高田文夫先生がラジオでこの本を紹介していたのが読むきっかけでした。
キックボクシング→知っている。沢村忠→聞いたことがある。野口修→聞いたことがない。
という程度の知識の中、修氏の父親の進氏まで遡ってはじまるこの本を読み始めました。戦後のどさくさ混沌期は、個人的には興味がありますが、政治家の暗殺・暗殺未遂など重たい話が続き読むのが最初きつかったですが、読み進めているうちに止まらなくなる面白さでした。細田昌志さんの異常ともいえる執念の取材と筆の力でしょう。あんなに厚い本なのに滅多に読まない筆者あとがきまで読みました。取材開始から1年で発刊の予定にしていたのに10年かかたったとのことです。野口修氏、沢村忠氏も凄いですが、細田氏も凄いですね。
これだけ読み応え十分の本なのに一番驚いたのが修氏と内縁関係にあったのが、某有名作詞家・作家であったという記述でした。なんか自分にガッカリしました。
56年間特に悪いこともせず生きてきた自分にはあまり好きな言葉ではありませんが、不良が文化を作る的な言葉は本当だなと妙に納得してしまいました。
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沢村忠に真空を飛ばせた男: 昭和のプロモーター・野口修 評伝 単行本 – 2020/10/29
細田 昌志
(著)
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第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」受賞!
取材・執筆に10年!「水道橋博士のメルマ旬報」連載で話題を呼んだ、本格ノンフィクション超大作が待望の書籍化!!「キックボクシング」を命名・創設し、沢村忠というスーパースターに加え、歌手の五木ひろしを世に送り出した伝説のプロモーター・野口修の生涯を描く。
日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける野口修。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現とキックボクシングの創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなる。さらに、当時は別名で活動していた五木ひろしをヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制する――数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、野口修のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描く。圧巻の上下2段組、560ページの超大作!!
目次
序章 日本初の格闘技プロモーター
第一章 最高最大の豪傑ボクサー
第二章 若槻礼次郎暗殺未遂事件
第三章 別れのブルース
第四章 新居浜
第五章 日本ボクシング使節団
第六章 幻の「パスカル・ペレス対三迫仁志」
第七章 プロモーター・野口修
第八章 散るべきときに散らざれば
第九章 死闘「ポーン・キングピッチ対野口恭」
第十章 弟
第十一章 佐郷屋留雄の戦後
第十二章 空手家・山田辰雄
第十三章 タイ式ボクシング対大山道場
第十四章 大山倍達との袂別
第十五章 日本初のキックボクシング興行
第十六章 沢村忠の真剣勝負
第十七章 真空飛び膝蹴り
第十八章 八百長
第十九章 山口洋子との出会い
第二十章 よこはま・たそがれ
第二十一章 野口ジム事件
第二十二章 一九七三年の賞レース
第二十三章 ラストマッチ
第二十四章 夢よもういちど
第二十五章 崩壊
終 章 うそ
取材・執筆に10年!「水道橋博士のメルマ旬報」連載で話題を呼んだ、本格ノンフィクション超大作が待望の書籍化!!「キックボクシング」を命名・創設し、沢村忠というスーパースターに加え、歌手の五木ひろしを世に送り出した伝説のプロモーター・野口修の生涯を描く。
日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける野口修。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現とキックボクシングの創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなる。さらに、当時は別名で活動していた五木ひろしをヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制する――数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、野口修のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描く。圧巻の上下2段組、560ページの超大作!!
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序章 日本初の格闘技プロモーター
第一章 最高最大の豪傑ボクサー
第二章 若槻礼次郎暗殺未遂事件
第三章 別れのブルース
第四章 新居浜
第五章 日本ボクシング使節団
第六章 幻の「パスカル・ペレス対三迫仁志」
第七章 プロモーター・野口修
第八章 散るべきときに散らざれば
第九章 死闘「ポーン・キングピッチ対野口恭」
第十章 弟
第十一章 佐郷屋留雄の戦後
第十二章 空手家・山田辰雄
第十三章 タイ式ボクシング対大山道場
第十四章 大山倍達との袂別
第十五章 日本初のキックボクシング興行
第十六章 沢村忠の真剣勝負
第十七章 真空飛び膝蹴り
第十八章 八百長
第十九章 山口洋子との出会い
第二十章 よこはま・たそがれ
第二十一章 野口ジム事件
第二十二章 一九七三年の賞レース
第二十三章 ラストマッチ
第二十四章 夢よもういちど
第二十五章 崩壊
終 章 うそ
- 本の長さ560ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2020/10/29
- 寸法14.3 x 3.5 x 19.7 cm
- ISBN-104103536713
- ISBN-13978-4103536710
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商品の説明
著者について
1971年生まれ。CS・サムライTVの格闘技番組のキャスターをへて放送作家に転身。いくつかのTV、ラジオを担当し、雑誌やWebにも寄稿。著書に『坂本龍馬はいなかった』(彩図社・2012年)『ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか』(イースト新書・2017年)。メールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」(博報堂ケトル)同人。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2020/10/29)
- 発売日 : 2020/10/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 560ページ
- ISBN-10 : 4103536713
- ISBN-13 : 978-4103536710
- 寸法 : 14.3 x 3.5 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 295,586位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 47,330位ノンフィクション (本)
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2024年1月28日に日本でレビュー済み
2022年12月31日に日本でレビュー済み
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今でこそ全盛のK1や総合格闘技であるが、それを世界に先駈け、その礎を築いた男の話である。
主人公の野口修とその家族かメインに語られているがその物語を通して、数々の昭和の大スター、政治家、右翼、ヤクザとの持ちつ持たれつの、複雑な関係を過去を紐解きながら物語が進んでいきます。
主人公の野口修とその家族かメインに語られているがその物語を通して、数々の昭和の大スター、政治家、右翼、ヤクザとの持ちつ持たれつの、複雑な関係を過去を紐解きながら物語が進んでいきます。
2021年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沢村忠の裏話は色々他のゴシップネタで、ある程度見て知ってましたが、今回の著者の取材に基づいた内容であるから、真実性が高いと感じました。
昭和の時代はなんでもありと言った良き時代での出来事でしょうが、個人的には幼い頃沢村忠の真空跳び膝蹴りに夢中になった一人です。
やはり奢れるもの久しからずでどの時代でもいつか消えて行くのが世の常だと懐かしくも、寂しい感じがしました。
内容的には良いものと感じました。
昭和の時代はなんでもありと言った良き時代での出来事でしょうが、個人的には幼い頃沢村忠の真空跳び膝蹴りに夢中になった一人です。
やはり奢れるもの久しからずでどの時代でもいつか消えて行くのが世の常だと懐かしくも、寂しい感じがしました。
内容的には良いものと感じました。
2022年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やっと読了。凄い本でした。希代のプロモーターであった野口修氏の半生を描いたノンフィクションである本書は、格闘技ファンのみならず、エンタメに係わるヒトにもお勧めしたいです。沢村忠さんの映像や記録を見るにつけて、持ち続けていた疑問や思いがやっと晴れました。 「計画的偶発性理論」では有りませんが、時代や人に左右されながら(梯子を外されながら?)も、思いを形にしていく姿に驚きの連続でした。が、利他心の欠片も見られない所が、業が深いというか、理解不能な所でした。
2021年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボクシングなど昭和の格闘技とその興行の話は、「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也、「ボクシングと大東亜」乗松優、「黄金のバンタムを破った男」百田尚樹などで、一部は知っていたが、本書では、昭和初期の拳闘の幕開きから関与し、戦後、野口ジムを起こして三迫仁志など優れた選手を育て、海外選手とのマッチメイクを成功させ、傘下に三迫ジム、協栄ジムを抱えてボクシング界を繁栄に導き、さらに、新たな格闘技としてキックボクシングを創始し、沢村というスターを生み出し、一世を風靡した話など、野口修とその父・進の波乱万丈の活躍が語られる。様々な情報、裏話が満載で、深く堪能した。
いずれにしても興味深いのは、拳闘など格闘技の競技者とその興行は「生成期から」右翼思想団体や侠客と骨がらみで一体化していたこと。野口修の父・進や関係者は、戦前の要人暗殺に関わり(野口進は拳闘チャンピオンにして若槻礼次郎暗殺未遂犯)、戦時中は上海の児玉誉志夫機関に加わり、戦後当初は、労働争議を暴力的に鎮圧することを業としていたわけだ。また、興行は、地元のやくざ侠客が仕切るのが通例で、自らもそういう家や集団であることが必須なのだ。今までのこの種の噂は書かれていたが、詳細に語られてすっきりした。
戦後、松山で争議鎮圧の仕事をしていた野口進は、ボクシングの才能のある三迫仁志を見出し、野口ジムを創設して本格的に日本ボクシング界に乗り込む。ここからの展開が面白い。上記の乗松本、百田本にも書かれているが、白井に次ぐ新たな世界チャンピオンを目指した、若く才能あるボクサーが多数生まれて、野口ジムも三迫や野口恭(修の弟)ほか選手に恵まれ、興行的にも大きな成功を収めるようになる。百田本にもあるような、当時の国内のボクシング人気など、活況の様子が面白い。東洋タイトル戦や世界戦の興行のマッチングのため、野口修はタイなどアジアを訪れ、のちのキックボクシングの展開のきっかけをつくっていく。フィリピン訪問での東洋タイトル戦の話は、乗松本にもあったように右翼人脈が取り仕切る政治的なもので、野口親子も大きな役割を果たしている。
ボクシングの話は、野口ジム傘下の三迫ジム(輪島公一ほか)、協栄ジム(具志堅用高ほか、金平会長のキャラが本書でも面白い)の大躍進、野口恭の日本チャンピオン獲得と父・進の死去(恭の勝利で、止められていた酒を鯨飲)で、本書の前半が終わる。後半では、いよいよ修によるキックボクシング興行の「創造」の話が展開される。最初、大山増達の極真会館が参入する方向で進んでいたのが面白い。極真のメンバーを引き連れてのタイ遠征での中村忠や黒崎らの活躍の話に興奮した。大山増達自身が極真の興行的な展開を企図していたので極真とは物別れに終わるが、沢村忠を見出して本格的なテレビ中継を実現する(石川アナ、懐かしいな)。キックボクシングは全国的な人気を獲得し、一時代を築く様が詳細に記述される。
沢村忠をめぐる話は、野口修も異様に口が重い。本人が引退後あまり世に出てこない点などを見ても、多くの試合に、プロレス並みの筋書きがあったことがわかる。この点で、沢村を守る野口氏の姿勢は立派だと思う。対戦したタイ人たちも一様に沢村の実力を認め、人柄を讃えており、まじめに精進していた沢村は立派だと思った。キックボクシング興行で興味深いのは、野口修が独占せずに、各種団体や興行の乱立を許したこと。そこには、やはり、戦前からの興行界の付き合いや歴史が絡んでいて、のちにキョードー東京になる興行団体が児玉誉士夫を通じて、興行権の移譲を迫った話には驚かされた(そういう団体だったのか)。
本書では、その後、野口プロが山口洋子の縁から芸能事務所も始めて、五木ひろしのレコード大賞で天下を取る話が語られる。絶頂を極めたのち、バブル崩壊も相まって、やがて野口の事業も傾いていき、大団円を迎える。最後の方は、あまり詳しい事情は語れらないが、それも仕方なかろう。いずれにしても、野口家二代の拳闘・格闘技・興行・芸能の、極めて稀な、波乱万丈の大活躍の話は、昭和の歴史の一つの鮮やかな側面として、貴重な記録であり、価値ある本だと思った。
いずれにしても興味深いのは、拳闘など格闘技の競技者とその興行は「生成期から」右翼思想団体や侠客と骨がらみで一体化していたこと。野口修の父・進や関係者は、戦前の要人暗殺に関わり(野口進は拳闘チャンピオンにして若槻礼次郎暗殺未遂犯)、戦時中は上海の児玉誉志夫機関に加わり、戦後当初は、労働争議を暴力的に鎮圧することを業としていたわけだ。また、興行は、地元のやくざ侠客が仕切るのが通例で、自らもそういう家や集団であることが必須なのだ。今までのこの種の噂は書かれていたが、詳細に語られてすっきりした。
戦後、松山で争議鎮圧の仕事をしていた野口進は、ボクシングの才能のある三迫仁志を見出し、野口ジムを創設して本格的に日本ボクシング界に乗り込む。ここからの展開が面白い。上記の乗松本、百田本にも書かれているが、白井に次ぐ新たな世界チャンピオンを目指した、若く才能あるボクサーが多数生まれて、野口ジムも三迫や野口恭(修の弟)ほか選手に恵まれ、興行的にも大きな成功を収めるようになる。百田本にもあるような、当時の国内のボクシング人気など、活況の様子が面白い。東洋タイトル戦や世界戦の興行のマッチングのため、野口修はタイなどアジアを訪れ、のちのキックボクシングの展開のきっかけをつくっていく。フィリピン訪問での東洋タイトル戦の話は、乗松本にもあったように右翼人脈が取り仕切る政治的なもので、野口親子も大きな役割を果たしている。
ボクシングの話は、野口ジム傘下の三迫ジム(輪島公一ほか)、協栄ジム(具志堅用高ほか、金平会長のキャラが本書でも面白い)の大躍進、野口恭の日本チャンピオン獲得と父・進の死去(恭の勝利で、止められていた酒を鯨飲)で、本書の前半が終わる。後半では、いよいよ修によるキックボクシング興行の「創造」の話が展開される。最初、大山増達の極真会館が参入する方向で進んでいたのが面白い。極真のメンバーを引き連れてのタイ遠征での中村忠や黒崎らの活躍の話に興奮した。大山増達自身が極真の興行的な展開を企図していたので極真とは物別れに終わるが、沢村忠を見出して本格的なテレビ中継を実現する(石川アナ、懐かしいな)。キックボクシングは全国的な人気を獲得し、一時代を築く様が詳細に記述される。
沢村忠をめぐる話は、野口修も異様に口が重い。本人が引退後あまり世に出てこない点などを見ても、多くの試合に、プロレス並みの筋書きがあったことがわかる。この点で、沢村を守る野口氏の姿勢は立派だと思う。対戦したタイ人たちも一様に沢村の実力を認め、人柄を讃えており、まじめに精進していた沢村は立派だと思った。キックボクシング興行で興味深いのは、野口修が独占せずに、各種団体や興行の乱立を許したこと。そこには、やはり、戦前からの興行界の付き合いや歴史が絡んでいて、のちにキョードー東京になる興行団体が児玉誉士夫を通じて、興行権の移譲を迫った話には驚かされた(そういう団体だったのか)。
本書では、その後、野口プロが山口洋子の縁から芸能事務所も始めて、五木ひろしのレコード大賞で天下を取る話が語られる。絶頂を極めたのち、バブル崩壊も相まって、やがて野口の事業も傾いていき、大団円を迎える。最後の方は、あまり詳しい事情は語れらないが、それも仕方なかろう。いずれにしても、野口家二代の拳闘・格闘技・興行・芸能の、極めて稀な、波乱万丈の大活躍の話は、昭和の歴史の一つの鮮やかな側面として、貴重な記録であり、価値ある本だと思った。
2021年1月11日に日本でレビュー済み
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沢村がタイ人選手に勝ち続けるのはおかしいと思っていた。興業に筋書きは当たり前なのだろうが「真剣勝負」と思っていた人は少なくないだろう。 子供達や漫画、アニメの読者は皆そう思ったのではないか。
しかし、梶原一騎まで真剣勝負と誤認したのは本当だろうか? 彼ならその筋の人間とも付き合いがありこれが八百長であると分かっていただろう。本文中のこの一説はどうも首肯できない。
大山空手のタイへの遠征を野口がプロモートしたとの事実も初めて知った。その後の大山との関わりや黒崎、中村などのその後、極真の現在へとつながる大山の強欲などが知れて面白かった。
ただ、沢村はテレビのインタビューに出ている。60歳過ぎての活動も紹介されていた。どうして著者のみインタビューを断ったのだろう。本当に娘のためにテレビに出ただけなのだろうか?
これを読まれた方は併せてYouTubeでの沢村の試合やインタビュー、さらには八百長崩れで力道山が木村を滅多打ちにした因縁の試合も見られたい。沢村が空手着でKOされる映像もある。
しかし、梶原一騎まで真剣勝負と誤認したのは本当だろうか? 彼ならその筋の人間とも付き合いがありこれが八百長であると分かっていただろう。本文中のこの一説はどうも首肯できない。
大山空手のタイへの遠征を野口がプロモートしたとの事実も初めて知った。その後の大山との関わりや黒崎、中村などのその後、極真の現在へとつながる大山の強欲などが知れて面白かった。
ただ、沢村はテレビのインタビューに出ている。60歳過ぎての活動も紹介されていた。どうして著者のみインタビューを断ったのだろう。本当に娘のためにテレビに出ただけなのだろうか?
これを読まれた方は併せてYouTubeでの沢村の試合やインタビュー、さらには八百長崩れで力道山が木村を滅多打ちにした因縁の試合も見られたい。沢村が空手着でKOされる映像もある。
2021年2月27日に日本でレビュー済み
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格闘技好きな方は必ず読んだ方がいい名著です。
感想としては、よくこれだけの力作を書いたなというのが1番の感想です。
これだけの人物がなんの記録にも残らずいたんだなというのも感慨深いです。
格闘技だけではなく、素晴らしい人間考察をした名著だと思います。
大山倍達、黒崎先生と人物の新しい側面がかいま見られます。
感想としては、よくこれだけの力作を書いたなというのが1番の感想です。
これだけの人物がなんの記録にも残らずいたんだなというのも感慨深いです。
格闘技だけではなく、素晴らしい人間考察をした名著だと思います。
大山倍達、黒崎先生と人物の新しい側面がかいま見られます。
2021年4月18日に日本でレビュー済み
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私も興行の世界で生きて来ましたので、知っている方々が出ていらしたのですが、初めて知ることもあり、繋がりました。