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家族の昭和 (新潮文庫) 文庫 – 2010/10/28
関川 夏央
(著)
戦争を経験した「昭和」という時代に、日本人を取り巻く状況は劇的に変化した。経済では全てを失いながらも、瞬く間に飛躍的成長を遂げ、人々の精神や生活習慣も大きく変貌した。そしてその激動の原動力となったのは家族の存在だった。向田邦子、吉野源三郎、幸田文、そして「金曜日の妻たちへ」……。時代を描く作品に登場する様々な「家族」の変遷からみる「昭和」の姿。
- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/10/28
- 寸法10.5 x 1.3 x 15 cm
- ISBN-104101107165
- ISBN-13978-4101107165
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2010/10/28)
- 発売日 : 2010/10/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 314ページ
- ISBN-10 : 4101107165
- ISBN-13 : 978-4101107165
- 寸法 : 10.5 x 1.3 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 718,107位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,389位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月8日に日本でレビュー済み
「進歩こそ善」、昭和初期は「悪」という戦後の時代風潮の中で、向田邦子が書いた戦前、戦中の暮らしは新鮮な衝撃だった。向田邦子とはそういう人であったか。さらに幸田文、そして露伴。老人伝は関川夏央さんの得意技。家族が薄まっていった昭和という時代。
2010年11月10日に日本でレビュー済み
第1章は、向田邦子「父の詫び状」、吉野源三郎「君たちはどう生きるか」を通して、戦前の日本の家族の姿を紹介している。向田邦子自身の家族、彼らをモデルにして小説や脚本が書かれた背景を理解できると共に、「名人」と言われた向田作品の中のすぐれた描写や言葉を引用抜粋している。
「戦前の夜は静かだった」鉛筆を削る音、線香の香り、音と匂いが鮮やかだったのが戦前の昭和、「大人は大事なことは、ひとこともしゃべらない」のが当時の親だった。
「君たちはどう生きるか」は、私が10代の時に読んで感銘を受けた小説。
コペル君の名前を見て、非常に懐かしい思いがした。
第2章は、成瀬巳喜男監督の傑作映画「流れる」の原作と、「おとうと」を通して、作者幸田文の生涯と家族を語っている。
戦後の女性シングルを取り上げた章で、「流れる」は、花柳界で生きる女達と時代の隆盛を女中の目から描いているが、幸田自身が実際に住み込み女中の体験があったという点に驚いた。映画しか見た事がなかったので、原作も読みたくなった。
てっきりお嬢さん育ちだと思っていた幸田文が苦労人でシングルマザーで、後妻との夫婦仲が冷え切っていた父露伴に、幼少期から家事を仕込まれたという箇所も興味深い。
第3章は蒲田敏夫作のドラマ「金曜日の妻たちへ3 恋に落ちて」を中心に、「男女七人夏物語」等も取り上げている。
「恋におちて」では、バブル前夜の飽食期、退屈した家族や夫婦、洒落たニュータウン、小奇麗な家、流行のパティオが舞台のドラマ。
30代後半の男女の不倫と、青春への回想が主題の作品だが、著者は「貧乏くさい」と後述している。
このドラマの中では、現実的な等身大の主婦ノロ(森山良子)を中心に取り上げている著者の観察眼の鋭さはさすが。
終章は、「家族のいない茶の間」、小津監督の「麦秋」「東京物語」「秋刀魚の味」を紹介。
平成は「個」の時代なのかもしれない。
また「秋刀魚の味」の映画のラストシーンに象徴される時代、昭和の時代はくだっていくほど「線が細くなる」と、たとえた一文は見事。
本書の中で紹介された小説、映画、ドラマを全て再読、再見したくなる。
著者のあとがきも、澤地久枝の解説も胸に沁み入った。
「戦前の夜は静かだった」鉛筆を削る音、線香の香り、音と匂いが鮮やかだったのが戦前の昭和、「大人は大事なことは、ひとこともしゃべらない」のが当時の親だった。
「君たちはどう生きるか」は、私が10代の時に読んで感銘を受けた小説。
コペル君の名前を見て、非常に懐かしい思いがした。
第2章は、成瀬巳喜男監督の傑作映画「流れる」の原作と、「おとうと」を通して、作者幸田文の生涯と家族を語っている。
戦後の女性シングルを取り上げた章で、「流れる」は、花柳界で生きる女達と時代の隆盛を女中の目から描いているが、幸田自身が実際に住み込み女中の体験があったという点に驚いた。映画しか見た事がなかったので、原作も読みたくなった。
てっきりお嬢さん育ちだと思っていた幸田文が苦労人でシングルマザーで、後妻との夫婦仲が冷え切っていた父露伴に、幼少期から家事を仕込まれたという箇所も興味深い。
第3章は蒲田敏夫作のドラマ「金曜日の妻たちへ3 恋に落ちて」を中心に、「男女七人夏物語」等も取り上げている。
「恋におちて」では、バブル前夜の飽食期、退屈した家族や夫婦、洒落たニュータウン、小奇麗な家、流行のパティオが舞台のドラマ。
30代後半の男女の不倫と、青春への回想が主題の作品だが、著者は「貧乏くさい」と後述している。
このドラマの中では、現実的な等身大の主婦ノロ(森山良子)を中心に取り上げている著者の観察眼の鋭さはさすが。
終章は、「家族のいない茶の間」、小津監督の「麦秋」「東京物語」「秋刀魚の味」を紹介。
平成は「個」の時代なのかもしれない。
また「秋刀魚の味」の映画のラストシーンに象徴される時代、昭和の時代はくだっていくほど「線が細くなる」と、たとえた一文は見事。
本書の中で紹介された小説、映画、ドラマを全て再読、再見したくなる。
著者のあとがきも、澤地久枝の解説も胸に沁み入った。
2011年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和の文章、物語文や随筆文の理解に役立つものと思う。
向田邦子『父の詫び状』、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
ここまでは、小中学生の入試問題の常連である。
ただここから、雲行きがあやしくなる。入試問題には出題されない。幸田文『流れる』、鎌田敏夫『金曜日の妻たちへ』(大体テレビだし)。
家族の茶の間から、一人、二人去り、そしてついに誰もいなくなったのが昭和という時代だった。(こう新潮社の紹介にはあるが、そうかな?だとしたら寂しいな。)
追記
明治の文章には
関川・谷口コンビには「『坊っちゃん』の時代」という秀作があり、これは明治の時代背景の理解にやはり役立つ。
では大正はというと、「坊ちゃんの時代-明治流星雨」により根源的(ラディカル)理解ができる。幸徳秋水を中心として大逆事件へ進んでいく日本の社会主義運動、無政府主義運動の時代背景である。また、国語の文章理解ばかりでなく、社会の歴史にも逸話・挿話を読みながらの理解ができる。
向田邦子『父の詫び状』、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
ここまでは、小中学生の入試問題の常連である。
ただここから、雲行きがあやしくなる。入試問題には出題されない。幸田文『流れる』、鎌田敏夫『金曜日の妻たちへ』(大体テレビだし)。
家族の茶の間から、一人、二人去り、そしてついに誰もいなくなったのが昭和という時代だった。(こう新潮社の紹介にはあるが、そうかな?だとしたら寂しいな。)
追記
明治の文章には
関川・谷口コンビには「『坊っちゃん』の時代」という秀作があり、これは明治の時代背景の理解にやはり役立つ。
では大正はというと、「坊ちゃんの時代-明治流星雨」により根源的(ラディカル)理解ができる。幸徳秋水を中心として大逆事件へ進んでいく日本の社会主義運動、無政府主義運動の時代背景である。また、国語の文章理解ばかりでなく、社会の歴史にも逸話・挿話を読みながらの理解ができる。
2010年11月12日に日本でレビュー済み
向田邦子さん、そして幸田文さんが遺した著作等を読み込み、それぞれが生きた昭和の東京の雰囲気を回顧的に再現した、読みでのある長編評論集。著者の息の長い仕事になっている「昭和シリーズ」の何冊目かの上梓らしく、これまで同様、出版社が編集して大量に発刊する「昭和懐古モノ」とはひと味違った、個性的な筆致、自然で無理のない展開となっている。もっとも、解説の澤地久枝さんも書いているように、「金曜日の妻たちへ」と「男女7人恋物語」を取り上げた第3章は、評者にもまるでなじめなかったというほかなく(あるいは、関心がなく、面白くもない)、なので☆は四つにとどめることにした。