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八月の光 (新潮文庫) 文庫 – 1967/9/1

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人種偏見に異様な情熱をもやす米国南部社会に対して反逆し、殺人と凌辱の果てに逮捕され、惨殺された黒人混血児クリスマスの悲劇。
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  1. ISBN-10
    4102102019
  2. ISBN-13
    978-4102102015
  3. 版
    改
  4. 出版社
    新潮社
  5. 発売日
    1967/9/1
  6. 言語
    日本語
  7. 寸法
    14.8 x 10.5 x 2 cm
  8. 本の長さ
    664ページ
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【新潮文庫】ウィリアム・フォークナー　作品 人種偏見に異様な情熱をもやす米国南部社会に対して反逆し、殺人と凌辱の果てに逮捕され、惨殺された男ジョー・クリスマスの悲劇。 ミシシッピー州の町に展開する醜悪陰惨な場面──ドライブ中の事故から始まった、女子大生をめぐる異常な性的事件を描く問題作。 アメリカ南部の退廃した生活や暴力的犯罪の現実を、斬新な独特の手法で捉えたノーベル賞受賞作家フォークナーの代表作を収める。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1967/9/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1967/9/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 664ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102102019
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102102015
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 46個の評価

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上位レビュー、対象国： 日本

kurukuru
5つ星のうち5.0 良かった
2023年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
迅速に届きました。ありがとうございます。
役に立った
 レポート
安田宗弘
5つ星のうち3.0 普通
2013年1月19日に日本でレビュー済み
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時として、時間が前後するのはよいのですが、他の米文学、「怒りの葡萄」や「緋文字」のようにアメリカのその描かれた時代の匂いを嗅ぐには至りませんでした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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 レポート
キップ
5つ星のうち4.0 面白かった
2014年1月19日に日本でレビュー済み
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読書会で、声を出して読む会です。ようやく読み終えました。

黙読は読み終えていたのですが、数人で声を出して読むと、様々な人物がそれぞれに深い人生を語る作品内容がとても伝わりました。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
Acacia
5つ星のうち5.0 ”血”の本質を問う、フォークナーの力作。
2018年8月10日に日本でレビュー済み
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どんな小説にも言えることですが、この「八月の光」を面白く読めるかどうかは、登場人物や舞台となる土地（町）にどれだけ興味と愛情が持てるかということに尽きると思います。

「八月の光」は複雑な構造を持つ小説です。禁酒法時代におけるアメリカ南部の町ジェファーソンで起こる殺人事件と火事が一つの集約点となっており、その集約点を「現在」の軸として、ただならぬ過去を背負った登場人物たちと取り残された土地の凶暴性を孕んだ呪縛をリンクさせ、宗教を含めた「正しさの暴力」によって人間に取り返しのつかない強烈な影響を与えてしまう恐ろしさなど、フォークナー独特の手法を用いて立体的に描かれています。

健全で忍耐強い心の持ち主であるリーナや彼女の助けになりたいがために葛藤するバイロンには崇高さを感じますが、彼らはいわば世間に受け入れられる存在です。それに対して、そこにいるだけで人の感情を刺激するクリスマスや、凄まじい迷路のような頭脳を持つ牧師ハイタワーは世間から疎まれ孤立する存在であり、彼らの過去は迫力と緊張感を持って語られ、または町の人々の噂話や自身の回想という形で綿密に描かれています。

自分が白人か黒人か分からないというクリスマスの孤独と苦悩は宿命的ではありますが、たとえ彼の中に流れる血が白人であれ黒人であれ（あるいは両方でも）、クリスマスの血はクリスマスの血であること、そう理解していたに違いない女性バーデンは、その「個」としての彼を受容し、愛そうとしたのでしょう。しかしクリスマスの世の中に対する絶対的な不信感は、“汝を愛せ”というキリスト教の思想を完全に消滅させてしまっています。彼女の行いや言動に対する彼の極端な態度は、彼女の祈りを全力で否定しているように思え、抗うことの出来ない黒い血の強迫観念にクリスマス自身が徐々に身を委ねていったようにも感じます。彼が切望し求めていたものはもはや「愛」ではなく、人に放っておかれることで得られる「心の平穏」だけだったのではないでしょうか。
（ある章で、クリスマスが谷のそばにある樹に持たれて雑誌の小説を読み耽る場面があるのですが、孤独ながらもその瑞々しく静かな場面は印象的です）

この小説において、生まれてくる子供への確固たる愛と帰属性を信じている勇気ある女性リーナと、自分の曖昧な帰属性に苛まれる殺人犯のクリスマスとの対比という見方が定番なのかどうか分かりませんが、私個人は根無し草のように彷徨い続けるクリスマスと、ジェファーソンに留まり続けるハイタワー。という見方が自然でした。二人ともとても魅力的に描かれていると思います。

また舞台となっているジェファーソンという町は、さして豊かでもなく歪んだ見識と噂で成り立つ、ある意味で人間的な町です。クリスマスやハイタワーが異端なのか、それともこの町が異端なのか分からなくなりますが、世界のどこかに（あるいは日本のどこかにも）存在するような、そして現代にも置き換え可能な救いがたい難題の象徴と捉えることもできそうな気がします。

主題も明と暗とに別れ、なかなかやっかいで一筋縄ではいかな小説ですが、様々な側面が描かれている中で肉体と精神の帰属性や“血”の本質を問う、普遍性あるフォークナーの力作だと思います。
32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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TinsfHM
5つ星のうち5.0 特異な、卓越した物語
2013年4月17日に日本でレビュー済み
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黒人の血を引く被虐的な青年クリスマスと、
お腹に赤ん坊を抱えながら
逃げた恋人を追いかける天真爛漫な少女リーナ。

人種差別が激しく、
社会における女性進出も遅れていたアメリカ南部で、
こんなふたりを主人公に物語を書いたら、
いったいどんなことになるのか？

しかも、二人がほとんど接点を持たないまま、
同時に物語が進んでいったら？

そりゃ、大変なことになります。

ちょうどピアノを弾くようなものです。
両の手が別々の動きをして、ひとつの音楽を作っていく。
そういうところがこの小説にはあります。

慣れないうちはひどく混乱しますので、
ふたつのメロディを同時に聞き取ろうとせず、
自分の好きな方にだけ重点的に注意を向けたり、
特に難しいことも考えずに、全体的になんとなく楽しんだり、
自分なりの読み方で読んでいくのをおすすめします。
「メイサクブンガク」と構えていると、
この小説は楽しめないでしょう。

それにしてもこの文庫本、装丁が本当に美しいです。
これは図書館で借りるのではなく、
常に手元に置いておきたい一冊です。
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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たんぼ
5つ星のうち3.0 微妙
2018年2月16日に日本でレビュー済み
フォークナーの持ち味であるスケール感が発揮されていないように思える。結局ひとりの混血児の短い人生をたどっているだけで、その周辺の描写も物語に奥行きを与えていない。時系列や場面のシャッフルは物語をただわかりにくくしているだけ。よく言えばモザイク画だが例えば予告された殺人のようなカタルシスはない。ほかの作品を勧める。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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hijikata
5つ星のうち4.0 アメリカ南部の重くて暗い歴史
2017年11月16日に日本でレビュー済み
かなりの読書人でないと、読みこなすのは難しいと感じた。

文中『彼』が誰を指すのかわかりづらいところがいくつもあるし、また日本人には理解しづらい箇所も多い。

当時、ここまで黒人は蔑視され、見た目は白人でも（クォーターの黒人の血）アイデンティティに苦しむ生き方を

強いられていたのか。白人としていくるべきか、黒人として生きるべきか、どちらに対しても距離感、疎外感がある。

そして、南北戦争。ハイタワーは南北戦争で勇敢に戦った祖父を持ち、牧師で医師の父を持つ。

ハイタワー自身も牧師であり、20章で彼の精神の内幕が詳しく表現されている。彼も何かに翻弄される苦しい人生を送る。

暗くて重い展開の中で、子を産み、単純に逞しく前を向くリーナに、今に生きる女性の強さを感じる。
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チバクロ
5つ星のうち5.0 このジェットコースターには乗るしかない
2015年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み進めるうちに作品の全体像が浮かび上がるフォークナーの手法が、
本作品でも遺憾なく発揮されています。パッチワークが完成していく様は見事ですが、やりすぎ感さえ
抱くほどです。

クリスマスを始めとした登場人物が紡ぐ物語は、読者の安易な期待など
踏みつぶしていきます。しかしそれは避けえないものだ、と読者に受け入れさせる
説得力もあります。彼らはそれぞれ必死に生きているのですが、破滅に突っ走る者、
挫折して這い上がれない者、一歩を踏み出せない者、悠然と生き抜く者とさまざまです。
各場面はまわりくどい描写でありながら、切迫感と臨場感に満ちています。

ラストへの畳みかけはもう一気読まざるをえません。夜に読みだしたらもう夜更かし決定です。下手すりゃ徹夜です。
この読後感を味わえるなら、そんなこと気にしちゃいられません。

最後になりますが…
　「女は肥りはじめていた。」悪魔ですね。こんなこと書く作家って。
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