私生活にも常にロマンスを追い求めていたような気がする。そのロマンチシズムを破綻させないために、時に薬物や酒の支えが必要だったのではないか。依存症は、依存しなければならない「原因」があるからなる病であって、その原因を解決しない限り、依存する媒体(薬物や酒)を取り除いたからといって解決する病気ではない、という話がある。薬物や酒から遠ざかりつつあった後期の演奏に、以前よりもテナー本来の野性的で、力強い響きがあるのは、偶然ではないような気もする。
一方、ジャズ界の動きに関しての同時代的な記述は、大変有益な情報を提供してくれる。ゲッツが、パーカーやレスター・ヤング、マイスルス・デイビスやコルトレーンなど同時代のミュージシャンをどう思っていたのか、ジャズのファッションが、スイングからビバップ、ハードバップ、モード、フリーなどへと遷り変わる中で自身の立ち位置をどう整えて行ったのか、人気投票に一喜一憂するような下世話な話題にも言及しており、その点でも興味の尽きない本だ。お陰で、レコード棚から何年も聴いていなかったアルバムを取り出して、ターンテーブルに乗せたり、中古のCDを取り寄せたり、と、昔のジャズ熱を呼び起こされてしまった。
それにしても、演奏旅行に明け暮れるジャズ・ミュージシャンの生活が、乱れがちなのも無理もない話だとは思う。後年、ゲッツの私生児だと言って、ゲッツそっくりの青年がひょっこり現れるところなど、功成り名遂げたゲッツとしては、思わず苦笑いしたくなるような、喜劇的なエピソードだったことだろう。そういう意味でも、ジャズとは、ゲッツにとって業(ごう)とも呼ぶべきものだったような気がする。
秋の夜長に、レコード聞きながら読むにはもってこいの本として、ゲッツ・ファンのみならず、多くのジャズ・ファンにお勧めしたい(R3.10.5)。
その生い立ちから、死に至るまで、演奏活動と私生活、さらにはジャズ界の出来事などを交えて詳しく記した一代記。訳者の手際もあり、この手の音楽関係の翻訳本としては、日本語に殆んど違和感なく読み進められた。そして、その華やかな音楽家としてのプロ活動とは裏腹な、暗く凄惨な舞台裏が明るみにされ、ページを繰る手が時に重くなりながらも、最後まで読み進められたのは、関係者の証言を交えた、公平で、安定した叙述と訳者の的確な日本語に依る所が大きいと思う。何事にも動じない、著者と訳者の、ゲッツの音楽への一貫した愛あればこその一冊だと感じた。
評者は、ゲッツの音楽は好きだが、テナー奏者としては、ロリンズなどのような、テナーサックス本来の、男性的で、太い音色が好きなので、ゲッツの俊敏華麗ではあるものの、やや締まり気味の音色は必ずしも好みではない。ただ、時折見せる野性的な演奏(「フォー・ミュージシャンズ・オンリー」の『黒い瞳』で見せる、時にリードトラブルを起こしながらも、荒々しく吹き切るゲッツのソロ)に、奏者の本音を垣間見るようで、より親近感を抱く。本書に記された、舞台裏でのゲッツの狂的な振る舞いは、村上氏の言う通り、その美しい音楽とコインの表裏をなすとは思うが、評者としては、むしろその音楽に狂的な思いをもっとぶつけても良かったのでは、と詮無い思いに駆られる。訳者は、ゲッツを評して「叙情と悪魔」と言い、ゲッツの音楽の特質を「リリシズム」とする。確かにそうだが、私はあえて「ロマンチシズム」と言いたい。
本書に描かれたゲッツは、音楽にも、私生活にも常にロマンスを追い求めていたような気がする。そのロマンチシズムを破綻させないために、時に薬物や酒の支えが必要だったのではないか。依存症は、依存しなければならない「原因」があるからなる病であって、その原因を解決しない限り、依存する媒体(薬物や酒)を取り除いたからといって解決する病気ではない、という話がある。薬物や酒から遠ざかりつつあった後期の演奏に、以前よりもテナー本来の野性的で、力強い響きがあるのは、偶然ではないような気もする。
一方、ジャズ界の動きに関しての同時代的な記述は、大変有益な情報を提供してくれる。ゲッツが、パーカーやレスター・ヤング、マイスルス・デイビスやコルトレーンなど同時代のミュージシャンをどう思っていたのか、ジャズのファッションが、スイングからビバップ、ハードバップ、モード、フリーなどへと遷り変わる中で自身の立ち位置をどう整えて行ったのか、人気投票に一喜一憂するような下世話な話題にも言及しており、その点でも興味の尽きない本だ。お陰で、レコード棚から何年も聴いていなかったアルバムを取り出して、ターンテーブルに乗せたり、中古のCDを取り寄せたり、と、昔のジャズ熱を呼び起こされてしまった。
それにしても、演奏旅行に明け暮れるジャズ・ミュージシャンの生活が、乱れがちなのも無理もない話だとは思う。後年、ゲッツの私生児だと言って、ゲッツそっくりの青年がひょっこり現れるところなど、功成り名遂げたゲッツとしては、思わず苦笑いしたくなるような、喜劇的なエピソードだったことだろう。そういう意味でも、ジャズとは、ゲッツにとって業(ごう)とも呼ぶべきものだったような気がする。
秋の夜長に、レコード聞きながら読むにはもってこいの本として、ゲッツ・ファンのみならず、多くのジャズ・ファンにお勧めしたい(R3.10.5)。
2021年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんと言ってもスタンゲッツの私生活がわかったことは、ある意味ショックでした。ジャケットによく子供を採用しているのは、家族愛に飢えてたんだど思います。良い男には、いつも美女が、絡んでくるんですね。
2020年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく長い。無駄なエピソードの記載も多い。でもファンにはたまらない。マニア必携。
2019年11月25日に日本でレビュー済み
驚くくらい、すごく分厚く重い本です。圧倒的な長篇ドキュメンタリー、二段組で561頁。
この本は、「ドナルド・L・マギンの書いたスタン・ゲッツの伝記」(571頁、「訳者あとがき」より)
こんな分厚い原本を村上さんが翻訳したのは、ものすごい力わざだったと思います。
どれだけの仕事量だったのでしょう。読者の想像を超えた仕事だったに違いありません。
スタン・ゲッツへの、訳者の村上さんの個人的思い入れのエネルギーの大きさを感じました。
スタン・ゲッツは、「類を見ない天才的なテナー・サキソフォン奏者」(564頁)
話はそれますが、本は読むだけのものではありません。
手で持って重さを感じ、指でページをめくって感触を確かめるものでもあります。
作家のこころを、文字を読む目だけからでなく、本を持つ手から指からも感じ取りたい。
この本の原作者は、ドナルド・L・マギン。村上春樹さんは、訳者。
原作者のことは、本書を読むまで全く知りませんでした。
この村上さんによる分厚い翻訳書を読んでいても、
村上さんのこなれた言葉で(つまり日本語で)書かれているので、
もともと原作者が英語で書いた文章であることは全く感じられませんでした。
原作者がアメリカ人であることをすっかり忘れたまま、本書を読み終わりました。
訳者の「村上春樹」という活字を見ただけで、
アレルギー性鼻炎のように異常反応して、周りが見えなくなってしまう読者です。
村上さんへの「思い入れ」がたたって瞬間的に目つぶし、思考停止になってしまうのです。
村上さんは、なぜこんな分厚い本を翻訳しようと思い立ったのでしょうか?
読者の疑問に、訳者の村上さんは、巻末の「訳者あとがき」で答えてくれています。
こういうていねいさ、読者に対する礼儀正しさ、サービスがありがたい魅力です。
村上さんの作品を「ほぼ全部」読んでしまった読者にとっては、
作品以外の、作家としての村上さんのすべてを知りたくなります。
村上さんの私生活、生い立ち、趣味、平気で嘘をつく癖の有無、
変な性癖、悪趣味、食べ物の好き嫌い、こっそり読んでいる本、
こっそり見ているインターネット、などなど、全てを知りたい。悪趣味な読者ですけど。
裏側から、背中からも、村上さんの人柄、素顔のようなものを知りたくなります。
そういえば、村上さんの背中を写した写真は見たことがないなあ。猫背? 見たいニャー。
村上さんの影らしきものは、『波の絵、波の話』の表紙カバーの写真で見ましたが、
なにしろ影なんで、誰の影か分かりませんでした。
村上さんの各作品を生み出した背景を知りたい。
何のへんてつもない、役に立たない背景から浮かび上がってくる、
作品の深い美しさを再認識して、作品をもっと深く味わいたいと思うからです。
巻末の「訳者あとがき」には、意味ありげなタイトル〈抒情と悪魔〉が付いています。
小説にでも付けるべき、重々しいタイトル〈抒情と悪魔〉です。
「抒情と悪魔。本書が我々に訴えかけているのは――僕が思うに――そういうことだろう」(574頁)
「抒情」とは、
スタン・ゲッツの音楽の神髄となっている「リリシズム」、
ほとんど完璧な演奏技術に支えられた、ぶれない、筋の通った「抒情精神」(567頁)。
「悪魔」とは、
センチメンタリズムを超えた深い抒情精神の美麗な精神の裏に避けがたく、
ひっそりと潜んでいる残忍な<デーモン>(574頁)
「真の美とは、根源にそのような危険な成り立ちを避けがたく抱えたものなのだ」(574頁)
避けがたい? ふーん、そうかなあ?
ナチスの残忍な将校が、侵略先でピアノを見つけ、
美しいクラッシックの曲を血にまみれた手で完璧に弾いて、その曲の美しさに涙した、
という昔話を思い出しました。
さて、村上さんは、
「<個人的に(傍点あり)>いちばん<思い入れ>のある人は?」(563頁)ときかれれば、
「スタン・ゲッツ」の名前をあげることになるそうです。
なのに、
「一人のジャズ・ファンとして、『僕はスタン・ゲッツがいちばん好きだ』とは手放しでは公言しにくいところがあった。とくに『革命の時代』『政治の季節』ともいうべき1960年代において」(565頁)は言いづらかったそうです。
いちばん思い入れがあるのに、いちばん好きだ、とは言いづらかった時代、季節とは?
「『革命の時代』『政治の季節』ともいうべき1960年代」
とても懐かしいが、過ぎてみたら、あれは一体なんだったんだろう?
夢のあとのような、意味のあるものが何も残らなかった、無意味な時代だったのか?
「スタン・ゲッツの人生を辿っていて、あらためてそう実感した」(574頁)
この分厚い訳本は、人生の意味を考えさせてくれました。耳に何かの余韻が残りました。
真の美とは? バット・ビューティフル ……
この本は、「ドナルド・L・マギンの書いたスタン・ゲッツの伝記」(571頁、「訳者あとがき」より)
こんな分厚い原本を村上さんが翻訳したのは、ものすごい力わざだったと思います。
どれだけの仕事量だったのでしょう。読者の想像を超えた仕事だったに違いありません。
スタン・ゲッツへの、訳者の村上さんの個人的思い入れのエネルギーの大きさを感じました。
スタン・ゲッツは、「類を見ない天才的なテナー・サキソフォン奏者」(564頁)
話はそれますが、本は読むだけのものではありません。
手で持って重さを感じ、指でページをめくって感触を確かめるものでもあります。
作家のこころを、文字を読む目だけからでなく、本を持つ手から指からも感じ取りたい。
この本の原作者は、ドナルド・L・マギン。村上春樹さんは、訳者。
原作者のことは、本書を読むまで全く知りませんでした。
この村上さんによる分厚い翻訳書を読んでいても、
村上さんのこなれた言葉で(つまり日本語で)書かれているので、
もともと原作者が英語で書いた文章であることは全く感じられませんでした。
原作者がアメリカ人であることをすっかり忘れたまま、本書を読み終わりました。
訳者の「村上春樹」という活字を見ただけで、
アレルギー性鼻炎のように異常反応して、周りが見えなくなってしまう読者です。
村上さんへの「思い入れ」がたたって瞬間的に目つぶし、思考停止になってしまうのです。
村上さんは、なぜこんな分厚い本を翻訳しようと思い立ったのでしょうか?
読者の疑問に、訳者の村上さんは、巻末の「訳者あとがき」で答えてくれています。
こういうていねいさ、読者に対する礼儀正しさ、サービスがありがたい魅力です。
村上さんの作品を「ほぼ全部」読んでしまった読者にとっては、
作品以外の、作家としての村上さんのすべてを知りたくなります。
村上さんの私生活、生い立ち、趣味、平気で嘘をつく癖の有無、
変な性癖、悪趣味、食べ物の好き嫌い、こっそり読んでいる本、
こっそり見ているインターネット、などなど、全てを知りたい。悪趣味な読者ですけど。
裏側から、背中からも、村上さんの人柄、素顔のようなものを知りたくなります。
そういえば、村上さんの背中を写した写真は見たことがないなあ。猫背? 見たいニャー。
村上さんの影らしきものは、『波の絵、波の話』の表紙カバーの写真で見ましたが、
なにしろ影なんで、誰の影か分かりませんでした。
村上さんの各作品を生み出した背景を知りたい。
何のへんてつもない、役に立たない背景から浮かび上がってくる、
作品の深い美しさを再認識して、作品をもっと深く味わいたいと思うからです。
巻末の「訳者あとがき」には、意味ありげなタイトル〈抒情と悪魔〉が付いています。
小説にでも付けるべき、重々しいタイトル〈抒情と悪魔〉です。
「抒情と悪魔。本書が我々に訴えかけているのは――僕が思うに――そういうことだろう」(574頁)
「抒情」とは、
スタン・ゲッツの音楽の神髄となっている「リリシズム」、
ほとんど完璧な演奏技術に支えられた、ぶれない、筋の通った「抒情精神」(567頁)。
「悪魔」とは、
センチメンタリズムを超えた深い抒情精神の美麗な精神の裏に避けがたく、
ひっそりと潜んでいる残忍な<デーモン>(574頁)
「真の美とは、根源にそのような危険な成り立ちを避けがたく抱えたものなのだ」(574頁)
避けがたい? ふーん、そうかなあ?
ナチスの残忍な将校が、侵略先でピアノを見つけ、
美しいクラッシックの曲を血にまみれた手で完璧に弾いて、その曲の美しさに涙した、
という昔話を思い出しました。
さて、村上さんは、
「<個人的に(傍点あり)>いちばん<思い入れ>のある人は?」(563頁)ときかれれば、
「スタン・ゲッツ」の名前をあげることになるそうです。
なのに、
「一人のジャズ・ファンとして、『僕はスタン・ゲッツがいちばん好きだ』とは手放しでは公言しにくいところがあった。とくに『革命の時代』『政治の季節』ともいうべき1960年代において」(565頁)は言いづらかったそうです。
いちばん思い入れがあるのに、いちばん好きだ、とは言いづらかった時代、季節とは?
「『革命の時代』『政治の季節』ともいうべき1960年代」
とても懐かしいが、過ぎてみたら、あれは一体なんだったんだろう?
夢のあとのような、意味のあるものが何も残らなかった、無意味な時代だったのか?
「スタン・ゲッツの人生を辿っていて、あらためてそう実感した」(574頁)
この分厚い訳本は、人生の意味を考えさせてくれました。耳に何かの余韻が残りました。
真の美とは? バット・ビューティフル ……
2020年10月6日に日本でレビュー済み
訳者村上春樹氏のあとがきに
”スタンゲッツはマイルスやコルトレーンやモンクといった「革命家」ではなかった”
とありますが、まさに自分は本書を読むまで「革命家」側の音楽を愛聴していました
しかし本書を読むうちにスタンゲッツの音楽に目覚め、その魅力を知りました
この伝記は、スタンゲッツの音楽を聴き、愛する上で非常に重要な役割を果たしてくれています
存分に記されている私生活における乱脈は、その魅力的な音楽のための犠牲であり代償だったのだと思います
世の中の汚点や羞恥ばかり目についてしまうほどの繊細さと完璧主義
そのストレスからくる薬物・アルコール依存・暴力
それら負の要素と真に対極として存在する、美しい音楽
訳者氏はその相関を”叙情と悪魔”という関係性に見立て、その魔性について「永遠のデーモン」と表現しています
本書で描かれているそれは、おそらく現代においても深く強烈に響く普遍的なメッセージなのではないでしょうか
スタンゲッツの音楽を、その美しい音色を、これから大事に聴いていこうと思います
”スタンゲッツはマイルスやコルトレーンやモンクといった「革命家」ではなかった”
とありますが、まさに自分は本書を読むまで「革命家」側の音楽を愛聴していました
しかし本書を読むうちにスタンゲッツの音楽に目覚め、その魅力を知りました
この伝記は、スタンゲッツの音楽を聴き、愛する上で非常に重要な役割を果たしてくれています
存分に記されている私生活における乱脈は、その魅力的な音楽のための犠牲であり代償だったのだと思います
世の中の汚点や羞恥ばかり目についてしまうほどの繊細さと完璧主義
そのストレスからくる薬物・アルコール依存・暴力
それら負の要素と真に対極として存在する、美しい音楽
訳者氏はその相関を”叙情と悪魔”という関係性に見立て、その魔性について「永遠のデーモン」と表現しています
本書で描かれているそれは、おそらく現代においても深く強烈に響く普遍的なメッセージなのではないでしょうか
スタンゲッツの音楽を、その美しい音色を、これから大事に聴いていこうと思います
2019年10月4日に日本でレビュー済み
日本で手に入るゲッツ音源は、見つければすべて入手し、この本で触れている演奏は多分すべてきいたことがあり、かつて奏法も研究したものとして、読後の印象を一言でいえば「アルコールが入ると手が付けられないほど暴れる真の天才サックス奏者が、長年知らずに、妻に、酒を飲むと死ぬほど気分が悪くなる薬を入れられ、最後に裁判で勝つ」という話でした。
忘れました。星一つ少ないのは、ディスコグラフィーなり、ゲッツ初心者への手引的なものが無いためです。
忘れました。星一つ少ないのは、ディスコグラフィーなり、ゲッツ初心者への手引的なものが無いためです。
2022年3月1日に日本でレビュー済み
今日は2022年3月1日 どうしても書きたくなりました。ゲッツが生きていたら今をどう感じたでしょうか?
この本はちょっと最初は麻薬とアルコールで辛いですが、傍らにジャズ批評NO.119「スタン・ゲッツ」を置き、参考書にしながら、読み進み、できれば、CD、LPを聴き、ゲッツとの時間を共有すれば、ゲッツの非凡さを楽しめます。これぞ、ジャズの楽しみ方の極致です。特にバックミュージシャンの選択が素晴らしく、
私もそうですが、マイルス、コルトレーン、ビル・エバンスを中心に聴いてきた人達にも最高の楽しみを提供してくれます。村上さんありがとうございました。
ウクライナに平和を。
この本はちょっと最初は麻薬とアルコールで辛いですが、傍らにジャズ批評NO.119「スタン・ゲッツ」を置き、参考書にしながら、読み進み、できれば、CD、LPを聴き、ゲッツとの時間を共有すれば、ゲッツの非凡さを楽しめます。これぞ、ジャズの楽しみ方の極致です。特にバックミュージシャンの選択が素晴らしく、
私もそうですが、マイルス、コルトレーン、ビル・エバンスを中心に聴いてきた人達にも最高の楽しみを提供してくれます。村上さんありがとうございました。
ウクライナに平和を。