てんでに展開していたいくつかのエピソードがやがて一つにつながり、それがまた大きく転変する。
柔らかい語り口で、この大きなうねりをあしらって見せるのは、さすがというか、この人ならでは。
大団円を予感しつつ終盤を迎えると、最後に信じられない結末が待っていた。
読み終えて1時間以上経つのだが、未だにショックが続いている。
帯をみてみると、「驚愕のラストへ!」とあった。
本の場合、何人かの作家についてはすべて読むことにしているので、こうした予備知識を持たないまま読むことが多い。
すると、著者の仕掛けた罠に100%はまることになる。
それはそれで堪能できるのだがw
映画の場合も、先日の『鑑定人と顔のない依頼人』では同じようにポスターのキャッチすら知らずに鑑賞し、最後のどんでん返しに完全にはめられてしまった。
それにしても、彼女は『名もなき毒』『誰か』を書いていた時から、こうした展開を考えていたのだろうか。
とにかく凄い作品だ。
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ペテロの葬列 単行本 – 2013/12/20
宮部 みゆき
(著)
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購入オプションとあわせ買い
『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ、待望の第3弾!
今多コンツェルン会長室直属のグループ広報室に勤める杉村三郎が主人公の現代ミステリー!
杉村はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。警察の突入そして突然の拳銃の暴発で犯人は死亡、
人質は全員無事に救出され、3時間ほどであっけなく事件は解決したかに見えたのだが―。
しかし、そこからが本当の謎の始まりだった! そのバスに乗り合わせた乗客・運転手のもとに、ある日、死んでしまった犯人から慰謝料が届く。
なぜすでに死んでしまった、しかも貧しいはずの老人から大金が届いたのか?
そしてそれを受け取った元人質たちにもさまざまな心の揺れが訪れる。警察に届けるべきなのか? それとも・・・?
事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!
果てしない闇、そして救いの物語!
今多コンツェルン会長室直属のグループ広報室に勤める杉村三郎が主人公の現代ミステリー!
杉村はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。警察の突入そして突然の拳銃の暴発で犯人は死亡、
人質は全員無事に救出され、3時間ほどであっけなく事件は解決したかに見えたのだが―。
しかし、そこからが本当の謎の始まりだった! そのバスに乗り合わせた乗客・運転手のもとに、ある日、死んでしまった犯人から慰謝料が届く。
なぜすでに死んでしまった、しかも貧しいはずの老人から大金が届いたのか?
そしてそれを受け取った元人質たちにもさまざまな心の揺れが訪れる。警察に届けるべきなのか? それとも・・・?
事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!
果てしない闇、そして救いの物語!
- 本の長さ690ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2013/12/20
- 寸法14.2 x 3.8 x 19.5 cm
- ISBN-104087715329
- ISBN-13978-4087715323
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2013/12/20)
- 発売日 : 2013/12/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 690ページ
- ISBN-10 : 4087715329
- ISBN-13 : 978-4087715323
- 寸法 : 14.2 x 3.8 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 443,304位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,702位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。
法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。
1992年 「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、 同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞。1993年 「火車」で第6回山本周五郎賞。1997年 「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞。1999年 「理由」で第120回直木賞。2001年 「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、 第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。2007年 「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。2008年 英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞。2022年 第70回菊池寛賞受賞。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく長い。けどそれなりに読ませる筆力。
合う合わないはあるだろうけど、相変わらず一定以上のクオリティは保ってると思います。
「誰か」の単体作品なら世間ずれしてないほのぼの逆玉婿探偵ってのも面白いと思えたけど、
「名もなき毒」の家に対する扱いや姉の言葉から破綻の萌芽がちらちらと見え始め、
今作では、まぁやっぱりこうなったか、という感じ。
ただ、菜穂子の不倫に関しては必要だったかな?という印象。
三郎が窮屈な結婚生活を飛び出す甲斐性(これを甲斐性とは呼ばないかもしれないが)があればまだしも、
何だかんだでマスターや編集長などの理解者もいてそれなりに安住してしまってる手前、
話を進めるために安易な方向に作者が舵をきったのかな?と邪推してしまいました。
不倫相手が三郎以上にスキャンダルを気にするべき広報室の男、というのも違和感が。
時代物はいいけど、現代物のシリーズ作品には向いていない作家だと思う。
合う合わないはあるだろうけど、相変わらず一定以上のクオリティは保ってると思います。
「誰か」の単体作品なら世間ずれしてないほのぼの逆玉婿探偵ってのも面白いと思えたけど、
「名もなき毒」の家に対する扱いや姉の言葉から破綻の萌芽がちらちらと見え始め、
今作では、まぁやっぱりこうなったか、という感じ。
ただ、菜穂子の不倫に関しては必要だったかな?という印象。
三郎が窮屈な結婚生活を飛び出す甲斐性(これを甲斐性とは呼ばないかもしれないが)があればまだしも、
何だかんだでマスターや編集長などの理解者もいてそれなりに安住してしまってる手前、
話を進めるために安易な方向に作者が舵をきったのかな?と邪推してしまいました。
不倫相手が三郎以上にスキャンダルを気にするべき広報室の男、というのも違和感が。
時代物はいいけど、現代物のシリーズ作品には向いていない作家だと思う。
2014年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品の最後の50ページの思わぬ展開で、それまでの約600ページの大きな話の流れを一瞬忘れてしまうほどの衝撃と切なさを感じたと言
えば言いすぎであろうか。
「誰か」「名もなき毒」そしてこの作品を通じて、ある程度は杉村三郎と菜穂子夫婦に感情移入をしてきた多くの読者はそういう感想を持った
に違いないと勝手に思っている。
イエスの弟子の中で最後までイエスに従っていくペテロ、だが、イエスが予言したように、最後はイエスを否認する発言を一晩に三度もしてしまった彼
はその「罪」ゆえに死を選び、後世の人間に良き人間の限界という大きなテーマを残すことになる。この作品は、言葉巧みに人をだまし続けて
来た詐欺集団の中で、中心的存在であった老人がバスジャックをすることでその幕を開ける。警官のバス突入で自殺を選んだ老人が約束した
ように、人質たちに「慰謝料」と称した金が送られてくることで人間の持つ弱みがいろいろな人物を通して浮かびあがってくる。大きな詐欺集
団で自分も被害者ぶっている加害者は如何罰するべきなのか、誰が被害者で誰が加害者なのか、作品はそういった問いかけを絶え間なく
しながら、最後はその老人の過去を描いて幕を閉じる。
いや、閉じたはずであった。だが、主人公の杉村三郎にはそれ以上の衝撃が待っていた。宮部もここまで育て上げた杉村に酷なことをしてく
れるものだ。逆に次回作がこの展開で描きやすくなったかもしれない。いずれにせよ、「いい人」の杉村の今後の幸せを祈らずにはいられ
ない。
えば言いすぎであろうか。
「誰か」「名もなき毒」そしてこの作品を通じて、ある程度は杉村三郎と菜穂子夫婦に感情移入をしてきた多くの読者はそういう感想を持った
に違いないと勝手に思っている。
イエスの弟子の中で最後までイエスに従っていくペテロ、だが、イエスが予言したように、最後はイエスを否認する発言を一晩に三度もしてしまった彼
はその「罪」ゆえに死を選び、後世の人間に良き人間の限界という大きなテーマを残すことになる。この作品は、言葉巧みに人をだまし続けて
来た詐欺集団の中で、中心的存在であった老人がバスジャックをすることでその幕を開ける。警官のバス突入で自殺を選んだ老人が約束した
ように、人質たちに「慰謝料」と称した金が送られてくることで人間の持つ弱みがいろいろな人物を通して浮かびあがってくる。大きな詐欺集
団で自分も被害者ぶっている加害者は如何罰するべきなのか、誰が被害者で誰が加害者なのか、作品はそういった問いかけを絶え間なく
しながら、最後はその老人の過去を描いて幕を閉じる。
いや、閉じたはずであった。だが、主人公の杉村三郎にはそれ以上の衝撃が待っていた。宮部もここまで育て上げた杉村に酷なことをしてく
れるものだ。逆に次回作がこの展開で描きやすくなったかもしれない。いずれにせよ、「いい人」の杉村の今後の幸せを祈らずにはいられ
ない。
2014年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
話は杉村がハイジャックに巻き込まれ,それを回想するところから始まる。
バスの中に閉じ込められていたとき窓から赤い自転車が見えた,という記憶である。
バスジャックの謎については,どんどんストーリーが展開して真相が解き明かされていく。
たくさんの登場人物を細かく書き込みながら真相に向かって収束するのは,さすがの宮部みゆきである。
しかし,この作品,バスジャックが一件落着しても,まだまだページが残っている。
杉村の記憶に残る「赤い自転車」の謎の分だ。
途中,色々な男女の形が描かれていくが,これらも思えば伏線。
で,ラストの衝撃的なセリフ「何度も寝ました」。
・・・宮部さん,えげつないなぁ。
でも,だ。
杉村氏の人生は,籠の鳥のような,借りてきた猫のようないびつなものであったし,
逃避する夢想をしてしまうようであれば,リセットするというのもありだろうし,
そのための展開の持って行き方として,杉村本人が悪人になってしまうよりは,まだよいか。
と善解。
前作の犯人像は異様にえげつなくて,とても疲れたが,
作者は最近こういう容赦ない路線なのかも知れない。
あるいは,夫婦の絆みたいなものに対する価値の置き方が,
世間の平均的感覚と少々違ってしまい,
少々やり過ぎた感じになってしまったのかも知れない。
ただ,作者としては,杉村という探偵役の主人公を思いついたときから,
この夫婦の末路を決めていて,
本ストーリーの謎解きと併行させながら,もう一つの謎解きとして描く
というのをやってみようと思っていたように感じる(ただの想像だけど)。
そして,全然違うふたつの謎解きを一つの物語に収めてしまう手腕は,
やっぱり宮部みゆきだな,と思う。
バスの中に閉じ込められていたとき窓から赤い自転車が見えた,という記憶である。
バスジャックの謎については,どんどんストーリーが展開して真相が解き明かされていく。
たくさんの登場人物を細かく書き込みながら真相に向かって収束するのは,さすがの宮部みゆきである。
しかし,この作品,バスジャックが一件落着しても,まだまだページが残っている。
杉村の記憶に残る「赤い自転車」の謎の分だ。
途中,色々な男女の形が描かれていくが,これらも思えば伏線。
で,ラストの衝撃的なセリフ「何度も寝ました」。
・・・宮部さん,えげつないなぁ。
でも,だ。
杉村氏の人生は,籠の鳥のような,借りてきた猫のようないびつなものであったし,
逃避する夢想をしてしまうようであれば,リセットするというのもありだろうし,
そのための展開の持って行き方として,杉村本人が悪人になってしまうよりは,まだよいか。
と善解。
前作の犯人像は異様にえげつなくて,とても疲れたが,
作者は最近こういう容赦ない路線なのかも知れない。
あるいは,夫婦の絆みたいなものに対する価値の置き方が,
世間の平均的感覚と少々違ってしまい,
少々やり過ぎた感じになってしまったのかも知れない。
ただ,作者としては,杉村という探偵役の主人公を思いついたときから,
この夫婦の末路を決めていて,
本ストーリーの謎解きと併行させながら,もう一つの謎解きとして描く
というのをやってみようと思っていたように感じる(ただの想像だけど)。
そして,全然違うふたつの謎解きを一つの物語に収めてしまう手腕は,
やっぱり宮部みゆきだな,と思う。
2013年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は杉村三郎シリーズの3作目ですが、私の予想では3部作の最終作ですね。続編は無いと思います。
自身の内面には葛藤を抱えていながらも、外面上は「良い人」である主人公が、周囲の理解者の協力を得て職域・職権を超えて事件の謎を解いていく物語。冒頭で登場した犯罪者の動機を探る旅は、社会問題を絡めて展開していきます。
謎解きがあるので推理小説のようですが、そんなにロジカルではなく、読者は自らが頭を使うというよりも、作者が用意したアトラクションを楽しむ感覚ですね。
それにしてもシリーズ1作目、2作目を読んできた私には、ラストは衝撃でした。
こんなに精神的に努力してきた主人公であっても、お嬢様との生活は身分不相応ということなんでしょうか。
何だか納得できません。だって、事件は主人公が引き起こしたものでないですよね。
多くの読者の感想を聞かせてほしいです。繰り返しますが、私は納得できません。これで続編は有り得ないでしょう。
自身の内面には葛藤を抱えていながらも、外面上は「良い人」である主人公が、周囲の理解者の協力を得て職域・職権を超えて事件の謎を解いていく物語。冒頭で登場した犯罪者の動機を探る旅は、社会問題を絡めて展開していきます。
謎解きがあるので推理小説のようですが、そんなにロジカルではなく、読者は自らが頭を使うというよりも、作者が用意したアトラクションを楽しむ感覚ですね。
それにしてもシリーズ1作目、2作目を読んできた私には、ラストは衝撃でした。
こんなに精神的に努力してきた主人公であっても、お嬢様との生活は身分不相応ということなんでしょうか。
何だか納得できません。だって、事件は主人公が引き起こしたものでないですよね。
多くの読者の感想を聞かせてほしいです。繰り返しますが、私は納得できません。これで続編は有り得ないでしょう。
2013年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宮部みゆきの新刊と聞き早々に予約。本作を読むまでシリーズものだと知らず、結局三部作全て揃えて読みました。
思い違いでなければ、主人公が探偵を志していくまでの物語。全編通して鋭いのか鈍いのかわからないドMの主人公が、
色々事件に首を突っ込んでは、善を施したはずの人から罵倒を受けるという毎度のパターン。
主人公も曲がりなりにも事件に係わり、解決してきた自負でもあるのか、知らなくてもいい事実までほじくり出しては話を
混乱させる。一見淡泊そうに見えて諄い。周囲からの人物評は「いいひと」でしょうが、実際近くにいたら疲れて堪らない。
現代小説と銘打っておりますが違います。作者お得意の「胸糞ファンタジー」です。
シリーズ全般に言える事ですが、登場人物全てが多少の違いはあれども浮世離れしていて変人揃い。まともな人間がいない。
常に力を持つ者が持たない者を踏みにじり、相手を振り回しては屈服を強いる。不条理はファンタジーで有耶無耶にされ、
不誠実な者が無反省かつ薄汚い言い訳を押し通し、数少ない善人が何時までも馬鹿を見続ける、諦観に支配された終末世界。
何奴も此奴も何の責任も取らず、何のケジメも付けない。
その最たる人物が主人公にもっとも深く関わる二人。
主人公を認めているように思わせながらも、実際は人生を縛り付けた上に長期間飼い殺してただの娘のお守りにし、
一々人を呼びつけては愚にも付かない人生訓を垂れ流し、次々に無茶を申し付けては立場を悪化させるだけの義父。
夫の苦悩を一番に理解するべき人間であるはずが、自分の生活を変えたくないが為に常に見て見ぬふりを続け、傍目
では常識人を気取っていながらも次第に浮世離れした価値観を発揮し始め、最後は思う存分妾の子の本性を現す妻。
主人公にとってこの二人と関わることになったのは人生最悪の選択でした。
仕事を捨て、家族とは半ば縁を切り、逆玉であるが故に嫉妬の対象となり、妻の一族からは何時までたっても外様扱い。
それでも幸せを感じているから他人の批判など全て的外れだった。しかし、守っていると思っていた物は全て虚像だった。
終わってみれば他人の言葉は全て正しかった。自分は紛う事無き男妾だった。…とまあ、何とも在り来たりな纏め方で。
で、浮気をする理由は「相手を解放してあげる」ためで、介護に疲れた男が妻を手にかけるのは「恋をしていた」からで、
大好きな父親との別れをあっけらかんと受け入れる子供が「聡い」ですか。
えーと…もしかして頭に何か湧きましたかミヤベセンセ?
指輪物語に何を影響されたか知りませんが、ホントご都合ファンタジズムも大概にして下さいよ…。
最後まで広げっぱなしの風呂敷。コロコロと変わる人物設定。そして都合が悪くなると決まって繰り返される現実逃避。
2度目のバスジャックの話辺りからの、思いついたまま何の推敲もせずに書いたんだろうか?というくらいの投げやり感。
轢き逃げの真相を探る事でもなく、無差別毒物混入犯を曝く事でもなく、悪徳商法の本質を白日の下に晒す事でもない。
結局ハイライトらしい事と言えば、毎度最後に馬鹿男と馬鹿女が出てきてはオイタをやらかしてお茶を濁す事くらい。
最後の最後まで物語の中に入る事が出来ない。本当に衝撃的と言っていいくらいに、つまらない。
途中で何度も挫折しそうになりながら何とか最後まで読み終えましたが、こうも即ゴミ箱行きになった本というのも珍しい。
楽しみが減るからと書評は一切見ずに購入したことを猛烈に後悔しています。
うっかり買うのは仕方ないにしても、そうしておけば何も好き好んでこんな本なんか読まなかったのに。
思い違いでなければ、主人公が探偵を志していくまでの物語。全編通して鋭いのか鈍いのかわからないドMの主人公が、
色々事件に首を突っ込んでは、善を施したはずの人から罵倒を受けるという毎度のパターン。
主人公も曲がりなりにも事件に係わり、解決してきた自負でもあるのか、知らなくてもいい事実までほじくり出しては話を
混乱させる。一見淡泊そうに見えて諄い。周囲からの人物評は「いいひと」でしょうが、実際近くにいたら疲れて堪らない。
現代小説と銘打っておりますが違います。作者お得意の「胸糞ファンタジー」です。
シリーズ全般に言える事ですが、登場人物全てが多少の違いはあれども浮世離れしていて変人揃い。まともな人間がいない。
常に力を持つ者が持たない者を踏みにじり、相手を振り回しては屈服を強いる。不条理はファンタジーで有耶無耶にされ、
不誠実な者が無反省かつ薄汚い言い訳を押し通し、数少ない善人が何時までも馬鹿を見続ける、諦観に支配された終末世界。
何奴も此奴も何の責任も取らず、何のケジメも付けない。
その最たる人物が主人公にもっとも深く関わる二人。
主人公を認めているように思わせながらも、実際は人生を縛り付けた上に長期間飼い殺してただの娘のお守りにし、
一々人を呼びつけては愚にも付かない人生訓を垂れ流し、次々に無茶を申し付けては立場を悪化させるだけの義父。
夫の苦悩を一番に理解するべき人間であるはずが、自分の生活を変えたくないが為に常に見て見ぬふりを続け、傍目
では常識人を気取っていながらも次第に浮世離れした価値観を発揮し始め、最後は思う存分妾の子の本性を現す妻。
主人公にとってこの二人と関わることになったのは人生最悪の選択でした。
仕事を捨て、家族とは半ば縁を切り、逆玉であるが故に嫉妬の対象となり、妻の一族からは何時までたっても外様扱い。
それでも幸せを感じているから他人の批判など全て的外れだった。しかし、守っていると思っていた物は全て虚像だった。
終わってみれば他人の言葉は全て正しかった。自分は紛う事無き男妾だった。…とまあ、何とも在り来たりな纏め方で。
で、浮気をする理由は「相手を解放してあげる」ためで、介護に疲れた男が妻を手にかけるのは「恋をしていた」からで、
大好きな父親との別れをあっけらかんと受け入れる子供が「聡い」ですか。
えーと…もしかして頭に何か湧きましたかミヤベセンセ?
指輪物語に何を影響されたか知りませんが、ホントご都合ファンタジズムも大概にして下さいよ…。
最後まで広げっぱなしの風呂敷。コロコロと変わる人物設定。そして都合が悪くなると決まって繰り返される現実逃避。
2度目のバスジャックの話辺りからの、思いついたまま何の推敲もせずに書いたんだろうか?というくらいの投げやり感。
轢き逃げの真相を探る事でもなく、無差別毒物混入犯を曝く事でもなく、悪徳商法の本質を白日の下に晒す事でもない。
結局ハイライトらしい事と言えば、毎度最後に馬鹿男と馬鹿女が出てきてはオイタをやらかしてお茶を濁す事くらい。
最後の最後まで物語の中に入る事が出来ない。本当に衝撃的と言っていいくらいに、つまらない。
途中で何度も挫折しそうになりながら何とか最後まで読み終えましたが、こうも即ゴミ箱行きになった本というのも珍しい。
楽しみが減るからと書評は一切見ずに購入したことを猛烈に後悔しています。
うっかり買うのは仕方ないにしても、そうしておけば何も好き好んでこんな本なんか読まなかったのに。
2017年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドラマを見てからの原作でした。いろいろと
考えさせられる内容が、盛りこまれすぎていて
お金が絡みながら、正義は、なにか?家族との
つながり。友情、夫婦、思いやり、信頼、
杉村三郎の兄貴が登場してからは、普通の家庭が見えてきて、ホッとしたりしました
考えさせられる内容が、盛りこまれすぎていて
お金が絡みながら、正義は、なにか?家族との
つながり。友情、夫婦、思いやり、信頼、
杉村三郎の兄貴が登場してからは、普通の家庭が見えてきて、ホッとしたりしました
2014年1月6日に日本でレビュー済み
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最初は面白かったんですが
事件の深層があきらかになるにつけ
いくつか釈然としない部分が気になりました。
暮木老人が自分のしてきたことを悔いているらしいけれど
それほど切実さがこっちに迫ってこない。
悪の大元の片棒を担いだ割には
小物三人を告発するという行為はなんかみみっちく感じるし
大学生のお兄ちゃんの変わり様がちょっと不自然だし。
最後の、妻の浮気はまあ、一番手軽な話の落とし方かな。
体が弱くて・・・てな割にまあ想像ではありますが
そういう健康状態で肉体関係を伴う浮気にのめり込むんだ・・と感心しました。
喰い足りないというのか、全体に釈然としない展開でした。
事件の深層があきらかになるにつけ
いくつか釈然としない部分が気になりました。
暮木老人が自分のしてきたことを悔いているらしいけれど
それほど切実さがこっちに迫ってこない。
悪の大元の片棒を担いだ割には
小物三人を告発するという行為はなんかみみっちく感じるし
大学生のお兄ちゃんの変わり様がちょっと不自然だし。
最後の、妻の浮気はまあ、一番手軽な話の落とし方かな。
体が弱くて・・・てな割にまあ想像ではありますが
そういう健康状態で肉体関係を伴う浮気にのめり込むんだ・・と感心しました。
喰い足りないというのか、全体に釈然としない展開でした。