何故勝てない戦争に突入したのか?
いわゆる太平洋戦争に関して、この疑問を越えるような「問い」は存在しないだろう。
もちろん簡単にナットクのいくような「答え」の在る「問い」ではない。
本書にも無論、快刀乱麻を断つ、といったような「答え」は用意されていない。
しかし、読み物風の平易な記述の内に、
我々日本人が、しっかりと心に留め、突き詰め、考えていかねばならないような「問い」の精神が、
誠実に脈打っているように感じられた。
論調も、極めて公平で、中庸を心得たものだと思う。
我々日本人は現在、安部政権の下、明らかに一つの岐路に立っている。
平和のための戦争という、新しい顔をした旧い愚行を犯すのか、
人類の恒久平和を、平和の体現のうちに創造的に模索するのか、
少し大げさに言えば、本書には、その指針となるものが含まれていると言えるだろう。
願わくば、一人でも多くの日本人が、本書を手に取り、日本と世界の平和に関心を持たれんことを。
追記:Amazon利用者の皆さんへ。
以前から眼に余るものがあったのですが、近・現代史に関わるこういった有意義でバランスの取れた著作に対し、
所謂、歴史の「修正主義」を掲げた、無責任で偏った考えを持つ人たちによる、不当な評価や中傷が、さかんに投稿されています。
そういった人たちは、明らかに当該の書籍をまったく読んでいないか、きちんと読んでおらず、
本の内容やその評価とは、およそ懸け離れた一方的な言辞を弄して、
Amazon利用者の知的好奇心を、悪辣な方向に向けようと画策しています。
そういった人たちが組織的に投稿すれば、いきおい星の数が減ってしまうのは、
Amazonさんの現行のシステムでは、避けることが出来ません。
無論、私は新潮社やNHKの利潤に貢献する義理のある者ではありませんし、
そんな意図も毛頭ないことは言うまでもありません。
また賢明な利用者のみなさんが、そういった稚拙なレヴューに惑わされる事がないのは
重々承知の上で、あえて、昨今の政治の中枢の明らかな右傾化とその煽動への危機感から、
レヴューを参考にされる際のスタンスへの一助として、追記させて頂きたいと思います。
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日本人はなぜ戦争へと向かったのか: 外交・陸軍編 (新潮文庫) 文庫 – 2015/6/26
NHKスペシャル取材班
(著)
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「負ける」、軍幹部ですら予想した戦争をなぜ――。
列強の動きを読み違えた外交の“楽観"、戦略なき人事……。開戦までの道程を徹底検証!
日本人だけで300万人を超える死者を出した太平洋戦争。軍幹部ですら「負ける」と予想した戦争へ、日本はなぜ踏み込んでしまったのか――。
当事者の肉声証言テープなど貴重な新資料と、国内外の最新の研究成果をもとに、壮大な疑問を徹底検証。列強の動きを読み違えた日本外交の“楽観"、新興ナチスドイツへの接近、陸軍中央の戦略なき人事……今だからこそ見えてきた開戦までの道程。
同名番組2011年1月放送
第1回 〝外交敗戦〟孤立への道
第2回 巨大組織〝陸軍〟暴走のメカニズム
【目次】
はじめに
第一章 外交 世界を読み違えた日本
“外交敗戦"孤立への道 NHKスペシャル取材班
一九三〇年代 日本を支配した空気 井上寿一
外交に活かせなかった陸軍暗号情報 小谷 賢
変化していた世界帝国主義・遅れた日本の対応 アントニー・ベスト
第二章 陸軍 戦略なき人事が国を滅ぼす
巨大組織“陸軍"暴走のメカニズム NHKスペシャル取材班
陸軍を狂わせた人事システム 森 靖夫
日本が陥った負の組織論 菊澤研宗
内向きの論理・日本陸軍の誤算 エドワード・ドレア
陸軍暴走の連鎖 戸部良一
なぜ、日中戦争をとめられなかったのか 加藤陽子
研究者紹介
放送記録
列強の動きを読み違えた外交の“楽観"、戦略なき人事……。開戦までの道程を徹底検証!
日本人だけで300万人を超える死者を出した太平洋戦争。軍幹部ですら「負ける」と予想した戦争へ、日本はなぜ踏み込んでしまったのか――。
当事者の肉声証言テープなど貴重な新資料と、国内外の最新の研究成果をもとに、壮大な疑問を徹底検証。列強の動きを読み違えた日本外交の“楽観"、新興ナチスドイツへの接近、陸軍中央の戦略なき人事……今だからこそ見えてきた開戦までの道程。
同名番組2011年1月放送
第1回 〝外交敗戦〟孤立への道
第2回 巨大組織〝陸軍〟暴走のメカニズム
【目次】
はじめに
第一章 外交 世界を読み違えた日本
“外交敗戦"孤立への道 NHKスペシャル取材班
一九三〇年代 日本を支配した空気 井上寿一
外交に活かせなかった陸軍暗号情報 小谷 賢
変化していた世界帝国主義・遅れた日本の対応 アントニー・ベスト
第二章 陸軍 戦略なき人事が国を滅ぼす
巨大組織“陸軍"暴走のメカニズム NHKスペシャル取材班
陸軍を狂わせた人事システム 森 靖夫
日本が陥った負の組織論 菊澤研宗
内向きの論理・日本陸軍の誤算 エドワード・ドレア
陸軍暴走の連鎖 戸部良一
なぜ、日中戦争をとめられなかったのか 加藤陽子
研究者紹介
放送記録
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/6/26
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101283745
- ISBN-13978-4101283746
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日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦― | 老後破産―長寿という悪夢― | 超常現象―科学者たちの挑戦― | 未解決事件 グリコ・森永事件―捜査員300人の証言― | 少年ゲリラ兵の告白―陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊― | 高校生ワーキングプア ―「見えない貧困」の真実― | |
カスタマーレビュー |
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【新潮文庫】NHKスペシャル取材班 作品 | 開戦の真相、特攻への道、戦犯裁判。「海軍反省会」録音に刻まれた肉声から、海軍、そして日本組織の本質的な問題点が浮かび上がる。 | 年金生活は些細なきっかけで崩壊する!誰もが他人事ではいられない、思いもしなかった過酷な現実を克明に描いた衝撃のルポ。 | 幽霊、生まれ変わり、幽体離脱、ユリ・ゲラー……。人類はどこまで超常現象の正体に迫れるか。最先端の科学で徹底的に検証する。 | 警察はなぜ敗北したのか。元捜査関係者たちが重い口を開く。無念の証言と極秘資料をもとに、史上空前の劇場型犯罪の深層に迫る。 | 太平洋戦争で地上戦の舞台となった沖縄。そこに実際に敵を殺し、友の死を目の当たりにした10代半ばの少年たちの部隊があった。 | 進学に必要な奨学金、生きるためのアルバイト……「働かなければ学べない 」日本の高校生の実情に迫った、切実なルポルタージュ。 |
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日本人はなぜ戦争へと向かったのか―外交・陸軍編― | 日本人はなぜ戦争へと向かったのか―メディアと民衆・指導者編― | 日本人はなぜ戦争へと向かったのか―果てしなき戦線拡大編― | |
カスタマーレビュー |
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肉声証言テープ等の新資料、国内外の研究成果をもとに、開戦へと向かった日本を徹底検証。列強の動きを読み違えた開戦前夜の真相。 | 軍に利用され、民衆の”熱狂”を作り出したメディア、戦争回避を検討しつつ避けられなかったリーダーたちの迷走を徹底検証。 | 戦争方針すら集約できなかった陸海軍、軍と一体化して混乱を招いた経済界。開戦から半年間の知られざる転換点を徹底検証。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2015/6/26)
- 発売日 : 2015/6/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 286ページ
- ISBN-10 : 4101283745
- ISBN-13 : 978-4101283746
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 129,031位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月13日に日本でレビュー済み
2015年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同名のNHKスペシャルの内容を書籍化して2011年に刊行された本の文庫版。全部で3冊出るとのことだが、本書では開戦に至る過程で中心的役割を果たした外務省(外交)と陸軍を取り上げている。
「はじめに」にも記されているのであえてそのような構成にしたのだろうが、番組の内容を要約したと思われる部分は外務省、陸軍ともに40ページ前後しかなく、書名の壮大な問いかけについて考える材料を提供するという意味では不十分な感は否めない。ただ、それぞれについて3名ずつ載せられているインタビューは興味深かった。日本陸軍の暗号解読能力が当時の世界的水準からみてもかなり高かったこと(外務省のそれは低かった)、満州事変の前ごろまでは日本陸軍は一般国民から批判にさらされるなど必ずしも強い立場ではなかったことなど、最近の研究から明らかになった事実、あるいは一般にはあまり知られていない事実なども多く語られていて参考になる。また、政治外交史やインテリジェンスなど分野の異なる専門家が、ある事件や人物について同様の解釈をしていたりする部分もあるし、少し違った見方を述べているところもあり、後者の場合は同じ事象でも解析手法の違いによって見方が変わるのか、あるいは研究が不十分で今後の研究課題とみなされるのか、などと読んでいて色々と考えさせられる点もあった。
全体としては、外務省、陸軍共に、組織として種々の問題があったから開戦の流れを止められなかったということが一つの結論となっているようであるが、ターニングポイントとなった出来事の際に中心人物がどういう思想でどういう行動を取ったか、ということももっと掘り下げて考察する必要があると思われる。戦後70年の今年は、川田稔『昭和陸軍全史1~3』(講談社現代新書)のように陸軍の構想面に焦点を当てた本など、多くの戦争関連本が出ているので、本書を読んで更に深く知りたいという人には良い環境にあると思う。そういうきっかけになるということでは手頃な本と言えるかもしれない。
「はじめに」にも記されているのであえてそのような構成にしたのだろうが、番組の内容を要約したと思われる部分は外務省、陸軍ともに40ページ前後しかなく、書名の壮大な問いかけについて考える材料を提供するという意味では不十分な感は否めない。ただ、それぞれについて3名ずつ載せられているインタビューは興味深かった。日本陸軍の暗号解読能力が当時の世界的水準からみてもかなり高かったこと(外務省のそれは低かった)、満州事変の前ごろまでは日本陸軍は一般国民から批判にさらされるなど必ずしも強い立場ではなかったことなど、最近の研究から明らかになった事実、あるいは一般にはあまり知られていない事実なども多く語られていて参考になる。また、政治外交史やインテリジェンスなど分野の異なる専門家が、ある事件や人物について同様の解釈をしていたりする部分もあるし、少し違った見方を述べているところもあり、後者の場合は同じ事象でも解析手法の違いによって見方が変わるのか、あるいは研究が不十分で今後の研究課題とみなされるのか、などと読んでいて色々と考えさせられる点もあった。
全体としては、外務省、陸軍共に、組織として種々の問題があったから開戦の流れを止められなかったということが一つの結論となっているようであるが、ターニングポイントとなった出来事の際に中心人物がどういう思想でどういう行動を取ったか、ということももっと掘り下げて考察する必要があると思われる。戦後70年の今年は、川田稔『昭和陸軍全史1~3』(講談社現代新書)のように陸軍の構想面に焦点を当てた本など、多くの戦争関連本が出ているので、本書を読んで更に深く知りたいという人には良い環境にあると思う。そういうきっかけになるということでは手頃な本と言えるかもしれない。
2016年5月12日に日本でレビュー済み
国益より組織益を重視してしまう指導者層の大局観の欠如(陸軍と海軍の対立、現場と中央の対立を
制御さえできない)。
当時の国際情勢の分析不足、もしくは日本の立ち位置の危うさの認識不足や、日清日露の勝利らくる楽観主義。
他国から見たら、小さい島国の新興国が不相応にも植民地拡大(軍国主義)に走っているように映ったこと。
太平洋戦争を避け得なかった、この3点に集約できるのではないか。
それにしても、開戦前から戦後、現在に至るまで、全て結果を知ってる今からみると色々
言えるが、当時の情報網(情報量、例えばドイツ軍の弱体傾向や、アメリカの生産力)、
絶大な指導者のでにくい体制(他国のように独裁的な決め方はできなかった)、
日本側ではなく各国それぞれの利害関係(離合集散)等、
を考えると結局そういうシナリオだったのかもしれない。
明治の元勲らに比べ、太平洋戦争時の指導者層の連中は視野が狭く、
国の為という志も低いように感じる。
現代では益々指導者層も線が細く、一般国民からは小馬鹿にさえされる者も多い。
且つ、一般国民も戦後GHQの占領政策が功を奏し、自分の事しか考えないし、
国の行く末を考えてるのは僅かにすぎない。平和ボケで骨抜きにされた感さえある。
温故知新、当時の状況から学び、平和が少しでも続くように未来に活かすしかない。
制御さえできない)。
当時の国際情勢の分析不足、もしくは日本の立ち位置の危うさの認識不足や、日清日露の勝利らくる楽観主義。
他国から見たら、小さい島国の新興国が不相応にも植民地拡大(軍国主義)に走っているように映ったこと。
太平洋戦争を避け得なかった、この3点に集約できるのではないか。
それにしても、開戦前から戦後、現在に至るまで、全て結果を知ってる今からみると色々
言えるが、当時の情報網(情報量、例えばドイツ軍の弱体傾向や、アメリカの生産力)、
絶大な指導者のでにくい体制(他国のように独裁的な決め方はできなかった)、
日本側ではなく各国それぞれの利害関係(離合集散)等、
を考えると結局そういうシナリオだったのかもしれない。
明治の元勲らに比べ、太平洋戦争時の指導者層の連中は視野が狭く、
国の為という志も低いように感じる。
現代では益々指導者層も線が細く、一般国民からは小馬鹿にさえされる者も多い。
且つ、一般国民も戦後GHQの占領政策が功を奏し、自分の事しか考えないし、
国の行く末を考えてるのは僅かにすぎない。平和ボケで骨抜きにされた感さえある。
温故知新、当時の状況から学び、平和が少しでも続くように未来に活かすしかない。
2015年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の組織の事しか考えない人間がなぜ決定するのか チェック機能なしの日本の 雰囲気
2015年10月7日に日本でレビュー済み
リアルタイムで番組を見た。その時は聞き流していた事柄が、今はなんと心に響くことか。私が変わったからではない。世の中が変わったからである。
2011年1月の放送開始は、NHKの良心の最後の輝きの時だったのかもしれない。今では間違ってもこんな番組作れない。よくぞ、文庫が出版されたと思うくらいである。あと2年遅かったら、本の出版さえ無理だったかもしれない。日本は未だに「出版・言論の自由」は謳われてはいるが、ことNHKに限り、それは急速に戦前の段階まで後退しているからである。
番組の最初の映像の中で流れる、無数のドミノ倒し。「もしあの時に違う選択をしたならば」そういう問題意識で作られたこの番組に喝采を送りたい。そして決定的な場面はひとつではなく、とてもとても多くあった。それが日本の特徴です。でも選択の時はあったのです。それが、そのまま現代に繋がる。
外交編では、最初に1931年国際連盟脱退の「選択」に焦点が当てられます。松岡外相が堂々と演説して、日本は最初から進んで孤立の道を選んだ、かのような認識が私にありました。教科書で学んだのが、そういうニュアンスだったからです。しかし、違った。日本は脱退など予想しないでジュネーブに臨み、英国も着地点を用意していた。
そうならなかった要因。
日本側当事者たちの甘い体質に他ならなかった。そこから浮かび上がってくるのは、「希望的判断」に終始し、その幻想が破れると「急場しのぎ」の美貌作に奔走する、国家としての根本的な戦略が欠如した日本の姿であった。(38p)
それは、現代ではTPP交渉、又言えば安保法をめぐる国家戦略にも通じる、日本政府の最大最悪最低の弱点だろう。
陸軍編では、よく「陸軍が暴走した」と一言で片付けられることが多い。まるで過去の出来事で他人事である。
しかし、ここで語られるのは、暴走の仕組みは現代にそのまま残っているということである。
外交編も陸軍編も、その組織的体質は全然変わっていない。それは基本的には旧体質が、主体的には一切反省などせずに、アメリカによって温存されたためではあるのだが、こういう番組のあとに、国民の側から、組織的体質の徹底的な反省を促す運動が起こらなかったためでもある。もっとも、この番組の直後に東日本大震災が起きて、そんな余裕を持たなかったといえばそれまで?いや、その組織的体質は原発事故体質にも引き継がれたのだから、それはそのまま、国民の側の怠慢でもあったのだと、今になって思うのは、おそらく少数意見なのだろうな。
2015年10月4日読了
2011年1月の放送開始は、NHKの良心の最後の輝きの時だったのかもしれない。今では間違ってもこんな番組作れない。よくぞ、文庫が出版されたと思うくらいである。あと2年遅かったら、本の出版さえ無理だったかもしれない。日本は未だに「出版・言論の自由」は謳われてはいるが、ことNHKに限り、それは急速に戦前の段階まで後退しているからである。
番組の最初の映像の中で流れる、無数のドミノ倒し。「もしあの時に違う選択をしたならば」そういう問題意識で作られたこの番組に喝采を送りたい。そして決定的な場面はひとつではなく、とてもとても多くあった。それが日本の特徴です。でも選択の時はあったのです。それが、そのまま現代に繋がる。
外交編では、最初に1931年国際連盟脱退の「選択」に焦点が当てられます。松岡外相が堂々と演説して、日本は最初から進んで孤立の道を選んだ、かのような認識が私にありました。教科書で学んだのが、そういうニュアンスだったからです。しかし、違った。日本は脱退など予想しないでジュネーブに臨み、英国も着地点を用意していた。
そうならなかった要因。
日本側当事者たちの甘い体質に他ならなかった。そこから浮かび上がってくるのは、「希望的判断」に終始し、その幻想が破れると「急場しのぎ」の美貌作に奔走する、国家としての根本的な戦略が欠如した日本の姿であった。(38p)
それは、現代ではTPP交渉、又言えば安保法をめぐる国家戦略にも通じる、日本政府の最大最悪最低の弱点だろう。
陸軍編では、よく「陸軍が暴走した」と一言で片付けられることが多い。まるで過去の出来事で他人事である。
しかし、ここで語られるのは、暴走の仕組みは現代にそのまま残っているということである。
外交編も陸軍編も、その組織的体質は全然変わっていない。それは基本的には旧体質が、主体的には一切反省などせずに、アメリカによって温存されたためではあるのだが、こういう番組のあとに、国民の側から、組織的体質の徹底的な反省を促す運動が起こらなかったためでもある。もっとも、この番組の直後に東日本大震災が起きて、そんな余裕を持たなかったといえばそれまで?いや、その組織的体質は原発事故体質にも引き継がれたのだから、それはそのまま、国民の側の怠慢でもあったのだと、今になって思うのは、おそらく少数意見なのだろうな。
2015年10月4日読了
2019年3月22日に日本でレビュー済み
面白かった。
一番面白かったのは菊澤氏のインタビューの所。
当時、「空気に流された」「逆らえる空気ではなかった」と多くのエリートや官僚が口にしているのは山本七平の「空気の研究」でも述べられているが、菊澤氏は「最初から「空気」があるはずがない」と反駁している。多くの人が損得勘定を計算し、自分がもっとも得をする(損をしない)合理的判断をした結果、自ら「空気」をつくりだしているのだと。比較的淡々と事実を語っている他の識者に比べ、「空気」に責任転嫁することの卑怯さへの菊澤氏の熱い怒りが伝わってくる。
ある意味日本人は頭がいいのだろうね。瞬時に状況を判断し、全体(といっても自分の属しているグループに限られる)にとって合理的な結果になるように自分の立ち位置を決める。それが結局「空気」となる。悪く言えば小賢しい。菊澤氏は「空気」を読んだ上で、最後は「正義感」や「勇気」や「哲学」をもって行動してほしいと結んでいる。
ただし、実質宗教のない日本では、自分を振り返ってみてもこれを実行するのは難しいと思う。宗教があっても別の問題が生じるのは今の世界をみれば明らかではあるが。
それ以外に感じたことは
永田鉄山が暗殺されたのはやはり痛かった。
石原莞爾は自身が思っているほど見識もなければ能力もなかった。自分の行動が後にどのような影響を及ぼすのかまるで想像できていなかった。結局何の責任もとらなかった。
一番面白かったのは菊澤氏のインタビューの所。
当時、「空気に流された」「逆らえる空気ではなかった」と多くのエリートや官僚が口にしているのは山本七平の「空気の研究」でも述べられているが、菊澤氏は「最初から「空気」があるはずがない」と反駁している。多くの人が損得勘定を計算し、自分がもっとも得をする(損をしない)合理的判断をした結果、自ら「空気」をつくりだしているのだと。比較的淡々と事実を語っている他の識者に比べ、「空気」に責任転嫁することの卑怯さへの菊澤氏の熱い怒りが伝わってくる。
ある意味日本人は頭がいいのだろうね。瞬時に状況を判断し、全体(といっても自分の属しているグループに限られる)にとって合理的な結果になるように自分の立ち位置を決める。それが結局「空気」となる。悪く言えば小賢しい。菊澤氏は「空気」を読んだ上で、最後は「正義感」や「勇気」や「哲学」をもって行動してほしいと結んでいる。
ただし、実質宗教のない日本では、自分を振り返ってみてもこれを実行するのは難しいと思う。宗教があっても別の問題が生じるのは今の世界をみれば明らかではあるが。
それ以外に感じたことは
永田鉄山が暗殺されたのはやはり痛かった。
石原莞爾は自身が思っているほど見識もなければ能力もなかった。自分の行動が後にどのような影響を及ぼすのかまるで想像できていなかった。結局何の責任もとらなかった。
2016年3月1日に日本でレビュー済み
普通選挙が始まったにも関わらず、軍部を抑制すべき政党は政争、金権政治に明け暮れ国民の支持を失っていく。外交も帝国主義から民主化に向かうイギリスなど列強の動きを見抜けず、国際連盟脱退、日独伊三国同盟というノーリターンポイントを迎えてしまう。かたや、陸軍中央は関東軍の一部による暴発であった満州事変の首謀者を処罰できず、逆に彼等は国民に英雄視されることとなる。そして、これが端緒となって、個人の軍功を求める現地司令官が暴発を繰り返し、陸軍中央はこれを抑えきれず日中戦争へ向かっていく。
2019年10月9日に日本でレビュー済み
NHKスペシャルの番組の元になった情報が詰まっているだけあって、ページ数・文字数はそれほど多くなく一気に読める文章量ながら、内容が詰まっていてよかったです。
外交面で、当時の立場は決して悪くなかったのに、立ち回りが悪過ぎてどんどん孤立していったこと、情報を共有できていなかったこと、活用できていなかったこと、勝手に甘い想定をして修正しなかったことなど、現代の政治にもつながる点が結構あるなと思いました。
陸軍の話では、平時の仕組みを変えることができなかったこと、変える機会があってもそれらが潰されていったこと、暴走を止める仕組みがなかったこと、責任を取らない体制になっていたことなど、一つ歯車が狂うとどこまでも悪化してしまう組織になっていたような気がしました。
満州事変以降の外交の流れ、陸軍の暗号解読能力とその使い途、陸軍の人事システムの不合理性、陸軍の組織論的な評価など、当時の外交と陸軍のあり方について様々な観点で考えることができる本でした。
外交面で、当時の立場は決して悪くなかったのに、立ち回りが悪過ぎてどんどん孤立していったこと、情報を共有できていなかったこと、活用できていなかったこと、勝手に甘い想定をして修正しなかったことなど、現代の政治にもつながる点が結構あるなと思いました。
陸軍の話では、平時の仕組みを変えることができなかったこと、変える機会があってもそれらが潰されていったこと、暴走を止める仕組みがなかったこと、責任を取らない体制になっていたことなど、一つ歯車が狂うとどこまでも悪化してしまう組織になっていたような気がしました。
満州事変以降の外交の流れ、陸軍の暗号解読能力とその使い途、陸軍の人事システムの不合理性、陸軍の組織論的な評価など、当時の外交と陸軍のあり方について様々な観点で考えることができる本でした。