もう何十年も昔になるが、開高健の『ロマネ・コンティ・一九三五年』を読んだことがある。
サントリーの佐治敬三からロマネ・コンティのビンテージを一緒に試飲しないか、という誘いでこのエッセイは始まっていた。
二人が期待満々で試飲したら、ボトルに澱が溜まっていてとても飲める代物でなかったという話だったと記憶している。
佐治と開高の二人が、社長と社員という関係以上なのは、二人でヨーロッパ旅行に行ったことが記述されているから友人と言ってもいいだろう。
開高のベトナムでの体験も「闇三部作」で読み既知のことであった。
佐治のことはテレビドラマ「マッサン」を観て、原作の『ヒゲのウヰスキー誕生す』を読みその人柄などもあるていど知っていた。
が、本書でなぜ鳥井家の次男が佐治姓なのかを「佐治家の養子」の章で知ることが出来た。
著者がこの謎を調べるが、なかなか確たる証拠も見つからず、あくまでも著者の推測の域を出ていないが・・・。
親子二代で大きな壁(アサヒ、キリン、サッポロ)に立ち向かう経営者としての気概が本書のテーマと言ってもいいだろう。
何度も挫折し、やっとビール部門が黒字になったのが2008年のことだったことを本書で知り驚いてしまった。
既知のことではあったが、谷沢永一との出会いが開高を小説家へと導いたことや、開高の悪妻となる牧羊子との出会いの経緯も本書で知ることになった。(谷沢永一は、開高が海外へよく行くのは妻から逃げたいからだと、なにかで読んだ記憶がある。)
寿屋で働いていた牧洋子の縁で開高が寿屋の宣伝部に入り佐治と知り合うことになったことを本書で初めて知った。
二人の人生をパラレルで辿りながら、経営者佐治敬三と小説家開高健の真の姿に迫る本書上巻を興味深く読み終えた。
<追記>
下巻を読んでいてこのレビューの大間違いを知りましたので訂正しておきます。
『ロマネ・コンティ・一九三五年』を、試飲しようと誘った重役が佐治敬三と思い込んでいたが、”サン・アド”社長の坂根進でした。
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佐治敬三と開高健 最強のふたり〈上〉 (講談社+α文庫) 文庫 – 2017/10/20
北 康利
(著)
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ひとりは勝算なき「ビール事業」に挑み、もう一人はベトナム戦争の最前線に身を投じる。生産量世界一のウイスキーをつくったサントリー佐治と無頼派作家開高の不思議な友情がかなえた、巨大な夢
真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――300万人の命が失われ、焦土と化した日本が奇跡の復興へとむかう、高度成長期、やんちゃな経営者と作家が友情で結ばれ、たぐいまれなタッグを組んで、次々とヒットを飛ばす。サントリーがまだ寿屋と呼ばれていた時代、貧困のどん底から開高健を拾い上げ、活躍の場を与えたのが、世界一のウイスキーをつくった男・佐治敬三であった。
開高は佐治を必要としたが、佐治もまた開高を必要とした。やがて二人は経営者と社員という枠を超えた友情で結ばれていく。
真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――300万人の命が失われ、焦土と化した日本が奇跡の復興へとむかう、高度成長期、やんちゃな経営者と作家が友情で結ばれ、たぐいまれなタッグを組んで、次々とヒットを飛ばす。サントリーがまだ寿屋と呼ばれていた時代、貧困のどん底から開高健を拾い上げ、活躍の場を与えたのが、世界一のウイスキーをつくった男・佐治敬三であった。
開高は佐治を必要としたが、佐治もまた開高を必要とした。やがて二人は経営者と社員という枠を超えた友情で結ばれていく。
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/10/20
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104062817306
- ISBN-13978-4062817301
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商品の説明
著者について
北 康利
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ、東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家としてみずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞・累計47万部)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』、『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社) 、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『西郷隆盛 命もいらず 名もいらず』(WAC)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)などがある。
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ、東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家としてみずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞・累計47万部)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』、『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社) 、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『西郷隆盛 命もいらず 名もいらず』(WAC)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2017/10/20)
- 発売日 : 2017/10/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4062817306
- ISBN-13 : 978-4062817301
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 446,758位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和35年12月24日生まれ。東京大学法学部卒業後、昭和59年、富士銀行入行。平成11年、富士証券投資戦略部長就任。その後、みずほ証券財務開発部 長などを経て、平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。『白洲次郎―占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞、講談社)など著書 多数。関西学院大学非常勤講師(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『安奈淳物語 私は歌う、命ある限り』(ISBN-10:4569778399)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年5月18日に日本でレビュー済み
上巻は佐治さんと開高さんの話というよりは、鳥井信治郎さんの伝記のような話が続いており、
どのような経緯で日本にウィスキー産業が根付くのか、というのが分かって面白かった。
あと、熟成年数が若いのウィスキーを思い切って出したけどが美味しくなくて売れなかった
というのは今に通じる話でもあり非常に面白かったです。
どのような経緯で日本にウィスキー産業が根付くのか、というのが分かって面白かった。
あと、熟成年数が若いのウィスキーを思い切って出したけどが美味しくなくて売れなかった
というのは今に通じる話でもあり非常に面白かったです。
2021年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
それなりの人生しかなくなってから読んでしまい残念です。開高健は人生スタイルが違う人だと思い読んだり見たりしてもアウトドア的な生活なんだろうと勝手に思っていました。話は半分で読んでも自分の内面ばかり見えてしまうけど嫌になるぐらい面白いです。
2019年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作をよめば出てくるが、”大旦那”佐治敬三、そして、その大旦那に愛され、愛した開高健。この二人がいかに友情を育み、お互いの道を進んでいったか。
そして、両者の根底に流れる大阪特有の匂いないし感覚。文字からも伝わるこの独特の感性に、心を打たれる。これを読む際は、サントリーのプレモルでも飲みながら、読まれることをおすすめしたい。理由は、読めばわかる。
そして、両者の根底に流れる大阪特有の匂いないし感覚。文字からも伝わるこの独特の感性に、心を打たれる。これを読む際は、サントリーのプレモルでも飲みながら、読まれることをおすすめしたい。理由は、読めばわかる。
2017年12月9日に日本でレビュー済み
サントリーのビールへの想い、佐治氏と開高氏の友情、傑作でした。