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戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 2023/7/13
上田 信
(著)
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16世紀半ば、戦国時代の日本をルポルタージュした中国人がいた。その後すっかり忘れ去られていた貴重な記録『日本一鑑』には、いったい何が書かれているのか。明清時代の中国を、ユーラシアの陸と海から大きな視点でとらえた著作で高く評価される著者が、日本の戦国時代を描き直す意欲作。
1523年、戦国日本の有力者、大内氏と細川氏が日明貿易をめぐって争い、中国の港町を争乱に巻き込んだ「寧波事件」は明朝に衝撃を与えた。密貿易と倭寇への対策に悩む朝廷の命を受けて、日本の調査のために海を渡ったのが、『日本一鑑』の著者、鄭舜功である。「凶暴、野蛮な倭人」という従来の先入観にとらわれない鄭舜功の視線は日本の武士から庶民におよぶ。生活習慣や日本刀の精神性、切腹の作法、男女の人口比など多岐にわたって、凶暴なるも礼節を重んじ、秩序ある日本社会を描いている。
また、日本さらに畿内への詳細な航路の記録は、当時の日本の政治・軍事状況を映し出す。九州の東西どちらを通るのか、瀬戸内航路か太平洋航路か――。しかし、大きな成果をあげて帰国した鄭舜功には、過酷な運命が待っていたのだった。
本書によって、日本の戦国時代は、応仁の乱から関ヶ原の合戦へという「陸の物語」ではなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの硝石・鉛の輸入を主軸とする「海の物語」であったというイメージが、新たに像を結んでくるだろう。
目次
はじめに─―忘れられた訪日ルポには何が書かれているのか
序 章 中世の日本を俯瞰する
第1章 荒ぶる渡海者
第2章 明の侠士、海を渡る
第3章 凶暴なるも秩序あり
第4章 海商と海賊たちの航路
終 章 海に終わる戦国時代
あとがき
1523年、戦国日本の有力者、大内氏と細川氏が日明貿易をめぐって争い、中国の港町を争乱に巻き込んだ「寧波事件」は明朝に衝撃を与えた。密貿易と倭寇への対策に悩む朝廷の命を受けて、日本の調査のために海を渡ったのが、『日本一鑑』の著者、鄭舜功である。「凶暴、野蛮な倭人」という従来の先入観にとらわれない鄭舜功の視線は日本の武士から庶民におよぶ。生活習慣や日本刀の精神性、切腹の作法、男女の人口比など多岐にわたって、凶暴なるも礼節を重んじ、秩序ある日本社会を描いている。
また、日本さらに畿内への詳細な航路の記録は、当時の日本の政治・軍事状況を映し出す。九州の東西どちらを通るのか、瀬戸内航路か太平洋航路か――。しかし、大きな成果をあげて帰国した鄭舜功には、過酷な運命が待っていたのだった。
本書によって、日本の戦国時代は、応仁の乱から関ヶ原の合戦へという「陸の物語」ではなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの硝石・鉛の輸入を主軸とする「海の物語」であったというイメージが、新たに像を結んでくるだろう。
目次
はじめに─―忘れられた訪日ルポには何が書かれているのか
序 章 中世の日本を俯瞰する
第1章 荒ぶる渡海者
第2章 明の侠士、海を渡る
第3章 凶暴なるも秩序あり
第4章 海商と海賊たちの航路
終 章 海に終わる戦国時代
あとがき
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2023/7/13
- 寸法13 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-104065325749
- ISBN-13978-4065325742
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商品の説明
著者について
上田 信
1957年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、立教大学文学部教授。専攻は中国社会史。著書に『中国の歴史9 海と帝国』『伝統中国─〈盆地〉〈宗族〉にみる明清時代』『シナ海域 蜃気楼王国の興亡』(以上、講談社)、『貨幣の条件─タカラガイの文明史』(筑摩書房)、『死体は誰のものか─比較文化史の視点から』(ちくま新書)、『人口の中国史─先史時代から一九世紀まで』(岩波新書)ほか。
1957年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、立教大学文学部教授。専攻は中国社会史。著書に『中国の歴史9 海と帝国』『伝統中国─〈盆地〉〈宗族〉にみる明清時代』『シナ海域 蜃気楼王国の興亡』(以上、講談社)、『貨幣の条件─タカラガイの文明史』(筑摩書房)、『死体は誰のものか─比較文化史の視点から』(ちくま新書)、『人口の中国史─先史時代から一九世紀まで』(岩波新書)ほか。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2023/7/13)
- 発売日 : 2023/7/13
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 248ページ
- ISBN-10 : 4065325749
- ISBN-13 : 978-4065325742
- 寸法 : 13 x 1.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 45,060位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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5 星
戦国時代の日本にやって来た中国人・鄭舜功のルポルタージュ『日本一鑑』とは
『戦国日本を見た中国人――海の物語<日本一鑑>を読む』(上田信著、講談社選書メチエ)は、日本にやって来た中国人が当時の日本と日本人を観察・調査し記録した文書『日本一鑑』を読み解くというユニークな一冊です。本書は、稀有な文書の読解に挑戦した稀有な本といえるでしょう。『日本一鑑(にほんいっかん)』の著者は中国人(明人)の鄭舜功です。「『大倭寇』が頂点を極めた1556年に、鄭は海を渡って日本に赴き、日本の言語・地理・文物・文化を調べ、日本人と交流し、日本ならびに日本人の実情を理解しようとした。日本人は、中国の感覚からすれば凶暴ではあるものの、そこには秩序があり、折り合いをつけることができる、鄭はそう確信して、日本と中国とのあいだの国交を回復させようとした。その提言は帰国後に顧みられることはなく、著されたその書は、刊行されることなく、いくつかの写本で後世に伝えられるのみであった。16世紀以降、『日本一鑑』の存在は忘れられていた。20世紀に入り、軍事強国化する日本と中国が対峙するようになるなかで、ようやく注目されるようになったようである」。「戦国時代の日本を異文化の視点から相対化するものとして、南蛮人と呼ばれるイエズス会宣教師たちが残した記録が広く知られている。イエズス会はヨーロッパと異なる社会のなかで組織的に布教するために、見聞を報告書としてまとめ、保存する規定を定めていた。その圧倒的な情報量から、南蛮と呼ばれたポルトガル人やスペイン人の影響が実態よりも過大に評価されてきたように思われる」。「しかし、鄭舜功が記した『日本一鑑』を読むと、中国と日本とのあいだを往来した渡海者たちの圧倒的規模が、日本を中世から近世へと転換させるうえで重要な役割を果たしたことが分かってくる」。「日本滞在中に鄭舜功は、先入観なく日本人の生きざまをつぶさに観察した。さらに、その政治体制や文化についても関心を寄せている。倭寇を鎮めるために、その(自分の)配下のものを京都に派遣しており、中国から日本の京都にいたる海路について、類書にはない情報を提供してくれるのである」。「本書では訪日中国人の手になるこの稀有な著作『日本一鑑』から、戦国時代の日本の実像に触れた箇所を抜き出していく。そこには、同時代の日本人が当たり前として記録しなかった日本人の姿や、日本人と接触した歴史の浅い西洋人が見落としている日本人の感性を読み取ることができる。本書を機にこの日本ルポの存在を知っていただければ、不遇な運命に翻弄された鄭舜功も喜ぶであろう」。「16世紀なかば、嘉靖大倭寇に襲われた中国は緊迫した情勢のなかにあった。鄭は中国は明国の『布衣』、つまり無位無官の身でありながら、緊張緩和の路を探るという志を立てて日本に渡り、半年のあいだ情報収集を行うとともに、日本の有り様をつぶさに観た。しかし帰国するも、鄭の功績は認められず、投獄される憂き目にあう」。浅学の私は、本書で初めて『日本一鑑』と鄭舜功のことを知りました。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実に丁寧な作業とユニークな視点の作品です。
2023年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鹿児島になんの気無しに最近旅行したが、本書を読むと、小さな田舎町が、中国との深い関わりがあって、世界と繋がっていることがわかって感動した。1500年代に、既に中国からの航路が出来上がっていて、今に痕跡を残しており、中国とのやりとりは対等ではなかったが、日本との交流のために日本に駐在し、尽かしていた中国人がいたということを知って新鮮だ。
2024年4月10日に日本でレビュー済み
『日本一鑑』の著者、鄭舜功からは「文書オタク」、「調査オタク」の臭いがプンプンします。今の日本に生まれ変わったら、プロ顔負けのパワフル・ブロガーと成る資格は十分あります。
鄭舜功と言う人、たった半年か1年そこらで、良くもまあ、これだけの量のネタを仕入れたもんだと思います。
日本のお坊さんで「清授」と言う気の利いた人が居て、この人が鄭舜功に全面協力したかららしいんですが、今の日本と違って、国立国会図書館がある訳でも、インターネットがある訳でもありません。そもそも「本をいっぱい持ってる」と言うだけで権威と権力の誇示に成るような時代だったんです。今の日本と比べたら、ハンディキャップありまくりです。大したもんだと思います。
ただ、その内容たるや、「アンタ、ここに書いてある事を、ちゃんと自分の眼で確認したのぉ?」と言いたくなるようなシロモノです。
パワフル・ブロガーの中にも居るでしょう? 「事実と意見の区別が付かない人」、「実証された事と、ただの聞いた話の見分けが付かない人」が。
こういうのを俗に「ホラ吹き」と言います。帰国後の鄭舜功が、お上からボロカスの扱いを受けたのも、なんだか分かる気がする。
「ただのオタク」の域を超えたパワフル・ブロガーが、著作権法スレスレの「エヴァンゲリオン大全」みたいなサイトを開設したまでは良いけど、その筋からお叱りを受けたらしく、いつの間にかリンクが切れちゃってる、みたいな。
ただ、鄭舜功が記述した所の「日本では、こんな文字を使ってました」、「私が聞きとった日本語は、こんな発音でした」、「これこれの言葉の辞書的意味は、こんな所だと思われます」と言った部分、これらは鄭舜功がその眼で見て、その耳で聞いて、その頭で理解した「事実」ですから(あっちこっちに不備があるとはいえ)検討するに足る歴史資料と言えましょう。
『日本一鑑』に対する今日の研究者の関心が、こういう「国語史」的な部分に集中しているのは、ある意味、当然だと思います。
さて、上田先生のご本なのですが、先生はここら辺の事情は十分、ご承知なのでしょう。その上で、『日本一鑑』と言う奇書を楽しんでいらっしゃるようにお見受けしました。
「ダシにした」などと言うヤボな言い方はしません。『日本一鑑』みたいな本は、せいぜいオモチャにしてやるのが最高の「ごほうび」なんです。
私からも、鄭舜功に「いいね!」の折詰め弁当を差し入れます。
鄭舜功と言う人、たった半年か1年そこらで、良くもまあ、これだけの量のネタを仕入れたもんだと思います。
日本のお坊さんで「清授」と言う気の利いた人が居て、この人が鄭舜功に全面協力したかららしいんですが、今の日本と違って、国立国会図書館がある訳でも、インターネットがある訳でもありません。そもそも「本をいっぱい持ってる」と言うだけで権威と権力の誇示に成るような時代だったんです。今の日本と比べたら、ハンディキャップありまくりです。大したもんだと思います。
ただ、その内容たるや、「アンタ、ここに書いてある事を、ちゃんと自分の眼で確認したのぉ?」と言いたくなるようなシロモノです。
パワフル・ブロガーの中にも居るでしょう? 「事実と意見の区別が付かない人」、「実証された事と、ただの聞いた話の見分けが付かない人」が。
こういうのを俗に「ホラ吹き」と言います。帰国後の鄭舜功が、お上からボロカスの扱いを受けたのも、なんだか分かる気がする。
「ただのオタク」の域を超えたパワフル・ブロガーが、著作権法スレスレの「エヴァンゲリオン大全」みたいなサイトを開設したまでは良いけど、その筋からお叱りを受けたらしく、いつの間にかリンクが切れちゃってる、みたいな。
ただ、鄭舜功が記述した所の「日本では、こんな文字を使ってました」、「私が聞きとった日本語は、こんな発音でした」、「これこれの言葉の辞書的意味は、こんな所だと思われます」と言った部分、これらは鄭舜功がその眼で見て、その耳で聞いて、その頭で理解した「事実」ですから(あっちこっちに不備があるとはいえ)検討するに足る歴史資料と言えましょう。
『日本一鑑』に対する今日の研究者の関心が、こういう「国語史」的な部分に集中しているのは、ある意味、当然だと思います。
さて、上田先生のご本なのですが、先生はここら辺の事情は十分、ご承知なのでしょう。その上で、『日本一鑑』と言う奇書を楽しんでいらっしゃるようにお見受けしました。
「ダシにした」などと言うヤボな言い方はしません。『日本一鑑』みたいな本は、せいぜいオモチャにしてやるのが最高の「ごほうび」なんです。
私からも、鄭舜功に「いいね!」の折詰め弁当を差し入れます。
2023年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、16世紀明の時代にわが国を訪れた鄭舜功なる中国人の『日本一鑑』という手稿の解説書である。これが尖閣列島が中国領の根拠とされたこともあるらしい。この時代の外国人の航海記は何れも興味深いが、バテレンによるものが多く取り上げられる一方、中韓のものはあまりない。鄭は、「日本の言語・地理・文物・文化を調べ、日本人と交流し、日本ならびに日本人の実情を理解しようとした」(p. 4)とされており、自ずから内容への期待も盛り上がる。しかしながら、その期待は裏切られてしまう。本書は『日本一鑑』の内容を忠実に伝えようとするものではなく、多分著者の興味である、当時来訪した種々の中国人の履歴や、当時の日本への種々の航路に多くのページが割かれており、果して原著の内容の何割が本書で紹介されているのかすら不明な代物なのである。
2023年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても面白かったです。倭寇の時代から近世初期まで、日本と中国がどういう関係でどれだけ濃密な交流を持っていたかがよく分かります。もっぱら貿易を中心としてですが。
もっとも物や人が行き来すれば文化も行き来しますから、我々が思っているよりも日中交流は豊かで深い内容を持っていたに違いありません。
寧波の博物館に行ったとき、日本人が寄付した、署名入りの塼(せん)の展示があって驚いた(教科書には載っていなかった日本商人と寧波の関係が明らか!日本人の墓も近郊にまとまってある。)のですが、本書を読んでその事情がよく分かりました。
我々日本人が考えているよりもずっと、日中貿易の歴史は長く濃密な関係があったことがよく分かります。その関係を抜きに日本の文化・貿易・経済、そして戦国時代の戦のあり方は理解できないのだということがよーくわかります。
もっとも物や人が行き来すれば文化も行き来しますから、我々が思っているよりも日中交流は豊かで深い内容を持っていたに違いありません。
寧波の博物館に行ったとき、日本人が寄付した、署名入りの塼(せん)の展示があって驚いた(教科書には載っていなかった日本商人と寧波の関係が明らか!日本人の墓も近郊にまとまってある。)のですが、本書を読んでその事情がよく分かりました。
我々日本人が考えているよりもずっと、日中貿易の歴史は長く濃密な関係があったことがよく分かります。その関係を抜きに日本の文化・貿易・経済、そして戦国時代の戦のあり方は理解できないのだということがよーくわかります。
2023年11月9日に日本でレビュー済み
本書の著者の専門は中国社会史で日本史の専門家ではありません。しかし日本一鑑を通して、語った戦国時代はとても興味深いものでした。
たとえば、鉄砲のサプライチェーンで、日本では算出しない鉛と硝石が中国からの輸入に依存していたこと。また南九州が貿易の拠点となっていて、京都を中心とした動きと全く別な歴史を歩んでいたこと。
しかし、一番驚いたのは、倭寇の問題を解決するために、鄭舜好が「日本とは何か、日本人の行動の背景による心情は何か、観察に基づいて理解する」態度で臨み、朝廷に奏上し自ら日本に渡航したことです。あの時代にも、現実を直視し、解決を目指した人がいる、少し気持ちが暖かくなりました。
残念なことに、世界には多くの深刻な困難があります。彼のような存在がもっといれば、そういう人がより支持されるようになれば、未来はもう少し明るくなるのかもしません。
たとえば、鉄砲のサプライチェーンで、日本では算出しない鉛と硝石が中国からの輸入に依存していたこと。また南九州が貿易の拠点となっていて、京都を中心とした動きと全く別な歴史を歩んでいたこと。
しかし、一番驚いたのは、倭寇の問題を解決するために、鄭舜好が「日本とは何か、日本人の行動の背景による心情は何か、観察に基づいて理解する」態度で臨み、朝廷に奏上し自ら日本に渡航したことです。あの時代にも、現実を直視し、解決を目指した人がいる、少し気持ちが暖かくなりました。
残念なことに、世界には多くの深刻な困難があります。彼のような存在がもっといれば、そういう人がより支持されるようになれば、未来はもう少し明るくなるのかもしません。
2023年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今で云う"東シナ海"を介した交易ルートが、その経路毎に西国大名の肝入り/息がかかっており、宋の衰退ととも大内家が衰亡したのは、ある意味よく合点えられた。後期倭寇の明るい"交易メリット"の部分は、宋から清への変遷期とも重なり、公式的なものにはならず福建沿岸域での応酬にとどまったのは、結果地方役人の横暴を許すことになったのではないかと思える。そして東夷は倭寇、南夷は西洋諸国の構図が清朝の中華思想の根幹構図となったことは否めない。
2023年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめに、1607年に明代の中国で編纂された民間百科事典に登場する日本人像に度肝を抜かれる。頭は、月代のように剃り上げているが、ほぼ裸、裸足で凶暴な姿。「とにかく凶暴な日本人」と日本人のステレオタイプとして固定されていた。1523年におきた「寧波事件」大内氏と細川氏の使節が引き起こした事件であるが、日本人にとって「武士の道」とされるが、外国から見た場合は理解し難いものだった。
明朝がとった朝貢貿易と海禁のため、倭寇が暗躍する。流逋の存在も大きい。1556年布衣の鄭舜功は、揚宜から「日本国王に倭寇対策を行わせる」任務を与えられる。広州を出港し、台湾沖、南西諸島を通過し、日本領域に入ったところで防風雨にあい豊後に入る。大友氏の下、彼は豊後で6ヶ月を過ごす。そこで自らの見聞とじかに接した人々の感触から「日本人は理を持って説得すれば話が通じる」と見込んで、大友氏の政庁に働きかけた。続いて彼は、京都の交渉相手として天皇とその周辺に的を絞る。当時の実力者、三好長慶に政治工作を行った。
また「日本一鑑」には、雑多な記述が興味深い。「釣魚島」近辺のサメ、徳之島周辺のトビウオ、庶民の生活習慣、日本刀の精神、切腹の作法、男女の人口比まで書いている。鄭は非常に好奇心旺盛で博学的な関心をもった人物であり、著者の上田先生の姿と重なる。
鄭が来日した1556年は、日本は戦国時代であり、美濃の斎藤道三が敗死し、鄭が帰国した翌年大内氏は毛利氏に滅ぼされる。桶狭間の戦いは1560年である。戦国時代の歴史は、応仁の乱から関ヶ原の合戦という「陸」の物語でなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの鉄砲の弾の原料となる硝石、鉛の輸入を主軸とする「海」の物語であったと新しい見解に興味をそそられる。
本書で鄭が「凶暴にして秩序ある日本人」という先入観にとらわれない、好奇心の強い公正なルポを「日本一鑑」に残していることを知り、不遇な運命に翻弄された鄭舜功が俄に浮かび上がってくる。
本書では、明から別な使節も送られていてライバルとなる蔣洲、シナ海の密貿易商の統括している王直、足利将軍に代わって京都武家政権を担っていた三好長慶、日明関係で重要な役割を果たした守護大内氏と細川氏など魅力的な人物が多く登場する。是非大河ドラマで「戦国日本を見た中国人」を見てみたい。
本書は、歴史に詳しくない私にも丁寧な時代背景や説明がされている。鄭舜功の「日本一鑑」は原文ではとても読むことが出来なかった私にも、緻密で膨大な資料とともにワクワクとした興味をそそる流れで読み飽きさせない。また本書にある「帰趨を決する」「推戴」「猖獗を極める」「無辜の民」などこの頃聞くことがなくなっている難解だが美しい日本語が散りばめられていて日本人としてこのような言葉をずっと大事にしていきたいと改めて思う。
明朝がとった朝貢貿易と海禁のため、倭寇が暗躍する。流逋の存在も大きい。1556年布衣の鄭舜功は、揚宜から「日本国王に倭寇対策を行わせる」任務を与えられる。広州を出港し、台湾沖、南西諸島を通過し、日本領域に入ったところで防風雨にあい豊後に入る。大友氏の下、彼は豊後で6ヶ月を過ごす。そこで自らの見聞とじかに接した人々の感触から「日本人は理を持って説得すれば話が通じる」と見込んで、大友氏の政庁に働きかけた。続いて彼は、京都の交渉相手として天皇とその周辺に的を絞る。当時の実力者、三好長慶に政治工作を行った。
また「日本一鑑」には、雑多な記述が興味深い。「釣魚島」近辺のサメ、徳之島周辺のトビウオ、庶民の生活習慣、日本刀の精神、切腹の作法、男女の人口比まで書いている。鄭は非常に好奇心旺盛で博学的な関心をもった人物であり、著者の上田先生の姿と重なる。
鄭が来日した1556年は、日本は戦国時代であり、美濃の斎藤道三が敗死し、鄭が帰国した翌年大内氏は毛利氏に滅ぼされる。桶狭間の戦いは1560年である。戦国時代の歴史は、応仁の乱から関ヶ原の合戦という「陸」の物語でなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの鉄砲の弾の原料となる硝石、鉛の輸入を主軸とする「海」の物語であったと新しい見解に興味をそそられる。
本書で鄭が「凶暴にして秩序ある日本人」という先入観にとらわれない、好奇心の強い公正なルポを「日本一鑑」に残していることを知り、不遇な運命に翻弄された鄭舜功が俄に浮かび上がってくる。
本書では、明から別な使節も送られていてライバルとなる蔣洲、シナ海の密貿易商の統括している王直、足利将軍に代わって京都武家政権を担っていた三好長慶、日明関係で重要な役割を果たした守護大内氏と細川氏など魅力的な人物が多く登場する。是非大河ドラマで「戦国日本を見た中国人」を見てみたい。
本書は、歴史に詳しくない私にも丁寧な時代背景や説明がされている。鄭舜功の「日本一鑑」は原文ではとても読むことが出来なかった私にも、緻密で膨大な資料とともにワクワクとした興味をそそる流れで読み飽きさせない。また本書にある「帰趨を決する」「推戴」「猖獗を極める」「無辜の民」などこの頃聞くことがなくなっている難解だが美しい日本語が散りばめられていて日本人としてこのような言葉をずっと大事にしていきたいと改めて思う。