現時点(2023年11月)においても終わらないウクライナへのロシアからの攻撃や、イスラエルのパレスチナへの攻撃に対し、何もできない国連に対する怒りや無力感。
そんな世界で起こる紛争の背景を学びなおす意味でも、池上彰の世界の見方シリーズは最適かもしれません。
高校生向けの講演を書籍化したもので、地図や写真、図面を使った解説もあり、内容を理解するうえで、とても親切です。
先にパレスチナ問題を理解するために「中東」編を読んだところ、とても分かりやすかったため、今回はウクライナ情勢を理解するため「東欧・旧ソ連」編を手に取りました。
なぜロシアはそこまでウクライナに固執するのか。
それはロシアにおける地政学の視点を理解すると分かりやすくなります。
ロシアは広大な領土を持つものの、冬になると海が凍り、北部では永久凍土におおわれていることから、冬になっても凍らない港「不凍港」や農業に適した土地が欲しい。
そのため17世紀以降、南下政策によって黒海・バルカン半島方面・中央アジア方面・極東方面への領土拡大を目指しました(南下政策)。
ここでポイントとなるのが「緩衝地帯(バッファーゾーン)」。
ちなみに日本にとってもロシアの南下政策は脅威でした。
なぜならロシアが朝鮮半島へ進出する意欲を隠さなくなっており、その次は日本が狙われるのではないか。そのため、ロシアと日本の緩衝地帯として朝鮮半島をロシアより先に抑えなければならない。
これが日露戦争(1904~1905)勃発の要因です。
中央アジア方面への南下政策では、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスといった国々が、黒海方面では、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンが、西方面では、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナといった国々がソビエト連邦という形で共和国をつくり、ポーランドといった東欧諸国とあわせ、西欧諸国とロシアとの緩衝地帯となったのです。
20世紀後半にソ連が崩壊した後、ウクライナも独立しましたが、ウクライナは地政学的にNATOとロシアとの緩衝地帯であり、かつクリミア半島は不凍港として活用できることから、2014年にプーチン大統領がクリミア半島において強引に住民投票を行い、大多数の同意があったとしてクリミア半島をロシアに併合してしまいました。
その後ウクライナは徴兵制を施行して軍を強化することになります。
こういった背景のもと、2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始し、2023年11月に現時点においても終息が見えない状況となっているのです。
ロシアは国連においても常任理事国として拒否権を持つため、国連における紛争解決ができません。
NATOも全面戦争を恐れ、軍隊を送ることができない。
せめてできることは、ウクライナに大量の兵器をプレゼントし、ウクライナだけで頑張れ、というのみ。
なんという無力感でしょう。
本書には上記ウクライナに関するもの以外にも、ポーランドが実はヨーロッパ随一の親日国だ、とか〇〇スタンとの国名を持つ国々の特徴といった情報もあり、知的好奇心を満たしてくれます。
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池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々: ロシアに服属するか、敵となるか 単行本 – 2022/4/21
池上 彰
(著)
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ロシアとウクライナの情勢を徹底解説!
「ロシアと西側諸国の間に緩衝地帯を設けたい、プーチンの個人的な思いとは?」「クリミア併合時、プーチンがついた嘘とは?」「クリミア併合後、クリミア住民がロシアに対して抱いた意外な感情とは?」「ウクライナの反ロシア感情の原点は、ウクライナであった大飢饉。いったいなぜ起きたのか?」等、ウクライナ情勢を、歴史的な経緯から詳しく解説。ロシアによるウクライナ侵攻の背景がわかります!
さらに、「東京都が日本を乗っ取ったようなソ連邦解体」「チェチェン弾圧で大統領になったプーチン」「杉原千畝ゆかりのリトアニアが持つ悩みとは」「世界から孤立し、ロシア頼みのベラルーシ」「民主化したポーランドとハンガリーが右傾化したのはなぜ?」等、旧ソ連の崩壊の歴史や、東欧・旧ソ連諸国の現状まで、幅広く紹介します。
近年、これらの国では大きな事件が発生しています。ウクライナはロシアから戦争をしかけられ、ベラルーシは国家がハイジャック事件を起こしました。カザフスタンなど「スタン」がつく国には独裁者が多くいます。なぜそんな事態になったのかについても、池上彰が徹底解説いたします!
【編集担当からのおすすめ情報】
本書ではロシア・ウクライナ情勢はもちろん、旧ソ連諸国や東欧諸国の現状も詳しく扱っています。ウクライナについてはできるだけ新しい情報を載せるべく、ぎりぎりまで加筆や修正を行いました!
ロシアは、ウクライナ以外の東欧諸国・旧ソ連の国々については、EUやNATOへの加盟を黙認しました。しかし、なぜウクライナに対しては軍事行動を起こしてまで阻止を図ったのでしょうか。ぜひその理由を本書でご確認ください。
尚、本書は東京都立青山高校での白熱授業を元にして書籍化しました。
「ロシアと西側諸国の間に緩衝地帯を設けたい、プーチンの個人的な思いとは?」「クリミア併合時、プーチンがついた嘘とは?」「クリミア併合後、クリミア住民がロシアに対して抱いた意外な感情とは?」「ウクライナの反ロシア感情の原点は、ウクライナであった大飢饉。いったいなぜ起きたのか?」等、ウクライナ情勢を、歴史的な経緯から詳しく解説。ロシアによるウクライナ侵攻の背景がわかります!
さらに、「東京都が日本を乗っ取ったようなソ連邦解体」「チェチェン弾圧で大統領になったプーチン」「杉原千畝ゆかりのリトアニアが持つ悩みとは」「世界から孤立し、ロシア頼みのベラルーシ」「民主化したポーランドとハンガリーが右傾化したのはなぜ?」等、旧ソ連の崩壊の歴史や、東欧・旧ソ連諸国の現状まで、幅広く紹介します。
近年、これらの国では大きな事件が発生しています。ウクライナはロシアから戦争をしかけられ、ベラルーシは国家がハイジャック事件を起こしました。カザフスタンなど「スタン」がつく国には独裁者が多くいます。なぜそんな事態になったのかについても、池上彰が徹底解説いたします!
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本書ではロシア・ウクライナ情勢はもちろん、旧ソ連諸国や東欧諸国の現状も詳しく扱っています。ウクライナについてはできるだけ新しい情報を載せるべく、ぎりぎりまで加筆や修正を行いました!
ロシアは、ウクライナ以外の東欧諸国・旧ソ連の国々については、EUやNATOへの加盟を黙認しました。しかし、なぜウクライナに対しては軍事行動を起こしてまで阻止を図ったのでしょうか。ぜひその理由を本書でご確認ください。
尚、本書は東京都立青山高校での白熱授業を元にして書籍化しました。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2022/4/21
- 寸法13 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104093888507
- ISBN-13978-4093888509
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2022/4/21)
- 発売日 : 2022/4/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4093888507
- ISBN-13 : 978-4093888509
- 寸法 : 13 x 1.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 35,599位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 529位社会一般関連書籍
- - 858位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに。今さら聞けないニュースの本質をズバリ解説。テレビでも大活躍中(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題37 イラスト図解版 (ISBN-13: 978-4047318229 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2023年11月11日に日本でレビュー済み
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2022年9月1日に日本でレビュー済み
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ウクライナとロシアの取り巻く情勢が良く理解できた。
2023年12月5日に日本でレビュー済み
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中東や東欧、ロシアの関係性は難しいが、
わかりやすく書いてあり、勉強になりました。
深く知る前の基本的な歴史を理解できました。
わかりやすく書いてあり、勉強になりました。
深く知る前の基本的な歴史を理解できました。
2022年7月25日に日本でレビュー済み
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前作のロシアと一緒に読むとロシアが分かってくる。
2022年4月22日に日本でレビュー済み
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偶然でしょうが実にタイムリーな出版となった。ウクライナ侵攻の根元にあるロシア(ソ連)の歴史を実に分かりやすく?(高校生の授業ってこんなに高度なのか?)(正直何べんも読み返さないと理解できないところも多いです)解説されてます。
基本的にものすごい数の要因が複雑に絡まってます。
1.民族2.宗教3.独裁VS民主主義4.共産主義(社会主義)VS資本主義5.言語6.文字
これらの要因のほかにスターリンの猜疑心が生んだ少数民族の分断行為(移住の強制・・)
ソ連の社会主義革命までもそれぞれの国の興亡の歴史が当然あるのですが、ソ連の半ば強制的な社会主義国家群の形成(1900年代)において、今日の混沌が決定づけられたように感じる。
特に、チェチェン問題、さらにジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャンに出て来る独立を宣言している共和国は全てロシアの支援だとか、バルト3国の微妙な立ち位置とか、ユーゴスラビアのチトーの采配の上手さとチトーが亡くなった後の悲惨な歴史など、過去から現在まで、知らなかったことがかなり見えて来た。
ただ、これらの国々が今後も難しいかじ取りが求められるのは言うまでもない。
基本的にものすごい数の要因が複雑に絡まってます。
1.民族2.宗教3.独裁VS民主主義4.共産主義(社会主義)VS資本主義5.言語6.文字
これらの要因のほかにスターリンの猜疑心が生んだ少数民族の分断行為(移住の強制・・)
ソ連の社会主義革命までもそれぞれの国の興亡の歴史が当然あるのですが、ソ連の半ば強制的な社会主義国家群の形成(1900年代)において、今日の混沌が決定づけられたように感じる。
特に、チェチェン問題、さらにジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャンに出て来る独立を宣言している共和国は全てロシアの支援だとか、バルト3国の微妙な立ち位置とか、ユーゴスラビアのチトーの采配の上手さとチトーが亡くなった後の悲惨な歴史など、過去から現在まで、知らなかったことがかなり見えて来た。
ただ、これらの国々が今後も難しいかじ取りが求められるのは言うまでもない。
2022年5月18日に日本でレビュー済み
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高校生を聴き手に講演した記録がベースになっているという(ロシアによるウクライナ侵攻については加筆したとある)。
著者は、ものごとを優しく説明するのがうまいなぁと思う。それは、表現(難しい概念を使わない)だけでなく、話の筋道がたっており、具体的なエピソードをちりばめるところにあるのだろう。講演の手本みたいだ。
東欧・旧ソ連は日本から「遠い」国々だが、その日本との関係についても何度も触れる(シベリア出兵とか、杉原千畝とか、カザフスタンの首都の設計者が黒川紀章だとか)。
かつて「宇宙を夢見る少年」だった私は、バイコヌール宇宙基地がいまのカザフスタンにあったのだと改めて知ってちょっと感動(?)する。
笑えたのは、中国との関係を深めるハンガリー・オルバーン政権がブダペストに復旦大学キャンパスを誘致しようとしたところ、反対するブダペスト市長が建築予定地周辺の道路を「自由な香港通り」「ダライ・ラマ通り」「ウイグル殉教者通り」と改名すると発表したという話。すごい嫌がらせだ。
著者は、ものごとを優しく説明するのがうまいなぁと思う。それは、表現(難しい概念を使わない)だけでなく、話の筋道がたっており、具体的なエピソードをちりばめるところにあるのだろう。講演の手本みたいだ。
東欧・旧ソ連は日本から「遠い」国々だが、その日本との関係についても何度も触れる(シベリア出兵とか、杉原千畝とか、カザフスタンの首都の設計者が黒川紀章だとか)。
かつて「宇宙を夢見る少年」だった私は、バイコヌール宇宙基地がいまのカザフスタンにあったのだと改めて知ってちょっと感動(?)する。
笑えたのは、中国との関係を深めるハンガリー・オルバーン政権がブダペストに復旦大学キャンパスを誘致しようとしたところ、反対するブダペスト市長が建築予定地周辺の道路を「自由な香港通り」「ダライ・ラマ通り」「ウイグル殉教者通り」と改名すると発表したという話。すごい嫌がらせだ。
2022年5月4日に日本でレビュー済み
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とても勉強になります
基礎を勉強する為に池上彰さんの本を読ませてもらってます
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