本書は、福岡県北九州市の公立小学校教諭として30年以上のご経験を
お持ちの著者が、ご自身の教育哲学や教育理念や教育実践をまとめ、
飾り気なく、自然体で提示したものである。
言葉を重視しながらクラスをまとめていく著者の教育哲学は、教員生
活9年目で経験した児童たちの教室での自己紹介の様子に端を発して
いるという。人前でうまく自分を表現できない、自分を安心して表現
できるほど子ども同士での人間関係が構築されていない、自己表現を
する訓練や経験が少ない、ゆえに自分にも自信がない…。こういった
問題に直面し、教育手法を考える契機になったという。
著者は、こういった現状に対して、児童の良いところを次々とほめる
ことで、自信と安心を与える「ほめ言葉のシャワー」、自分の成長を
書くことで意識化させ、自分と向き合わせる「成長ノート」、自己表
現能力をきたえる「ディベート」。長年の教職経験の中で作り上げて
きたこういった教育手法については、NHKのテレビ番組「プロフェッ
ショナル」でも特集されたことから、すでにご存知の方も多いかも
しれない。
また、現在は、メールやインターネットへの依存などから、中高生の
コミュニケーション能力の低下が大きな教育問題の一つになっている
ことを考えると、こういった言葉を重視した教育への先見性にも敬意
を感じる。
筆致は非常にカジュアルなものであり、まえがきでも書かれていた
ように、教育現場の様子を、美化せずにありのまま伝えたいという
著者の信念が伝わってくる本である。
なお、本書の構成は、著者の20年以上前の教え子が担当しており、
最後の第5章は2人の対談になっている。

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学級崩壊立て直し請負人: 大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命 単行本 – 2013/6/28
いま小学校が危ない! “スゴ腕”教師のメソッドとは? 北九州の地で、荒れた学級を次々と再建。講演や勉強会にも引っ張りだこの“日本一忙しい小学校教師”の実像に、26年前の教え子が迫りました。「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」等、独自のコミュニケーション教育法から、ご両親への子育て提言まで。いじめも学級崩壊も駆逐する、教育現場の“戦い”の最前線からの声――。
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2013/6/28
- ISBN-104103343613
- ISBN-13978-4103343615
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2013/6/28)
- 発売日 : 2013/6/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 189ページ
- ISBN-10 : 4103343613
- ISBN-13 : 978-4103343615
- Amazon 売れ筋ランキング: - 277,141位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
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2020年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
特に感想なしです
2022年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
依存しないでいろんな先生の本を読んでみて改めて、菊池先生の良さもわかってくる。
2014年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1月から3月にかけて、悩んでいる担任が読むのに適しています。
2013年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良い本ですが、少し理論の記載が多いように感じます。学級崩壊したクラスの実態と、それに対する実践、結果という具体的事例よりも、学級崩壊という現象に対する理論が主になっています。より具体的事例を中心に記載された「ことばのシャワー」の奇跡と比べたとき、そう感じました。
2013年8月26日に日本でレビュー済み
この本の著者は、北九州の小学校で長く学級崩壊の教室を立て直してきた先生です。
私はこれまで知りませんでしたが、NHKの番組「プロフェッショナル」や民放のニュース番組で取り上げられている有名な人のようです。
本書を読み始めたとき、私は「ほめ言葉のシャワー」などの言葉が出てくることから、「コーチングの手法を取り入れた教育方法かな?」と思い、「それなら、けっこうありふれた手法」と思っていましたが、読み進めるうちに、「なるほど!」と思わせる部分がとても多く、「(学校とは関係のない)自分の職場運営のヒントになる」と思いました。
それは単なる小手先の技法ではなく、一本筋の通った著者の人生観が感じられるからです。
たとえば、昨今は軽視されがちな「してはいけないことは、してはならない」という理屈以前の姿勢を、著者は重視しています。単に、「その子の個性にまかせて放任すればよい」というような安易な風潮に流されず、子どもを成長させて社会性を持たせようとする、一本筋の通った姿勢があります。
また、定年まであと6年となった著者ですが、これまでの自分に安住せず、今でも日々の生活の中で新しいものを吸収しようとしている姿勢は尊敬に値すると思います。
約190ページの短い本ですが、けっこう内容は深いものがあるように思います。一読の価値のある本と思います。
私はこれまで知りませんでしたが、NHKの番組「プロフェッショナル」や民放のニュース番組で取り上げられている有名な人のようです。
本書を読み始めたとき、私は「ほめ言葉のシャワー」などの言葉が出てくることから、「コーチングの手法を取り入れた教育方法かな?」と思い、「それなら、けっこうありふれた手法」と思っていましたが、読み進めるうちに、「なるほど!」と思わせる部分がとても多く、「(学校とは関係のない)自分の職場運営のヒントになる」と思いました。
それは単なる小手先の技法ではなく、一本筋の通った著者の人生観が感じられるからです。
たとえば、昨今は軽視されがちな「してはいけないことは、してはならない」という理屈以前の姿勢を、著者は重視しています。単に、「その子の個性にまかせて放任すればよい」というような安易な風潮に流されず、子どもを成長させて社会性を持たせようとする、一本筋の通った姿勢があります。
また、定年まであと6年となった著者ですが、これまでの自分に安住せず、今でも日々の生活の中で新しいものを吸収しようとしている姿勢は尊敬に値すると思います。
約190ページの短い本ですが、けっこう内容は深いものがあるように思います。一読の価値のある本と思います。
2013年7月24日に日本でレビュー済み
小学校の教師です。
教育に関して様々な本が書店に並んでいますが、最も的確に現在の教育の置かれている状況を述べているのはないかと思います。
教員生活の長い菊池教諭は、学級崩壊したクラスを長年担当し、立て直してきた。
「教室は社会の縮図である」ということから、今の子どもたちを通して、私たちの社会へ警鐘を鳴らしているようにも感じる。
現場で戦ってきた教師の言葉には重たいものがある。教育について興味のある人は、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
教育に関して様々な本が書店に並んでいますが、最も的確に現在の教育の置かれている状況を述べているのはないかと思います。
教員生活の長い菊池教諭は、学級崩壊したクラスを長年担当し、立て直してきた。
「教室は社会の縮図である」ということから、今の子どもたちを通して、私たちの社会へ警鐘を鳴らしているようにも感じる。
現場で戦ってきた教師の言葉には重たいものがある。教育について興味のある人は、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
2013年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
菊池先生の実践がとても刺激になりました。
元気の出る本だったと思います。
元気の出る本だったと思います。