石井桃子(1907-2008)、編集者・翻訳家・作家としていくつもの時代を駆け抜け、101歳で亡くなった。本書は、1994年以降の取材(とくに2002年の5日間にわたる集中インタビュー)をもとにした充実の評伝。読んでゆくと、その人脈の凄さ・豊かさに圧倒される。
著者は筋金入りの石井ファンで、取材のプロフェッショナル(読売新聞記者)。これ以上の適任者はいないかもしれない。
くまのプーさんとの出会いのくだりは、何度読んでも感動的だ。24歳の時、石井は和漢書の整理の手伝いのため犬養家に出入りするようになる。犬養毅は彼女を気に入った。しかし首相になり、そして暗殺。石井はクリスマスに失意の犬養家に行き、そこでプーの絵本を発見し、子どもたちにそれを読んであげるのだ。犬養毅や5・15事件がプーさんに関係しているとは!
20代の頃の石井の交友関係も明かされる。これが本書のハイライト。書名『ひみつの王国』はこれも含意している。
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ひみつの王国: 評伝 石井桃子 (新潮文庫) 文庫 – 2018/3/28
尾崎 真理子
(著)
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ノンちゃん雲に乗る、クマのプーさん、ピーター・ラビットなど作家・翻訳者・編集者として幾多の名作を世に送り出し、溢れる才能のすべてを「子ども時代の幸福」に捧げた101年の生涯。200時間に及ぶインタビューや書簡、綿密な取材をもとに、戦前戦中の活動や私生活にも迫る。子どもの本で人々を勇気づけ、児童文学の星座で強い光をはなつ石井桃子の稀有な人生を描いた、初の本格評伝。
- 本の長さ720ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2018/3/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410121056X
- ISBN-13978-4101210568
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2018/3/28)
- 発売日 : 2018/3/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 720ページ
- ISBN-10 : 410121056X
- ISBN-13 : 978-4101210568
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 605,389位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,565位新潮文庫
- - 81,672位ノンフィクション (本)
- - 100,187位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
石井桃子といえば、ご多分にもれず「くまのプーさん」や「たのしい川べ」などを通じて小学生の頃イギリス児童文学、さらにイギリスへの憧れを掻き立ててくれた存在で、それとの関連で『児童文学の旅』などは読んでいましたが、ふとしたきっかけでこの著作にたどり着きました。そして石井桃子という人の多彩で充実した、しかし陰影もある人生を知ることができ、久しぶりに読書の楽しみに浸れたという気分です。昔の浦和の話にも興味を覚えましたが、菊池寛、犬養家の人々、井伏鱒二、太宰治、山本有三、吉野源三郎、林容吉、瀬田貞二、西川正身といった人々との交流は想像をはるかに超えて広く豊かであり、石井桃子の人徳(運も強い人です)のなせるわざなのだろうと思いました。それにしても、アメリカやイギリス滞在中に多くの人に支えられて、バートンやファージョンに会えた話はうらやましいの一言です。翻訳者の強みでしょうか。
また、鶯沢での活動のように、若いときは書斎に籠もるタイプではなかったことも驚きです。ファージョンの『リンゴ畑のマーティン・ピピン』と『ノンちゃん雲にのる』との対応性など、異論もあるでしょうが、面白い指摘だと言えます。晩年の生活や仕事ぶりは老境に入った身としては、参考になることが結構あります。もうひとつ非常に面白いと思ったのは、石井桃子以降のイデオロギーから自由な日本の児童文学は、それ以前の小川未明、浜田広介、坪田譲治とつながっているのではなく、『子どもと文学』でそれを批判するなかから登場してきたことです(いぬいとみこの立ち位置は微妙ですが)。この本の読み方としては邪道かもしれませんが、もうひとつの日本児童文学史として読めるのではないかと思いました。
書名の意味は難解ですが、「石井桃子の交友は多岐に渡っていたが、それぞれの客人同士が紹介され合うようなことは、注意深く避けられていたとしか思えない」(642)という一節にヒントがありそうです。秘密はなお残っているとしてもここまで復元した著者の努力を多としたいと思います。
また、鶯沢での活動のように、若いときは書斎に籠もるタイプではなかったことも驚きです。ファージョンの『リンゴ畑のマーティン・ピピン』と『ノンちゃん雲にのる』との対応性など、異論もあるでしょうが、面白い指摘だと言えます。晩年の生活や仕事ぶりは老境に入った身としては、参考になることが結構あります。もうひとつ非常に面白いと思ったのは、石井桃子以降のイデオロギーから自由な日本の児童文学は、それ以前の小川未明、浜田広介、坪田譲治とつながっているのではなく、『子どもと文学』でそれを批判するなかから登場してきたことです(いぬいとみこの立ち位置は微妙ですが)。この本の読み方としては邪道かもしれませんが、もうひとつの日本児童文学史として読めるのではないかと思いました。
書名の意味は難解ですが、「石井桃子の交友は多岐に渡っていたが、それぞれの客人同士が紹介され合うようなことは、注意深く避けられていたとしか思えない」(642)という一節にヒントがありそうです。秘密はなお残っているとしてもここまで復元した著者の努力を多としたいと思います。
2014年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プーさん、うさこちゃんを日本に紹介、岩波少年文庫創立の大黒柱。日本の児童書界の巨人であるゆえに、石井桃子はたいてい、これらとセットで語られてきました。私も本書を手にしたきっかけは「プーさんの石井桃子伝!」でしたし。しかし、石井桃子の一生はそんな枠に収まるものではありませんでした。
本書は101年に及ぶ石井の生涯を関係者への取材と文献資料からていねいに追い、明治、大正、昭和、平成といつの時代も第一線で活躍してきた一人の女性のバイタリティあふれる日々を描いています。
明治・大正の郊外の暮らしが甦る浦和での幼少期。大学卒業後は文藝春秋で菊地寛のもと、記者・編集者を務めます。(おしゃれページのモデルになっている写真あり!)文春を離れ日本少国民文庫を編集、『クマのプーさん』や『たのしい川辺』『ドリトル先生』の刊行を進める。と、このあたりはまだ戦前〜戦中のこと。石井桃子の本領発揮はここからなのでした。
終戦直後には宮城の田舎で本格的な農業生活を数年したかと思えば、「ノンちゃん雲に乗る」を発表。東京に戻り岩波少年文庫の創刊に尽力。日本の児童書界が活発になってきたころには子どもの本を考える集いを始め、以降、児童文学論を戦わせます。いっぽうで自宅に近所の子どもたちの集まる家庭文庫を設け、全国に家庭文庫ブームを巻き起こしたのも石井たちでした。欧米の作家や図書館関係者と交流を深め、児童図書館のありかたにも強い影響を及ぼし、ついには私設の児童図書館を立ち上げます。このころようやく60代あたり。
80代で自伝的小説でもある大作『幻の朱い実』を書き上げて(88歳で読売文学賞受賞!)、90歳を過ぎても新訳、改訳を発表。最後まで音読を大切にして言葉のもつリズムにこだわり続けました。
表舞台を駆け足で辿るとこんな感じです。これにその時々の私生活が彩ります。なんとも濃密です。
晩年という言葉が最後の最後までふさわしくなかった石井桃子。蜘蛛の巣を張り巡らしたかのように多方面に幅広い交友を抱えていた石井の、いったい何が「ひみつ」なのか。石井が追及した生活とは何だったのか。後半、ミステリ小説さながらに進む著者の解釈に大きくうなずきました。
昭和初期の豪華な文壇史に胸おどる人もいれば、運命の人との関係にドラマを見出す人、あらためて岩波少年文庫の名作を取り寄せる人、児童文学論や翻訳について考える人、女性の社会進出、結婚とは、老いとはなにか、などなど。多様な読後感を残す評伝だと思います。
著者は石井の生前に何度かインタビューに挑んでいるので、随所に石井自身の貴重な肉声があるのがとてもよいです。なんとか読み終えましたが、全編で500ページ超です。「プーさん」だけではない石井桃子の101年、読む度に新しい出会いがありそうです。
本書は101年に及ぶ石井の生涯を関係者への取材と文献資料からていねいに追い、明治、大正、昭和、平成といつの時代も第一線で活躍してきた一人の女性のバイタリティあふれる日々を描いています。
明治・大正の郊外の暮らしが甦る浦和での幼少期。大学卒業後は文藝春秋で菊地寛のもと、記者・編集者を務めます。(おしゃれページのモデルになっている写真あり!)文春を離れ日本少国民文庫を編集、『クマのプーさん』や『たのしい川辺』『ドリトル先生』の刊行を進める。と、このあたりはまだ戦前〜戦中のこと。石井桃子の本領発揮はここからなのでした。
終戦直後には宮城の田舎で本格的な農業生活を数年したかと思えば、「ノンちゃん雲に乗る」を発表。東京に戻り岩波少年文庫の創刊に尽力。日本の児童書界が活発になってきたころには子どもの本を考える集いを始め、以降、児童文学論を戦わせます。いっぽうで自宅に近所の子どもたちの集まる家庭文庫を設け、全国に家庭文庫ブームを巻き起こしたのも石井たちでした。欧米の作家や図書館関係者と交流を深め、児童図書館のありかたにも強い影響を及ぼし、ついには私設の児童図書館を立ち上げます。このころようやく60代あたり。
80代で自伝的小説でもある大作『幻の朱い実』を書き上げて(88歳で読売文学賞受賞!)、90歳を過ぎても新訳、改訳を発表。最後まで音読を大切にして言葉のもつリズムにこだわり続けました。
表舞台を駆け足で辿るとこんな感じです。これにその時々の私生活が彩ります。なんとも濃密です。
晩年という言葉が最後の最後までふさわしくなかった石井桃子。蜘蛛の巣を張り巡らしたかのように多方面に幅広い交友を抱えていた石井の、いったい何が「ひみつ」なのか。石井が追及した生活とは何だったのか。後半、ミステリ小説さながらに進む著者の解釈に大きくうなずきました。
昭和初期の豪華な文壇史に胸おどる人もいれば、運命の人との関係にドラマを見出す人、あらためて岩波少年文庫の名作を取り寄せる人、児童文学論や翻訳について考える人、女性の社会進出、結婚とは、老いとはなにか、などなど。多様な読後感を残す評伝だと思います。
著者は石井の生前に何度かインタビューに挑んでいるので、随所に石井自身の貴重な肉声があるのがとてもよいです。なんとか読み終えましたが、全編で500ページ超です。「プーさん」だけではない石井桃子の101年、読む度に新しい出会いがありそうです。
2022年2月10日に日本でレビュー済み
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知らなかったことへの驚きと、知ってることへの親しみを、尾崎真理子の細大漏らさずの気迫に満ちた筆力で深く知る。
何といっても戦中戦後の困難を乗り越えていく石井桃子の奮闘ぶりは驚くばかりで、その箇所への筆者の力の入れようも感じたものである。
幼い頃に、この大人たちの仕事へのひたむきさで、数々の名作に触れることが出来たことへひたすら感謝あるのみである。
何といっても戦中戦後の困難を乗り越えていく石井桃子の奮闘ぶりは驚くばかりで、その箇所への筆者の力の入れようも感じたものである。
幼い頃に、この大人たちの仕事へのひたむきさで、数々の名作に触れることが出来たことへひたすら感謝あるのみである。
2019年5月23日に日本でレビュー済み
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私も現在独身ですが、本書を読んでかなり励まされました。分析も的確で、事実と私見もきちんとわかりやすいので、
嫌味なく読めます。出会えて良かった本です。
嫌味なく読めます。出会えて良かった本です。
2014年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いちばん有名なのは「クマのプーさん」と「ノンちゃん雲に乗る」でしょうが、
(とは決め付けられないくらいたくさんの翻訳と著作がありますね)
わたしにとっての石井桃子さんは「たのしい川べ」、そして「幻の朱い実」。
練れた軽やかな翻訳と、美味しいものがどっさり出てくる大長編小説の
ふり幅の大きさにとても惹かれます。2700円+消費税はかなりのお値段だけど、
初めての評伝、払う価値ありです。
カバーの絵はチャーミングですが、よくよく見るとこの少女たちって・・・
そう、アウトサイダーアートのヘンリー・ダーガーですよ。
ダーガーに星いっこプラスです。
(とは決め付けられないくらいたくさんの翻訳と著作がありますね)
わたしにとっての石井桃子さんは「たのしい川べ」、そして「幻の朱い実」。
練れた軽やかな翻訳と、美味しいものがどっさり出てくる大長編小説の
ふり幅の大きさにとても惹かれます。2700円+消費税はかなりのお値段だけど、
初めての評伝、払う価値ありです。
カバーの絵はチャーミングですが、よくよく見るとこの少女たちって・・・
そう、アウトサイダーアートのヘンリー・ダーガーですよ。
ダーガーに星いっこプラスです。
2014年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ノンちゃん雲にのる』の石井桃子に関する膨大な資料をつかった評伝。石井は児童文学というジャンルを切り開いた。
著者の尾崎真理子は新聞社勤めをしながら石井本人に取材していた。
その取材と、石井が残した手紙と石井没後の調査で構成されている。
登場する人々は読書好きの人なら必ず知っている人々で、彼らの相関関係もわかる近代文学史になっている。
折から放送中のTV朝ドラ『花子とアン』の村岡花子のくらしと重なるが彼女より14才若く、亡くなった私の父と同い年、明治40年生まれ。
実は読了していない。ようやく『ノンちゃん』が本になるところ。検閲で言論の自由は保障されていなかった。後半がたのしみ。
著者の尾崎真理子は新聞社勤めをしながら石井本人に取材していた。
その取材と、石井が残した手紙と石井没後の調査で構成されている。
登場する人々は読書好きの人なら必ず知っている人々で、彼らの相関関係もわかる近代文学史になっている。
折から放送中のTV朝ドラ『花子とアン』の村岡花子のくらしと重なるが彼女より14才若く、亡くなった私の父と同い年、明治40年生まれ。
実は読了していない。ようやく『ノンちゃん』が本になるところ。検閲で言論の自由は保障されていなかった。後半がたのしみ。
2014年9月15日に日本でレビュー済み
この本は、後書きにもあるように、以前に「新潮」で連載された物に書き足してまとめた物。
発刊当時、これを目にし、読んでいたので一冊にまとまって出るのを待っていた。
期待通り、丁寧な取材と、何より、「石井桃子」という取材対象に対して、著者の尾崎さんが
尊敬の念を持って、これを書いて下さっている事が伝わってくる。
というのは、読んでいて胸が詰まる様な所、また、本人自身が出したくなかった、又は出そうと思ってもいなかった、事が書かれてしまっても、それがこの本の印象として嫌味になっていない。
100歳まで、信念を貫いて仕事に生きた。児童文学での大きな仕事としてだけではなく、
それは、日本の近現代の女性の生き方としても、特筆される事だと思う。
「石井桃子」個人の心の深奥の思いは窺い知れない。
どの様な苦しみや悲しみがあった事か!
それを他人に感じさせない強さ、しなやかだが、強靭と言っていい、精神力。
それが、この長大な評伝を読み解くカギでもある。
これまで出されている、4冊のエッセイ集からも読みとれた、
「石井桃子」のくっきりした、人生の輪郭。
しかし、評伝で感じられる、哀しみは自身の言葉では述べていない。
それを抱えたまま、仕事の足跡を遺す事に精進した。
これらの仕事から、どれくらい多くの人がこれからも、
「本の喜び」を得ることになるだろう!
賢治の虔十公園林の言葉のように。
石井桃子は居なくなっても、彼女の残した本の世界は、
彼女の願ったように子どもたちの心に残って行くだろう。
そうなるよう後に続く人びとが、心がけていかなければならない。
発刊当時、これを目にし、読んでいたので一冊にまとまって出るのを待っていた。
期待通り、丁寧な取材と、何より、「石井桃子」という取材対象に対して、著者の尾崎さんが
尊敬の念を持って、これを書いて下さっている事が伝わってくる。
というのは、読んでいて胸が詰まる様な所、また、本人自身が出したくなかった、又は出そうと思ってもいなかった、事が書かれてしまっても、それがこの本の印象として嫌味になっていない。
100歳まで、信念を貫いて仕事に生きた。児童文学での大きな仕事としてだけではなく、
それは、日本の近現代の女性の生き方としても、特筆される事だと思う。
「石井桃子」個人の心の深奥の思いは窺い知れない。
どの様な苦しみや悲しみがあった事か!
それを他人に感じさせない強さ、しなやかだが、強靭と言っていい、精神力。
それが、この長大な評伝を読み解くカギでもある。
これまで出されている、4冊のエッセイ集からも読みとれた、
「石井桃子」のくっきりした、人生の輪郭。
しかし、評伝で感じられる、哀しみは自身の言葉では述べていない。
それを抱えたまま、仕事の足跡を遺す事に精進した。
これらの仕事から、どれくらい多くの人がこれからも、
「本の喜び」を得ることになるだろう!
賢治の虔十公園林の言葉のように。
石井桃子は居なくなっても、彼女の残した本の世界は、
彼女の願ったように子どもたちの心に残って行くだろう。
そうなるよう後に続く人びとが、心がけていかなければならない。