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イギリス近代史講義 (講談社現代新書) 新書 – 2010/10/16
川北 稔
(著)
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一国史観・進歩史観では世界史はわからない。都市と田舎の違いとは。近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのか――。ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える。生活史、世界システム論を開拓してきた泰斗による近代史講義!
都市と田舎の違いとは。
近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。
昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。
世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのか――。
ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。
イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える一冊。
【目次】
プロローグ 歴史学は終わったのか
第一章 都市の生活文化はいかにして成立したか――歴史の見方
第二章 「成長パラノイア」の起源
第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス
第四章 世界で最初の工業化――なぜイギリスが最初だったのか
第五章 イギリス衰退論争――陽はまた昇ったのか
エピローグ 近代世界の歴史像
【著者紹介】
川北稔(かわきた みのる)
一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。
主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。
都市と田舎の違いとは。
近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。
昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。
世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのか――。
ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。
イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える一冊。
【目次】
プロローグ 歴史学は終わったのか
第一章 都市の生活文化はいかにして成立したか――歴史の見方
第二章 「成長パラノイア」の起源
第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス
第四章 世界で最初の工業化――なぜイギリスが最初だったのか
第五章 イギリス衰退論争――陽はまた昇ったのか
エピローグ 近代世界の歴史像
【著者紹介】
川北稔(かわきた みのる)
一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。
主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。
- ISBN-104062880709
- ISBN-13978-4062880701
- 出版社講談社
- 発売日2010/10/16
- 言語日本語
- 寸法10.6 x 1.2 x 17.4 cm
- 本の長さ272ページ
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商品の説明
著者について
川北 稔
(かわきた みのる)
一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。
主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。
(かわきた みのる)
一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。
主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/10/16)
- 発売日 : 2010/10/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4062880709
- ISBN-13 : 978-4062880701
- 寸法 : 10.6 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 268,406位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 54位イギリス・アイルランド史
- - 135位西洋史
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月27日に日本でレビュー済み
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私は日本史専攻ですので間違っているかもしれませんが経済から世界を見るとフランスが落ちるというか無視に等しい。玉木俊明さんも同じです。これが世界史ですか?
2016年11月6日に日本でレビュー済み
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英国近代史を経済システムや内的発展の観点から描く。19世紀に世界を網羅する帝国を築いた同国の歴史は、議会政治とかインド制服とか、政治・外交史の観点から描かれることが多いけれども、帝国を形成するに至った内的活力に目を向ける本書は、どうやら著者の講義を書き起こしたものであるらしい。
ポイントの一つは、近代化とは都市化であるという着眼。交易都市や城塞都市としての性格が強かった中世都市に対し、近代都市では農村から都市への人の集中が起こり、産業的にも文化的にも、都市において近代が形成される。
次に、イギリスにとって切って離せないジェントルマンの存在。労働に従事しないのがジェントルマンであり、地主階級から生まれたジェントルマンは弁護士、将校、医師、さらには植民地官僚といった職業に展開し、大英帝国のバックボーンを形成した。
そして、産業資本家に対する考察。産業革命の呼び水となった綿織物工業は、毛織物工業からの連続ではなく、綿産地のインドが植民地になるといった世界システムの中で生まれた。産業革命とその後の歴史の中で産業資本家は一定の貢献をしたが、英国経済の主流はあくまで金融などジェントルマン側にあり、産業資本家は発言力を持つことはなかった。そういった歴史の流れが先日のBrexit可決に行き着いており、産業資本家とジェントルマンの相克という観点から今後の英国史をみていくのも一興ではないかと思う。
ポイントの一つは、近代化とは都市化であるという着眼。交易都市や城塞都市としての性格が強かった中世都市に対し、近代都市では農村から都市への人の集中が起こり、産業的にも文化的にも、都市において近代が形成される。
次に、イギリスにとって切って離せないジェントルマンの存在。労働に従事しないのがジェントルマンであり、地主階級から生まれたジェントルマンは弁護士、将校、医師、さらには植民地官僚といった職業に展開し、大英帝国のバックボーンを形成した。
そして、産業資本家に対する考察。産業革命の呼び水となった綿織物工業は、毛織物工業からの連続ではなく、綿産地のインドが植民地になるといった世界システムの中で生まれた。産業革命とその後の歴史の中で産業資本家は一定の貢献をしたが、英国経済の主流はあくまで金融などジェントルマン側にあり、産業資本家は発言力を持つことはなかった。そういった歴史の流れが先日のBrexit可決に行き着いており、産業資本家とジェントルマンの相克という観点から今後の英国史をみていくのも一興ではないかと思う。
2017年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
川北氏の著書は,わかりやすそうな文章表現だが,すこし内容がわかりにくい。読んだあとのすっきり感がない。
読むものはお構いなしで,自分のペースで書いていることに,違和感を感じる。
文章力そのものは,大変すぐれていると思うのだが・・・・
読むものはお構いなしで,自分のペースで書いていることに,違和感を感じる。
文章力そのものは,大変すぐれていると思うのだが・・・・
2017年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺があるが、
物事には必ず原因と結果があるという自然科学
的な発想で、庶民の生活まで遡って調査研究して
きた著者の、イギリス史研究の集大成という
べき著書です。
イギリス発展の原因の1つとして、庶民は親方に
弟子入りして、一人前になるまで世帯を持たない
習慣があり、晩婚社会だったとか、ロンドン一極
集中だったとか、30年前の名著、『路地裏の大英
帝国』の著者だけあって、歴史の教科書には
書いてないような話がたくさん載ってます。
決して、絶対にこうだと言い切るのでは無く、
様々な学説を紹介しながら、今の所こうらしい
という書き方なので、まだるっこしく感じる方も
あるかも知れませんが、学者としての誠実さが
感じられます。
150年前のイギリスで、加工貿易ではなく、
第三次産業を振興してゆく必要性とか、国として
の盛りが過ぎたので、自由貿易は止めて、保護
主義的な政策を取るべきだとか、実に今日的な
ことが議論されていたというのを知って、
ビックリすると共に、その後のイギリスは
どうやって乗り切って来たのかという、
本書では詳しく触れられていない、イギリス
現代史の領域に興味を持ちました。
物事には必ず原因と結果があるという自然科学
的な発想で、庶民の生活まで遡って調査研究して
きた著者の、イギリス史研究の集大成という
べき著書です。
イギリス発展の原因の1つとして、庶民は親方に
弟子入りして、一人前になるまで世帯を持たない
習慣があり、晩婚社会だったとか、ロンドン一極
集中だったとか、30年前の名著、『路地裏の大英
帝国』の著者だけあって、歴史の教科書には
書いてないような話がたくさん載ってます。
決して、絶対にこうだと言い切るのでは無く、
様々な学説を紹介しながら、今の所こうらしい
という書き方なので、まだるっこしく感じる方も
あるかも知れませんが、学者としての誠実さが
感じられます。
150年前のイギリスで、加工貿易ではなく、
第三次産業を振興してゆく必要性とか、国として
の盛りが過ぎたので、自由貿易は止めて、保護
主義的な政策を取るべきだとか、実に今日的な
ことが議論されていたというのを知って、
ビックリすると共に、その後のイギリスは
どうやって乗り切って来たのかという、
本書では詳しく触れられていない、イギリス
現代史の領域に興味を持ちました。
2014年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「成長パラノイア」という言葉はこの本を読んでから知った。話はとても面白かった。イギリスの近代の歴史と現在の日本の状況を重ねたりして、「歴史は繰り返される」的なことを語ろうとしている。昔はイギリスにも「ドイツ脅威論」があり、建艦競争をしたといったことが書かれていたし、衰退も見方によってはポジティブにとらえることができるのかなと思うようになった。とても旬な他人事とは思えないイギリスの近代史。
ただ、最後のところは、詰め切れていないようにも感じた。途中までは色々なキャラや伏線が出てきてとても面白かったが、クライマックスでまとめ切れなかったアニメ作品のような印象を受けた。まあ、私の読解力がないだけなのかもしれないけれど。
ただ、最後のところは、詰め切れていないようにも感じた。途中までは色々なキャラや伏線が出てきてとても面白かったが、クライマックスでまとめ切れなかったアニメ作品のような印象を受けた。まあ、私の読解力がないだけなのかもしれないけれど。
2013年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普通の歴史の本ではなく、それにとどまらない、奥行きと深さを感じさせた。
歴史を学ぶとはこういうことだったのかと改めて気づかされた。
ただ、歴史の見方というものは、それがすべてでもない、とも思う。
批判を覚悟して言っているのだが。
だからといって、僕のなかで確たる方法論やビジョンがあるわけでもないのだが。
それを気づかされた著者の力量に感服する。
歴史を学ぶとはこういうことだったのかと改めて気づかされた。
ただ、歴史の見方というものは、それがすべてでもない、とも思う。
批判を覚悟して言っているのだが。
だからといって、僕のなかで確たる方法論やビジョンがあるわけでもないのだが。
それを気づかされた著者の力量に感服する。
2018年4月8日に日本でレビュー済み
近世から帝国主義時代、グローバリスムの進展した近代の熟成期において、「世界各地の庶民生活が、世界システムの作用を通じていかに結びつき、今日の状況をつくりだしているのか」(p10)
人々の具体的な生活のあり方と、その世界システム的なつながり。著者はこの二つを縦横に編むことで、歴史を現実に向き合うものとして眼前に現してくれる。
■都市生活文化
・ロンドン一極集中の理由は、イギリス人のライフサイクルにある。近世から晩婚・核家族社会であり、老親を独りにするシステムが、世界に先駆けて福祉制度を導入させるに至った。(p28)
・1530年代の宗教改革により修道院領は国王の所領へ。これが売り出され、新たな地主が誕生する。商才に長けたジェントリだ。国会議員となった彼らが中心となり、1604年にぜいたく禁止法が全欧州に先駆けて全廃される。
・流行の発信地としてのロンドン。差異化の欲望。上流階級のファッションが下位へ、そして地方へと伝わる。身分不相応の服装は都市化の特徴でもあり、やがて国民的マーケットの誕生へと繋がる。(p45~52)
■経済成長こそすべて
・金融と情報の資本主義を重視する新自由主義の立場と、ものづくりを伴う実体経済を重要視する立場の相克は、実は17世紀から存在し(金融のオランダ、工業のイギリス、農業のフランス)、現在ますます先鋭化しているのは面白い。(p104)
・「経済成長」の概念こそ、ヨーロッパを中核として成立した近代世界システムの基本イデオロギーである。
・中世にこの概念はなかった。アジアの帝国と異なり、ヨーロッパの主権国家間の競争が"国民経済の成長"の概念を育んみ、いまやそれは地球規模の至上命題となった。(p87,110,112)
■ヨーロッパ世界システムの拡大
アジアの「帝国」とヨーロッパの主権国家の違い(p96)
・帝国システム:皇帝統治による平和システム。その反面、皇帝以外の武装を許さない。外界の交渉の遮断。ゆるやかな進歩。
・主権国家システム:政治的に統制されない国家間の兵器開発競争、経済競争。そこから生まれる"成長"の概念。
アジアの帝国と異なり、ヨーロッパの主権国家間の競争が"国民経済の成長"の概念を育んみ、いまやそれは地球規模の至上命題となった。「経済成長」の概念こそ、近代世界システムの基本イデオロギーである。(p112)
■なぜ世界最初の産業革命はイギリスだったのか
・産業革命を消費の側面から見ると、なるほど、実に興味深いな。工場での雇用が女性の可処分所得を増やし、それが台所用品などの鉄製品、衣料の生産増大にスパイラル的につながる。(p202)
■帝国の解体
・1926年のバルフォア覚え書きとして知られる。これを明文化したのが、1931年(昭和6年)のウェストミンスタ憲章だ。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ニューファンドランド(1949カナダの一州となる)各自治領に完全な立法上の独立を与えた。
・これが帝国の解体に至る嚆矢となる。インド、パキスタンの分離独立、スエズ運河地域からの撤退と中東の放棄、1960年代のアフリカ諸国の独立へと続き、ヴィクトリアの覇権は終焉を迎えることになる。(p226)
小さなエピソードとその背景を知り、歴史の大枠をとらえる。そんな知的好奇心を満たしてくれる興味深い一冊だった。
人々の具体的な生活のあり方と、その世界システム的なつながり。著者はこの二つを縦横に編むことで、歴史を現実に向き合うものとして眼前に現してくれる。
■都市生活文化
・ロンドン一極集中の理由は、イギリス人のライフサイクルにある。近世から晩婚・核家族社会であり、老親を独りにするシステムが、世界に先駆けて福祉制度を導入させるに至った。(p28)
・1530年代の宗教改革により修道院領は国王の所領へ。これが売り出され、新たな地主が誕生する。商才に長けたジェントリだ。国会議員となった彼らが中心となり、1604年にぜいたく禁止法が全欧州に先駆けて全廃される。
・流行の発信地としてのロンドン。差異化の欲望。上流階級のファッションが下位へ、そして地方へと伝わる。身分不相応の服装は都市化の特徴でもあり、やがて国民的マーケットの誕生へと繋がる。(p45~52)
■経済成長こそすべて
・金融と情報の資本主義を重視する新自由主義の立場と、ものづくりを伴う実体経済を重要視する立場の相克は、実は17世紀から存在し(金融のオランダ、工業のイギリス、農業のフランス)、現在ますます先鋭化しているのは面白い。(p104)
・「経済成長」の概念こそ、ヨーロッパを中核として成立した近代世界システムの基本イデオロギーである。
・中世にこの概念はなかった。アジアの帝国と異なり、ヨーロッパの主権国家間の競争が"国民経済の成長"の概念を育んみ、いまやそれは地球規模の至上命題となった。(p87,110,112)
■ヨーロッパ世界システムの拡大
アジアの「帝国」とヨーロッパの主権国家の違い(p96)
・帝国システム:皇帝統治による平和システム。その反面、皇帝以外の武装を許さない。外界の交渉の遮断。ゆるやかな進歩。
・主権国家システム:政治的に統制されない国家間の兵器開発競争、経済競争。そこから生まれる"成長"の概念。
アジアの帝国と異なり、ヨーロッパの主権国家間の競争が"国民経済の成長"の概念を育んみ、いまやそれは地球規模の至上命題となった。「経済成長」の概念こそ、近代世界システムの基本イデオロギーである。(p112)
■なぜ世界最初の産業革命はイギリスだったのか
・産業革命を消費の側面から見ると、なるほど、実に興味深いな。工場での雇用が女性の可処分所得を増やし、それが台所用品などの鉄製品、衣料の生産増大にスパイラル的につながる。(p202)
■帝国の解体
・1926年のバルフォア覚え書きとして知られる。これを明文化したのが、1931年(昭和6年)のウェストミンスタ憲章だ。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ニューファンドランド(1949カナダの一州となる)各自治領に完全な立法上の独立を与えた。
・これが帝国の解体に至る嚆矢となる。インド、パキスタンの分離独立、スエズ運河地域からの撤退と中東の放棄、1960年代のアフリカ諸国の独立へと続き、ヴィクトリアの覇権は終焉を迎えることになる。(p226)
小さなエピソードとその背景を知り、歴史の大枠をとらえる。そんな知的好奇心を満たしてくれる興味深い一冊だった。
2013年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んだ感想としては、割と社会史的な部分も多く描かれているなあと。第一章においては、近世イギリスの家族制度、福祉国家について、ロンドンの膨張、ジェントルマンについてなど、詳しく紹介されています。いわゆるイギリスのイメージそのものといった感じですが、その成立の経緯は興味深いものがあります。また、本書においてもウォーラーステインの世界システム論を基底とした三角貿易や植民地支配についての解説もあります。ただし、本書おいてはそれだけではなく本国人の支配構造と絡めてくるあたりが非常に面白いと感じました。他に興味深かった論考として、産業革命の資金源は何かというもので、様々な旧説を紹介しつつ様々な可能性を探っています。
本書において重要な点の一つが、常に成長し続けなければならないとする、いわゆる「成長パラノイア」についてです。個人的には高成長率=裕福という図式には違和感があります。当然成長率が高いに越したことはないのでしょうが、現実に生きている国民一人ひとりの経済的水準を見なければ数字を比較しても意味がなく、低成長でも現状の生活が維持できているのならば、単純に衰退と断言はできかねるのではないでしょうか。論旨の機軸をどこに取るかで受け取り方も変わってしまうでしょうから、非常に難しい問題であると思います。
さて、本書の全体としては現代のエピステーメからのステレオタイプ的決めつけを廃し、当時のその前後も併せて調べ直し、丁寧に正している様子がうかがえます。ある種、淡々と平板的に描かれがちな歴史を、興味を持てるように様々な角度から描いています。毎度ながら、非常にうまいと思います。
本書において重要な点の一つが、常に成長し続けなければならないとする、いわゆる「成長パラノイア」についてです。個人的には高成長率=裕福という図式には違和感があります。当然成長率が高いに越したことはないのでしょうが、現実に生きている国民一人ひとりの経済的水準を見なければ数字を比較しても意味がなく、低成長でも現状の生活が維持できているのならば、単純に衰退と断言はできかねるのではないでしょうか。論旨の機軸をどこに取るかで受け取り方も変わってしまうでしょうから、非常に難しい問題であると思います。
さて、本書の全体としては現代のエピステーメからのステレオタイプ的決めつけを廃し、当時のその前後も併せて調べ直し、丁寧に正している様子がうかがえます。ある種、淡々と平板的に描かれがちな歴史を、興味を持てるように様々な角度から描いています。毎度ながら、非常にうまいと思います。