最後まで読めば面白かったです。
新興宗教にもぐりこんだはずの女性警察官が、テロを起こすお話。
最初は警官の名前が一気に出てくるし、ちょくちょく話し手が変わるので、かなり読みにくいと感じましたが、あらすじ自体はとても面白かったです。
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魔笛 (講談社文庫) 文庫 – 2004/9/14
野沢 尚
(著)
人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉
白昼の渋谷を襲った無差別爆弾テロ!爆風を背に立ち去ったのは、公安が過激な教団に送り込んでいた女だった。何が彼女を変えたのか?
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!2千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。
特別解説 北方謙三
白昼の渋谷を襲った無差別爆弾テロ!爆風を背に立ち去ったのは、公安が過激な教団に送り込んでいた女だった。何が彼女を変えたのか?
白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!2千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。
特別解説 北方謙三
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/9/14
- ISBN-104062748851
- ISBN-13978-4062748858
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/9/14)
- 発売日 : 2004/9/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4062748851
- ISBN-13 : 978-4062748858
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,009位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
野沢さんのファンになりました。
続編が早く出てほしいです。
展開の素晴らしさ、話の面白さ、最高です。
続編が早く出てほしいです。
展開の素晴らしさ、話の面白さ、最高です。
2017年2月10日に日本でレビュー済み
ちょっと色々詰め込みすぎな印象です。
最初に、渋谷で爆発事故が起きる。
そこで、何人も人が死ぬのですが、死ぬ人一人一人に対してエピソードや生い立ちを披露しています。
ここで、ちょっとこの小説重いかなと感じましたが、逆に丁寧な作りだなとも思いました。
詰め込みすぎだと思ったのは、警察の公安とか宗教とかを詳細に書き込みすぎていてること。
素人はここまで説明されても分からないから、早く話を進めて欲しいと感じてしまいました。
あと、爆弾とか銃器とかの描写も細かすぎて、ついていけなかった。
ライトな小説が好きな人はとっつきにくいかもです。
あと、主人公の警官が獄中にいる妻をどうして好きになったのかが、説明不足。
その妻がなんで、犯罪心理を研究してて、なんで刑事並みにプロファイリング能力があるのかも、説明不足。
犯人がなんで、公安から宗教家に心を奪われて、事件を起こしたのかも、分かり辛かったです。
最初に、渋谷で爆発事故が起きる。
そこで、何人も人が死ぬのですが、死ぬ人一人一人に対してエピソードや生い立ちを披露しています。
ここで、ちょっとこの小説重いかなと感じましたが、逆に丁寧な作りだなとも思いました。
詰め込みすぎだと思ったのは、警察の公安とか宗教とかを詳細に書き込みすぎていてること。
素人はここまで説明されても分からないから、早く話を進めて欲しいと感じてしまいました。
あと、爆弾とか銃器とかの描写も細かすぎて、ついていけなかった。
ライトな小説が好きな人はとっつきにくいかもです。
あと、主人公の警官が獄中にいる妻をどうして好きになったのかが、説明不足。
その妻がなんで、犯罪心理を研究してて、なんで刑事並みにプロファイリング能力があるのかも、説明不足。
犯人がなんで、公安から宗教家に心を奪われて、事件を起こしたのかも、分かり辛かったです。
2012年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
展開がスピーディーで面白かった。殺戮シーンと爆弾処理シーンは強く印象に残りますね。映像にしても面白いと思うけど照屋礼子の役はやりたがらないかもね。最初の照屋礼子による謝辞を読まないほうがいいと思います。
2006年9月23日に日本でレビュー済み
明らかに、とある実在の宗教団体を意識した設定が、
この傑作を文学賞から遠ざけたといういわくつきの作品
(その辺は北方謙三氏の解説に詳しい)。モデルの方も、
折しも教祖に死刑判決が確定したばかり・・・。
ここまで社会派に徹することのできるミステリーは、なかなかない。
宗教団体の内部だけでなく、公安、爆発物処理班など、
日頃あまり現れない警察組織の描写も多い。
特に公安は作品のひとつのキーである。
作品を貫く、人間の暗部をえぐり出すような描写の数々。
この手の心理描写は作者の大きな特徴のひとつかもしれない(『深紅』が典型)。
そしてその描写の深さは、彼が自ら命を絶ったという事実により、
いっそう濃い闇を放っていくのである。
この傑作を文学賞から遠ざけたといういわくつきの作品
(その辺は北方謙三氏の解説に詳しい)。モデルの方も、
折しも教祖に死刑判決が確定したばかり・・・。
ここまで社会派に徹することのできるミステリーは、なかなかない。
宗教団体の内部だけでなく、公安、爆発物処理班など、
日頃あまり現れない警察組織の描写も多い。
特に公安は作品のひとつのキーである。
作品を貫く、人間の暗部をえぐり出すような描写の数々。
この手の心理描写は作者の大きな特徴のひとつかもしれない(『深紅』が典型)。
そしてその描写の深さは、彼が自ら命を絶ったという事実により、
いっそう濃い闇を放っていくのである。
2003年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
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2011年6月15日に日本でレビュー済み
故・野沢尚の江戸川乱歩賞候補作。
官公庁連続爆破事件を起こした新興宗教メシア神道。その教祖・坂上輪水に死刑宣告がなされた日、渋谷スクランブル交差点で爆弾テロが起こる。やがて、事件にあたった殺人犯の妻を持つ刑事、鳴尾が突き止めたのは、犯人がかつて公安が教団に送ったスパイだという事実だった……。
作りにちょっと難ありかなぁと思いました。
話自体は面白く、展開も、人物造形もいいのです。
が、全体が「犯人の告白」となっているのに、犯人不在のシーンが多く、どうしてもそこに矛盾を感じてしまうのです。
もちろん、これを一人称にした、という理由はわかります。
だからこそ描けているものもあったと思いますし、
ある種、冒険だったというのも理解はできるのです。
でも、三人称で書いて、中盤以降に犯人の正体がわかるほうが、
単純に面白かっただろう、とやっぱり思ってしまうのです。
特に後半、行き詰る描写が連続して続く辺り、
文体的には完全に三人称になっているので、
余計にそういう印象を強く抱きました。
アイデアもいいし、筆力も抜群、
ただ、それが残念なことに噛み合わなかった、
ということでしょうか。
でも、ドキドキしては読めます。
マイナス点を含めても面白かったです。
官公庁連続爆破事件を起こした新興宗教メシア神道。その教祖・坂上輪水に死刑宣告がなされた日、渋谷スクランブル交差点で爆弾テロが起こる。やがて、事件にあたった殺人犯の妻を持つ刑事、鳴尾が突き止めたのは、犯人がかつて公安が教団に送ったスパイだという事実だった……。
作りにちょっと難ありかなぁと思いました。
話自体は面白く、展開も、人物造形もいいのです。
が、全体が「犯人の告白」となっているのに、犯人不在のシーンが多く、どうしてもそこに矛盾を感じてしまうのです。
もちろん、これを一人称にした、という理由はわかります。
だからこそ描けているものもあったと思いますし、
ある種、冒険だったというのも理解はできるのです。
でも、三人称で書いて、中盤以降に犯人の正体がわかるほうが、
単純に面白かっただろう、とやっぱり思ってしまうのです。
特に後半、行き詰る描写が連続して続く辺り、
文体的には完全に三人称になっているので、
余計にそういう印象を強く抱きました。
アイデアもいいし、筆力も抜群、
ただ、それが残念なことに噛み合わなかった、
ということでしょうか。
でも、ドキドキしては読めます。
マイナス点を含めても面白かったです。
2013年3月5日に日本でレビュー済み
野沢尚の作品に共通するどうにもやるせない深い闇が一人称の
女性によって語られていく。
ぞっとするような重さを淡々と何もなかったかのように描いて
いく筆致には、時として狂気を感じる。
刑事は「光」。妻となった女性を「闇」から救い上げることは
できたが、一方彼女は既に「闇」、「死」の世界にがんじがらめ
に囚われてしまっている。その中で「光」を感じた彼に対峙し、
抵抗する。この「闇」に巻き込んでやると。
しかし心のどこかで捕まることを期待し、自らの「闇」、「死」
を完結させようとする。たぶん「光」、「生」の魅力、眩しさに
憧れを感じて。
しかし結局それは「死」という形でしか完結しえない。
ぶざまな教祖、権力のために自らを崩壊させ、「死」への道を辿
らざるを得なかった彼女が全てを達観して書記を残す。
「逝ってしまったのね」、「ああ、逝ってしまった」という二人
のやりとりは、そのやるせなさと、でもそこに一筋の光を与える
ことができたのだろうかという思いもあったかもしれない。
でも「駅は見えません。私は線路を下りてみます」
やはり彼女には駅は見えないんだなあ。なんと悲しい言葉なんだ
ろうと絶句してしまった。
凝りすぎた感もあるが、テンポはいいし引きずり込まれる筆力は
やはり凄い。ただ重たくて暗くなってしまうのが、つらいですね。
そこが魅力でもあるんだけれど。
女性によって語られていく。
ぞっとするような重さを淡々と何もなかったかのように描いて
いく筆致には、時として狂気を感じる。
刑事は「光」。妻となった女性を「闇」から救い上げることは
できたが、一方彼女は既に「闇」、「死」の世界にがんじがらめ
に囚われてしまっている。その中で「光」を感じた彼に対峙し、
抵抗する。この「闇」に巻き込んでやると。
しかし心のどこかで捕まることを期待し、自らの「闇」、「死」
を完結させようとする。たぶん「光」、「生」の魅力、眩しさに
憧れを感じて。
しかし結局それは「死」という形でしか完結しえない。
ぶざまな教祖、権力のために自らを崩壊させ、「死」への道を辿
らざるを得なかった彼女が全てを達観して書記を残す。
「逝ってしまったのね」、「ああ、逝ってしまった」という二人
のやりとりは、そのやるせなさと、でもそこに一筋の光を与える
ことができたのだろうかという思いもあったかもしれない。
でも「駅は見えません。私は線路を下りてみます」
やはり彼女には駅は見えないんだなあ。なんと悲しい言葉なんだ
ろうと絶句してしまった。
凝りすぎた感もあるが、テンポはいいし引きずり込まれる筆力は
やはり凄い。ただ重たくて暗くなってしまうのが、つらいですね。
そこが魅力でもあるんだけれど。