シオランの思想についての入門解説書としては、上出来だろう。
時に立場を入れ替え逆の発言をしているときもあれば、矛盾しているものもある。
だが、人間の作り出す思想とは、そういうものだ。カントですら言葉の当初の意味からのズレもあれば矛盾もあるのだから。
シオランの言葉は、かなりネガティブであり、斥ける人も多いのだろうが、突き刺さる人には深く刺さる。
「これは自分のことではないか?」と。
その言葉が深く刺さり、考えに沈み込む。
そして、シオランの著作を読みたくなる。
引用ではなく、直にその文章に触れたくなってしまう。
ハマる人は、10人のうち3人もいないだろうが、ハマったらとことんまでハマるだろう。
ただ残念なことに、シオランの著作は、お安くない(文庫版はない)。
この本の中で暫く留まって様子を見るも良し、著作に飛びつくも良し。
よくできている入門解説書だ。
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生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書) 新書 – 2019/12/27
大谷 崇
(著)
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ペシミズムとは「生きる知恵」である
「ペシミストたちの王」シオラン。この陰鬱な思想家の思索と執筆は、つねに厭世的なことがらに捧げられてきた。怠惰、死、自殺、憎悪、衰弱、病気、人生のむなしさ、生まれてきたことの苦悩……。ことほどさように、シオランは「暗い」。しかし、あるいはだからこそ、彼の清々しいほどに暗い言葉の数々は、生まれ生きることに苦しみを抱く私たちが人生を楽にし、生き延びるために役に立つ。本書は、気鋭のシオラン研究者が、彼の言葉と時に批判的に伴走しながらその思想をひもといた、待望のモノグラフである。いまこそ読まれるべき、魅惑的な思想家のすべて。
「ペシミストたちの王」シオラン。この陰鬱な思想家の思索と執筆は、つねに厭世的なことがらに捧げられてきた。怠惰、死、自殺、憎悪、衰弱、病気、人生のむなしさ、生まれてきたことの苦悩……。ことほどさように、シオランは「暗い」。しかし、あるいはだからこそ、彼の清々しいほどに暗い言葉の数々は、生まれ生きることに苦しみを抱く私たちが人生を楽にし、生き延びるために役に立つ。本書は、気鋭のシオラン研究者が、彼の言葉と時に批判的に伴走しながらその思想をひもといた、待望のモノグラフである。いまこそ読まれるべき、魅惑的な思想家のすべて。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社星海社
- 発売日2019/12/27
- 寸法10.7 x 1.6 x 17.3 cm
- ISBN-104065151627
- ISBN-13978-4065151624
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商品の説明
著者について
大谷 崇
1987年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学第一文学部総合人文学科哲学専修卒業。同大院文学研究科人文科学専攻哲学コース博士後期課程在籍中。2018年よりルーマニア国立バベシュ・ボヤイ大学に留学中。戦間期ルーマニア思想史およびシオランの思想を専門とする。おもな著作に、共著『交域する哲学』(月曜社、2018年)、論文「精神の敵対者としての政治:戦間期ルーマニア若手知識人の「政治」および「精神」概念の分析」(『東欧史研究』第41号、2019年3月)などがある。
1987年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学第一文学部総合人文学科哲学専修卒業。同大院文学研究科人文科学専攻哲学コース博士後期課程在籍中。2018年よりルーマニア国立バベシュ・ボヤイ大学に留学中。戦間期ルーマニア思想史およびシオランの思想を専門とする。おもな著作に、共著『交域する哲学』(月曜社、2018年)、論文「精神の敵対者としての政治:戦間期ルーマニア若手知識人の「政治」および「精神」概念の分析」(『東欧史研究』第41号、2019年3月)などがある。
登録情報
- 出版社 : 星海社 (2019/12/27)
- 発売日 : 2019/12/27
- 言語 : 日本語
- 新書 : 352ページ
- ISBN-10 : 4065151627
- ISBN-13 : 978-4065151624
- 寸法 : 10.7 x 1.6 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 9,259位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 164位哲学 (本)
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2022年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の感想では。
シオランは穏健だと思います。
伝統のペシミズムから引っ張って反出生主義に到達している。
出自に攻撃するというより。
生まれの愚かな所を遠回しに批判している印象。
出自に何かと奪われた人も。
嫌がっている人も。
過激を回避したシオランのペシミズムは。
かえって出自という自分の敵対者を設定することで。
生きるとは戦いなり、というヘレニズムを誘発しています。
私は生まれを悪とは思いませんが、内容は常に悪と批判します。
そうなると、二つの否定が肯定を生みますね。
上手に技術を持って生誕を非難することで。
批判されて制限された生涯が快適になる印象です。
そう解釈しても正当なんだなと。
否定を巧みに使用した逆説的な生命倫理に読めました。
生命倫理としてシオランを解釈しています。
シオランは穏健だと思います。
伝統のペシミズムから引っ張って反出生主義に到達している。
出自に攻撃するというより。
生まれの愚かな所を遠回しに批判している印象。
出自に何かと奪われた人も。
嫌がっている人も。
過激を回避したシオランのペシミズムは。
かえって出自という自分の敵対者を設定することで。
生きるとは戦いなり、というヘレニズムを誘発しています。
私は生まれを悪とは思いませんが、内容は常に悪と批判します。
そうなると、二つの否定が肯定を生みますね。
上手に技術を持って生誕を非難することで。
批判されて制限された生涯が快適になる印象です。
そう解釈しても正当なんだなと。
否定を巧みに使用した逆説的な生命倫理に読めました。
生命倫理としてシオランを解釈しています。
2022年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鋭い切込みを見せるシオランをとてもわかりやすく大谷さんが解説してくれる、わたしのこころにぴたりとハマりました。個人的にはなんだかポジティブな気持ちになった。
2022年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
怠惰であることや自殺を肯定的に捉えるシオラン哲学。一見危うい思想に思えるが現在の世界秩序を支配する資本主義思想や常識にうんざりした人たちへの指南書でもある。
2021年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読んでわかったことは自分はペシミストではないということ。
人生の虚しさは感じていてもここまで徹底できない。
でも文章が論理的で読みやすい。
人生の虚しさは感じていてもここまで徹底できない。
でも文章が論理的で読みやすい。
2024年1月26日に日本でレビュー済み
シオランは言う。
人生とは、自殺の遅延だと。
つまり、人間の本来的なあり方、身の処し方とは「自殺すること」であって、それゆえ人の生き様とは「自殺することを実行せず、ぐずぐずと生きてしまうこと」に他ならない。
こうした彼の思想を嗤うことはたやすい。
なぜなら、当の彼自身は最期まで自殺せず、のうのうと生を全うしているからである。
彼の抱く理想を、彼自身の人生そのものが裏切ってしまっている。
「有言実行」といい、「言行不一致」といい、こうした人間が唾棄されるのは世の常である。
しかし、こう考えてみればどうだろうか。
彼は、そのように人生というもののあり方を「ひっくり返して」みたからこそ、最期まで生きおおせることができたのだと。
むしろ、「どんな時も人は前向きに生きねばならない」と思い込んでいたら、彼は早々に人生にケリをつけてしまっていたのではないか。
人は、生きることをあまりにも強いられ過ぎている。
我々が望むと望まざるとにかかわらず、全ての生物はひたすら「生きる」ようにデザインされているのだから。
最近の研究によると、健康な人間というのは概して楽観的で、逆にうつ病などの疾患に陥った人間は悲観的になるそうだが、実際に世界をより客観的に捉えているのはうつ病の側なのだという。
つまり、生きるということは特に意味もなくただ尊重すべきこととして勝手に「重みづけ」られていて、だからこそ生物はこの世に栄えることができるのである。
生きることのコストとベネフィットを冷静に比較したら、「割に合わない」としてそこから下りてしまう個体が一定数いたとしても、きっとおかしくない。
生きるということは、本来それぐらい過酷なことなのだ。
その意味では、シオランのような一見情けない生き方(何せ、配偶者に依存し、他人の相伴にあずかるのを特技とした男だそうである)というのは、ある意味ひじょうに「効率」が良いのではないか。
人生の本義とは自死であると思えば、生きることのハードルはぐっと下がるだろうから。
少なくとも「自分はうまく生きられない」と悩む必要は一切なくなるだろう。
そしてその結果生まれる心の余裕が、結果的に人を生きやすくする「糧」となるのである。
余りにも極端な立場に振り切れると、いつの間にか逆の極に至ってしまうのは、どうやらこの世の摂理なのだろうか。
閉塞感ばかり漂う現代の日本に、あんがいマッチする思想かも知れない。
人生とは、自殺の遅延だと。
つまり、人間の本来的なあり方、身の処し方とは「自殺すること」であって、それゆえ人の生き様とは「自殺することを実行せず、ぐずぐずと生きてしまうこと」に他ならない。
こうした彼の思想を嗤うことはたやすい。
なぜなら、当の彼自身は最期まで自殺せず、のうのうと生を全うしているからである。
彼の抱く理想を、彼自身の人生そのものが裏切ってしまっている。
「有言実行」といい、「言行不一致」といい、こうした人間が唾棄されるのは世の常である。
しかし、こう考えてみればどうだろうか。
彼は、そのように人生というもののあり方を「ひっくり返して」みたからこそ、最期まで生きおおせることができたのだと。
むしろ、「どんな時も人は前向きに生きねばならない」と思い込んでいたら、彼は早々に人生にケリをつけてしまっていたのではないか。
人は、生きることをあまりにも強いられ過ぎている。
我々が望むと望まざるとにかかわらず、全ての生物はひたすら「生きる」ようにデザインされているのだから。
最近の研究によると、健康な人間というのは概して楽観的で、逆にうつ病などの疾患に陥った人間は悲観的になるそうだが、実際に世界をより客観的に捉えているのはうつ病の側なのだという。
つまり、生きるということは特に意味もなくただ尊重すべきこととして勝手に「重みづけ」られていて、だからこそ生物はこの世に栄えることができるのである。
生きることのコストとベネフィットを冷静に比較したら、「割に合わない」としてそこから下りてしまう個体が一定数いたとしても、きっとおかしくない。
生きるということは、本来それぐらい過酷なことなのだ。
その意味では、シオランのような一見情けない生き方(何せ、配偶者に依存し、他人の相伴にあずかるのを特技とした男だそうである)というのは、ある意味ひじょうに「効率」が良いのではないか。
人生の本義とは自死であると思えば、生きることのハードルはぐっと下がるだろうから。
少なくとも「自分はうまく生きられない」と悩む必要は一切なくなるだろう。
そしてその結果生まれる心の余裕が、結果的に人を生きやすくする「糧」となるのである。
余りにも極端な立場に振り切れると、いつの間にか逆の極に至ってしまうのは、どうやらこの世の摂理なのだろうか。
閉塞感ばかり漂う現代の日本に、あんがいマッチする思想かも知れない。
2021年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前半、シオランについて(恐らく)網羅的に筆跡を紹介頂けたのはよかった。ただし、後半の論が曖昧に感じられてしまうのが残念。
2021年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
暗い、くらい...ずしーんと暗い、本です。
ではあるのですが...「憎悪と衰弱」と「病気と敗北」の章は、読み返してしまうのです。
精神的に追い詰められた時の人の心の一面を鋭く描写してくれているからだと思います。
雑駁ですが...
"敗北や挫折は、私たちの深部に触れるがゆえに、私たちに内省や公開を強いて、私たちの内面性を
豊かにする。成功者が薄っぺらな人格しか持たないのに対し、敗者は否応なく複雑な人格を持たざる
をえない"とか、"たしかに苦しんでいる最中の人は、自分の不幸を絶対に考えがちで、他人の不幸を
思いやることができない。しかしそれは利己的ではあっても「思い上がり(傲慢)」ではないだろう。
あるいは思い上がりであっても、今苦しんでいる人の思い上がりと、苦しんだ経験があるが今苦しん
でいない人の思い上がりとは、同じものではない"、"自分が苦しんだというだけで、人は他人の苦し
みにも口を挟めると思い込む。成功者でさえも、成功者でさえも自分の苦しみが軽んじられるのを許
せない。誰も彼もが自分の苦しみを軽視するなと叫びたてる"...などは、考えさせられます。
私は哲学的な厳密さはわからないので、シオランが哲学者としてすぐれてたのか否かを語る資格は
ないのですが...
ではあるのですが...「憎悪と衰弱」と「病気と敗北」の章は、読み返してしまうのです。
精神的に追い詰められた時の人の心の一面を鋭く描写してくれているからだと思います。
雑駁ですが...
"敗北や挫折は、私たちの深部に触れるがゆえに、私たちに内省や公開を強いて、私たちの内面性を
豊かにする。成功者が薄っぺらな人格しか持たないのに対し、敗者は否応なく複雑な人格を持たざる
をえない"とか、"たしかに苦しんでいる最中の人は、自分の不幸を絶対に考えがちで、他人の不幸を
思いやることができない。しかしそれは利己的ではあっても「思い上がり(傲慢)」ではないだろう。
あるいは思い上がりであっても、今苦しんでいる人の思い上がりと、苦しんだ経験があるが今苦しん
でいない人の思い上がりとは、同じものではない"、"自分が苦しんだというだけで、人は他人の苦し
みにも口を挟めると思い込む。成功者でさえも、成功者でさえも自分の苦しみが軽んじられるのを許
せない。誰も彼もが自分の苦しみを軽視するなと叫びたてる"...などは、考えさせられます。
私は哲学的な厳密さはわからないので、シオランが哲学者としてすぐれてたのか否かを語る資格は
ないのですが...