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日和山 佐伯一麦自選短篇集 (講談社文芸文庫) 文庫 – 2014/6/11
佐伯 一麦
(著)
新聞配達の早朝の町で、暗天に閉ざされた北欧の地で、染織家の妻と新たな暮らしを始めた仙台の高台の家で、そして、津波に耐えて残った小高い山の上で――「私」の実感をないがしろにしない作家のまなざしは常に、「人間が生きて行くこと」を見つめ続けた。高校時代の実質的な処女作から、東日本大震災後に書き下ろされた短篇まで、著者自ら選んだ9篇を収録。
新聞配達の早朝の町で、暗天に閉ざされた北欧の地で、
染織家の妻と新たな暮らしを始めた仙台の高台の家で、
そして、津波に耐えて残った小高い山の上で――
「私」の実感をないがしろにしない作家のまなざしは常に、
「人間が生きて行くこと」を見つめ続けた。
高校時代の実質的な処女作から、東日本大震災後に
書き下ろされた短篇まで、著者自ら選んだ9篇を収録。
新聞配達の早朝の町で、暗天に閉ざされた北欧の地で、
染織家の妻と新たな暮らしを始めた仙台の高台の家で、
そして、津波に耐えて残った小高い山の上で――
「私」の実感をないがしろにしない作家のまなざしは常に、
「人間が生きて行くこと」を見つめ続けた。
高校時代の実質的な処女作から、東日本大震災後に
書き下ろされた短篇まで、著者自ら選んだ9篇を収録。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/6/11
- 寸法10.7 x 1.2 x 15.2 cm
- ISBN-104062902338
- ISBN-13978-4062902335
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商品の説明
著者について
佐伯 一麦
佐伯一麦(1959.7.21~) 小説家。宮城県生まれ。84年「木を接ぐ」で海燕新人賞を受賞し作家デビュー。90年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、97年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年『ノルゲ Norge』で野間文芸賞、13年『還れぬ家』で毎日芸術賞を受賞。他の著書に『草の輝き』『石の肺--僕のアスベスト履歴書』『ピロティ』『震災と言葉』『光の闇』『渡良瀬』などがある。
佐伯一麦(1959.7.21~) 小説家。宮城県生まれ。84年「木を接ぐ」で海燕新人賞を受賞し作家デビュー。90年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、97年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年『ノルゲ Norge』で野間文芸賞、13年『還れぬ家』で毎日芸術賞を受賞。他の著書に『草の輝き』『石の肺--僕のアスベスト履歴書』『ピロティ』『震災と言葉』『光の闇』『渡良瀬』などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/6/11)
- 発売日 : 2014/6/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4062902338
- ISBN-13 : 978-4062902335
- 寸法 : 10.7 x 1.2 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 907,943位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,435位講談社文芸文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年、宮城県生まれ。宮城県立仙台第一高等学校卒業。週刊誌記者、電気工等の職業につく傍 ら、創作を志す。1984年「木を接ぐ」で海燕新人賞を、1990年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、1991年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、1997年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平文学賞、2004年『鉄塔家族』 で大仏次郎賞,2007年『ノルゲ Norge』で野間文芸賞を受賞。私小説作家として知られる。他に『石の肺――僕のアスベスト履歴書』『誰かがそれを』などの著書がある。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐伯一麦の新刊は無条件に買うことにしています。
しかし今回の本は一部訂正があるにせよ
文庫本で書き下ろしは一切なしの再掲作品ばかりです。
確かに現在では手に入りにくい底本もありますが
全部本箱に収まり、全部読んだことのある作品です。
二度読みは基本的はしないのですが、今回は諦めて
二度目を読みます。
収録作品と底本です。
朝の一日 雛の棲家
栗の木 遠き山に日は落ちて
凍土 まぼろしの夏
川火 無事の日
なめし まぼろしの夏
青葉木菟 まぼろしの夏
誰かがそれを 誰かがそれを
俺 誰かがそれを
日和山 それでも三月は、また
しかし今回の本は一部訂正があるにせよ
文庫本で書き下ろしは一切なしの再掲作品ばかりです。
確かに現在では手に入りにくい底本もありますが
全部本箱に収まり、全部読んだことのある作品です。
二度読みは基本的はしないのですが、今回は諦めて
二度目を読みます。
収録作品と底本です。
朝の一日 雛の棲家
栗の木 遠き山に日は落ちて
凍土 まぼろしの夏
川火 無事の日
なめし まぼろしの夏
青葉木菟 まぼろしの夏
誰かがそれを 誰かがそれを
俺 誰かがそれを
日和山 それでも三月は、また
2014年6月25日に日本でレビュー済み
現代の私小説家佐伯一麦(かずみ)の仙台限定の随筆と、講談社文芸文庫としてでた新作の短編集です。
仙台在住の作者は離婚、鬱、アスベスト禍、初期の大腸癌、そして震災と、多くの災厄にもがき苦しみながら、それらを小説に書き継いできました。
しかし、その文学世界に陰惨な感じはありません。多くの不幸をしっかり引き受け、清澄な眼差しで見つめ直すことからにじみ出る強さ、潔さを感じます。
「それじゃあ、お父さん、僕たちが今いるのは『その世』なのかな?って。」
「………」
「あの子も、口には出さないけれど、人が流されていくのをずいぶん見てしまったはずですから。」
……この世とあの世の間はその世か、と私は心の中でつぶやいた。(「日和山」)
現役の純文学系作家のものはあまり読まないのですが、常に次作を待ち望める作家です。
仙台在住の作者は離婚、鬱、アスベスト禍、初期の大腸癌、そして震災と、多くの災厄にもがき苦しみながら、それらを小説に書き継いできました。
しかし、その文学世界に陰惨な感じはありません。多くの不幸をしっかり引き受け、清澄な眼差しで見つめ直すことからにじみ出る強さ、潔さを感じます。
「それじゃあ、お父さん、僕たちが今いるのは『その世』なのかな?って。」
「………」
「あの子も、口には出さないけれど、人が流されていくのをずいぶん見てしまったはずですから。」
……この世とあの世の間はその世か、と私は心の中でつぶやいた。(「日和山」)
現役の純文学系作家のものはあまり読まないのですが、常に次作を待ち望める作家です。