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脳はこんなに悩ましい (新潮文庫) 文庫 – 2015/10/28
常識を覆す新事実満載!
最先端の研究者と悩める作家が語る、驚きと刺激に満ちた脳科学。
「私って何」?その問いの果てにあったのは脳科学だった。“自意識"は脳が作ったイリュージョン? 人の不幸が快感なのは脳のせい。オルガズムに男女差はなし!? セックスで放出されるホルモンの悪用法とは。「大器晩成」は脳構造的に正しい。遺伝子検査で知る意外な自分――。
脳研究の最先端を知る科学者と、自己を追い続ける作家が探検! 驚きと刺激に満ちた、魅惑的な脳の世界。
【目次】
はじめに…池谷裕二
第一章…ひらめきの男、直感の女
常にフル活動する脳/美と病のあいだ/女はなぜ化粧をするのか/オルガズムに男女差はない!?/脳はセックスをどう感じているか/人類みな変質者/脳はお金もブランドも大好き/アダルトビデオを見た男の汗は匂う/マジでひらめく五秒前/ひらめきの男、直感の女
第二章…ダマし合う脳と身体
アルツハイマー治療薬で医療費が爆発!?/「美しい」には法則がある/この世は「べき則」に従っている/中村うさぎの「超能力体験」/虚言癖はなぜ治らないのか/手を動かさなきゃ脳は働かない/脳は身体を簡単に騙す「/最悪」は最高のストレス回避法「/苦み」は万国共通/数字や音楽にも“色"がある/女性はエクスタシーを感じるときになぜ苦悶の表情を浮かべるのか/相互作用する脳と身体
第三章…脳はなぜ生まれたのか
脳とうつ病の関係/驚異の「睡眠リセット力」/バイブレーターで錯覚を起こす/人差し指が短いとアソコが長い!?/脳が生まれたのはたった五億年前/ネアンデルタール人と人類のあやしい関係/サルが言葉をしゃべる日/女はボノボ、男はチンパンジー「/適者生存」はインチキくさい「/大器晩成」は脳的にも正しい「/グーグル」が脳を劣化させる!?/人間の本当の寿命は四十一歳!?/願えば必ず「ピグマリオン効果」/脳と人のダマし合い/自由意志なんて“イリュージョン"/英語脳と日本語脳/大切な「ものまね力」/言葉によって得たものと失ったもの/人は第一印象が“9割"/浮気遺伝子とDNA結婚相談所/絶対音感は遺伝するのか/九十九ドルで遺伝子診断
第四章…脳は遺伝子から自由になれるのか
遺伝子診断をやってみた!/ハゲと耳アカは遺伝で決まる/病気遺伝子を読み解く/酒飲み遺伝子とタバコ遺伝子/初潮も閉経も……/「空気を読めない」人と「失敗から学ばない」人/血液型診断は意外に当たる“/勘"を脳科学する/脳は遺伝子から自由になれるのか/脂肪と知能のトレードオフ/童貞・処女率四割の日本社会/脳は幸福をどう感じているか「/第六感」とはなにか/美人を作る三つの法則/宗教と不安ビジネス/無限という恐怖/脳は不平等にできている/科学者だって神頼み/ズレと錯覚が文明をつくった“/How"の科学、“Why"の宗教
おわりに… 中村うさぎ
参考文献
池谷裕二
1970(昭和45)年静岡県生まれ。脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科教授。薬学博士。「ERATO脳AI融合プロジェクト」の代表を務める。神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究。最新脳科学の知見をわかりやすく伝える著書には多くのファンがいる。著書に、『海馬』(糸井重里氏との共著)『進化しすぎた脳』『脳はなにかと言い訳する』『単純な脳、複雑な「私」』『脳には妙なクセがある』『脳はなにげに不公平』『できない脳ほど自信過剰』『パパは脳研究者』など。
中村うさぎ
1958(昭和33)年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒。OL、コピーライターを経て、ジュニア小説デビュー作『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーに。その後、壮絶な買い物依存症の日々を赤裸々に描いた「週刊文春」連載コラム「ショッピングの女王」がブレイクする。著書に、『女という病』『私という病』『愛という病』『狂人失格』『セックス放浪記』『うさぎとマツコの往復書簡』(マツコ・デラックス氏との共著)『聖書を語る』(佐藤優氏との共著)『あとは死ぬだけ』など。
最先端の研究者と悩める作家が語る、驚きと刺激に満ちた脳科学。
「私って何」?その問いの果てにあったのは脳科学だった。“自意識"は脳が作ったイリュージョン? 人の不幸が快感なのは脳のせい。オルガズムに男女差はなし!? セックスで放出されるホルモンの悪用法とは。「大器晩成」は脳構造的に正しい。遺伝子検査で知る意外な自分――。
脳研究の最先端を知る科学者と、自己を追い続ける作家が探検! 驚きと刺激に満ちた、魅惑的な脳の世界。
【目次】
はじめに…池谷裕二
第一章…ひらめきの男、直感の女
常にフル活動する脳/美と病のあいだ/女はなぜ化粧をするのか/オルガズムに男女差はない!?/脳はセックスをどう感じているか/人類みな変質者/脳はお金もブランドも大好き/アダルトビデオを見た男の汗は匂う/マジでひらめく五秒前/ひらめきの男、直感の女
第二章…ダマし合う脳と身体
アルツハイマー治療薬で医療費が爆発!?/「美しい」には法則がある/この世は「べき則」に従っている/中村うさぎの「超能力体験」/虚言癖はなぜ治らないのか/手を動かさなきゃ脳は働かない/脳は身体を簡単に騙す「/最悪」は最高のストレス回避法「/苦み」は万国共通/数字や音楽にも“色"がある/女性はエクスタシーを感じるときになぜ苦悶の表情を浮かべるのか/相互作用する脳と身体
第三章…脳はなぜ生まれたのか
脳とうつ病の関係/驚異の「睡眠リセット力」/バイブレーターで錯覚を起こす/人差し指が短いとアソコが長い!?/脳が生まれたのはたった五億年前/ネアンデルタール人と人類のあやしい関係/サルが言葉をしゃべる日/女はボノボ、男はチンパンジー「/適者生存」はインチキくさい「/大器晩成」は脳的にも正しい「/グーグル」が脳を劣化させる!?/人間の本当の寿命は四十一歳!?/願えば必ず「ピグマリオン効果」/脳と人のダマし合い/自由意志なんて“イリュージョン"/英語脳と日本語脳/大切な「ものまね力」/言葉によって得たものと失ったもの/人は第一印象が“9割"/浮気遺伝子とDNA結婚相談所/絶対音感は遺伝するのか/九十九ドルで遺伝子診断
第四章…脳は遺伝子から自由になれるのか
遺伝子診断をやってみた!/ハゲと耳アカは遺伝で決まる/病気遺伝子を読み解く/酒飲み遺伝子とタバコ遺伝子/初潮も閉経も……/「空気を読めない」人と「失敗から学ばない」人/血液型診断は意外に当たる“/勘"を脳科学する/脳は遺伝子から自由になれるのか/脂肪と知能のトレードオフ/童貞・処女率四割の日本社会/脳は幸福をどう感じているか「/第六感」とはなにか/美人を作る三つの法則/宗教と不安ビジネス/無限という恐怖/脳は不平等にできている/科学者だって神頼み/ズレと錯覚が文明をつくった“/How"の科学、“Why"の宗教
おわりに… 中村うさぎ
参考文献
池谷裕二
1970(昭和45)年静岡県生まれ。脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科教授。薬学博士。「ERATO脳AI融合プロジェクト」の代表を務める。神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究。最新脳科学の知見をわかりやすく伝える著書には多くのファンがいる。著書に、『海馬』(糸井重里氏との共著)『進化しすぎた脳』『脳はなにかと言い訳する』『単純な脳、複雑な「私」』『脳には妙なクセがある』『脳はなにげに不公平』『できない脳ほど自信過剰』『パパは脳研究者』など。
中村うさぎ
1958(昭和33)年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒。OL、コピーライターを経て、ジュニア小説デビュー作『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーに。その後、壮絶な買い物依存症の日々を赤裸々に描いた「週刊文春」連載コラム「ショッピングの女王」がブレイクする。著書に、『女という病』『私という病』『愛という病』『狂人失格』『セックス放浪記』『うさぎとマツコの往復書簡』(マツコ・デラックス氏との共著)『聖書を語る』(佐藤優氏との共著)『あとは死ぬだけ』など。
- 本の長さ306ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/10/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101329230
- ISBN-13978-4101329239
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出版社より
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脳はこんあに悩ましい | 【単行本】脳はみんな病んでいる | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
158
|
5つ星のうち4.4
66
|
価格 | ¥49¥49 | ¥1,419¥1,419 |
【新潮社】池谷裕二・中村うさぎ 作品 | 脳って実はこんなに××なんです(驚)。第一線の科学者と実存に悩む作家が語り尽くす、知的でちょっとエロティックな脳科学。 | 二児のパパになった脳研究者と難病で死にかけた作家が再会。知れば知るほどあぶない、脳の魅力を語る。「正常と異常」「健康と病気」の境界を問う、哲学する脳科学! |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2015/10/28)
- 発売日 : 2015/10/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 306ページ
- ISBN-10 : 4101329230
- ISBN-13 : 978-4101329239
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 428,040位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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─ 池谷裕二(いけがやゆうじ) 東京大学・薬学部・教授 ──
こんにちは、池谷です。脳の健康や発達、老化を探求する基礎研究を行いながら、脳に関する一般向けの本を書いています。
脳は知れば知るほど奥が深く、さらなる探究心がくすぐられます。研究現場は毎日がわくわくの連続です。この高揚感を自分だけにとどめておくのはもったいない ── 脳研究の最前線のトピックを、できるだけ噛み砕いて語ることで、「知の興奮」を皆様と共有したいと願っています。
初めて拙著を読まれる方は、高校生への講義シリーズ『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』『夢を叶えるために脳はある』(講談社)の3冊を、まずはお手に取ってみてください。私の「脳観」を感じ取っていただけると思います。
『脳はこんなに悩ましい』(新潮社)、『脳はみんな病んでいる』(新潮社)、『ココロの盲点 完全版』(講談社)も個人的に大好きな本です。より手軽な本としては、『海馬』(新潮社)、『脳には妙なクセがある』(扶桑社)、『パパは脳研究者』(扶桑社)、『記憶力を強くする』(講談社)などもございます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中村うさぎが好きで読みましたが、脳の話も非常におもしろいです。普段は図書館で借りられる本は買いませんが、読み返したいので購入しました
2015年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池谷せんせ、最初は、あー流行りの脳科学のひとか、ほんと最近多いよなあ、と思っていただけでしたが、中村うさぎと対談しているのを知って、興味が出てきました。
人間社会のいろんなことが脳の活動で証明、解明されていきますね。脳の実験でほんとに世界中でいろいろやってはって、池谷せんせもよく知ってはって。防備録で、ページの角を折ったところを随時あげていきます。
----------------------
ミュラーリヤー錯視について。統合失調症患者は錯覚が少ない。私たちよりも、ありのままの世界を見ているようです。
池谷:いまや男性は必要とされない時代を迎えているかも。クローン技術が急速に進化しているから。女性は自分の細胞を自分の子宮で育てて子どもを産むことがすでに技術的に可能。
池谷:他人の失敗を喜ぶなんて一般には醜い心だと言われている。でも脳はたしかに喜ぶようにプログラムされている。
「ランプがついたらエサがもらえる」という装置を作る。最初は絵さがもらえたときに報酬系が反応しますが、因果関係に気付くと、ランプがつくだけで反応するようになる。すると報酬系はエサには強い反応を示さなくなる。つまり、エサではなくランプに「快」を感じる。「価値の転移」とよぶ。
中村:そういうふうに、世間の評判や付加価値に左右される人って、軽薄だ、浅はかだ、って言われますよね。物事の本質を見ていないとか。でも脳はそこに価値を見出しているんだから、お金もブランドも「本質」なんですよね。
池谷:そうそう。まさにその点をお伝えしたかったのです。ブランドやカリスマ性を「空虚なものだ」と否定することは、人間性そのものを否定することになるんです。
中村:お金やブランドにのめりこみやすい脳だからこそ、それを抑制するために「お金=汚い」という価値観が広がっているとも言えるのかな。
ひらめきを得るために必要なステップ
1)まずは問題意識を持つこと
2)その問題について考えるのをやめようと意図すること
3)実際に考えるのをやめること
4)そのうち思いつく
直感は無意識。ひらめきは意識。
中村 受精からの発達を見ても、そもそもはじめはみな、女性ですよね。そこにY染色体があると男性が派生してくる。いってみれば、男性は亜流。この社会を作ったのは男性なのに、劣っているというのは不思議ですね。
池谷 男性の思考は単純でストレートだから、明快な社会のルールやスキームを作りやすいのかもしれませんね。
┏━━━
池谷 ストレスホルモンを2グループに点滴。一つはただ点滴するだけのグループ、もう一方は、枕元にボタンを置いて「具合いが悪くなったら、ボタンを押せば実験を中断できます」と説明してから点滴するグループ。結局、両者に同じ量のペンタガストリンが点滴されます。にもかかわらず、ボタンがあるグループは、ストレスホルモン上昇量が五分の一くらいで済んだのです。
中村 へえ! 逃げ道があると思うだけで、ストレスに耐えられるわけですね。
池谷 ストレスから逃げる必要はない。ボタンというストレス回避法があることを「認識する」だけで、すでにストレスを解消したのと同じ効果があるんです。うさぎさんの「最悪の場合を想像」は、一種の回避の確保だと解釈できます。防衛策を張っておくって大事です。「準備された心」を準備しておくわけですね。
┗━━━
モラルは、怒りよりも、嫌悪が元になっているのですね。74
池谷 「精神」って、なんとなく神秘的だし、謎めいているように見える。だから崇めたくなる。でも、やっぱり大切なのは身体かな。
しかし脳は、都会に住むようにはデザインされていません。進化の過程を考えれば分かりますが、どちらかといえば田舎暮らしに適応しています。90
薬指に比べて人差し指が短ければ短いほどペニスは大きい。
オランウータンと人間であれば、子どもはできるかな。
いや、それはできませんね。動物として完全に違う種なんです。108
言語は、奇跡的といってよい偶然の賜物です。109
面白いのは「スキンシップ」という単語は日本で生まれた和製英語で、今では欧米に逆輸入されて、あちらでも使われているんですよ。115
身体接触が高感度アップやヒーリングに効果があることは確かなようです。
「適者生存」は詐欺っぽい方便。だって、毛を失った不適者のヒトが生き残っているわけですからね。一見もっともらしい言葉ですが、騙されてはいけません。119
けれども現実には、うっかり首が長くなってしまったせいで、高い木の葉っぱを主食にせざるを得なくなったのではないかと。キリンが暮らすサバンナは、草食動物がエサを取り合う必要がないくらい豊か。台地は一面緑で覆われています。サバンナで高木がある場所は限られています。120
そうしたIT機器への好みはけっこう遺伝によって決まってくるようです。125
私は「人は文字を学ぶことで記憶力が減退し忘れっぽくなる」というプラトンの言葉を思い出しました。確かに、そのとおり。文字がない時代の人たちは、膨大な知識を、詩歌などに託して、暗記していたわけです。
ユダヤ教のトーラ(モーセ五書)なんて、口述で伝えられてきたもんね。あれをぜんぶ覚えていたわけだからユダヤ人の記憶力はすごい126
ピグマリオン効果:ものすごく強い願望を持つと願いがかなう。132
●●これは教育や医療にもあてはまります。先生が強く期待している生徒は、やはりほかの生徒よりも伸びる。老人ホームでも「改善の見込みが高い」と診断された患者は、介護士が丁寧に看るので実際によくなる133
「街できれいな人を見かけるとつい目がいっちゃう」なんて言いますよね。この言い方は、とんでもなく間違っている可能性がある。そもそもきれいな人ってなんでしょう。よく考えてみると、むしろ「つい目がいっちゃう人」のことを「きれいな人」と呼ぶのではないでしょうか。「思わずみとれてしまう」という身体の反応がまずあるんです。148
人間社会のいろんなことが脳の活動で証明、解明されていきますね。脳の実験でほんとに世界中でいろいろやってはって、池谷せんせもよく知ってはって。防備録で、ページの角を折ったところを随時あげていきます。
----------------------
ミュラーリヤー錯視について。統合失調症患者は錯覚が少ない。私たちよりも、ありのままの世界を見ているようです。
池谷:いまや男性は必要とされない時代を迎えているかも。クローン技術が急速に進化しているから。女性は自分の細胞を自分の子宮で育てて子どもを産むことがすでに技術的に可能。
池谷:他人の失敗を喜ぶなんて一般には醜い心だと言われている。でも脳はたしかに喜ぶようにプログラムされている。
「ランプがついたらエサがもらえる」という装置を作る。最初は絵さがもらえたときに報酬系が反応しますが、因果関係に気付くと、ランプがつくだけで反応するようになる。すると報酬系はエサには強い反応を示さなくなる。つまり、エサではなくランプに「快」を感じる。「価値の転移」とよぶ。
中村:そういうふうに、世間の評判や付加価値に左右される人って、軽薄だ、浅はかだ、って言われますよね。物事の本質を見ていないとか。でも脳はそこに価値を見出しているんだから、お金もブランドも「本質」なんですよね。
池谷:そうそう。まさにその点をお伝えしたかったのです。ブランドやカリスマ性を「空虚なものだ」と否定することは、人間性そのものを否定することになるんです。
中村:お金やブランドにのめりこみやすい脳だからこそ、それを抑制するために「お金=汚い」という価値観が広がっているとも言えるのかな。
ひらめきを得るために必要なステップ
1)まずは問題意識を持つこと
2)その問題について考えるのをやめようと意図すること
3)実際に考えるのをやめること
4)そのうち思いつく
直感は無意識。ひらめきは意識。
中村 受精からの発達を見ても、そもそもはじめはみな、女性ですよね。そこにY染色体があると男性が派生してくる。いってみれば、男性は亜流。この社会を作ったのは男性なのに、劣っているというのは不思議ですね。
池谷 男性の思考は単純でストレートだから、明快な社会のルールやスキームを作りやすいのかもしれませんね。
┏━━━
池谷 ストレスホルモンを2グループに点滴。一つはただ点滴するだけのグループ、もう一方は、枕元にボタンを置いて「具合いが悪くなったら、ボタンを押せば実験を中断できます」と説明してから点滴するグループ。結局、両者に同じ量のペンタガストリンが点滴されます。にもかかわらず、ボタンがあるグループは、ストレスホルモン上昇量が五分の一くらいで済んだのです。
中村 へえ! 逃げ道があると思うだけで、ストレスに耐えられるわけですね。
池谷 ストレスから逃げる必要はない。ボタンというストレス回避法があることを「認識する」だけで、すでにストレスを解消したのと同じ効果があるんです。うさぎさんの「最悪の場合を想像」は、一種の回避の確保だと解釈できます。防衛策を張っておくって大事です。「準備された心」を準備しておくわけですね。
┗━━━
モラルは、怒りよりも、嫌悪が元になっているのですね。74
池谷 「精神」って、なんとなく神秘的だし、謎めいているように見える。だから崇めたくなる。でも、やっぱり大切なのは身体かな。
しかし脳は、都会に住むようにはデザインされていません。進化の過程を考えれば分かりますが、どちらかといえば田舎暮らしに適応しています。90
薬指に比べて人差し指が短ければ短いほどペニスは大きい。
オランウータンと人間であれば、子どもはできるかな。
いや、それはできませんね。動物として完全に違う種なんです。108
言語は、奇跡的といってよい偶然の賜物です。109
面白いのは「スキンシップ」という単語は日本で生まれた和製英語で、今では欧米に逆輸入されて、あちらでも使われているんですよ。115
身体接触が高感度アップやヒーリングに効果があることは確かなようです。
「適者生存」は詐欺っぽい方便。だって、毛を失った不適者のヒトが生き残っているわけですからね。一見もっともらしい言葉ですが、騙されてはいけません。119
けれども現実には、うっかり首が長くなってしまったせいで、高い木の葉っぱを主食にせざるを得なくなったのではないかと。キリンが暮らすサバンナは、草食動物がエサを取り合う必要がないくらい豊か。台地は一面緑で覆われています。サバンナで高木がある場所は限られています。120
そうしたIT機器への好みはけっこう遺伝によって決まってくるようです。125
私は「人は文字を学ぶことで記憶力が減退し忘れっぽくなる」というプラトンの言葉を思い出しました。確かに、そのとおり。文字がない時代の人たちは、膨大な知識を、詩歌などに託して、暗記していたわけです。
ユダヤ教のトーラ(モーセ五書)なんて、口述で伝えられてきたもんね。あれをぜんぶ覚えていたわけだからユダヤ人の記憶力はすごい126
ピグマリオン効果:ものすごく強い願望を持つと願いがかなう。132
●●これは教育や医療にもあてはまります。先生が強く期待している生徒は、やはりほかの生徒よりも伸びる。老人ホームでも「改善の見込みが高い」と診断された患者は、介護士が丁寧に看るので実際によくなる133
「街できれいな人を見かけるとつい目がいっちゃう」なんて言いますよね。この言い方は、とんでもなく間違っている可能性がある。そもそもきれいな人ってなんでしょう。よく考えてみると、むしろ「つい目がいっちゃう人」のことを「きれいな人」と呼ぶのではないでしょうか。「思わずみとれてしまう」という身体の反応がまずあるんです。148
2019年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
脳科学者池谷先生と、作家中村うさぎさんの対談集。池谷先生の本は読みやすくほとんど読んでいますが、対談なのでより読みやすいです。
・哺乳類の一生の心拍総数はほぼ一定でだいたい15億回。ヒトは41歳で15億回に達する。お前はもう死んでいる。
・感情を読み取る時、無意識のうちに相手の表情を真似している。真似することで相手の感情をシミュレートしている。
・人の目の網膜はわずか100万画素。脳は少ない情報を補正して世界を認識している。
・スウェーデン人は10人中4人ヤリチン遺伝子(パソプレッシン受容体が弱い)をもっている
・哺乳類の一生の心拍総数はほぼ一定でだいたい15億回。ヒトは41歳で15億回に達する。お前はもう死んでいる。
・感情を読み取る時、無意識のうちに相手の表情を真似している。真似することで相手の感情をシミュレートしている。
・人の目の網膜はわずか100万画素。脳は少ない情報を補正して世界を認識している。
・スウェーデン人は10人中4人ヤリチン遺伝子(パソプレッシン受容体が弱い)をもっている
2020年3月6日に日本でレビュー済み
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男女間のことに関する内容が多い雑学書、という感じ。池谷さんの良さを知るには、池谷さんの単著が良いでしょう。
2013年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
脳科学者の池谷裕二さんと小説家の中村うさぎさんの対話形式で書かれていて、
サクサク読めます。
個人的には、中村うさぎさんが脳について非常に詳しいところに少し驚きましたが、
中村さんの経験や実体験などに対して、池谷さんがそれを解説するような感じ。
最新の脳科学から分かったことから、お二人の遺伝子分析をした結果などが書いてあり、
楽しく読めますが、テーマが多くまとめがないのが惜しいような気もする。
サクサク読めます。
個人的には、中村うさぎさんが脳について非常に詳しいところに少し驚きましたが、
中村さんの経験や実体験などに対して、池谷さんがそれを解説するような感じ。
最新の脳科学から分かったことから、お二人の遺伝子分析をした結果などが書いてあり、
楽しく読めますが、テーマが多くまとめがないのが惜しいような気もする。
2017年9月15日に日本でレビュー済み
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脳をテーマにした対談録。雑学がいろいろと紹介され、軽く読める本である。
もっとも興味深かったのは、「心は環境に散在する」という言葉。これは心の状態は環境により左右されるので、個人の考え方にはブレがあっても当たり前、というもの。ビジネスに当てはめて考えると、オフィス環境、働く環境にも心が左右されるということになるのではないか。仕事の環境により、各人から意見が出やすくなったり、あるいはチーム全体が消極的になったりなどあるのではないか。とすると、オフィスの座席の配置や勤務時間、あるいはオフィスに来ないテレワークを実施するかどうかにより、働く人の心の状態、ひいては生産性が代わり、企業のパフォーマンスにも影響するのではないだろうか。
もっとも興味深かったのは、「心は環境に散在する」という言葉。これは心の状態は環境により左右されるので、個人の考え方にはブレがあっても当たり前、というもの。ビジネスに当てはめて考えると、オフィス環境、働く環境にも心が左右されるということになるのではないか。仕事の環境により、各人から意見が出やすくなったり、あるいはチーム全体が消極的になったりなどあるのではないか。とすると、オフィスの座席の配置や勤務時間、あるいはオフィスに来ないテレワークを実施するかどうかにより、働く人の心の状態、ひいては生産性が代わり、企業のパフォーマンスにも影響するのではないだろうか。
2017年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これほど、コスパのよかった読書も珍しい。行動経済学と脳科学のウンチク。また、中村うさぎさんの豊富な知識にもビックリ!
2015年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中村うさぎと脳科学者の池谷裕二の放談。とても面白い。心の動きはある事象に対して脳がどのように感じるかによって大きく左右されるが、現代の脳医科学や遺伝子学はこの分野で驚くほど進化している。例えば日頃たまっているストレスによって脳がどれほどのダメージを受けたか分かるようになっているし、また自分のカラダのコンディションも、遺伝子検査キットを使えば、自分の性格のルーツや今後の疾患の可能性まで、ある程度の確率で予知できるようになっている。この分野は未開拓分野なので、今後より多くの研究がなされ、多くの新しい発見があるのだと思う。