垣根涼介といえば『ワイルドソウル』や『ヒートアイランド』といった現代小説の印象が強く、またその中でも出てくる「男たち」がとにもかくにもかっこいい。
何がかっこいいって、生き様だったり、芯の強さだったり、喧嘩の強さだったりなのだが、それは歴史小説でも健在。
日本史上初の傭兵部隊を作った男・骨皮道賢。一揆の首謀者として初めて史実に名を残した男・蓮田兵衛。圧倒的強さを誇る棒術使いの才蔵。その才蔵の師匠である老人・・・・・・。
この『室町無頼』に出てくる男たちのかっこよさといったら、最高なのである。
「無頼」とは本来、正業につかずに無法な行いをする人のことを指すらしいが、そもそも舞台となった室町中期から後期は、貧富の差はどんどん激しくなり、幕府はまったく役立たず、さらに飢饉の連続で死ぬ者続出。
正業につきなさいと説くこと自体が馬鹿らしいような世の中なのである。
その厳しい世の中を己の才覚のみで生き残ろうとする男たちの生き様は、上下巻もまったく気にならないほどの熱量を放ち、読み始めたが最後、読了のその瞬間までその熱さに圧倒されっぱなしなこと必至だ。
また、この作品は何よりも歴史考察が素晴らしい。
骨河道賢や蓮田兵衛というのは実在の人物であるし、京都の町中の描写や、建造物、歴史的事象について、著者がしっかりと粘り強く資料をあたったであろうことは想像に難くない。
重厚かつ骨太な時代背景を、男たちが自由自在に躍動する舞台へと昇華させた著者の剛腕が素晴らしい一冊。
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室町無頼(上) (新潮文庫) 文庫 – 2019/1/27
垣根 涼介
(著)
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応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任される素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2019/1/27
- 寸法10.6 x 1.4 x 15.1 cm
- ISBN-104101329788
- ISBN-13978-4101329789
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2019/1/27)
- 発売日 : 2019/1/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 384ページ
- ISBN-10 : 4101329788
- ISBN-13 : 978-4101329789
- 寸法 : 10.6 x 1.4 x 15.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 59,446位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2019年6月17日に日本でレビュー済み
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2023年8月15日に日本でレビュー済み
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徳政一揆を起こすことになる「蓮田兵衛」(実在の人)、応仁の乱で大暴れする「骨皮道賢」(実在の人)、槍の名手になる「吹き流しの才蔵」(たぶん架空の人)、京一番の遊女として知られる「芳王子(ほおうじ):女」(たぶん架空の人)の群像劇です。
応仁の乱の直前、朝廷や幕府の権威・権力・軍事力が落ちて、人の命が紙切れよりも軽くなった時代を、4人がどのように生きたかを描いています。
4人のそれぞれの生き方や考え方が生々しくて、歴史の中に身を置いている感覚になり、歴史小説ファン(時代小説ではない)としてはうれしい限りです。
歴史小説というと、源平合戦、戦国時代、幕末がほとんどで、室町時代や、庶民に焦点を当てた小説はほとんどありません。本書のような、光の当てられていない時代の小説が増えるとおもしろいと思います。
応仁の乱の直前、朝廷や幕府の権威・権力・軍事力が落ちて、人の命が紙切れよりも軽くなった時代を、4人がどのように生きたかを描いています。
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歴史小説というと、源平合戦、戦国時代、幕末がほとんどで、室町時代や、庶民に焦点を当てた小説はほとんどありません。本書のような、光の当てられていない時代の小説が増えるとおもしろいと思います。
2020年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何がオモロイか?登場人物の成長の姿がもの
凄く伝わる点と作者が伝えたい、書きたかった点がビシバシ伝わってくるところだとかんじました。読んでいてワクワクしました。
凄く伝わる点と作者が伝えたい、書きたかった点がビシバシ伝わってくるところだとかんじました。読んでいてワクワクしました。
2019年7月26日に日本でレビュー済み
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室町時代の土一揆である徳政一揆前後を舞台背景としたストーリーで、3人の無頼な男たちが主人公です。無頼というからには、イコール男の物語。小説として求めた紅一点は、この3人の漢たちに関わる女性が一人。本当に紅一点といっていい。女性の存在は他に一切感じさせない物語りです。この女性が2章で長々と自身の矜持を女言葉で語りますが、実際は男目線。そして、語りすぎ。おそらく、垣根さんの理想の自立した遊女。つい書き込みたくなったのでしょう。
後半は、一揆の戦闘風景の描写が増え血生臭くなります。そういう物語。といっても、一揆だからとはいえ、百姓や貧乏人の目線といった語りは一切ないです。そういう物語ではない。それが直木賞の選考から漏れたのは仕方ないかもしれない(それに直木賞受賞作品にはちょっと足りない)。あくまで、3人が腐った世の中を無頼で生きるその生きざまや哀愁を描いている。この闘いの描写が長いのは、個人的には読むのは退屈でしたが、空から描いた視点が感じさせました。それは面白かったですが、長くて好みではなかった、ということ。
うっすらと「光秀の定理」の二番煎じ、焼き直しを感じさせなくもない・・・。3人の男主人公であること。そのうち一人は惨めな境遇から剣の達人となる青年。光秀の定理の愚息、蓮田兵衛、骨皮道賢、剣のお師匠もその生きざま、かずかずの言葉、いちいち、かっこいい。但し、同じ作者と簡単に分かる構成。私は垣根作品は全て!読んでいますので、少し残念です。
後半は、一揆の戦闘風景の描写が増え血生臭くなります。そういう物語。といっても、一揆だからとはいえ、百姓や貧乏人の目線といった語りは一切ないです。そういう物語ではない。それが直木賞の選考から漏れたのは仕方ないかもしれない(それに直木賞受賞作品にはちょっと足りない)。あくまで、3人が腐った世の中を無頼で生きるその生きざまや哀愁を描いている。この闘いの描写が長いのは、個人的には読むのは退屈でしたが、空から描いた視点が感じさせました。それは面白かったですが、長くて好みではなかった、ということ。
うっすらと「光秀の定理」の二番煎じ、焼き直しを感じさせなくもない・・・。3人の男主人公であること。そのうち一人は惨めな境遇から剣の達人となる青年。光秀の定理の愚息、蓮田兵衛、骨皮道賢、剣のお師匠もその生きざま、かずかずの言葉、いちいち、かっこいい。但し、同じ作者と簡単に分かる構成。私は垣根作品は全て!読んでいますので、少し残念です。
2022年5月26日に日本でレビュー済み
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応仁の乱直前の京が舞台。京をひっくり返そうと企む二人の武芸者と、その二人に見込まれ、どんどん強くなって成長していく少年。とにかく主要キャラクター全員が格好いい。棒の達人による過酷な修行や師弟関係等、少年ジャンプ好きにはたまらないストーリー展開。
2019年9月1日に日本でレビュー済み
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さすが垣根さん。いつも何を読んでも興味深く楽しませていただいています。
戦国時代の小説はたくさん読んでますが、その前は、なかなか読む機会がありませんでひた。この作品で下克上前の雰囲気なども感じられて、さらに戦国期に突入する過程の世相なども理解できたように思います。
何より一気に読んでしまう面白さがいいです。
戦国時代の小説はたくさん読んでますが、その前は、なかなか読む機会がありませんでひた。この作品で下克上前の雰囲気なども感じられて、さらに戦国期に突入する過程の世相なども理解できたように思います。
何より一気に読んでしまう面白さがいいです。
2020年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
垣根氏の本は好きでいろいろと読んでいますが、今回が一番好きですね。