御子柴弁護士シリーズのなかでも、いちばん心に残る一冊でした。というのも、主要登場人物2人を知ってから3冊目。そして、いままでもこれからも鉄仮面的な御子柴弁護士(だと思うのです)が、今回の裁判と弁護が、彼の琴線に触れるところまで深く沈みこんだからです。
稲見教官が、なぜあそこまで強情に罪を受けたがっていたか。
ここがストーリーの要であり、御子柴弁護士の足を引っ張るところだったとおもうのですが・・・
ストーリーに描かれていない部分にも思いを馳せると、違う理由が浮かんできました。
ストーリーで稲見被告は、少年院の教官として少年達に教えてきたこと(償うべきこと)を自分こそがやるべきという理由で罰を希望していました。
でも私の心に浮かび上がったのが、実子への贖罪。そして、自分のことを父親と信じ護ろうとしてくれてる御子柴に、父親としての自分の理想像を見せたかったのではないのかなと感じられました。
御子柴弁護士が発した「法律で裁かれるほうがよっぽど幸せ」。これは稲見教官に言った言葉ではないですが、稲見被告にしても、実子を救えず、きっとずっと苦しかった。罰してもらえるものなら、罰してほしかったのではないのかなと・・・最後に見せた顔は、やっと苦しみから逃れられる、胸のつかえが取れたホッとした気持ちだったんだと思いました。
そして(御子柴弁護士は意図しないものだったけど)、結果としては、真の意味で依頼人を救った。読んだ直後は違う感想でしたが、一晩立って考えると、じわじわと満たされる読後感でした。
中山七里さんの作品は今回で6冊目でした。
本当に毎回夢中になって読みますが、読んでいる最中、ちょっと気持ちが落ち込むことが多くなり(笑)、次は、もう少し気持ちが軽くなる本で休憩したいと思います。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥836¥836 税込
ポイント: 51pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥836¥836 税込
ポイント: 51pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥248
中古品:
¥248

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
恩讐の鎮魂曲 (講談社文庫) 文庫 – 2018/4/13
中山 七里
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥836","priceAmount":836.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"836","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"tJYPxIlG5qFJ4qKMuu9n1%2B25bzagJLMUCoay6hVxNY7bdr4lbu%2BbTN73HpNsySTfveZTSQf8TgZfYwdH42x0qaRR8027VCAtyqWXx2oFtHhV8IPRQNEIwDe1mFSO115tpckxy4rsbTU%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥248","priceAmount":248.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"248","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"tJYPxIlG5qFJ4qKMuu9n1%2B25bzagJLMUJbHwIdw%2BQ1mYCEyUlIDaPAeTHtANm21kgfhCgiAbygLXM%2Bj3MUMAXixTAxeLwUhiYKURAc2upQkyRolaY2E6kqpddGESI%2BUJ8JHp95nLeMe4OgEhARlnZMoyuAxbZnUaeHPImLPAihwnlS1NIBqa0A%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏 腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺 人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だ ったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!
恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。
谷原章介さんが「王様のブランチ」の「思い出の一冊」に選んだ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』シリーズ最高傑作!
少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏 腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺 人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だ ったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!
恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。
谷原章介さんが「王様のブランチ」の「思い出の一冊」に選んだ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』シリーズ最高傑作!
少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏 腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺 人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だ ったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2018/4/13
- 寸法10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- ISBN-104062938367
- ISBN-13978-4062938365
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
中山 七里
なかやま・しちり
1961年、岐阜県うまれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年に作家デビュー。御子柴礼司シリーズ第1作の『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』は2015年テレビドラマ化され、第2作『追憶の夜想曲(ノクターン)』も好評(両作とも講談社文庫)。著書にはほかに『嗤う淑女』『ヒポクラテスの誓い』『総理にされた男』『護られなかった者たちへ』などがある。最新作は御子柴シリーズ第4作の単行本『悪徳の輪舞曲(ロンド)』。
なかやま・しちり
1961年、岐阜県うまれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年に作家デビュー。御子柴礼司シリーズ第1作の『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』は2015年テレビドラマ化され、第2作『追憶の夜想曲(ノクターン)』も好評(両作とも講談社文庫)。著書にはほかに『嗤う淑女』『ヒポクラテスの誓い』『総理にされた男』『護られなかった者たちへ』などがある。最新作は御子柴シリーズ第4作の単行本『悪徳の輪舞曲(ロンド)』。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2018/4/13)
- 発売日 : 2018/4/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 400ページ
- ISBN-10 : 4062938367
- ISBN-13 : 978-4062938365
- 寸法 : 10.8 x 1.5 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,825位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

作家。
1961年生まれ、岐阜県出身。『さよならドビュッシー』にて第8回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞し、2010年に作家デビュー。著書に、『境界線』『護られなかった者たちへ』『総理にされた男』『連続殺人鬼カエル男』『贖罪の奏鳴曲』『騒がしい楽園』『帝都地下迷宮』『夜がどれほど暗くても』『合唱 岬洋介の帰還』『カインの傲慢』『ヒポクラテスの試練』『毒島刑事最後の事件』『テロリストの家』『隣はシリアルキラー』『銀鈴探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『復讐の協奏曲』ほか多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今作では、小説と分かっていても読みながら激しく嫌悪し憤ってしまうような「悪」が、これまでよりは鳴りを潜め、むしろ人間の善的な思惑や弱さが背景にある、どちらかといえば穏やかな話だった。そのためか、少々スッキリ感乏しく迎えたエンディングだったが、最後の倫子ちゃんの手紙で、なんとか気分よくこの1冊を締めくくることができた。
2024年3月19日に日本でレビュー済み
御子柴はかつての恩師を救うことにより過去の贖罪を果たそうとしていたのだと感じた。
また稲見も贖罪の機会を得たいために殉職者になろうとする。
これは二律背反の構造となっており両立はできない。
最終的に前作の登場人物からの手紙により、かつて恩師から言われた「奈落から手を伸ばしているものをすくい上げろ」は実行できており、御子柴の贖罪は間違えてなかったんだと涙。
また稲見も贖罪の機会を得たいために殉職者になろうとする。
これは二律背反の構造となっており両立はできない。
最終的に前作の登場人物からの手紙により、かつて恩師から言われた「奈落から手を伸ばしているものをすくい上げろ」は実行できており、御子柴の贖罪は間違えてなかったんだと涙。
2022年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後までドキドキ。そして感動もあり秀逸です。現代社会の問題を如実に。そして表面のストーリーだけじゃない部分を考えるのが楽しい。
2023年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容はさておき、本の状態は悪くなかったです。
発送も通常並。
発送も通常並。
2022年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラストの1ページで涙腺崩壊(T ^ T) 毎度毎度いいモノ読んだなぁという気持ちになる。
2022年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たしかにテンポがよく、裁判のシーンでも堅苦しくなりすぎずテンポは損なわれない。難しい熟語がよく出てくるので意味を調べながら読んだりもしました。このシリーズを読んでいけば裁判や法律には詳しくなりそう。
2022年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今回も絶対無理でしょと言う事案でも、あの手この手と無罪に持ってゆこうする御子柴。
被告人は、御子柴にとって恩師であり、父のような存在の元教官。
しかし元教官は弁護はいらぬ罰してくれと、御子柴の努力を無にする。
事件現場は介護施設。この施設は日常的に虐待があったのですが、辛い話です。この虐待する介護人が色んな因縁のある人で、何とも言えぬ複雑な気持ちになります。
今回も読み応えがあり、面白かったです。
被告人は、御子柴にとって恩師であり、父のような存在の元教官。
しかし元教官は弁護はいらぬ罰してくれと、御子柴の努力を無にする。
事件現場は介護施設。この施設は日常的に虐待があったのですが、辛い話です。この虐待する介護人が色んな因縁のある人で、何とも言えぬ複雑な気持ちになります。
今回も読み応えがあり、面白かったです。