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あなたの愛人の名前は 単行本 – 2018/12/14

3.8 5つ星のうち3.8 116個の評価

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購入オプションとあわせ買い

直木賞受賞第一作!
すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。

「あなたは知らない」……私を「きちんと」愛してくれる婚約者が帰ってくる前に、浅野さんと無理やり身体を離して自宅までタクシーでとばす夜明け。ただひたすらに「この人」が欲しいなんて、これまでの人生で経験したことがない。

「俺だけが知らない」……月に一、二回会う関係の瞳さんは、家に男の人がいる。絶対に俺を傷つけない、優しく笑うだけの彼女を前にすると、女の人はどれくらい浮気相手に優しいものなのか、思考がとまる。

同じ部屋で同じ時を過ごしていながら、絶望的なまでに違う二人の心をそれぞれの視点から描いた1対の作品。他の収録作品に「足跡」「蛇猫奇譚」「氷の夜に」「あなたの愛人の名前は」など。

【著者略歴】
島本理生(しまもと・りお)
1983年生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。2018年『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞受賞。『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『よだかの片想い』『イノセント』『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』など著書多数。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2018/12/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/12/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 224ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4087711714
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4087711714
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.4 x 2.2 x 19.4 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 116個の評価

著者について

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島本 理生
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カスタマーレビュー

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5つのうち3.8つ
116グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルの与えるインパクトが強く、タイトルだけで「不倫モノはちょっと」と敬遠する人も少なくはなさそうな作品。しかし内容は、まるで友達のようになってしまった夫を持つ女性のエゴイズム、自身の母から蔑ろにされた経験を自分が母になることをきっかけにフラッシュバックしてしまう女性、客観的に「間違いはない」婚約者よりも本能で好きだと思えた男性と浮気してしまう女性など、女性の内面の機微に寄り添った話が多く収録されていました。

その中でも、対になっている「あなたは知らない」「俺だけが知らない」が良かったです。好意があるのは分かるけど自分と同じくらい想ってくれているかまでは推し量れない、上手くいきそうでいかない胸がぎゅっとなる感覚にさせてくれるのがザ・島本理生作品!という感じで、私はとても好きでした。この切なさを味わいたくて、このニ編はまた読み返すと思います。

客観的に見て幸せそうに見える人たちにも人知れず抱えている悩みや葛藤がある、というテーマの短編小説でした。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わったところです。
再び生きる、という言葉が浮かんでいます。
人に傷つけられ、人に暖かな温もりを与えられ。

余韻にひたれる最後です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年7月5日に日本でレビュー済み
短いし、さらっと読める作品でした。
ただ、はまらない。文章を読んでいてもそのそばから読んだ言葉が抜け落ちる感じで、あまり響かなかった。
パートナー以外の人に関係を求めてしまう脆さみたいなものが共通項として各作品にあるだけで、なんだか消化不良な作品でします。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年1月9日に日本でレビュー済み
…が、1話目で、つい、他の作家さんの本を連想してしまい、「ん~…?」という微妙な感触のまま読み進んでしまった

「月が綺麗ですね」がアイラヴユーってのは…それは「意味」じゃなくて「そういうセンスのある『訳』をした人がいる」って話で、「意味」って言うには違和感ある気が…意味というよりトリビア?
明るく締めてるんで読後はいいが、少々安直な気も
さらっと読んで今楽しんで、あっさり忘れる感じだった
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本に出てくる人物たちは、パートナー以外に愛を求めざるをえない、どこか人間特有のもろさというか、不安定感のようなものを抱えています。不倫、愛人という単語を聞くと自分とは関係のないことと考える人もいると思いますが、生活の中で生まれる隙間、余白の中にどうしようもないものを抱えて一線を越えてしまう人もいる。そんな人たちは決して特別な人ではなくて、自分を認めてほしい、愛されたいと願うどこにでもいる普通の人だったりする。そんな怖さというか、リアリティーを感じました。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年6月10日に日本でレビュー済み
満たされているようで、どこか満たされていない。そんな男女の心情が事細かに描かれていて読み応えがあった。

「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」では、すれ違う男女をそれぞれの視点で描いた話で、どんな結末になるかハラハラしながら読んだ。

他の物語も独立した短編ではなくて、次の話で前の登場人物の話が出てきたりして、物語のその後が語られていたのもよかった。

個人的には小さな料理屋をやっている黒田の一本木なところが好きだった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年3月20日に日本でレビュー済み
直木賞取ったファーストラブの作者。ファーストラブも不思議な雰囲気の文章なのだが、この短編集も実世界ではこのような事が行われているのだろうなぁ…という範囲内での男女関係が不思議な雰囲気で描かれている。そのため感情移入はしやすい。男の気持ちはよくわかるし、ああ女性はこんな場合こんな事を考えているのか…というような事も考えながら読み進めるので、あっという間に読み終わったが、終わってもすっきりせずに余韻を残している。

人生というのは死んだら終わりだが、結婚や出産や浮気や不倫…というような日常はそれが終わってもずっと人生は続いているわけで、小説や映画や舞台のように、はいこれでおしまい~というわけにはいかないのだ。そう言う意味ではこの本はとてもいい本で、もう一度じっくり読み直してみたいと思わせる。やはり直木賞取るのだから只者ではないという事だろう。

なんかコンビニ人間といい、自分の身の回りに実在しそうな人物や事件トラブルを描く方が、臨場感持って読めるから感情も移入しやすいという事なんだろうな。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭の「足跡」の治療院には、心の中でギョッとしたが、まぁ、お話なのだからと読み進める。
第一話と第二話がニアミスみたいな感じでつながっており、第三話と第四話が話し手を替えた手法で繋がっている。そして、第五話と第六話がほんの少し関わり合っているという感じだろうか。第四話の終わりに出てきた10万円が、第六話で大きな役割を果たすことになる。ちょっぴり不思議な連作短編集という感じだ。
筆者の中では、それぞれの登場人物のキャラクターは確立しているのだろう。読み進めていくにつれ、その一人一人が際立ってくるのである。その中でも、第五話から登場する絵未が、いい雰囲気を醸し出している。黒田との出会いが、彼女を再生へと導いていく。恋の力でゆっくりと立ち直っていく様子が心に沁みる。
そうだ。どの話も夫婦や恋人や家族、その関係に傷つき、そこから再生していく物語なのだ。この作家の根底に流れているのは、そうした問題意識とともに、人間に対する優しさ、傷ついても乗り越えていける、人間の強さへの信頼なのではないだろうか。
読み終わって、とても清々しい、幸せな気持ちで本を閉じることができた。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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