なかなか 忙しさで本を読める機会が作れず(いいわけなんですが)今回タイミングが良かったせいでこの本を
手に入れることが出来ました。不安を解消してくれてなおかつ私の不勉強を考えさせてくれた一冊です。
50歳前の私ですが まだまだ勉強しなければと思いました。

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知ろうとすること。 (新潮文庫) 文庫 – 2014/9/27
原発事故後、放射線の影響を分析し続けた物理学者と、未来を少し良くする方法を考える。
福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳(がげぜん)調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学的に考える力の大切さ」を早野と語る。
未来に求められる「こころのありよう」とは。文庫オリジナル。
【目次】
序章 まず、言っておきたいこと。
糸井重里が言っておきたいこと。
早野龍五が言っておきたいこと。
1章 なぜ放射線に関するツイートを始めたのか
自分でもよくわかんないんですよ
被ばくに関するふたつのバックグラウンド
2章 糸井重里はなぜ早野龍五のツイートを信頼したのか
叫ぶ人は信用できない
間違ったデータに騙され続けていたんです
当時、恐れていたこと
現場で働いている人たちのこと
3章 福島での測定から見えてきたこと。
給食の陰膳調査
二人のお医者さんとの出会い
内部被ばくに関しては大丈夫だった
厳しい規制値と1000万袋の検査
外部被ばく対策、D-シャトル
4章 まだある不安と、これから
「私はちゃんと子どもを産めるんですか」 BR> 甲状腺ガンについての不安
5章 ベビースキャンと科学の話
科学的には必要のない道具
カリウム40とは
138億年前の話
これからの科学について
6章 マイナスをゼロにする仕事から、未来につなげる仕事へ
高校生をCERNへ
あとがき 早野龍五
もうひとつのあとがき
こころのありよう、というか「姿勢」のこと。 糸井重里
早野龍五
1952(昭和27)年岐阜県生れ。物理学者。東京大学大学院理学系研究科教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方で、2011(平成23)年3月以来、福島第一原子力発電所事故に関して、自身のTwitterから現状分析と情報発信をおこなう。
糸井重里
1948(昭和23)年、群馬県生れ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『海馬』(池谷裕二との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)『知ろうとすること。』(早野龍五との共著)ほか多数。
福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳(がげぜん)調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学的に考える力の大切さ」を早野と語る。
未来に求められる「こころのありよう」とは。文庫オリジナル。
【目次】
序章 まず、言っておきたいこと。
糸井重里が言っておきたいこと。
早野龍五が言っておきたいこと。
1章 なぜ放射線に関するツイートを始めたのか
自分でもよくわかんないんですよ
被ばくに関するふたつのバックグラウンド
2章 糸井重里はなぜ早野龍五のツイートを信頼したのか
叫ぶ人は信用できない
間違ったデータに騙され続けていたんです
当時、恐れていたこと
現場で働いている人たちのこと
3章 福島での測定から見えてきたこと。
給食の陰膳調査
二人のお医者さんとの出会い
内部被ばくに関しては大丈夫だった
厳しい規制値と1000万袋の検査
外部被ばく対策、D-シャトル
4章 まだある不安と、これから
「私はちゃんと子どもを産めるんですか」 BR> 甲状腺ガンについての不安
5章 ベビースキャンと科学の話
科学的には必要のない道具
カリウム40とは
138億年前の話
これからの科学について
6章 マイナスをゼロにする仕事から、未来につなげる仕事へ
高校生をCERNへ
あとがき 早野龍五
もうひとつのあとがき
こころのありよう、というか「姿勢」のこと。 糸井重里
早野龍五
1952(昭和27)年岐阜県生れ。物理学者。東京大学大学院理学系研究科教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方で、2011(平成23)年3月以来、福島第一原子力発電所事故に関して、自身のTwitterから現状分析と情報発信をおこなう。
糸井重里
1948(昭和23)年、群馬県生れ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『海馬』(池谷裕二との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)『知ろうとすること。』(早野龍五との共著)ほか多数。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2014/9/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410118318X
- ISBN-13978-4101183183
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商品の説明
著者について
早野龍五(はやの・りゅうご)
1952(昭和27)年岐阜県生れ。物理学者。東京大学大学院理学系研究科教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方で、2011(平成23)年3月以来、福島第一原子力発電所事故に関して、自身のTwitterから現状分析と情報発信をおこなう。
糸井重里(いとい・しげさと)
1948(昭和23)年群馬県生れ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『海馬』(池谷裕二との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)ほか多数。東日本大震災以来、福島で継続される早野氏の情報発信活動に注目していた。
1952(昭和27)年岐阜県生れ。物理学者。東京大学大学院理学系研究科教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方で、2011(平成23)年3月以来、福島第一原子力発電所事故に関して、自身のTwitterから現状分析と情報発信をおこなう。
糸井重里(いとい・しげさと)
1948(昭和23)年群馬県生れ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。広告、作詞、文筆、ゲーム制作など多彩な分野で活躍。著書に『ぼくの好きなコロッケ。』『ボールのようなことば。』『海馬』(池谷裕二との共著)『黄昏』(南伸坊との共著)ほか多数。東日本大震災以来、福島で継続される早野氏の情報発信活動に注目していた。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2014/9/27)
- 発売日 : 2014/9/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 192ページ
- ISBN-10 : 410118318X
- ISBN-13 : 978-4101183183
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 214,292位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1948年、群馬県出身。
コピーライター。ほぼ日刊イトイ新聞、主宰。
作詞、ゲーム制作など、多岐にわたり活動。
1998年6月に毎日更新のウェブサイト
「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは
同サイトでの活動に全力を傾けている。
最新刊に、早野龍五氏との共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)
『ぼくの好きなコロッケ。』(東京糸井重里事務所)などがある。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
放射線、その他科学の事をもっと知りたいと思っわせてくれる本。
2017年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
糸井重里さんの本を手に取ってから、
震災直後にとても参考にしていた早野龍五さんと糸井さんの共著があることを知って、早速購入。
もっと早く読めばよかった、、。
震災後は早野さんのツイートに自分自身助けられたところもある。一方で、似非な危険を煽る情報に、かなり流されたりもした。
ひとつの事実があって、それを人はいろいろなやり方で表現する。
何が正しいのか自分で判断するにあたって、
「よりセンセーショナルでない方、
より正義を振りかざしていない方
を信用するのだ」
という糸井さん。
淡々と情報を流し続け、その後も何度も福島に足を運んでベビースキャン(ホールボディカウンター)の設置などに尽力した早野さん。
ふたりの姿勢を心から尊敬する。
これからの心の持ちようの指針になった本。
震災直後にとても参考にしていた早野龍五さんと糸井さんの共著があることを知って、早速購入。
もっと早く読めばよかった、、。
震災後は早野さんのツイートに自分自身助けられたところもある。一方で、似非な危険を煽る情報に、かなり流されたりもした。
ひとつの事実があって、それを人はいろいろなやり方で表現する。
何が正しいのか自分で判断するにあたって、
「よりセンセーショナルでない方、
より正義を振りかざしていない方
を信用するのだ」
という糸井さん。
淡々と情報を流し続け、その後も何度も福島に足を運んでベビースキャン(ホールボディカウンター)の設置などに尽力した早野さん。
ふたりの姿勢を心から尊敬する。
これからの心の持ちようの指針になった本。
2015年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原発事故の後、TVをはじめ様々なメディアで情報が錯綜し、何を信じ、何を疑えばいいのかわからない状況が続きました。
被災地の力になりたい、役に立つ情報を拡散したいという多くの思いが空回りしていました。
そんな中、早野龍五氏はツイッターで客観的なデータを示し、既存の放射線に関する知見と照らし合わせ、
冷静に言えることだけを言ってきた、信頼のおける科学者でした。その情報発信を糸井重里氏が見つけたところから二人の縁は始まります。
本書では、糸井重里氏を聞き手として、その早野氏の活動について対談形式で振り返えっていきます。
具体的な内容はほかのレビューに譲りますが、内部被爆、外部被爆について信用できる情報が入手できるよう体制をつくり、
測定し、客観的なデータを得て発信していくその姿は科学者の真骨頂と言えるでしょう。
しかし、なによりも感動したのは「ベビースキャン」のエピソードでした。
これは全身の被爆量を測定できる「ホールボディカウンター」を乳児向けに作り直したもので、
赤ちゃんが4分間じっとしていられること、親がその機械に赤ちゃんを入れるのに不安を感じないことを重視して、
機械の見た目にまでこだわり、デザイナーを雇っての作成です。
しかし、そもそも乳児から検出される被爆量は親よりも低いことが原理的に既知であるため、
家族の被爆量を測定して基準をクリアしていればそれで科学的には解決されます。
つまり、これは科学的には必要のない機械ということになります。
このような機械をなぜ作ったのか?それは、母親に”安心”を提供するためです。
科学的に安全であることと、一般の人々が安心して身をゆだねられることとの間には大きな隔たりがあります。
その溝を重々理解し、尊重して、ここまで科学者が歩み寄ったということが本当に素晴らしい。
本当の科学コミュニケーションは早野さんのような歩み寄りでしか実現できないのではと思います。
被災地の力になりたい、役に立つ情報を拡散したいという多くの思いが空回りしていました。
そんな中、早野龍五氏はツイッターで客観的なデータを示し、既存の放射線に関する知見と照らし合わせ、
冷静に言えることだけを言ってきた、信頼のおける科学者でした。その情報発信を糸井重里氏が見つけたところから二人の縁は始まります。
本書では、糸井重里氏を聞き手として、その早野氏の活動について対談形式で振り返えっていきます。
具体的な内容はほかのレビューに譲りますが、内部被爆、外部被爆について信用できる情報が入手できるよう体制をつくり、
測定し、客観的なデータを得て発信していくその姿は科学者の真骨頂と言えるでしょう。
しかし、なによりも感動したのは「ベビースキャン」のエピソードでした。
これは全身の被爆量を測定できる「ホールボディカウンター」を乳児向けに作り直したもので、
赤ちゃんが4分間じっとしていられること、親がその機械に赤ちゃんを入れるのに不安を感じないことを重視して、
機械の見た目にまでこだわり、デザイナーを雇っての作成です。
しかし、そもそも乳児から検出される被爆量は親よりも低いことが原理的に既知であるため、
家族の被爆量を測定して基準をクリアしていればそれで科学的には解決されます。
つまり、これは科学的には必要のない機械ということになります。
このような機械をなぜ作ったのか?それは、母親に”安心”を提供するためです。
科学的に安全であることと、一般の人々が安心して身をゆだねられることとの間には大きな隔たりがあります。
その溝を重々理解し、尊重して、ここまで科学者が歩み寄ったということが本当に素晴らしい。
本当の科学コミュニケーションは早野さんのような歩み寄りでしか実現できないのではと思います。
2014年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
早野龍五さんがツイッターで発信してこられた情報は、
他の科学者の方々の書籍や論文、ツイッターやブログと同様に、
これまで参考にさせていただいてきました。
この本は、早野さんの活動の記録をまとめたものとして役立ちます。
でも、対談相手の糸井重里さんが話を聞く姿勢には、
根本的な疑問を感じざるを得ませんでした。
「大切な判断をしなければいけないときは、必ず科学的に正しい側に立ちたい」
というコピーが帯になっています。これは、糸井重里さんがこの本の序章でも
「まず言っておきたいこと」と銘打って第一に表明されている言葉です。
糸井さんの「基本的スタンス」だというこの言葉に、正直すごく違和感を覚えました。
科学的に誠実に考えれば考えるほど、何が科学的に絶対正しいかなど、
言い切れないことがほとんどなのに、と。
科学的な研究にも、そこから導かれる結論にもいろいろあります。
問題のどこに焦点を当て、どんな計器を使って何をどう計測するかも様々ですし、
科学者の選択する前提や方法、立場、守備範囲が人によって違います。
何年も時間が経ったあとで検証されて、わかってくるだろうことも、いっぱいある。
「必ず科学的に正しい側に立ちたい」という、
そもそも科学的にあり得ない大前提を、文庫本の帯や前書きで無邪気に言い放つのは、
コピーライターの手法だとしても、ちょっと……。
また、もしそうではなくて、科学にそんな前提が成り立つと
糸井さんが本気で信じておられるのなら、姿勢として怖いなあ、と思いました。
「原発事故後の放射線の影響について、いま、確かに語れること」という
コピーも帯にありますが、さらりと「確かに」って、おいおい(笑)……?
「放射線を怖がる人たちは、正しく知ろうとせずに知識が固定してしまっていて、
非科学的で差別的」というふうにざっくりと思っておられるようで、
そんなトーンが本全体にあるのも、いくら何でもちょっとあんまり、というか、
偏りすぎではないかなあ、と思います。
炎上するツイッターだけが情報源ではないでしょう?
早野さんは確かに誠実な方です。でも、糸井さんみたいに、
人格によって科学的「正しさ」を選ぼうというのは、どこか根本的におかしい。
才能ある変人の科学者なんていっぱいいます(笑)。
同時に、3.11以降、早野さんとは違う手法や対象で観察や計測をした結果
福島以外の東北、関東、首都圏であっても、
「原発事故による低線量被曝が人体に与える影響には重々注意をした方がいい」
という結論に至っている専門家も多い。
それぞれの方が手にした事実に基づく情報があります。
未来の私たちのためにと、冷静な警告を発し続けてくれている
誠実で愛情あふれた専門家も、国内外を問わずおられます。
そうした情報に触れる機会が少ないまま漠然とした不安を抱える人々に対して、
糸井さんは「心配する必要はありません。僕が信頼している早野先生が
科学的に正しい側なのだから」と、人々のもやもやを和らげたいかのように見えてしまいます。
ご本人にそんな意図がなかったとしても、早野さん一択の場で「科学的に正しい側」
と言ってしまっては、重大なミスリードになりかねません。
だから、受け取る側の私たち読者の方に、冷静で十分な注意が必要なのかもしれませんね。
早野龍五さんは、さすがに科学者ですから、あとがきで
「科学というものは、間違えるものなんです」
「アインシュタインにも間違えていたことがある」
「科学は書き換えられ進歩していく」と
あたりまえのことをきちんと断っていらっしゃいます。
「大切な判断をしなければいけないときは、
広告コピーやキャッチフレーズには要注意」なんじゃないかな。
他の科学者の方々の書籍や論文、ツイッターやブログと同様に、
これまで参考にさせていただいてきました。
この本は、早野さんの活動の記録をまとめたものとして役立ちます。
でも、対談相手の糸井重里さんが話を聞く姿勢には、
根本的な疑問を感じざるを得ませんでした。
「大切な判断をしなければいけないときは、必ず科学的に正しい側に立ちたい」
というコピーが帯になっています。これは、糸井重里さんがこの本の序章でも
「まず言っておきたいこと」と銘打って第一に表明されている言葉です。
糸井さんの「基本的スタンス」だというこの言葉に、正直すごく違和感を覚えました。
科学的に誠実に考えれば考えるほど、何が科学的に絶対正しいかなど、
言い切れないことがほとんどなのに、と。
科学的な研究にも、そこから導かれる結論にもいろいろあります。
問題のどこに焦点を当て、どんな計器を使って何をどう計測するかも様々ですし、
科学者の選択する前提や方法、立場、守備範囲が人によって違います。
何年も時間が経ったあとで検証されて、わかってくるだろうことも、いっぱいある。
「必ず科学的に正しい側に立ちたい」という、
そもそも科学的にあり得ない大前提を、文庫本の帯や前書きで無邪気に言い放つのは、
コピーライターの手法だとしても、ちょっと……。
また、もしそうではなくて、科学にそんな前提が成り立つと
糸井さんが本気で信じておられるのなら、姿勢として怖いなあ、と思いました。
「原発事故後の放射線の影響について、いま、確かに語れること」という
コピーも帯にありますが、さらりと「確かに」って、おいおい(笑)……?
「放射線を怖がる人たちは、正しく知ろうとせずに知識が固定してしまっていて、
非科学的で差別的」というふうにざっくりと思っておられるようで、
そんなトーンが本全体にあるのも、いくら何でもちょっとあんまり、というか、
偏りすぎではないかなあ、と思います。
炎上するツイッターだけが情報源ではないでしょう?
早野さんは確かに誠実な方です。でも、糸井さんみたいに、
人格によって科学的「正しさ」を選ぼうというのは、どこか根本的におかしい。
才能ある変人の科学者なんていっぱいいます(笑)。
同時に、3.11以降、早野さんとは違う手法や対象で観察や計測をした結果
福島以外の東北、関東、首都圏であっても、
「原発事故による低線量被曝が人体に与える影響には重々注意をした方がいい」
という結論に至っている専門家も多い。
それぞれの方が手にした事実に基づく情報があります。
未来の私たちのためにと、冷静な警告を発し続けてくれている
誠実で愛情あふれた専門家も、国内外を問わずおられます。
そうした情報に触れる機会が少ないまま漠然とした不安を抱える人々に対して、
糸井さんは「心配する必要はありません。僕が信頼している早野先生が
科学的に正しい側なのだから」と、人々のもやもやを和らげたいかのように見えてしまいます。
ご本人にそんな意図がなかったとしても、早野さん一択の場で「科学的に正しい側」
と言ってしまっては、重大なミスリードになりかねません。
だから、受け取る側の私たち読者の方に、冷静で十分な注意が必要なのかもしれませんね。
早野龍五さんは、さすがに科学者ですから、あとがきで
「科学というものは、間違えるものなんです」
「アインシュタインにも間違えていたことがある」
「科学は書き換えられ進歩していく」と
あたりまえのことをきちんと断っていらっしゃいます。
「大切な判断をしなければいけないときは、
広告コピーやキャッチフレーズには要注意」なんじゃないかな。
2018年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
放射線について、色んな本を読みましたが、専門家ではない私には理解しやすかったです。
著者の方の人柄の良さも滲みでてました。
手元に置き、何度も読みたいです。
著者の方の人柄の良さも滲みでてました。
手元に置き、何度も読みたいです。
2020年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
科学的な見方を学べる。事実に基づいて判断する。データを測る。ゼロイチ思考に陥らない。など。そのような見方はニュースを見るときに役立つだろう。
2015年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の存在を知った時、“この手の話し”については、心が疲れていて(読もう)とか(読みたい)なんて全然思いませんでした。でも、福島県の隣に住んでいて、成長期の子どもを持つ親として、やはり原発事故による放射性物質の影響については、いつも心配はありました。
そして、震災から4年余りが過ぎました。
今だからこそ、読めた。本を手に取ることができました。
そして、読んでよかった、と心から思いました。
糸井さんのスタンスが科学者ではない私に近い気がしました。そんな糸井さんとの対談形式のやり取りはとても分かり易かった。
そして早野さんの姿勢にとても救われました。
私が聞きたかったこと、不安に思っていたことに答えが見えた気持ちになりました。
本当の「復興」は少しずつ、そして長い時間がかかると思うけれど、やはり故郷の東北を愛する一人として、正しく理解していきたいと改めて思いました。
「知ろうとすること」
“知ること”ではなく
“知ろうとする”その気持ちが大切なのだと、改めて思いました。
ありがとうございました。
そして、震災から4年余りが過ぎました。
今だからこそ、読めた。本を手に取ることができました。
そして、読んでよかった、と心から思いました。
糸井さんのスタンスが科学者ではない私に近い気がしました。そんな糸井さんとの対談形式のやり取りはとても分かり易かった。
そして早野さんの姿勢にとても救われました。
私が聞きたかったこと、不安に思っていたことに答えが見えた気持ちになりました。
本当の「復興」は少しずつ、そして長い時間がかかると思うけれど、やはり故郷の東北を愛する一人として、正しく理解していきたいと改めて思いました。
「知ろうとすること」
“知ること”ではなく
“知ろうとする”その気持ちが大切なのだと、改めて思いました。
ありがとうございました。