イギリスが国民投票によりEUを離脱することになった時は私自身驚きましたが、実はイギリス国民自体も驚いたようです。
EU残留支持派の国民の多くは、離脱を支持する者が過半数を占めることはないだろうと投票に行かなかった者が多く、特に生まれたときからEUに所属していたイギリスしか知らない若者層に残留支持が多かったようです。
結果的に離脱が決まった後になって投票に行かなかったことを後悔することになったようで、改めて投票のやり直しを求め100万人規模のデモが行われましたが、一度決まった投票を無視することは民主主義の原則に反するとして、国民投票の結果が尊重されることになりました。
この結果をみると、やはり政治的無関心は自分の首を絞めることになるということをまざまざと見せつけられました。
このEU離脱により、当初見過ごされてきた問題が顕在化しました。
それが北アイルランド問題です。
アイルランドの島を見ると北部はイギリスの領土、南部がアイルランドとなっています。
これはアイルランドが独立する際、信じる宗教の違いにより、プロテスタントが多い北部はイギリスにとどまることを選択し、カトリックのアイルランドと分割されたためです。
ところがイギリスにとどまった北アイルランドに住む人の中にも少数派ながらカトリックの住民も存在し、彼らの一部から過激化組織IRAが生まれます。
IRAは各地でテロを起こし、北アイルランド紛争(1968~1998)となりました。
その後、イギリスのEU加盟により、アイルランドと北アイルランドの国境が自由に行き来可能となり、紛争が起こらなくなり、やれやれと思っていたのに、今回のEU離脱により、またしても往来が難しくなってしまい紛争が勃発するのではないか、と懸念されています。
これら一連の流れが分かりやすく解説されており、勉強になります。
さて、知っているようで実はあまり分かっていなかったイギリスのこと。
イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」
グレートブリテン島にはもともと「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」の3つの国があったことから、サッカーワールドカップでも出場するチームはイギリスとして参加するのではなく「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」という形で出場しています(サッカー発祥の地として例外的に認められている)。
ところが、ラグビーでは北アイルランドとアイルランドは合同して「アイルランド」として参加している点がサッカーとは違うところで、歴史的背景の違いからこのような差異が生じているということを本書で初めて知りました。
その他、王室が所有権を持つ島がいくつかありますが、これらの島がタックスヘイブンとして利用されているとか、ミッションインポッシブルで有名な「MI6」がそのタックスヘイブンを利用しているとか、アイルランドのジャガイモ飢饉が原因でアメリカにアイルランド系移民が多いとか、ボイコットという言葉はこのアイルランドのジャガイモ飢饉が原因で生まれた言葉だとか、意外と知らないことが多いことに気づかされ、とても興味深く読むことができました。
知っているようで知らなかったことに気づかされる。イギリスってホント面白い国です。
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池上彰の世界の見方 イギリスとEU: 揺れる連合王国 単行本 – 2019/11/28
池上 彰
(著)
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EU離脱がつまずいた理由とは?
日本が政治の手本としたイギリスは、なぜEU離脱で泥沼に陥ったのか。
2016年6月に行われたEU離脱の是非を問う国民投票で、EU離脱が決まったが、地域によっても、年代によっても、投票の結果が大きく異なったのはなぜなのか。
池上彰が、歴史的な背景を踏まえてわかりやすく解説。今まで知らなかった、イギリスの姿が見えてくる!
(以下、内容の一部)
・イギリスはイングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズからなる連合王国。スコットランド人に「Are you an English?」と聞くと嫌な顔をされる。
・サッカーに「イギリス代表」は存在しない。
・8つの銀行がイギリス紙幣を発行している。
・EU離脱賛成者は年配者に多い。
もっと若者が投票していればEUに残留していた。
・国民投票以前、アイルランドとの国境問題が、EU離脱の関門になるとは誰も 思わなかった。
・アイルランドの問題の源は宗教問題。ある王の恋愛トラブルがすべてを引き起こした。
・英国の迷走が、他国のEU離脱派を黙らせた。
など、「そうだったのか!」と思わず膝を打つような、わかりやすい解説を掲載。
都立富士高校で大評判だった授業に大幅加筆。受験生、就活生、ニュースの背景を知りたい社会人にも最適の1冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
世界の国と地域を学ぶ人気シリーズの最新刊です!
この本の既刊については、読者の方から大変好評をいただいています。
曰く、
「暗記科目だと思っていた社会科の本当の面白さがわかった!」
「少し前の現代史がわかると、今起きていることがよくわかると、この本を読んで知った」などなど。
今回の「イギリスとEU」編も、EU離脱でイギリスがつまずいた理由を、「連合王国としてのイギリス」「階級社会」といった、さまざまな面から見ていきます。
わかりにくいEU離脱の事情だけでなく、イギリス社会の複雑さなども、池上彰さんの解説で、手に取るようにわかります。
ぜひ、ご一読ください。
日本が政治の手本としたイギリスは、なぜEU離脱で泥沼に陥ったのか。
2016年6月に行われたEU離脱の是非を問う国民投票で、EU離脱が決まったが、地域によっても、年代によっても、投票の結果が大きく異なったのはなぜなのか。
池上彰が、歴史的な背景を踏まえてわかりやすく解説。今まで知らなかった、イギリスの姿が見えてくる!
(以下、内容の一部)
・イギリスはイングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズからなる連合王国。スコットランド人に「Are you an English?」と聞くと嫌な顔をされる。
・サッカーに「イギリス代表」は存在しない。
・8つの銀行がイギリス紙幣を発行している。
・EU離脱賛成者は年配者に多い。
もっと若者が投票していればEUに残留していた。
・国民投票以前、アイルランドとの国境問題が、EU離脱の関門になるとは誰も 思わなかった。
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・英国の迷走が、他国のEU離脱派を黙らせた。
など、「そうだったのか!」と思わず膝を打つような、わかりやすい解説を掲載。
都立富士高校で大評判だった授業に大幅加筆。受験生、就活生、ニュースの背景を知りたい社会人にも最適の1冊です。
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曰く、
「暗記科目だと思っていた社会科の本当の面白さがわかった!」
「少し前の現代史がわかると、今起きていることがよくわかると、この本を読んで知った」などなど。
今回の「イギリスとEU」編も、EU離脱でイギリスがつまずいた理由を、「連合王国としてのイギリス」「階級社会」といった、さまざまな面から見ていきます。
わかりにくいEU離脱の事情だけでなく、イギリス社会の複雑さなども、池上彰さんの解説で、手に取るようにわかります。
ぜひ、ご一読ください。
- 本の長さ235ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2019/11/28
- 寸法13 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104093887330
- ISBN-13978-4093887335
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2019/11/28)
- 発売日 : 2019/11/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 235ページ
- ISBN-10 : 4093887330
- ISBN-13 : 978-4093887335
- 寸法 : 13 x 1.8 x 18.8 cm
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- - 45位ヨーロッパのエリアスタディ
- カスタマーレビュー:
著者について
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ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに。今さら聞けないニュースの本質をズバリ解説。テレビでも大活躍中(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題37 イラスト図解版 (ISBN-13: 978-4047318229 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月28日に日本でレビュー済み
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2019年12月29日に日本でレビュー済み
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高校生との授業を書籍にまとめた、シリーズ本は、安心して知識を得られる、まさに良書だと思う。現在のイギリスの基本やイギリスの簡単な歴史の重要点をサラッとわかりやすく解説しているのも良い。
2021年2月10日に日本でレビュー済み
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2020年初頭はヘンリー王子の王室離脱(メグジット)ばかりがメディアで扱われ、肝心のブレグジットがあまり日本では報道されていなかったので、最初に鶴岡路人著『EU離脱』(ちくま新書、2020年)を読んだのですが、わかりやすいとはお世辞にも言えないないものだったので、池上彰のこちらを購入しました。東京都立富士高校での授業をまとめたもので、高校生から大学生あたりをターゲットにしたものと考えられますが、社会人が読むのにも十分良いと思われます。
1章 連合王国から見るイギリス 2章 EU離脱から見るイギリス 3章 歴史から見る今のイギリス 4章 二大政党制から見るイギリス 5章 階級社会から見るイギリス 6章 軍事大国としてのイギリスの6章構成となっており、イギリスという国の成り立ちから説明されており、スコットランド独立問題や北アイルランド問題などもよく理解することができました。
ただ、池上彰はいつの間にか「ご意見番」としてメディアでの露出が多くなっていますが、個人的には好きではないので、ジャーナリストとしてよく勉強しているとは思いますが、イギリス研究者でもないのに、さも自分は全てを知っているように書かれると、やや嫌味に感じたり、所々ギャグを入れているのですが、笑いのツボがよくわからなかったり若干の違和感を感じました。ここは個人的な好き嫌いになるかとは思いますが、全体的には要点をおさえ、わかりやすくまとめた良書でした。
1章 連合王国から見るイギリス 2章 EU離脱から見るイギリス 3章 歴史から見る今のイギリス 4章 二大政党制から見るイギリス 5章 階級社会から見るイギリス 6章 軍事大国としてのイギリスの6章構成となっており、イギリスという国の成り立ちから説明されており、スコットランド独立問題や北アイルランド問題などもよく理解することができました。
ただ、池上彰はいつの間にか「ご意見番」としてメディアでの露出が多くなっていますが、個人的には好きではないので、ジャーナリストとしてよく勉強しているとは思いますが、イギリス研究者でもないのに、さも自分は全てを知っているように書かれると、やや嫌味に感じたり、所々ギャグを入れているのですが、笑いのツボがよくわからなかったり若干の違和感を感じました。ここは個人的な好き嫌いになるかとは思いますが、全体的には要点をおさえ、わかりやすくまとめた良書でした。
2020年1月22日に日本でレビュー済み
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ブレクジットの話は新聞でいろいろ取り上げられている。でも、さすが池上さん。イギリスという国の成り立ちを理解しないとブレクジットを理解できない、との考えで、イギリスという国の成り立ちと関連づけてEU離脱をわかりやすく説明している。
冒頭、イギリスの正式名称はUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、つまり「連合王国」United Kingdomというところからはじまる。イングランドの人がイングリッシュであって、スコットランド人はスコティッシュなのだ。サッカーやラグビーで、なんで英国から4つのチームがエントリーするのかなどもこの本を読めばよくわかる。
そして、EU離脱でなぜ北アイルランドが問題になるのか、北アイルランド紛争の歴史、そしてEU離脱が北アイルランド紛争を再燃させるリスクもあるという。新聞ではアイルランドと北アイルランドの関税の問題ばかりが論じられてるけど、確かに、政治的な紛争のリスクもあるのだろう。
EU離脱問題を理解するには、まずこの本を読むべきでしょうね。内容は満点。ひとつ要望を書かせていただくと、義和団事件の時の日本と英国の連係、その後の日英同盟が日露戦争の勝利の大きな要因だったことなど、もう少し突っ込んで書いて欲しかった、と思います。
冒頭、イギリスの正式名称はUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、つまり「連合王国」United Kingdomというところからはじまる。イングランドの人がイングリッシュであって、スコットランド人はスコティッシュなのだ。サッカーやラグビーで、なんで英国から4つのチームがエントリーするのかなどもこの本を読めばよくわかる。
そして、EU離脱でなぜ北アイルランドが問題になるのか、北アイルランド紛争の歴史、そしてEU離脱が北アイルランド紛争を再燃させるリスクもあるという。新聞ではアイルランドと北アイルランドの関税の問題ばかりが論じられてるけど、確かに、政治的な紛争のリスクもあるのだろう。
EU離脱問題を理解するには、まずこの本を読むべきでしょうね。内容は満点。ひとつ要望を書かせていただくと、義和団事件の時の日本と英国の連係、その後の日英同盟が日露戦争の勝利の大きな要因だったことなど、もう少し突っ込んで書いて欲しかった、と思います。
2020年5月16日に日本でレビュー済み
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イギリスの本当の姿がよくわかります。
特に、イギリスの階級社会がどういうものなのか、という話は面白かったです。
この本は、EU離脱直前までしか触れていませんが、EU離脱後に読んでも十分に役に立ちます。どうして離脱であんなにもめたのか、それを紐解いていくと、イギリス社会の本質がよくわかります。
特に、イギリスの階級社会がどういうものなのか、という話は面白かったです。
この本は、EU離脱直前までしか触れていませんが、EU離脱後に読んでも十分に役に立ちます。どうして離脱であんなにもめたのか、それを紐解いていくと、イギリス社会の本質がよくわかります。
2020年12月13日に日本でレビュー済み
「揺れる連合王国」の副題の通り、EU離脱により、イギリスでは世代間での分裂が避けられず、将来に禍根を残すような状態に直面しています。
また、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという連合王国を構成する国々の背景を26pの比較表で見ると結構差異が見受けられました。
移民問題(62pのグラフを参照)もあるでしょうし、自国民の社会福祉の公平性にも関心を持っているのでしょうが、分裂や分離独立問題そのものが我々日本人にはなかなか理解できません。
「移民に魅力的な原則無料の医療保険制度(63p)」は過剰な扱いではないでしょうか。社会保障制度が豊かなイギリスですが、ここまで移民を差別しないという均等待遇が必要かどうかは疑問です。国民性にも左右されますが、好待遇すぎると思わざるを得ません。
「単一通貨ユーロとシェンゲン協定には加わらなかった(65p)」でも明らかですが、元々イギリスは大陸諸国と一線を画しています。一緒に何かをしようとする割合がヨーロッパ諸国と比較して希薄なのは理解できます。国民性なのでしょう。
それもあって「EU離脱を問う国民投票の結果(75p)」にありますが、65歳以上の離脱が顕著でした。医療保険制度への不満がここに表れています。自国民優先の政策であれば、結果は異なったわけですね、多分。
歴史的には「ヘンリー8世から始まった(90p)」ということを学べば理解が進むようです。
当然「イギリス議会と女王の関係(131p)」もなかなか伺い知らない関係です。
一番驚いたのは、議員の報酬でした。日本円で988万円とのこと。日本人の感覚からすると少ないですね。逆に日本が多すぎるのかもしれません。イギリスの制度を学んで構築したはずが、議員報酬は独自の発展を遂げたようで、納税者の一人として釈然としません。
東京都立富士高等学校での授業を元に本書が作られていました。
また、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという連合王国を構成する国々の背景を26pの比較表で見ると結構差異が見受けられました。
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それもあって「EU離脱を問う国民投票の結果(75p)」にありますが、65歳以上の離脱が顕著でした。医療保険制度への不満がここに表れています。自国民優先の政策であれば、結果は異なったわけですね、多分。
歴史的には「ヘンリー8世から始まった(90p)」ということを学べば理解が進むようです。
当然「イギリス議会と女王の関係(131p)」もなかなか伺い知らない関係です。
一番驚いたのは、議員の報酬でした。日本円で988万円とのこと。日本人の感覚からすると少ないですね。逆に日本が多すぎるのかもしれません。イギリスの制度を学んで構築したはずが、議員報酬は独自の発展を遂げたようで、納税者の一人として釈然としません。
東京都立富士高等学校での授業を元に本書が作られていました。
2019年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在スコットランド人と結婚し、イギリスのロンドンに住んでいます。
日本に住んでいた時は恥ずかしながら国際情勢・宗教・歴史などは学校の試験勉強としてでしか触れてきませんでしたが、実際に海外に住んでんみると自分の無知さを実感させられ、池上さんの本に出会い勉強になっています。
自分の住んでいる国=生活に直結する問題なので詳しく知りたいと思い、現地で新聞を読んだところで現在のEU離脱問題がどういう経緯で進んできたのかを知っている前提で書かれているものばかりでちんぷんかんぷん。
勿論、一冊の本で語りきれる内容ではないと思うので大まかではありますが、大変分かりやすく、池上さんのユーモアも盛り込まれており大変読みやすかったです。
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勿論、一冊の本で語りきれる内容ではないと思うので大まかではありますが、大変分かりやすく、池上さんのユーモアも盛り込まれており大変読みやすかったです。
2020年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に分かりやすい解説でした。また、読んでいて楽しかったです。