クタラギさんが戦っていたのは、
任天堂ではなく、ソニーだったのかもしれない。

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美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ) 単行本 – 2008/2/22
西田 宗千佳
(著)
「100兆円稼いだ男」の栄光と挫折 世界のゲーム市場を席巻し、カリスマとなった久夛良木健。1、2と続いた栄華は、なぜプレステ3で崩壊したのか? 気鋭のジャーナリストが栄枯盛衰を活写する。
- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/2/22
- ISBN-104062820781
- ISBN-13978-4062820783
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/2/22)
- 発売日 : 2008/2/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 334ページ
- ISBN-10 : 4062820781
- ISBN-13 : 978-4062820783
- Amazon 売れ筋ランキング: - 669,419位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 367位情報・コンピュータ産業
- カスタマーレビュー:
著者について
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1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。
得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、アエラ、週刊朝日、週刊現代、週刊東洋経済、GetNavi、DIME、日経トレンディ、 AV Watch、ASCIIi.jp、マイコミジャーナルなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
小寺信良氏と共同でメールマガジン「小寺・西田の『金曜ランチビュッフェ』」を毎週金曜発刊。同メルマガは、単品版としてKindleでも金曜夕方以降に配信中。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プレステ登場前夜から、久夛良木氏退任までの15年間の軌跡を筆者の取材メモと関係者へのインタビューを元にまとめたドキュメンタリーだ。本書の6割強は、プレステ2までの内容のため、これまでゲーム業界や、エレクトロニクス業界に詳しい人には既知の内容だろう。このあたりまでの詳しい経緯を知りたい場合には、過去に発売されたプレステ本を読んだ方が詳しい内容に触れられる。「今だから話せる」といった内容も基本的にないからだ。一方、本書で目新しいのは残りの4割弱の部分。久夛良木氏がソニー副社長に昇格し、PSXで(世間的にいえば)失敗。そして、PSPを投入し、プレステ3を開発。その劣勢の中、久夛良木氏が退任に関するまでの内幕で、この部分が目新しい内容と言える。ページ数はそれなりだが、非常に読みやすい章構成と文体で、この手のドキュメンタリーが好きな人なら、休日半日で一気に読み切ってしまうことができる。
本書のタイトルは「美学vs実利」で、巻頭にも美学こそプレステを表す言葉であり、実利とは任天堂の戦略を表すものだとでてくるが、実際には本書を通じて任天堂の話は、数ページほどしかない印象だ。その点だけは残念ではあるが、任天堂に関して、本書におけるSCEの内幕ほど取材を進めるのは決して容易ではないだろう。しかし、今 NINTENDO DSとWiiで絶好調の任天堂も、NINTENDO64とGameCubeでは辛酸を舐めており、そこには本書にも勝るドラマがあったはず。そちらもぜひ明らかにし、商品開発に携わる者の糧とさせてほしいものだ。
今も様々な企業で、商品開発や、サービス開発が行われており、その現場の担当者は、厳しい締め切りとストレスにさらされているだろうが、そんな時に本書を読むと、もう一頑張りできてしまう、力があるとも思う。
本書のタイトルは「美学vs実利」で、巻頭にも美学こそプレステを表す言葉であり、実利とは任天堂の戦略を表すものだとでてくるが、実際には本書を通じて任天堂の話は、数ページほどしかない印象だ。その点だけは残念ではあるが、任天堂に関して、本書におけるSCEの内幕ほど取材を進めるのは決して容易ではないだろう。しかし、今 NINTENDO DSとWiiで絶好調の任天堂も、NINTENDO64とGameCubeでは辛酸を舐めており、そこには本書にも勝るドラマがあったはず。そちらもぜひ明らかにし、商品開発に携わる者の糧とさせてほしいものだ。
今も様々な企業で、商品開発や、サービス開発が行われており、その現場の担当者は、厳しい締め切りとストレスにさらされているだろうが、そんな時に本書を読むと、もう一頑張りできてしまう、力があるとも思う。
2010年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
孟子曰、「天時不如地利。地利不如人和。」
孟子曰はく、「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず。」
孟子は言った、「天のもたらす幸運は地勢の有利さには及ばない。地勢の有利さは人心の一致には及ばない。」
久多良木氏と同じと年齢であり、久多良木氏には及ばずとも、リアルタイム映像直並列処理DSPを開発した私には、PS3の開発経緯を見て孟子の言葉を思い浮かべた。
IBMと東芝の共同開発者の間では、天の時も地の利も人の和も揃っていた筈である。しかも、IBM単体と東芝単体でも天の時と地の利と人の和は揃っていたはずである。しかし、SONY単体で見るならば、地の利と人の和は整っていなかったということであろうか。
PS3のデモを東京で見た時、CELLをゲームだけから始めるのはまずいと感じた。私なら、DRC+CELLでテレビの世界をソニーフォーマットで支配すると考えていたからだ。
そうすべきであったことは、CELLが米エネルギー省保有の世界最速のスパコン「RoadRunner」に搭載されていることを見れば明らかである。
孟子曰はく、「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず。」
孟子は言った、「天のもたらす幸運は地勢の有利さには及ばない。地勢の有利さは人心の一致には及ばない。」
久多良木氏と同じと年齢であり、久多良木氏には及ばずとも、リアルタイム映像直並列処理DSPを開発した私には、PS3の開発経緯を見て孟子の言葉を思い浮かべた。
IBMと東芝の共同開発者の間では、天の時も地の利も人の和も揃っていた筈である。しかも、IBM単体と東芝単体でも天の時と地の利と人の和は揃っていたはずである。しかし、SONY単体で見るならば、地の利と人の和は整っていなかったということであろうか。
PS3のデモを東京で見た時、CELLをゲームだけから始めるのはまずいと感じた。私なら、DRC+CELLでテレビの世界をソニーフォーマットで支配すると考えていたからだ。
そうすべきであったことは、CELLが米エネルギー省保有の世界最速のスパコン「RoadRunner」に搭載されていることを見れば明らかである。
2008年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『対任天堂』の文字に期待されてる方も多いでしょうが、本書はPSの誕生からPS3の現在までの、生みの親である久夛良木健氏とそれを支える周りの人物や、その環境や背景を綴った『久夛良木史』と言っても過言ではありません。任天堂(やそのゲーム機)についての記述はPSを取り巻く環境の一つとしてしか取り挙げられていません。
「任天堂の逆を行こう」「映像を計算生成する(ポリゴン,PS1)」「感情を計算生成する(エモーションシンセシス,PS2)」「世界中から一つのサーバーにアクセスするなら衛星軌道か?」
PSシリーズの開発にあたり、久夛良木氏はこのような当時としては突拍子もない事を本気で要求し、出たてのベンチャー企業やライバル企業など会社の枠を越えて常に最先端技術を追求。特にPS2のCPU(エモーションエンジン,300MHz)が同時期発表された最新ペンティアム'V(500MHz)に勝るとも劣らない性能を発揮した事には驚きを隠せません。
その道のりは無茶と無謀、奇跡の綱渡りをやり遂げるような危ういものでしたが「単なるゲーム機を越えた最高のエンターテイメントマシンを作る」という久夛良木氏他技術者の物作りへのこだわりが大ヒット商品PS、PS2の完成にこぎ着けたという事が本書から伺えます。
帯にも書いてある通り「世界最高の技術を結集し、常識を塗り替えるコンピューターを作る」久夛良木氏の美学と最高技術へのこだわりは、後に液晶TVで他社に遅れを取りソニーショックが巻き起こった時、その立て直しにソニー本社の副社長に就任し、サムソンと提携しブラビアを産み出すきっかけを作る功績を残し、またゲーム事業の売上げがソニーの低迷期を救った事は、本社から独立したSCE(ソニーコンピューターエンターテイメント)と久夛良木氏の業績が『もう一つのソニー』だった事を示していると思います。
本書はPSシリーズ開発の記述に際し、技術的な解説が多く盛り込まれていますが、特に専門知識がなくても優しく解説して下さってるので大変読みやすく仕上がっています。また、技術者兼経営者の久夛良木氏の破天荒なアイデアやその振る舞いも非常に目を見張り、楽しく読めるお薦めの一冊です。
現在、PS3は国内で300万台以上、世界で1000万台以上Wiiに大きく引き離され、本体製品の赤字販売が逆ざやとしてソニーの好調な業績の足を引っ張っているのは悲しい限りですが、本書でPS3と内蔵の半導体CELLが本当に良い物だという事にお気付き頂き、一人でも多くの人がPS3を支持してもらえれば、ソニーを去った久夛良木氏への餞になると願って止みません。
「任天堂の逆を行こう」「映像を計算生成する(ポリゴン,PS1)」「感情を計算生成する(エモーションシンセシス,PS2)」「世界中から一つのサーバーにアクセスするなら衛星軌道か?」
PSシリーズの開発にあたり、久夛良木氏はこのような当時としては突拍子もない事を本気で要求し、出たてのベンチャー企業やライバル企業など会社の枠を越えて常に最先端技術を追求。特にPS2のCPU(エモーションエンジン,300MHz)が同時期発表された最新ペンティアム'V(500MHz)に勝るとも劣らない性能を発揮した事には驚きを隠せません。
その道のりは無茶と無謀、奇跡の綱渡りをやり遂げるような危ういものでしたが「単なるゲーム機を越えた最高のエンターテイメントマシンを作る」という久夛良木氏他技術者の物作りへのこだわりが大ヒット商品PS、PS2の完成にこぎ着けたという事が本書から伺えます。
帯にも書いてある通り「世界最高の技術を結集し、常識を塗り替えるコンピューターを作る」久夛良木氏の美学と最高技術へのこだわりは、後に液晶TVで他社に遅れを取りソニーショックが巻き起こった時、その立て直しにソニー本社の副社長に就任し、サムソンと提携しブラビアを産み出すきっかけを作る功績を残し、またゲーム事業の売上げがソニーの低迷期を救った事は、本社から独立したSCE(ソニーコンピューターエンターテイメント)と久夛良木氏の業績が『もう一つのソニー』だった事を示していると思います。
本書はPSシリーズ開発の記述に際し、技術的な解説が多く盛り込まれていますが、特に専門知識がなくても優しく解説して下さってるので大変読みやすく仕上がっています。また、技術者兼経営者の久夛良木氏の破天荒なアイデアやその振る舞いも非常に目を見張り、楽しく読めるお薦めの一冊です。
現在、PS3は国内で300万台以上、世界で1000万台以上Wiiに大きく引き離され、本体製品の赤字販売が逆ざやとしてソニーの好調な業績の足を引っ張っているのは悲しい限りですが、本書でPS3と内蔵の半導体CELLが本当に良い物だという事にお気付き頂き、一人でも多くの人がPS3を支持してもらえれば、ソニーを去った久夛良木氏への餞になると願って止みません。
2008年2月23日に日本でレビュー済み
数時間かけて一気に読み上げました。
プレステ生みの親である久夛良木健氏にフォーカスを当て
これ1冊でプレステ15年の歴史を振り返ることが出来ます。
ゲーム業界・デジタル業界の動向をよくチェックしている人(含む自分)にとっては
目新しい記述があるわけではありませんが、それでも「えっ、当時そんなやり取りがあったのか」と
初めて知る事実もいくつか記載されており、理解しやすい文章と相まって
サクサク読み進められます。
(特に、PS3発売までの想像を超えたドタバタぶりは非常に興味深い内容でした)
「SCE vs 任天堂」という内容を予想させるタイトルとは裏腹に
任天堂に関する記述がかなり少なかったのは不満です。
「PS&PS2の敗北から何を学び、いかにして王座を奪還したのか」といった
任天堂サイドの内容もあればさらに良かったんですが・・・
そこは筆者の次回作に期待します(笑)
それにしても、ゲーム機(に限らず、デジタル業界全般の)激動の時代を
リアルタイムで過ごせている私たちはとても幸運なのかもしれませんね。
プレステ生みの親である久夛良木健氏にフォーカスを当て
これ1冊でプレステ15年の歴史を振り返ることが出来ます。
ゲーム業界・デジタル業界の動向をよくチェックしている人(含む自分)にとっては
目新しい記述があるわけではありませんが、それでも「えっ、当時そんなやり取りがあったのか」と
初めて知る事実もいくつか記載されており、理解しやすい文章と相まって
サクサク読み進められます。
(特に、PS3発売までの想像を超えたドタバタぶりは非常に興味深い内容でした)
「SCE vs 任天堂」という内容を予想させるタイトルとは裏腹に
任天堂に関する記述がかなり少なかったのは不満です。
「PS&PS2の敗北から何を学び、いかにして王座を奪還したのか」といった
任天堂サイドの内容もあればさらに良かったんですが・・・
そこは筆者の次回作に期待します(笑)
それにしても、ゲーム機(に限らず、デジタル業界全般の)激動の時代を
リアルタイムで過ごせている私たちはとても幸運なのかもしれませんね。
2010年7月17日に日本でレビュー済み
これはゲーム業界の本というよりも、久夛良木健というエンジニア、SCEというソニーから外れたいちチームについて書かれた本です。
プレイステーション開発のハードウェア的側面に関する記述が大半を占めています。
著者が長年取材してきた成果を時系列に並べていて、とてもよくまとまっていると思います。
「時代が追いついた」と言う表現はありますが、久夛良木健さんは時代を作った人だというのがよく分かります。
悪く言えば思い込み、よく言えば先見ともいえる強固な考えを元にコンピュータエンタテイメントを作ってきたのです。
それこそが題名にもある「美学」なのでしょう。
エンジニアにとって自分の美学が実現し、受け入れられることは至上の喜びです。
しかし、そんなSCEや久夛良木を変えたのがソニー本体との関係であったと言えるでしょう。
彼らの美学にビジネスとしての側面を強要した結果、PSXやPS3での大きな失敗が生まれてしまいました。
なぜPSXは自社製品と争わなければならないのか。PS3はソニーや業界団体の都合に振りまわされなければならないのか。
題名の「実利」とは任天堂を模したものだそうですが、私にはソニー本体のことなのではないかとさえ感じています。
プレイステーション開発のハードウェア的側面に関する記述が大半を占めています。
著者が長年取材してきた成果を時系列に並べていて、とてもよくまとまっていると思います。
「時代が追いついた」と言う表現はありますが、久夛良木健さんは時代を作った人だというのがよく分かります。
悪く言えば思い込み、よく言えば先見ともいえる強固な考えを元にコンピュータエンタテイメントを作ってきたのです。
それこそが題名にもある「美学」なのでしょう。
エンジニアにとって自分の美学が実現し、受け入れられることは至上の喜びです。
しかし、そんなSCEや久夛良木を変えたのがソニー本体との関係であったと言えるでしょう。
彼らの美学にビジネスとしての側面を強要した結果、PSXやPS3での大きな失敗が生まれてしまいました。
なぜPSXは自社製品と争わなければならないのか。PS3はソニーや業界団体の都合に振りまわされなければならないのか。
題名の「実利」とは任天堂を模したものだそうですが、私にはソニー本体のことなのではないかとさえ感じています。
2009年5月18日に日本でレビュー済み
これは完全に『SONY=チーム久夛良木』側の視点で構成されています。任天堂側について五分五分の記述を期待すると肩透かしにあった気分になるかもしれません。その点だけ踏まえれば、まさに『チーム久夛良木』の総力戦が素人にも分かりやすくドラマチックに展開されており、企業戦争のドラマとして読み応えがあります。私はまるでゲームには疎いのですが十分楽しめましたし、商品開発、販売戦略の難しさが改めて理解できました。SONYの歴史を立体的に理解する上でも有益な一冊です。
2009年6月14日に日本でレビュー済み
一技術者として、読み始めたら止まらない感じで読み終えた。
久夛良木氏がPSというゲーム機を通して、大企業ソニーの中で「SCE」という形で「起業」し、自分のやりたいことをいかに実現していったのかが書かれている。
ビジネスとして物を造るとなるとロマンより利益が優先されることが多く、技術者として妥協する部分は多いが、PSシリーズは技術者の美学といったものが製品として実現でき、かつビジネスとしても成功した希有な例だと思う。
読んでいて、当事者としてその場に参加してみたかったと思った。
最近ソニーに限らず、ワクワクするような製品が少ないので、もう一度ものづくりの楽しさとか、チャレンジ精神を思い出す意味でも読んでみるといいと思う。
久夛良木氏がPSというゲーム機を通して、大企業ソニーの中で「SCE」という形で「起業」し、自分のやりたいことをいかに実現していったのかが書かれている。
ビジネスとして物を造るとなるとロマンより利益が優先されることが多く、技術者として妥協する部分は多いが、PSシリーズは技術者の美学といったものが製品として実現でき、かつビジネスとしても成功した希有な例だと思う。
読んでいて、当事者としてその場に参加してみたかったと思った。
最近ソニーに限らず、ワクワクするような製品が少ないので、もう一度ものづくりの楽しさとか、チャレンジ精神を思い出す意味でも読んでみるといいと思う。