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虹の谷のアン 赤毛のアン・シリーズ 9 (新潮文庫) 文庫 – 2008/4/24

4.4 5つ星のうち4.4 142個の評価


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そして、舞台はアンの子供たちの時代へと移っていく。
アンにつながりを持った人たちの物語。アン・シリーズ第9作。


ウォルターが「虹の谷」と名づけた楓林の向こうの小さな谷には、いつもやさしい風が吹き、ブライス家の子供たちの夕方の遊び場所になっていた。母親を失くし、父も夢想家で、かまってくれる人のいない牧師館の子供たちも、しばしばここを訪れた。古い納屋の乾草の上から哀れな姿で発見された孤児メアリーも、この仲間に加わった。
アンの子供たちの毎日を描く、アン・ブックス第九巻。

本文より
アンは家の前の段々に腰をおろし、両手を膝の上で組んでいた。夕暮れ時のぼんやりとした光に包まれて、アンは何人もの子供の母親とは見えないくらい娘らしく、美しい灰色の目には昔ながらの夢みるような表情をたたえて港街道を見おろしていた。アンの背後のハンモックには、六つになる、まるまると肥えたリラ・ブライスがぴったり目をつむって眠っていた。髪は赤い巻毛で、今は固く閉じて眠っているので、おかしな皺のようになっている目は、はしばみ色だった。(第一章「帰郷」)

ルーシー・モード・モンゴメリ Montgomery, Lucy Maud(1874-1942)
カナダ、プリンス・エドワード島生れ。1歳9カ月で母と死別、祖父母に育てられ教師になったが、30歳で書き始めた『赤毛のアン』のシリーズが熱狂的な人気を呼んだ。美しい島の自然を背景に、アン・シリーズのほか、より自伝的なエミリーのシリーズなどの小説、詩集、日記を残し、国内外で多数の読者の心を捉えた。

村岡花子(1893-1968)
山梨県生れ。東洋英和女学院高等科卒。モンゴメリの作品のほか、『王子と乞食』(M・トゥェイン)『母の肖像』(P・バック)『少女パレアナ』(E・ポーター)などの翻訳が高く評価されている。子どもニュース番組の「ラジオのおばさん」としても親しまれた。


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【新潮文庫】ルーシー・モード・モンゴメリ 「勇気を持って生きなさい。世の中は愛でいっぱいだ」。父の遺した言葉を胸に、作家になることを夢みて生きる、みなしごエミリー。 ニュー・ムーン農場の美しい自然と愛すべき人々にとりまかれて、苦心の創作をせっせと雑誌社へ送るエミリー。シリーズの第二部。 エミリーはひたすら創作に没頭するが、心にはいつも何かを求めてやまないものがあった。愛と真実の生きかたを追う、シリーズ完結編。
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【新潮文庫】「赤毛のアン」シリーズ 大きな眼にソバカスだらけの顔、おしゃべりが大好きな赤毛のアンが、夢のように美しいグリン・ゲイブルスで過した少女時代の物語。 小学校の新任教師として忙しい16歳の秋から物語は始まり、少女からおとなの女性へと成長していくアンの多感な日々が展開される。 楽しい学窓の日々にも、激しく苦しく心が揺れる夜もあった──あこがれの大学で学ぶアンが真の愛情に目ざめていく過程を映し出す。 十五年も恋人のもとに通いながら、求婚の言葉を口にできないルドヴィックなど、アンをめぐる素朴な人々が主人公の心暖まる作品。 サマーサイド高校校長として赴任したアンを迎える人々の敵意──生来のユーモアと忍耐で苦境をのりこえていく個性豊かな姿を描く。 アンとギルバートは海辺の「夢の家」で甘い新婚生活を送る。ユニークな隣人に囲まれた幸せな二人に、やがて二世も誕生するが……。
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炉辺荘のアン【赤毛のアン・シリーズ7】 アンをめぐる人々【赤毛のアン・シリーズ8】 虹の谷のアン【赤毛のアン・シリーズ9】 アンの娘リラ【赤毛のアン・シリーズ10】 アンの想い出の日々〔上〕【赤毛のアン・シリーズ11】 アンの想い出の日々〔下〕【赤毛のアン・シリーズ11】
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医師の夫ギルバートを助け、六人の子供を育て、友達を迎えるアンの多忙な日々。だが、愛に生きることはなんと素晴しいものだろう。 シンシア叔母の猫はどこ?シャーロットの昔の崇拝者とは?一見平穏なアヴォンリーに起る様々な事件を愛とユーモアで紹介する。 “虹の谷”に遊ぶ子供の純な夢や願いは、角つき合わす大人どもには天使の声となって響いた……。自然と人情の美しさに満ちた珠玉編。 大戦が勃発し、成長した息子たちも娘の恋人たちも次々に出征した。愛する者に去られた悲しみに耐える、母親アンと末娘リラの姿。 モンゴメリの遺作、新原稿を含む完全版が待望の邦訳。人生の光と影を深い洞察で見つめた、「アン・シ リーズ」感動の最終巻。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2008/4/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/4/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 456ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102113495
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102113493
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 142個の評価

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ルーシー・モンゴメリー
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上位レビュー、対象国: 日本

2014年12月4日に日本でレビュー済み
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日本人にはちょっと想像できかねる様子は、北海道の風景にも思えるが、確実に異なるのであろう。。。永住したいくにの一つである。
人物の描写もカナダの国柄がほのみえて秀逸である。米国に追随することしかしない日本の政治家に読ませたい。。。シリーズ全巻😁
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年6月24日に日本でレビュー済み
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 それまで手元にあった新潮文庫版(昭和63年54刷)は全29章、ページ数は解説も含めて全204ページしかなく、現在の半分程度の分量しかありませんでした。
 21世紀に入って新しく訂補された部分があることを知り、急遽購入。赤い背表紙は今も変わりませんが、本の厚さが倍になっていてびっくりしました。
 旧版では省略されていた(翻訳されなかった?)部分は、主に枝葉の部分やメレディス家の子供たちに関する部分で、本筋的にはあまり変わるところがありませんが、旧版に比べてメレディス家の子供たちがより活躍している印象があります。タイトルこそ『虹の谷のアン』ですが、物語の中でアン自身は終始傍観者的な態度でいるので、『炉辺荘』からの流れで読もうとすると少しがっかりするかもしれません。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が子供の昔に読んだものは改訂により話の一部が削除されていたこともあり、10巻の中でも一番駄作と思っていましたが、電子版ではその部分が記載されているため、駄作ではなく削除されていたせいであったことがわかりました。また私自身も随分大人になったため内容が理解できるようになったのもあると思いますが、当時思っていたよりも良い作品でした。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔読んでいたアンシリーズが途中だったので1から読み返してみて、今読み返しても感動する作品なので買い揃えるために購入。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルは『虹の谷のアン』ですが、話の内容はもはやアン中心ではなく、
アンの子供たちと牧師館の子供たちが主人公なので、
アン自身が好きな人にとっては少し寂しいかもしれません。

ですが、それでももちろん最高に面白いです!
ユーモアと豊富な表現に溢れた文体とそれを日本語にする村岡さんの抜群の翻訳センス、
それに、アンの出番は少なくとも子供たちが母親のアンを崇拝しきっている様子は判りますし、
牧師館の子供たちもアンを『ブライス夫人』と慕っています。
アンは本当にすべての人に愛されている…と感動します。

思わず笑ってしまったり、じんわりと温かい涙が滲んだり…
相も変わらず読者を飽きさせず、惹きつけてやまない素晴らしい作品です。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年8月25日に日本でレビュー済み
「見ると顔は涙でよごれ、唇はふるえていた。『小母さんだって泣くわ。もし、小母さんがみなし子で、これから自分の住む家になるのだと思うところへきてみたら、男の子じゃないからいらないのだってことがわかったら、きっと泣くことよ。ああ、こんな悲劇的なめにあったことないわ』」――孤児院のアンがもらわれていった先で、年老いた兄妹、マシュウとマリラがほしかったのは農作業を手伝ってくれる男の子だったこと、自分が連れてこられたのは手違いだったことを知らされたとき、アンはテーブルに突っ伏したまま、激しく泣きじゃくった。

翌日、二人乗りの馬車でアンを孤児院に戻しにいくマリラに――「『ねえ、あたし、このドライブを大いに楽しむことに決心しました』とアンはうちあけた。『楽しもうとかたく決心さえすればたいていいつでも楽しくできるのが、あたしのたちなんです。もちろん、かたく決心しなくちゃだめよ。せっかく、ドライブしている間は、孤児院へ帰ることは考えないで、ただドライブのことだけ考えようと思うの。あら、早咲きの小さなばらが一輪咲いているわ。美しいこと』」。

『赤毛のアン』(ルーシー・モード・モンゴメリ著、村岡花子訳、新潮文庫)を、ここまで読んだとき、決して幸せとは言えない境遇なのに、空想好きでおしゃまで溌剌としていて、自分の考えをしっかりと持っている健気で前向きな11歳のアン・シャーリーと、どうしても友達になりたいと思った。

アンは、カナダのプリンス・エドワード島の美しい自然に恵まれた村で、マシュウとマリラの愛情に包まれ、友情を大切にしながら、学校生活を楽しむ。さまざまな失敗を重ねながら、魅力的な少女に成長していく。続編の『アンの青春』では、少女から女性へと変身していくアンの多感な日々が展開される。続く『アンの愛情』はアンの大学生活と恋がテーマだ。次の『アンの幸福』ではアンの婚約時代が綴られ、アンは身近な女性から「『あたしはきょうはどんなうれしいことを発見するかしら?』――これがあなたの生活態度に思えるわ、アン」と羨ましがられる。さらに『アンの夢の家』ではアンの新婚生活が、『炉辺荘(イングルサイド)のアン』では6人の子育てに奮闘するアンが、『アンの娘リラ』では、第一次世界大戦で息子を失う母親アンの悲しみが描かれる。

この『虹の谷のアン』では、アンの子供たちの毎日が描かれている。

アンの物語は、単なる少女小説の域を越えて、一人の女性のビルドゥングスロマン(成長物語)たり得ている、そして、男女を問わず、悩み多き我々に慰めと癒やしを与えてくれる。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月24日に日本でレビュー済み
牧師館をめぐる話。
結婚式が二つ決まる。
マリラの時のような思いを繰り返さないようにするためだろうか。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年3月19日に日本でレビュー済み
アンシリーズは何十年も前から愛読しています。幾度も引っ越ししましたが、本棚にはいつもずらっと並ぶアンシリーズ。そしてその中できわだって薄い「虹の谷のアン」。いつも、どうしてこの作品だけこんなに短いのか不思議でした。
新しいバージョンになったとき驚いたのが、他の本と同じ厚さになっていること。気になって、気になって、さっそく読みました。
村岡花子さん、なぜだか知りませんが、アンリシーズのこの作品だけは、ものすごく抄訳してたのですね!アンが主人公じゃないから?いろいろな細かな美しい描写がぜんぶ古いものは省かれていたことに深いショックをうけます。特に、泉でローズマリーとメレディス牧師が出会うところなんて、本文はこんなにロマンティックだったんだ、と驚きました。アンシリーズのファンの方で、まだ未読の方がいらしたら、ぜひこの本を読んでください。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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