アメリカ統治下の沖縄。私の勝手なイメージではアメリカ流の自由な雰囲気。経済的には恵まれていなくても、思想的自由や表現の自由は保障される社会だと思っていた。
しかし、沖縄のアメリカ留学を管轄したのは米軍。日本本土からの留学生を管轄した国務省とは主体が異なる事になる。
ここから米軍寄りの人物を育成する為のシステムが構築される。
そんな米国留学生たちのライフストーリーを紹介したのがこの本だ。米軍の思惑と留学生の葛藤。
日本、アメリカ、沖縄(あるいは琉球)の狭間で揺れ動く若きエリートたち…
これは私の個人的体験だが、大学で会った名門高校出身者は今でも親米保守の割合が高い気がする。聞くと親類に「米留組」がいることが多い。
本土とは違うもう一つの戦後。沖縄を考えるには最適の良書。
なお、筆者は大学の先生。お硬い文章を書くと思いきや、読みやすい文章。内容と共に文章にも好感。
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「米留組」と沖縄 米軍統治下のアメリカ留学 (集英社新書) 新書 – 2022/4/15
山里 絹子
(著)
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それは、“ただの留学”ではなかった――。
今日の沖縄・アメリカ・日本の関係にどう影響しているのか。
〈復帰50年〉のいま、初めて語られるライフストーリー。
ジョン カビラ氏(ラジオ・テレビパーソナリティー)推薦!
「戦敗れ、支配されるも、懐に飛び込んで学んだ先には何があったのか?」
岸 政彦氏(立命館大学教授)推薦!
「復帰前の沖縄からアメリカに渡った留学生たちの、複雑で豊かな語りに耳を傾けよう」
*****
1945年から27年間、米軍統治下にあった沖縄で、米国陸軍による留学制度によってアメリカ留学=「米留」した1000人余りの若者たち、「米留組」がいた。
沖縄戦を生き延びた彼ら、彼女らはどのような思いで留学を志し、戦後沖縄の社会形成においてどのような役割を担ったのか――。「米留二世」でもある著者が丹念に聞き取った、留学経験者たちの語り。
「本土復帰」50年を経て、初めて明らかになる当時の米国の思惑や「米留組」の葛藤。貴重な証言と一次史料をたどることで、沖縄の今とこれからを考える。
【目次】
はじめに ――戦後沖縄「米留組」と呼ばれた人々
第一章 「米留」制度の創設と実施
第二章 「米留組」の戦後とアメリカ留学への道のり
第三章 沖縄の留学生が見たアメリカ
第四章 沖縄への帰郷─「米留組」の葛藤と使命感
第五章 〈復帰五〇年〉「米留組」が遺したもの
おわりに ――もう一つの「米留」
あとがき
【著者プロフィール】
山里絹子(やまざと きぬこ)
琉球大学 国際地域創造学部准教授。
1978年生まれ、沖縄県中城村出身。琉球大学法文学部卒業。2013年ハワイ大学マノア校大学院社会学学部博士課程修了。名桜大学教養教育センター講師を経て現職。専門分野は、アメリカ研究、社会学、移民・ディアスポラ、戦後沖縄文化史、ライフストーリーなど。著書に『島嶼地域科学という挑戦』(共著・ボーダーインク)ほか。
今日の沖縄・アメリカ・日本の関係にどう影響しているのか。
〈復帰50年〉のいま、初めて語られるライフストーリー。
ジョン カビラ氏(ラジオ・テレビパーソナリティー)推薦!
「戦敗れ、支配されるも、懐に飛び込んで学んだ先には何があったのか?」
岸 政彦氏(立命館大学教授)推薦!
「復帰前の沖縄からアメリカに渡った留学生たちの、複雑で豊かな語りに耳を傾けよう」
*****
1945年から27年間、米軍統治下にあった沖縄で、米国陸軍による留学制度によってアメリカ留学=「米留」した1000人余りの若者たち、「米留組」がいた。
沖縄戦を生き延びた彼ら、彼女らはどのような思いで留学を志し、戦後沖縄の社会形成においてどのような役割を担ったのか――。「米留二世」でもある著者が丹念に聞き取った、留学経験者たちの語り。
「本土復帰」50年を経て、初めて明らかになる当時の米国の思惑や「米留組」の葛藤。貴重な証言と一次史料をたどることで、沖縄の今とこれからを考える。
【目次】
はじめに ――戦後沖縄「米留組」と呼ばれた人々
第一章 「米留」制度の創設と実施
第二章 「米留組」の戦後とアメリカ留学への道のり
第三章 沖縄の留学生が見たアメリカ
第四章 沖縄への帰郷─「米留組」の葛藤と使命感
第五章 〈復帰五〇年〉「米留組」が遺したもの
おわりに ――もう一つの「米留」
あとがき
【著者プロフィール】
山里絹子(やまざと きぬこ)
琉球大学 国際地域創造学部准教授。
1978年生まれ、沖縄県中城村出身。琉球大学法文学部卒業。2013年ハワイ大学マノア校大学院社会学学部博士課程修了。名桜大学教養教育センター講師を経て現職。専門分野は、アメリカ研究、社会学、移民・ディアスポラ、戦後沖縄文化史、ライフストーリーなど。著書に『島嶼地域科学という挑戦』(共著・ボーダーインク)ほか。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2022/4/15
- 寸法10.6 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104087212130
- ISBN-13978-4087212136
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2022/4/15)
- 発売日 : 2022/4/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4087212130
- ISBN-13 : 978-4087212136
- 寸法 : 10.6 x 1.2 x 17.3 cm
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2022年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年1月10日に日本でレビュー済み
もう40年くらい前か、現役のころ、同じ職場のある人の机に、写真が小さな枠に入れられていつも飾られていた。
ある時、じっくり見てみると、驚いたことに日本人の若者たち(もしかしたら、他の国の若者たちもいたのかもしれない?)と米国のトルーマン大統領(あれアイゼンハウアーだっか?ちょっと記憶に自信がないが、トルーマンだろう!)が一緒に映っている写真なのだ。
びっくりして当人に聞いてみると、たしかにトルーマン大統領とのこと、米国留学中に会ったとのこと。トルーマン大統領は1945年から1953年までのアメリカの大統領だ。しかし、なぜ、会えたのだろう?その疑問は、その後に別の沖縄出身者に謎解きをしてもらった。
沖縄には当時軍政府が管理した「米国留学制度」というものがあり、その留学生は「米留組」と呼ばれ、沖縄の中でも独特の存在だというのだ。その後も沖縄出身者との会話の中で、ときどき「あの人は「米留組」だよ」という言及に触れたこともある。その言葉の持つ複雑なニュアンスを全体として理解することは無理だった。もっとも、この「制度」も沖縄返還後は廃止されて、つまり「米留組」は社会の一線からはとうの昔に退いている。ただ、沖縄という限られた地域に作り出された、この不思議な「存在」はずっと私の頭の片隅に残り続けていた。
というわけで、読んでみたこの作品だが、読後感はというと、あまり面白くない。制度設立の経緯や金門クラブなどの話は始めて聞く話が多く参考になった。ただ描写がいきいきとしていないのだ。ある一定の枠組みと言説の下で、作られた作品という色彩が濃厚なのだ。後半に行けばいくほど、その色彩は強くなり、最後の部分に至っては、ちょっと個人的な話が前面に出てきてしまう。
アメリカの冷戦政策の一環として、この制度がつくられたのは当たり前。軍が作ったプログラムのため、そこでは基地の永続化のため、琉球と日本の分断が当初から狙われていたというのも納得。またプログラムの目的に、明示的に、反共主義とオリエンタリズムの色彩が濃厚であり、ジェンダーの偏りがあったというのは当然だろう。とはいえ、制度構築者の思惑を越えて意図しない結果が出てくるというのもいつものパターン。このような観点からのおきまりの解説が長々と繰り広げられてもあまり面白くはない。
この人為的に作り出された「米留組」という一種の「寄生エリート」たちが、沖縄返還前並びにその後において、どのような役割りをどのような分野で果たせたのか、または果たせなかったのか、というところの説明がもっとほしかった。著者の説明では、教育や文化の領域が強調されているが、経済の面ではどうだったのだろうか。
ところで、当事者の記憶(p188)はいつもあやふやだ。本書でも、金門クラブでのロバートケネディ(RFK)の演説の予定について、「東京まで来たの。早稲田で演説して、その時だったかな。兄さん(JFK)がやられて急遽アメリカに帰ったの」と出ているが、RFKの来日は1962年で、JFKの暗殺は1963年。というわけで、この話は記憶間違い。
ある時、じっくり見てみると、驚いたことに日本人の若者たち(もしかしたら、他の国の若者たちもいたのかもしれない?)と米国のトルーマン大統領(あれアイゼンハウアーだっか?ちょっと記憶に自信がないが、トルーマンだろう!)が一緒に映っている写真なのだ。
びっくりして当人に聞いてみると、たしかにトルーマン大統領とのこと、米国留学中に会ったとのこと。トルーマン大統領は1945年から1953年までのアメリカの大統領だ。しかし、なぜ、会えたのだろう?その疑問は、その後に別の沖縄出身者に謎解きをしてもらった。
沖縄には当時軍政府が管理した「米国留学制度」というものがあり、その留学生は「米留組」と呼ばれ、沖縄の中でも独特の存在だというのだ。その後も沖縄出身者との会話の中で、ときどき「あの人は「米留組」だよ」という言及に触れたこともある。その言葉の持つ複雑なニュアンスを全体として理解することは無理だった。もっとも、この「制度」も沖縄返還後は廃止されて、つまり「米留組」は社会の一線からはとうの昔に退いている。ただ、沖縄という限られた地域に作り出された、この不思議な「存在」はずっと私の頭の片隅に残り続けていた。
というわけで、読んでみたこの作品だが、読後感はというと、あまり面白くない。制度設立の経緯や金門クラブなどの話は始めて聞く話が多く参考になった。ただ描写がいきいきとしていないのだ。ある一定の枠組みと言説の下で、作られた作品という色彩が濃厚なのだ。後半に行けばいくほど、その色彩は強くなり、最後の部分に至っては、ちょっと個人的な話が前面に出てきてしまう。
アメリカの冷戦政策の一環として、この制度がつくられたのは当たり前。軍が作ったプログラムのため、そこでは基地の永続化のため、琉球と日本の分断が当初から狙われていたというのも納得。またプログラムの目的に、明示的に、反共主義とオリエンタリズムの色彩が濃厚であり、ジェンダーの偏りがあったというのは当然だろう。とはいえ、制度構築者の思惑を越えて意図しない結果が出てくるというのもいつものパターン。このような観点からのおきまりの解説が長々と繰り広げられてもあまり面白くはない。
この人為的に作り出された「米留組」という一種の「寄生エリート」たちが、沖縄返還前並びにその後において、どのような役割りをどのような分野で果たせたのか、または果たせなかったのか、というところの説明がもっとほしかった。著者の説明では、教育や文化の領域が強調されているが、経済の面ではどうだったのだろうか。
ところで、当事者の記憶(p188)はいつもあやふやだ。本書でも、金門クラブでのロバートケネディ(RFK)の演説の予定について、「東京まで来たの。早稲田で演説して、その時だったかな。兄さん(JFK)がやられて急遽アメリカに帰ったの」と出ているが、RFKの来日は1962年で、JFKの暗殺は1963年。というわけで、この話は記憶間違い。
2022年4月24日に日本でレビュー済み
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今年は沖縄の日本復帰(または返還)50年であり、連合赤軍事件50年でもある。連合赤軍事件50年の新書は出版される気配がないが、沖縄については、3月に岩波新書『〈アメリカ世〉の沖縄』が出て、4月に本書が出た。読ませていただいた。
『米留組』は岩波新書(上記の本)にも出ておらず初めて聞く言葉だが、『米留』とは、米軍統治時代に、アメリカ陸軍省がアメリカ政府の軍事予算を用いて、沖縄の若者(1930年代生まれが多いよう)を対象に実施した、アメリカの大学で学ぶための奨学制度をいう。1949年から1970年まで続き、合計1045名の若者がアメリカ留学した。
この『米留』の体験者を『米留組』という。『米留』はアメリカ軍にとっては沖縄統治を容易にする思想的文化的手段であり、客観的には沖縄の未来を担うエリートの育成である。一方、留学生にとっては、父兄が敵国として戦い、親戚知人の多くを殺された国での生活であり、また、米軍反対運動に燃える沖縄の住民からは、「権力と結び付いた者」「米軍親衛隊」と見られることもあった。
こういう一見複雑多面的な存在である『米留組』の心情、経験を、当事者から直接語ってもらおうと、著者は40名近くの米留経験者のインタビューを実施する。2009年から始めているので、対象は70代または80代だろう。本書の2章以後の大部分は、この米留経験者の語るライフ・ストーリーである。最後に米留の一人である著者の父へのインタビューとなる。
○目次
目次は宣伝に載っているので省略する。
○私的感想
☆著者のインタビューが非常に上手である。第2章に書かれているようなデータ、事前調査、著者の思考論理があったと思うが、そこは主張せずに、聞き役に徹しているようにみえる。それで、高齢の米留経験者たちが、留学の心情、留学生活の経験だけでなく、その後の沖縄での様々な人生について、女性で、40ほど年下で、沖縄に生まれ育ち、学生であった著者に語り継ぐような形で、語ってくれている。たいへん貴重な記録と思う。感動した。
○蛇足
☆米留経験者が1952年に作った親睦団体である「金門クラブ」が本書では頻出するが、岩波新書『〈アメリカ世〉の沖縄』では一ヶ所だけ出てくる。第5章の「キャラウェイ旋風」の99頁で、ここでは「金門クラブ」は「当時のエリート集団」とされている。
☆本書73頁に、寺のラジオの「カムカム英語」で英語を勉強した話が出てくる。
『米留組』は岩波新書(上記の本)にも出ておらず初めて聞く言葉だが、『米留』とは、米軍統治時代に、アメリカ陸軍省がアメリカ政府の軍事予算を用いて、沖縄の若者(1930年代生まれが多いよう)を対象に実施した、アメリカの大学で学ぶための奨学制度をいう。1949年から1970年まで続き、合計1045名の若者がアメリカ留学した。
この『米留』の体験者を『米留組』という。『米留』はアメリカ軍にとっては沖縄統治を容易にする思想的文化的手段であり、客観的には沖縄の未来を担うエリートの育成である。一方、留学生にとっては、父兄が敵国として戦い、親戚知人の多くを殺された国での生活であり、また、米軍反対運動に燃える沖縄の住民からは、「権力と結び付いた者」「米軍親衛隊」と見られることもあった。
こういう一見複雑多面的な存在である『米留組』の心情、経験を、当事者から直接語ってもらおうと、著者は40名近くの米留経験者のインタビューを実施する。2009年から始めているので、対象は70代または80代だろう。本書の2章以後の大部分は、この米留経験者の語るライフ・ストーリーである。最後に米留の一人である著者の父へのインタビューとなる。
○目次
目次は宣伝に載っているので省略する。
○私的感想
☆著者のインタビューが非常に上手である。第2章に書かれているようなデータ、事前調査、著者の思考論理があったと思うが、そこは主張せずに、聞き役に徹しているようにみえる。それで、高齢の米留経験者たちが、留学の心情、留学生活の経験だけでなく、その後の沖縄での様々な人生について、女性で、40ほど年下で、沖縄に生まれ育ち、学生であった著者に語り継ぐような形で、語ってくれている。たいへん貴重な記録と思う。感動した。
○蛇足
☆米留経験者が1952年に作った親睦団体である「金門クラブ」が本書では頻出するが、岩波新書『〈アメリカ世〉の沖縄』では一ヶ所だけ出てくる。第5章の「キャラウェイ旋風」の99頁で、ここでは「金門クラブ」は「当時のエリート集団」とされている。
☆本書73頁に、寺のラジオの「カムカム英語」で英語を勉強した話が出てくる。
2022年7月14日に日本でレビュー済み
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本土でのほほんと他人事のようにしている日本人の一人として居ても立っても居られない気持ちにさせられます。日本国として今後沖縄問題をどのように解決するのか為政者は本気で考えないと、中国との今後の絡みでとんでもないことになりますよ。
2022年7月2日に日本でレビュー済み
この本を読了した時、スコセッシの(ポンジュノもアカデミー賞で引用した)言葉を思い出した。
「もっとも個人的なことがもっともクリエイティブなこと」
本書の後書きを読むとそのことを強く思う。
「もっとも個人的なことがもっともクリエイティブなこと」
本書の後書きを読むとそのことを強く思う。
2022年7月25日に日本でレビュー済み
これまでになかった視点による研究と、その結果としての著作です。米国による統治時代から、留学経験者がこの島をリードして来たのではないかという仮説のもとに行われたインタビュー。極めて興味深い内容が掲載されています。
最後の著者の御父上に関する記述は涙ものです。ここを膨らませて書いても面白かったかもしれません。その前の、本国返還後の留学制度についてももっと知りたいです。今後に伸びしろのある研究素材ですね。
ただ、大衆向けとはいえ散文的な書き方がところどころ気になります。同一人物の発言はもっとまとめて書いても良かったのでは? テーマごとに何か所かに分けると、その都度その人物を紹介しなければならないので、読者としては二度手間です。
最後の著者の御父上に関する記述は涙ものです。ここを膨らませて書いても面白かったかもしれません。その前の、本国返還後の留学制度についてももっと知りたいです。今後に伸びしろのある研究素材ですね。
ただ、大衆向けとはいえ散文的な書き方がところどころ気になります。同一人物の発言はもっとまとめて書いても良かったのでは? テーマごとに何か所かに分けると、その都度その人物を紹介しなければならないので、読者としては二度手間です。