2012年に出た単行本『カマラとアマラの丘』の改題・文庫化。
いかにも著者らしい幻想的なミステリだ。動物霊園というテーマからして、ふつうのミステリではないし、死にまつわる物語ということで、切られるような哀しみがある。
「カマラとアマラの丘-ゴールデンレトリーバー」「ブウクスとツォノクワの丘-ビッグフット」「シレネッタの丘-天才インコ」「ヴァルキューリの丘-黒い未亡人とクマネズミ」「星々の審判」の全5話から構成されている。
それにしても、あからさまに向ヶ丘遊園がモデルなんだけど……。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
向こう側の遊園 (講談社文庫) 文庫 – 2014/6/13
初野 晴
(著)
廃園になった今も、無数の花が咲き乱れる街はずれの遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との、切ない愛を紡いだミステリー。
そこは、ひとが愛を葬る墓地だった。
花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。
※本書は、2012年9月に小社より刊行された単行本『カマラとアマラの丘』を改題し、文庫化しました。
そこは、ひとが愛を葬る墓地だった。
花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。
※本書は、2012年9月に小社より刊行された単行本『カマラとアマラの丘』を改題し、文庫化しました。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/6/13
- 寸法10.8 x 1.3 x 14.8 cm
- ISBN-104062778513
- ISBN-13978-4062778510
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/6/13)
- 発売日 : 2014/6/13
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4062778513
- ISBN-13 : 978-4062778510
- 寸法 : 10.8 x 1.3 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 483,119位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,761位講談社文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年11月26日に日本でレビュー済み
カマラとアマラとは、動物好きなら すぐにピンとくる名前。そう、宣教師に保護された狼少女の名前だ。
狼少女の話が嘘かホントかは、わからないが この小説ではそれほど重要でない。この題名にしたのは、
「動物好きで、生き物の本まで読んでしまう人」が思わず手にとってしまうのではないかと、意図的に
付けた題名だと思われる。
そして、私はまんまと引っかかったわけだ。主人公の墓守は二話目まで名前さえないほどの、おぼろげな存在
として、書かれています。全体として寓話のような物語。しかし、内容はファンタジーではない。むしろ
寓話の中で書かれる物語はひどくリアルで醜く、悲しく、切ない。
動物の内蔵を人に移植する異種臓器移植の話であったり、言語を解する天才インコが人間と深い絆を持って
しまったが故の悲劇だったり。
寓話のような雰囲気を持ちつつ、物語全体としてはミステリー仕立てとなっていて、墓守が少しずつ謎を
解明していき話が二転、三転とするので、読んでいて飽きません。できれば、シリーズ化して欲しい一冊です。
但し、一話目は冒頭4行で、オチが分かってしまった。チンパンジーやオランウータンなどでは、よくある
ことらしい。ゴールデンレトリバーでもこんなことがあるかも・・・というのが、一話目の面白いところ。
生物の本をよく調べているようですが、一点だけケチをつけると「犬は色盲ではない」ということ。話の本筋
とは関係ないですが、これほど詳しく薀蓄(うんちく)が書いてあるのに単純な誤りがあるのはいただけない。
ネットで調べても分かるようなレベルのミスです。
それはさて置き、ストーリー自体はとてもよく出来ていて、話に引き込まれます。動物好きな方は勿論、そうで
ない方にもお勧めです。
狼少女の話が嘘かホントかは、わからないが この小説ではそれほど重要でない。この題名にしたのは、
「動物好きで、生き物の本まで読んでしまう人」が思わず手にとってしまうのではないかと、意図的に
付けた題名だと思われる。
そして、私はまんまと引っかかったわけだ。主人公の墓守は二話目まで名前さえないほどの、おぼろげな存在
として、書かれています。全体として寓話のような物語。しかし、内容はファンタジーではない。むしろ
寓話の中で書かれる物語はひどくリアルで醜く、悲しく、切ない。
動物の内蔵を人に移植する異種臓器移植の話であったり、言語を解する天才インコが人間と深い絆を持って
しまったが故の悲劇だったり。
寓話のような雰囲気を持ちつつ、物語全体としてはミステリー仕立てとなっていて、墓守が少しずつ謎を
解明していき話が二転、三転とするので、読んでいて飽きません。できれば、シリーズ化して欲しい一冊です。
但し、一話目は冒頭4行で、オチが分かってしまった。チンパンジーやオランウータンなどでは、よくある
ことらしい。ゴールデンレトリバーでもこんなことがあるかも・・・というのが、一話目の面白いところ。
生物の本をよく調べているようですが、一点だけケチをつけると「犬は色盲ではない」ということ。話の本筋
とは関係ないですが、これほど詳しく薀蓄(うんちく)が書いてあるのに単純な誤りがあるのはいただけない。
ネットで調べても分かるようなレベルのミスです。
それはさて置き、ストーリー自体はとてもよく出来ていて、話に引き込まれます。動物好きな方は勿論、そうで
ない方にもお勧めです。
2014年7月14日に日本でレビュー済み
『
カマラとアマラの丘(12年09月)
』を改題して文庫化.四編の連作短篇集になります.
人と動物の『わかりやすい』感動ものかと思いきや,良い意味でそれを裏切る作品で,
命の扱いであったり愛護精神といった,動物に対する人間の身勝手さを描いた篇が多く,
主人公の言動を含め,とても静かに,それでいて強烈にえぐられるような感覚を覚えます.
また,生と死やそれにまつわる人たちを見せ,気持ちのいいやり取りは少ないですが,
ミステリの要素を織り交ぜるなど,『おもしろさ』もある少し不思議な魅力の漂う一冊.
さらに,重苦しい雰囲気の中,月明かりの下で咲き乱れる花々の姿が強い印象を残します.
このほか,前置きははじめの一章だけ,以降はスッと物語へと入っていくのもよかったです.
その反面,幻想的にも映った主人公の立ち振る舞い,不思議な能力や過去については,
思わせぶりだった割にはハッキリしないままで,その点は少し気になってしまいました.
人と動物の『わかりやすい』感動ものかと思いきや,良い意味でそれを裏切る作品で,
命の扱いであったり愛護精神といった,動物に対する人間の身勝手さを描いた篇が多く,
主人公の言動を含め,とても静かに,それでいて強烈にえぐられるような感覚を覚えます.
また,生と死やそれにまつわる人たちを見せ,気持ちのいいやり取りは少ないですが,
ミステリの要素を織り交ぜるなど,『おもしろさ』もある少し不思議な魅力の漂う一冊.
さらに,重苦しい雰囲気の中,月明かりの下で咲き乱れる花々の姿が強い印象を残します.
このほか,前置きははじめの一章だけ,以降はスッと物語へと入っていくのもよかったです.
その反面,幻想的にも映った主人公の立ち振る舞い,不思議な能力や過去については,
思わせぶりだった割にはハッキリしないままで,その点は少し気になってしまいました.