戦争は普通の人を普通でなくする。
メンタルが凄まじくリアルに描かれている。
至極の作品である。
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遠い日の戦争 (新潮文庫) 文庫 – 1984/7/27
吉村 昭
(著)
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終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1984/7/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101117160
- ISBN-13978-4101117164
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【新潮文庫】吉村昭 作品 | 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 | トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 | 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 | 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 | 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 | 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。 |
大本営が震えた日 | 羆嵐(くまあらし) | ポーツマスの旗 | 破船 | 雪の花 | 海馬(トド) | |
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開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 | 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 | 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 | 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! | 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 | 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。 |
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日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 | 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 | 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 | 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 | ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 | 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。 |
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米兵捕虜を処刑した一中尉の、戦後の暗く怯えに満ちた逃亡の日々──。戦争犯罪とは何かを問い、敗戦日本の歪みを抉る力作長編。 | 浮気をした妻と相手の母親を殺して無期刑に処せられた男が、 16 年後に仮釈放された。彼は与えられた自由を享受することができるか? | 昭和 20 年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通して、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。 | 幕末日本を震撼させた「天狗党の乱」。水戸尊攘派の挙兵から中山道中の行軍、そして越前での非情な末路までを克明に描いた雄編。 | 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を敢行した無期刑囚佐久間清太郎。その超人的な手口と、あくなき執念を追跡した著者渾身の力作長編。 | 肺癌に侵され激痛との格闘のすえに逝った弟。強い信念のもとに癌であることを隠し通し、ゆるぎない眼で死をみつめた感動の長編小説。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1984/7/27)
- 発売日 : 1984/7/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4101117160
- ISBN-13 : 978-4101117164
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 78,613位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月20日に日本でレビュー済み
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敗戦後上長の司令により米兵俘虜を殺した罪に問われ、敗走する復員兵の話。
あれほどまでに戦争に熱狂していた大衆が、戦後いかに軍人への認識を無自覚に変化させたかを痛感させられる。戦争を始めさせたのは、なんだったのか改めて考えさせられる。
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2022年11月5日に日本でレビュー済み
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終戦を境に、人心が磁極反転したような世界に包まれた敗戦国日本が辿ったある人物の葛藤を時代の移り変わりとともに教えてくれた良書でした。もし戦争を始めて、負けた国の人々はこのような経験をされるんだろうと胸が痛くなりました。
2021年12月15日に日本でレビュー済み
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天皇の「玉音放送」直後、空襲への復讐に米軍捕虜の首を刎ね、逃亡する元兵士。戦争に携わった「個」が「個」を殺すことで国家を断罪するはずが、自らをも問うことに。
2021年8月3日に日本でレビュー済み
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今日を永遠に生きる日本人と積み重ねのない日本の歴史を感じた良作
2019年10月2日に日本でレビュー済み
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主人公は一般市民への無差別爆撃に対する怒りから米軍捕虜を処刑する。
しかし、敗戦後その罪状で占領軍に追われる。また捕虜の姿がフラッシュバックし主人公を苦しめる。
逃げ切れず逮捕され収監。終身刑から減刑されとうとう仮釈放される。
終戦後の人々の息づかいまで感じるような背景描写の中、
追跡の手を恐れ米兵処刑に加担したことを苦しむ内面がこれでもかとばかりに描写される。
戦争がなければ誠実な人生を送っていたはずの主人公。
彼も太平洋戦争の残酷な犠牲者の一人であろう。
最後に何とか人生をやり直せそうな描写で終了しているのが救いである。
しかし、敗戦後その罪状で占領軍に追われる。また捕虜の姿がフラッシュバックし主人公を苦しめる。
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彼も太平洋戦争の残酷な犠牲者の一人であろう。
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2019年5月26日に日本でレビュー済み
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平和な時代であったなら、平穏な生活を営んで社会でも重要な役割を果たし立派に家族と暮らしていたであろう主人公。
時代の趨勢に流され、必然的に軍人なった。偶然から米軍飛行士の断首事件に絡んでしまう。周りの人々に助けられながら逃亡するが、捕らえられる。しかし、その間時代も変化していて、極刑を免れてやがて市井の生活をとりもどすまでの、緊迫感ある物語だが、当時の社会が生々しく書かれていて、夢中になって読むことができました。
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2020年12月1日に日本でレビュー済み
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読みやすくドキドキワクワクで楽しかった。