綺麗で読みやすい文体。心情を描くのが上手で、短編なのが惜しまれるくらい同じ設定でもっと読んでいたいです。
これを読み終わったら、同じ方の長編を探して読むつもりです。
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屋烏 (講談社文庫) 文庫 – 2002/2/15
武家の宿命を背負い、清冽に生きる
けなげに暮らす娘に訪れた初恋の行く末は?全5編の時代小説集。
勘定奉行だった父が政変に巻き込まれ惨殺されて以来、一家の大黒柱となって幼い弟を育てあげた揺枝(ゆえ)。気がつけば、婚期はとうに過ぎていた。ふとしたきっかけで、彼女は顔に傷のあるならず者に恋を抱いてしまうのだが。武家の宿命を背負った揺枝に訪れた初恋を清冽に描く表題作ほか全5編の時代小説集。
けなげに暮らす娘に訪れた初恋の行く末は?全5編の時代小説集。
勘定奉行だった父が政変に巻き込まれ惨殺されて以来、一家の大黒柱となって幼い弟を育てあげた揺枝(ゆえ)。気がつけば、婚期はとうに過ぎていた。ふとしたきっかけで、彼女は顔に傷のあるならず者に恋を抱いてしまうのだが。武家の宿命を背負った揺枝に訪れた初恋を清冽に描く表題作ほか全5編の時代小説集。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/2/15
- ISBN-104062733781
- ISBN-13978-4062733786
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商品の説明
著者について
■乙川優三郎(おとかわゆうざぶろう)
1953年東京都生まれ。千葉県立国府台高校卒業後、国内外のホテルに勤務。1996年「藪燕」でオール讀物新人賞受賞、1997年、『霧の橋』(講談社文庫)で第7回時代小説大賞受賞。1998年には『喜知次』(講談社文庫)が直木賞候補となる。2001年、『五年の梅』(新潮社)で第14回山本周五郎賞受賞。著書に『椿山』(文藝春秋)などがある。
1953年東京都生まれ。千葉県立国府台高校卒業後、国内外のホテルに勤務。1996年「藪燕」でオール讀物新人賞受賞、1997年、『霧の橋』(講談社文庫)で第7回時代小説大賞受賞。1998年には『喜知次』(講談社文庫)が直木賞候補となる。2001年、『五年の梅』(新潮社)で第14回山本周五郎賞受賞。著書に『椿山』(文藝春秋)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/2/15)
- 発売日 : 2002/2/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 264ページ
- ISBN-10 : 4062733781
- ISBN-13 : 978-4062733786
- Amazon 売れ筋ランキング: - 352,999位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953(昭和28)年、東京生れ。千葉県立国府台高校卒。’96(平成8)年に『薮燕』でオール讀物新人賞、’97年に『霧の橋』で時代小説大賞、 2001年に『五年の梅』で山本周五郎賞、’02年に『生きる』で直木賞、’04年に『武家用心集』で中山義秀文学賞をそれぞれ受賞。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 さざなみ情話 (新潮文庫) (ISBN-13: 4101192243 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
端正な日本語、時代劇らしい情緒、
文句をつけるところなど何もないはずなのに、
どこか、物足りない。
溜飲を下げきれてない感じがする。
表題の「屋鳥」はよくできた物語だと思う。
たぶん、下女のお稲の存在が大きい。
文句をつけるところなど何もないはずなのに、
どこか、物足りない。
溜飲を下げきれてない感じがする。
表題の「屋鳥」はよくできた物語だと思う。
たぶん、下女のお稲の存在が大きい。
2012年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書き下ろしの「あなまどい」を読む。新春の「前進座」の公演を観ていたので、原作には入りやすかった。こちらも大変によい作品。演劇化された理由も分かる。原作が演劇と大きく異なるところは、演劇のほうが関蔵と喜代との夫婦愛の側面を強く打ちだいているところ、このために演劇には原作にない場面がいくつかる。
追われている足軽の金吾が関蔵に討たれる(実際には仇討ちはなかった)ところで金吾が櫛を妻にわたしてくれと訴える場面、また上遠野栄之助と栄之助女房との口喧嘩の場面は脚色。原作では、関蔵が仇討ちから屋敷に戻るところから話が始まっていること、足軽の金吾が久作を斬って逃げるところがシリアスであること、関蔵が帰参の届けと只次郎を養子にすることの願い出を家老に申し出るところは手続きが複雑になっている(筆頭家老、藩主)こと、関蔵は喜代と江戸に出て寺小屋を開いていること、などがしっかり描かれている。
最後の場面で、喜代が関蔵に朝方、蕎麦屋に行こうと誘っているところで、市井の喧騒として赤穂浪士の討ち入りが噂になっているところもよい。時代小説を改めて堪能した。
他に、「禿松(かぶろまつ)」「屋烏」「竹の春」「病葉(わくらば)」。登場する女性主人公は、それぞれ「初」「揺枝」「うね」「千津」。みな分けありの人生を抱えて、苦労しているが、一生懸命生きていて清々しい。今回、気がついたのだが、この人の作品は最後に必ず未来への展望がある。
追われている足軽の金吾が関蔵に討たれる(実際には仇討ちはなかった)ところで金吾が櫛を妻にわたしてくれと訴える場面、また上遠野栄之助と栄之助女房との口喧嘩の場面は脚色。原作では、関蔵が仇討ちから屋敷に戻るところから話が始まっていること、足軽の金吾が久作を斬って逃げるところがシリアスであること、関蔵が帰参の届けと只次郎を養子にすることの願い出を家老に申し出るところは手続きが複雑になっている(筆頭家老、藩主)こと、関蔵は喜代と江戸に出て寺小屋を開いていること、などがしっかり描かれている。
最後の場面で、喜代が関蔵に朝方、蕎麦屋に行こうと誘っているところで、市井の喧騒として赤穂浪士の討ち入りが噂になっているところもよい。時代小説を改めて堪能した。
他に、「禿松(かぶろまつ)」「屋烏」「竹の春」「病葉(わくらば)」。登場する女性主人公は、それぞれ「初」「揺枝」「うね」「千津」。みな分けありの人生を抱えて、苦労しているが、一生懸命生きていて清々しい。今回、気がついたのだが、この人の作品は最後に必ず未来への展望がある。
2007年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんというか、地方藩士の生活を通じて生きることの難しさを描いた5編、とでも言おうか。
乙川さんの作品は、緻密で穴がなく、話の流れも確かで読みやすい。
本作の5編もそこに違いはないのだが、特徴としていずれも結末がわからず、その後どうなったかを読者の想像に任せる終わらせ方をしている。
それも読書の楽しみ方なのかもしれないが、そうした想像力に乏しい私としてはハッキリ書いてくれないとスッキリしない。
なので星は4つにさせてもらった。
収録編の中では、表題作の「屋烏」と巻末の「穴惑い」が特に良かった。
「屋烏」は幼かった弟を女手ひとつで育て上げ婚期を逸した姉が、今後どう生きるべきかを探る話、
「穴惑い」は新婚早々仇討ちの旅に出た藩士が、本懐を遂げて34年後に帰藩し諸々の処理に奔走する話。
内容も興味深く、いったいどのような終わり方をするのか、先が気になりどんどん読み進んで行ける。
短編だけに、「屋烏」では主人公・揺枝と弟や嫁との家族としての暮らしぶりなど細かい部分が描き切れていないように思える。
長編として読みたかった作品である。
乙川さんの作品は、緻密で穴がなく、話の流れも確かで読みやすい。
本作の5編もそこに違いはないのだが、特徴としていずれも結末がわからず、その後どうなったかを読者の想像に任せる終わらせ方をしている。
それも読書の楽しみ方なのかもしれないが、そうした想像力に乏しい私としてはハッキリ書いてくれないとスッキリしない。
なので星は4つにさせてもらった。
収録編の中では、表題作の「屋烏」と巻末の「穴惑い」が特に良かった。
「屋烏」は幼かった弟を女手ひとつで育て上げ婚期を逸した姉が、今後どう生きるべきかを探る話、
「穴惑い」は新婚早々仇討ちの旅に出た藩士が、本懐を遂げて34年後に帰藩し諸々の処理に奔走する話。
内容も興味深く、いったいどのような終わり方をするのか、先が気になりどんどん読み進んで行ける。
短編だけに、「屋烏」では主人公・揺枝と弟や嫁との家族としての暮らしぶりなど細かい部分が描き切れていないように思える。
長編として読みたかった作品である。
2014年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文庫本かと思っていたら、届いた本は単行本で、狂喜乱舞。アマゾンって、なんて安いの!
優れた本が安価で入手できる日本は、本当に文化先進国です。古書を綺麗な状態で大切に流通してくれる古書店にも感謝!
優れた本が安価で入手できる日本は、本当に文化先進国です。古書を綺麗な状態で大切に流通してくれる古書店にも感謝!
2015年3月19日に日本でレビュー済み
素晴らしい短編集、一編、一編が興味深い内容で、飽きさせなく、読み込ませる。
2010年4月20日に日本でレビュー済み
5編のそれぞれ異なった武家の物語。
どの物語もなかなか味があって後味が爽やか。
特に「穴惑い」に関しては、展開にあっと言わされたところもあり、
特に印象に残りました。
シンプルな題に惹かれて何気に購入した作品ですが、
スッキリとしていて、心に響く作品いい作家に出会えました。
どの物語もなかなか味があって後味が爽やか。
特に「穴惑い」に関しては、展開にあっと言わされたところもあり、
特に印象に残りました。
シンプルな題に惹かれて何気に購入した作品ですが、
スッキリとしていて、心に響く作品いい作家に出会えました。
2005年3月28日に日本でレビュー済み
江戸後期の地方藩士達の人間模様を濃密に描いている。御家内部の暗闘に、下級武士が翻弄される。そんな中でも、彼らはなんとか義を通し情を重んじようと苦悩する。時には封建的な社会制度の矛盾に揺れる。
「禿松」の、最後の最後で確かに通い合う妻との信頼。「屋烏」の一途。「竹の春」の、遅咲きながら訪れた自立への覚醒。いずれも印象深い。さすが、どれを読んでもハズレなしの乙川作品である。
「禿松」の、最後の最後で確かに通い合う妻との信頼。「屋烏」の一途。「竹の春」の、遅咲きながら訪れた自立への覚醒。いずれも印象深い。さすが、どれを読んでもハズレなしの乙川作品である。