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ルール (集英社文庫) 文庫 – 2005/7/20

4.2 5つ星のうち4.2 14個の評価

終戦間近のフィリピン戦線。鳴神中尉がそこで見た“地獄”とは? 小隊は任務を遂行して生還することができるのか? ギリギリの極限状態で試される人間性を鋭く描く、衝撃の書き下ろし問題作!
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2005/7/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/7/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4087478378
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4087478372
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 14個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
14グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても重い作品です。
体調が万全な時に読みましょう。
しかし全日本人に読んでもらいたいと願う作品でもあります。
唯一不満なのはラストでした。
2015年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新品とあまり変わらず、よい。戦争小説を読みたかったので買ってみたが期待にたがわぬ面白さだ。
2002年4月26日に日本でレビュー済み
まあまあ面白かった。今までのものとは大分毛色が違うが、戦争の悲惨さを如実に反映している。少し、ドキドキ感がないのが残念だが、それは同本の狙う所ではないのであろう。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年4月21日に日本でレビュー済み
終戦間近のフィリピン戦線、灼熱の中行軍を続ける日本軍。彼らの敵は灼熱でも、連合軍でも、病でもなかった。彼らの真の敵は飢餓だったのである。

本書は、戦争によって極限状態におかれた人間の行動を描いて戦慄を呼び起こす。人間としての尊厳、倫理や道徳といった最低限のルールがあり、人はそれを本能的に尊重するように生まれてきているものだ。禁忌を犯すことに対する恐れは誰の心にでもある。しかし、その禁忌を犯させてしまうほどの状況が現出する恐怖よ。

戦争の罪は広範囲で、その影響は計り知れない。戦争はあらゆるところに入りこみ、その忌まわしい毒牙によって関わったすべての人に一生癒えぬ傷を残してゆく。ただ生きるためだけに、生きたいがためだけに、どうしてこれほどの選択をせまられなければいけないのか?いったい何のために生きるのか?そこまでして生きるのが正しいことなのか?

本書を読んでる間中、堂々巡りのような問いかけが始終頭にあった。

自分ならどうする?もしこの状況におかれたら、ぼくならどうする?

食うのか?やっぱり生きるために食うのだろうか?

平穏な毎日では、決して表出することない問いかけが頭をかけ巡るのである。

極限状態の人間心理と尊厳を保つ最低限のルールを天秤にかけて、物語は淡々と語られてゆく。淡々と、静々と、ことさら煽りたてることもなく堅実に歩調を乱さず。この現実感をどうか味わって欲しい。フィクションではなく、リアルに感じて欲しい。かつて、誰かが経験したであろうこの地獄をどうか体験してみてほしい。そうすれば、世界の見方が変わるかもしれないから。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年6月4日に日本でレビュー済み
号泣。嗚咽。
タオルが必要です。
誇りとか尊厳とかをやすりにかけられて、それでも耐えて守っていく姿に涙なしではいられませんでした。

人前で読むのは危険です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年1月30日に日本でレビュー済み
戦争が悪いとか善いとかじゃない。もっと奥の、深い部分を突きつけられた。

その現実を作ったのは紛れも無い「戦争」という事実だが、そこに在った彼らは私たちと何ら変わり無い「人間」だろう。

それを憂うべきか嘆くべきか恐れるべきか。

畏れ多い人間様の成れの果てに見えたもの。

読めば気付く。

戦争のもたらすモノに、人間の持つ巨大なモノに。

私は彼らを軍人として、人間として、尊敬します。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年7月25日に日本でレビュー済み
 福井晴敏絶賛、と文庫本の帯に書かれていたが、分かる気がする。追いつめられた状況を淡々と克明に書いている古処誠二。どこか共感できる節があるのだろう。ただ、古処誠二はエンターテインメントを書いているわけではないだろう。
 太平洋戦争末期の日本。いつ降伏してもおかしくない状況にいた。フィリピンのルソン島で、鳴神は和泉に小隊の隊長としてゲリラが出没する地域での物資輸送を命じられる。ただそこに待っていたのは飢えるか植えないかの現状。マラリアにも感染し、限界点に近づく中、一人の兵士が米軍機を撃墜した。落ちてきたアメリカ人パイロットと遭遇し、捕虜として連れて行くことになる。
 書きたかったものは極限状況の人間。前にも書いたがエンターテインメントの作家でないのは読んでいて明らか。とにかく重たい。それほど分厚くないのだが、やけに密度の濃い内容だったか。読んでいて、文字を追うのが辛くなる。
 実際経験して来たものは本作に書かれている以上のものだったかもしれない。苦痛を遙かに通り越した苦痛。飢え。幻覚。死への恐怖というものではないかも知れない。そんなものを知らないし、経験したくもないが、60年前、確かに日本の誰かが経験していたことなのだろう。。だからこそ、ショックが大きすぎるのか。
 メインの鳴神、八木沢、姫山、そしてアメリカ人パイロットのオースティン。彼らの生への執着。こんなところで死なないために。出来れば兵士なら兵士らしく死ぬために。ここまで酷だったという悲劇ではあるものも、体をボロボロにしてまでもルールの基に生きることをやめなかった男達のドラマとも言える、のではないか。
 オースティンは目の前の状況を見てただ困惑する。人間であって、人間でないものを見ている。戦争での死は、戦場の死だけではないということの現状を。今ではやはり考えられないだろうから、か。オースティンの視点は、今を生きる自分たちの視点ともダブるかも知れない。それだけ、書かれている事は想像を凌駕している。そういう意味で、ただ出くわしただけでなく彼の存在は大きいと言える。
 後半分かり始めてくる事実は重たく、そしていかに自分たちが軽く見られていたか。あまりに無力だったというか、残るものがないというか。それが戦争というもの、敗戦という事実でもあるのか。最後に多少のどんでん返しがあるものも、それはタイトルである「ルール」の意味を示すためでもあるはず。姫山の最後の一言がとにかく重い。淡々と書かれてあるから、余計にその重さがひしひしと伝わってくる。
 やはり、今だからこそ読むべきか。読み通して欲しいと思う。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年7月20日に日本でレビュー済み
この作家の作品はまずサイパン戦のものを読んだ。
その後この小説を読んだ。
兵隊の呼吸が聞こえるようだった。
フィリピンは比島と書かれるが生還者は悲島とあてる。
この小説は悲島に送られた兵隊を書いている。
北部ルソン戦に関心があれば現地部隊の世俗考察に驚く。
ことに兵隊隠語はなまなましい。
大岡昇平で終わっていた戦争文学である。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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