多くの古本も含めて現在流通している中国通史の本を50冊以上読んだが、現代の中国を理解するには、この一冊(第11巻)が最適の書である。
できれば第10巻(清朝末〜中華民国)と本巻を2度ずつ読むのが望ましい。
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中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平 (講談社学術文庫) 文庫 – 2021/5/13
天児 慧
(著)
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「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版、第11巻は、様々な試練を乗り越え中華人民共和国を成立させた建国の父・毛沢東と、経済大国への改革開放路線を敷いた鄧小平の二人を軸に激動の中国現代史を辿る。
1921年の中国共産党結成に参加した毛は、非主流を歩み十数年後の長征中に漸く主導権を掌握する。抗日戦争後は国民党の蒋介石に挑戦、文化大革命では紅衛兵を動員し政敵・劉少奇を追放した。継続革命論者でその政治手法は敵を見据えてからどう打倒するか戦略を練る「軍事芸術」とも言われる。
一方、毛の忠実な部下だった鄧は、黒い猫でも白い猫でも鼠を捕る猫は良いとした「黒猫白猫論」を説いたリアリスト。文革と不倒翁・周恩来の逝去後に二度も失脚したがいずれも復活。毛沢東夫人の江青ら文革「四人組」逮捕後の再復活後は改革開放路線に邁進して経済大国の道を切り拓く。変わりゆく状況を的確に判断し次々と最適の選択をする「政治芸術」の人とも評される。この対照的な二人の生涯を縦糸にして清朝末期から中華民国成立、日本の侵略、国共内戦、1949年の中華人民共和国建国宣言を経て朝鮮戦争、中ソ対立、プロレタリア文化大革命などの激動を丹念に描いた渾身の力作。文庫化にあたり、習近平時代を加筆。〔原本:2004年11月、講談社刊〕
目次
はじめに 「中華民族の偉大な復興」
第一章 毛沢東と鄧小平
第二章 エリート革命から人民戦争へ
第三章 揺れる新国家建設
第四章 中国独自の社会主義への挑戦
第五章 プロレタリア文化大革命
第六章 革命と近代化の確執
第七章 改革開放・近代化へ邁進
第八章 大国化する中国の光と影
第九章 ポスト毛沢東・鄧小平の時代
第一〇章 習近平の時代と世界への挑戦
学術文庫版のあとがき
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引
1921年の中国共産党結成に参加した毛は、非主流を歩み十数年後の長征中に漸く主導権を掌握する。抗日戦争後は国民党の蒋介石に挑戦、文化大革命では紅衛兵を動員し政敵・劉少奇を追放した。継続革命論者でその政治手法は敵を見据えてからどう打倒するか戦略を練る「軍事芸術」とも言われる。
一方、毛の忠実な部下だった鄧は、黒い猫でも白い猫でも鼠を捕る猫は良いとした「黒猫白猫論」を説いたリアリスト。文革と不倒翁・周恩来の逝去後に二度も失脚したがいずれも復活。毛沢東夫人の江青ら文革「四人組」逮捕後の再復活後は改革開放路線に邁進して経済大国の道を切り拓く。変わりゆく状況を的確に判断し次々と最適の選択をする「政治芸術」の人とも評される。この対照的な二人の生涯を縦糸にして清朝末期から中華民国成立、日本の侵略、国共内戦、1949年の中華人民共和国建国宣言を経て朝鮮戦争、中ソ対立、プロレタリア文化大革命などの激動を丹念に描いた渾身の力作。文庫化にあたり、習近平時代を加筆。〔原本:2004年11月、講談社刊〕
目次
はじめに 「中華民族の偉大な復興」
第一章 毛沢東と鄧小平
第二章 エリート革命から人民戦争へ
第三章 揺れる新国家建設
第四章 中国独自の社会主義への挑戦
第五章 プロレタリア文化大革命
第六章 革命と近代化の確執
第七章 改革開放・近代化へ邁進
第八章 大国化する中国の光と影
第九章 ポスト毛沢東・鄧小平の時代
第一〇章 習近平の時代と世界への挑戦
学術文庫版のあとがき
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引
- 本の長さ512ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2021/5/13
- 寸法10.8 x 2 x 14.8 cm
- ISBN-104065230950
- ISBN-13978-4065230954
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商品の説明
著者について
天児 慧
1947年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。一橋大学大学院博士課程修了。社会学博士。琉球大学助教授、共立女子大学国際文化学部教授、青山学院大学国際政治経済学部教授などを歴任。外務省専門調査員として北京の日本大使館勤務を経て早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授、早稲田大学現代中国研究所長、アジア政経学会理事長。現在、早稲田大学名誉教授。1989年、第1回アジア・太平洋賞受賞。先見性に富む現代中国分析、日中関係への提言を発表し、有数のチャイナ・アナリストとして海外のメディアにもしばしば論文が引用・転載されている。著書に『中国改革最前線』『中華人民共和国史』、『中国政治の社会態制』』(以上、岩波書店)、『中国 溶変する社会主義大国』『現代中国――移行期の政治社会』(以上、東京大学出版会)、『等身大の中国』(勁草書房)、『中国とどう付き合うか』、『「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ』(以上、NHK出版)、『アジア連合への道――理論と人材育成の構想』(筑摩書房)ほか。
1947年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。一橋大学大学院博士課程修了。社会学博士。琉球大学助教授、共立女子大学国際文化学部教授、青山学院大学国際政治経済学部教授などを歴任。外務省専門調査員として北京の日本大使館勤務を経て早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授、早稲田大学現代中国研究所長、アジア政経学会理事長。現在、早稲田大学名誉教授。1989年、第1回アジア・太平洋賞受賞。先見性に富む現代中国分析、日中関係への提言を発表し、有数のチャイナ・アナリストとして海外のメディアにもしばしば論文が引用・転載されている。著書に『中国改革最前線』『中華人民共和国史』、『中国政治の社会態制』』(以上、岩波書店)、『中国 溶変する社会主義大国』『現代中国――移行期の政治社会』(以上、東京大学出版会)、『等身大の中国』(勁草書房)、『中国とどう付き合うか』、『「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ』(以上、NHK出版)、『アジア連合への道――理論と人材育成の構想』(筑摩書房)ほか。
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2021年6月13日に日本でレビュー済み
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一、ぐち
学術文庫版中国の歴史は全部揃えるつもりで買い始めた。
第7巻の宋朝までは、大体面白く読んでいたのだが(過去に原本で読んだものもある)、第8巻からちょっと違和感が出てきた。
第8巻には「学術文庫版あとがき」と参考文献の追加がない。(何か事情があるのかな)
第9巻の明清は、その「学術文庫版あとがき」が強烈な自賛の言葉で溢れていて、本文を読み始めたら気が乗らなくなってしまい、中断したままである。(すみません)
それでも、第10巻の清末中華帝国を買って読んだ。全体としては面白い本なのだが、著者が去年出した岩波新書『太平天国』と、第10巻との歴史見解の違いが気になって、どうもすっきりしなかった。
二、概要
〇そして、実質的な最終巻である本書第11巻『巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平』である。本書は学術文庫版本シリーズでははじめての1章分の加筆があるという。しかも著者は『中華人民共和国史』(岩波新書 旧版1999年、新版2013年)を書いた天児慧氏である。期待できる。
〇届いてみると、次のような構成になっていた。
☆原本の第9章のうち、21世紀の見通しを述べた部分を割愛し、新たに第10章「習近平の時代と世界への挑戦」を付け加えた。
☆この結果、「学術文庫版あとがき」は普通のあとがきとなって、2頁半で終わっている。
☆内容的には、コロナパンデミックやバイデン政権誕生まで及んでいるが、香港問題の情報が遅れている。
三、私的感想
〇叙述は鋭いが、温厚妥当な見解の本で安心して読めた。
〇文化大革命の全体像としては、毛沢東の危機意識を重視する。これは国内危機認識だけでなく、国際危機意識も重要である。一方、毛沢東の内部には革命主義と権力主義が存在した。
〇毛の国際危機意識としては、①平和共存路線をとる米ソの結託によって、世界規模での資本主義・修正主義の結託蔓延が見られる、②フルシチョフは修正主義化し、社会主義陣営が分裂した。→自分が世界革命の指導者にならねばならない。
〇毛の国内危機意識としては、①大躍進後退による政策後退が、「資本主義の復活」つまり、「富者と貧者の二極化」を起こしている。→理想世界(人民公社、共同生活、差別撤廃)を作る革命が必要。②劉少奇、鄧小平の権威と権力基盤が強まり、自分のそれらが弱まっている→劉、鄧等の実権派の打倒が必要。
〇毛沢東は大衆(紅衛兵等)のエネルギーを解放し、党内の実権派を迅速に打倒してしまった。しかし、革命の夢に酔いしれた大衆組織間の武闘が激しくなり、国内が大混乱に陥ると、毛は米ソの侵攻を恐れ、国内体制立て直しを図り、当初呼びかけていたコミューンを否定し、紅衛兵極左派は切り捨てられていく。
〇この結果、毛が希求したはずの「大同世界」ではなく、疲れ果てた国民の服従する「皇帝的軍事独裁の国家社会」ができあがってしまった。毛の個人崇拝が進行し、その下で、林彪、江青等が権力基盤を広げた。
〇追加された11章の最後が面白い。
「・・中華人民共和国の歴史とは・・・共産党が主役の歴史、しかもそれぞれの時代の指導者の野心的、恣意的な考え方に翻弄され、民草の声が花開くことなく圧殺されていく歴史であったといえるかもしれない」
「恐怖と飢えにさいなまれ続けた文革を打破したのは文革の犠牲者の一人であった・・・民衆は歓喜したが、やがてその指導者のもとに天安門事件という新たな悲劇が起こった。しかし、この指導者は貧しい中国という現実の問題を克服するために全力を傾注したことも間違いない」
「彼ら(毛沢東、鄧小平、習近平)は中国王朝史に登場してきた皇帝に相当する存在であり、中華人民共和国史とは共産党王朝史であったといえるかもしれない。彼ら三人は独裁的な皇帝で、暴君であったが、勇気と知恵を持ち、時には民衆の声に耳を傾ける啓蒙君主でもあった。しかし、三者とも、個々の人々の基本的人権や自由平等の権利には冷淡であった」
〇著者は予言(予測?)の好きな歴史家のようである。本書の原本の第9章の最後でどのような予言がされていたのか、学術文庫版では分からなくなってしまったが、上述の旧版『中華人民共和国史』(岩波新書 1999年)では中国の未来について三通りの予言がされている。
①最良のシナリオ・・経済大国になり、共産党独裁体制が民主主義的な政治体制に移行し、台湾とも何らかの形での統一が実現する。
②望ましくないシナリオの1・・大国化した中国が「脅威」となり、「強兵」を過度に促進し、周辺諸国に従属を要求する。または、覇権大国を目指して、新国際秩序の樹立に挑戦する。
③望ましくないシナリオの2・・経済停滞が持続し、社会が無秩序化し、地球環境が悪化し、大量の難民問題が起きる
〇現在のところ、上記のシナリオの中では②望ましくないシナリオの1が一番当たっているようである。
〇2013年の『新版 中華人民共和国史』では、2012年に成立した新体制の指導者習近平の語る「中華民族の夢」に対して、幾多の不安と忠告が述べられていた。
〇今回の学術文庫版の本書では、予言は1本に絞っている。「おそらく習近平の時代は中国共産党王朝の最後となるのではなかろうか」である。
さて、・・・
学術文庫版中国の歴史は全部揃えるつもりで買い始めた。
第7巻の宋朝までは、大体面白く読んでいたのだが(過去に原本で読んだものもある)、第8巻からちょっと違和感が出てきた。
第8巻には「学術文庫版あとがき」と参考文献の追加がない。(何か事情があるのかな)
第9巻の明清は、その「学術文庫版あとがき」が強烈な自賛の言葉で溢れていて、本文を読み始めたら気が乗らなくなってしまい、中断したままである。(すみません)
それでも、第10巻の清末中華帝国を買って読んだ。全体としては面白い本なのだが、著者が去年出した岩波新書『太平天国』と、第10巻との歴史見解の違いが気になって、どうもすっきりしなかった。
二、概要
〇そして、実質的な最終巻である本書第11巻『巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平』である。本書は学術文庫版本シリーズでははじめての1章分の加筆があるという。しかも著者は『中華人民共和国史』(岩波新書 旧版1999年、新版2013年)を書いた天児慧氏である。期待できる。
〇届いてみると、次のような構成になっていた。
☆原本の第9章のうち、21世紀の見通しを述べた部分を割愛し、新たに第10章「習近平の時代と世界への挑戦」を付け加えた。
☆この結果、「学術文庫版あとがき」は普通のあとがきとなって、2頁半で終わっている。
☆内容的には、コロナパンデミックやバイデン政権誕生まで及んでいるが、香港問題の情報が遅れている。
三、私的感想
〇叙述は鋭いが、温厚妥当な見解の本で安心して読めた。
〇文化大革命の全体像としては、毛沢東の危機意識を重視する。これは国内危機認識だけでなく、国際危機意識も重要である。一方、毛沢東の内部には革命主義と権力主義が存在した。
〇毛の国際危機意識としては、①平和共存路線をとる米ソの結託によって、世界規模での資本主義・修正主義の結託蔓延が見られる、②フルシチョフは修正主義化し、社会主義陣営が分裂した。→自分が世界革命の指導者にならねばならない。
〇毛の国内危機意識としては、①大躍進後退による政策後退が、「資本主義の復活」つまり、「富者と貧者の二極化」を起こしている。→理想世界(人民公社、共同生活、差別撤廃)を作る革命が必要。②劉少奇、鄧小平の権威と権力基盤が強まり、自分のそれらが弱まっている→劉、鄧等の実権派の打倒が必要。
〇毛沢東は大衆(紅衛兵等)のエネルギーを解放し、党内の実権派を迅速に打倒してしまった。しかし、革命の夢に酔いしれた大衆組織間の武闘が激しくなり、国内が大混乱に陥ると、毛は米ソの侵攻を恐れ、国内体制立て直しを図り、当初呼びかけていたコミューンを否定し、紅衛兵極左派は切り捨てられていく。
〇この結果、毛が希求したはずの「大同世界」ではなく、疲れ果てた国民の服従する「皇帝的軍事独裁の国家社会」ができあがってしまった。毛の個人崇拝が進行し、その下で、林彪、江青等が権力基盤を広げた。
〇追加された11章の最後が面白い。
「・・中華人民共和国の歴史とは・・・共産党が主役の歴史、しかもそれぞれの時代の指導者の野心的、恣意的な考え方に翻弄され、民草の声が花開くことなく圧殺されていく歴史であったといえるかもしれない」
「恐怖と飢えにさいなまれ続けた文革を打破したのは文革の犠牲者の一人であった・・・民衆は歓喜したが、やがてその指導者のもとに天安門事件という新たな悲劇が起こった。しかし、この指導者は貧しい中国という現実の問題を克服するために全力を傾注したことも間違いない」
「彼ら(毛沢東、鄧小平、習近平)は中国王朝史に登場してきた皇帝に相当する存在であり、中華人民共和国史とは共産党王朝史であったといえるかもしれない。彼ら三人は独裁的な皇帝で、暴君であったが、勇気と知恵を持ち、時には民衆の声に耳を傾ける啓蒙君主でもあった。しかし、三者とも、個々の人々の基本的人権や自由平等の権利には冷淡であった」
〇著者は予言(予測?)の好きな歴史家のようである。本書の原本の第9章の最後でどのような予言がされていたのか、学術文庫版では分からなくなってしまったが、上述の旧版『中華人民共和国史』(岩波新書 1999年)では中国の未来について三通りの予言がされている。
①最良のシナリオ・・経済大国になり、共産党独裁体制が民主主義的な政治体制に移行し、台湾とも何らかの形での統一が実現する。
②望ましくないシナリオの1・・大国化した中国が「脅威」となり、「強兵」を過度に促進し、周辺諸国に従属を要求する。または、覇権大国を目指して、新国際秩序の樹立に挑戦する。
③望ましくないシナリオの2・・経済停滞が持続し、社会が無秩序化し、地球環境が悪化し、大量の難民問題が起きる
〇現在のところ、上記のシナリオの中では②望ましくないシナリオの1が一番当たっているようである。
〇2013年の『新版 中華人民共和国史』では、2012年に成立した新体制の指導者習近平の語る「中華民族の夢」に対して、幾多の不安と忠告が述べられていた。
〇今回の学術文庫版の本書では、予言は1本に絞っている。「おそらく習近平の時代は中国共産党王朝の最後となるのではなかろうか」である。
さて、・・・
2021年6月10日に日本でレビュー済み
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中国の近代史を知ることで、現在の中国のあり方がわかる。当然、現在の中国人はその歴史の中から生まれてきたため、現代の彼らの考えを知るには、その歴史を我々も共通認識として知っておく必要があるが、そのためにこれまで読んだ本の中で一番役に立った。
「中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係」で読んだ家族人類学的な見方と相まって、良い勉強をさせてもらいました。
「中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係」で読んだ家族人類学的な見方と相まって、良い勉強をさせてもらいました。
2021年5月17日に日本でレビュー済み
この本は、中国の現代史を学ぶ上で様々なところで参考図書とされていましたが、旧版の単行本の棚を見ても欠けていて入手困難な状態となっており非常に困っておりました。今回、文庫化されるということで第11巻が出版されるのをずっと待っておりましたが、やっと出ました。
文庫化ということで少し古い本ではあるのですが現代史ということで加筆され習近平の章が増やしてあるのもうれしいです。
現代日本人に必要な情報が書かれていると思いますので1巻しか買わなかった人もこの巻だけは読みましょう。
文庫化ということで少し古い本ではあるのですが現代史ということで加筆され習近平の章が増やしてあるのもうれしいです。
現代日本人に必要な情報が書かれていると思いますので1巻しか買わなかった人もこの巻だけは読みましょう。