若輩者なので稚拙な文章ですみません。また、間違っていたら申し訳ない。
自分は昔から「英雄譚」としての歴史の見方を徹底的に否定した本は無いものだろうか、と探してきました。
そこで自分の大学の先生のお勧め本にこの本があり、色々あってアマゾンで再度購入し、腰を据えて読んでみました。
この本は平家物語史観を否定する、ということで、徹底的に一次資料の突き合せや遺物・出土品・遺跡の研究などから
のみ状況を追っています。しかも当時の武具から戦い方から城郭(砦)の実態から戦闘員と人夫の構成から御家人に
所領を与える社会制度の由来から最後は「征夷大将軍」の権威の創生についてまで、全部書いてます。
勿論過去の中世武士社会の研究者さんや、それ以前の研究も、全部引用されてます。この本読みゃ必要な物は残らず
押さえることができるでしょう。
源平合戦は時代が古いこと、武家社会の根源となったことなどから、本当に英雄譚としての捉え方が多く、実際にも国史に
大きな影響力を発揮してきました。しかし、私もそうですが、現代人の目から見て、そんなに武士は「非合理的」だったのか、
とおかしく感じてしまうような時代が到来し、改めて武士の「合理性」、利益追求行動について丁寧に追う必要が出てきました。
この本は、それを端的に、しかし正確に追求し、コンパクトにまとめてあります。面倒くさいので平たく言えば、何にでも使えます。
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源平合戦の虚像を剥ぐ (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 1996/4/10
川合 康
(著)
「平家物語史観」に修正を迫る気鋭の一冊!屍を乗り越えてすすむ坂東武者、文弱の平家の公達…。こうしたイメ-ジを打ち破り、「源平合戦」が最後まで予断を許さぬ「総力戦」であったことを鮮やかに論証。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1996/4/10
- ISBN-104062580721
- ISBN-13978-4062580724
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
屍を乗り越えてすすむ坂東武者と文弱の平家の公達という「平家物語史観」に修正をせまり、源平合戦の戦争の実態を復元。その上で中世民衆の動向や、内乱の歴史的所産としての鎌倉幕府の成立を解明。
著者について
1958年、三重県生まれ。神戸大学文学部卒業。同大大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京都立大学人文学部助教授。専攻は日本中世史。主な論文に、「治承・寿永の『戦争』と鎌倉幕府」(『日本史研究』344号)、「武家の天皇観」(『講座前近代の天皇』4巻)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1996/4/10)
- 発売日 : 1996/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 254ページ
- ISBN-10 : 4062580721
- ISBN-13 : 978-4062580724
- Amazon 売れ筋ランキング: - 793,429位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年4月6日に日本でレビュー済み
源平合戦というと、「鵯越」「那須与一」「八艘飛び」、そして義経の悲劇的な死、というのが真っ先に浮かぶ。
戦いの描写については脚色もかなりあるだろうことは承知しているだろうが、しかし源氏常に優勢で臆病な兵士が逃げ惑う、というイメージは強いだろう。
本書は、源平合戦の実相と、併せて中世初期日本の合戦の様子を、固定観念を覆しながら見せてくれる。
源平合戦で源氏優位、勝利は必然というのは後知恵であって、当時はどちらが勝つか不明な戦いであった。
そして、この戦いはこれまでにない規模のもので、合戦慣れしていない人までもが多数動員される総力戦状態であった。
忠誠も全く強くなく、勝ち馬にのるように源氏への鞍替えをするものも終盤には大勢現れた。
また、合戦の様子も大河ドラマのイメージとは大きく異なる。
当時日本にいた馬は(TVで見るような)サラブレッドではなく、ポニーサイズのもので、足もそれほど速くなく、ちょっとの距離しか走れなかった。
また、弓は十数メートルぐらいの距離でしか射れないので、かなり互いに接近しないといけなかった。
欧州討伐は、これまでいろいろと言われてきたが、筆者は対朝廷の自律性の議論を退ける。
代わりに唱えるのは、武家体制の秩序形成のための戦いだった、というものである。
目から鱗の指摘が多く、歴史の本を読む楽しさを久々に感じさせてくれた。
良書。
戦いの描写については脚色もかなりあるだろうことは承知しているだろうが、しかし源氏常に優勢で臆病な兵士が逃げ惑う、というイメージは強いだろう。
本書は、源平合戦の実相と、併せて中世初期日本の合戦の様子を、固定観念を覆しながら見せてくれる。
源平合戦で源氏優位、勝利は必然というのは後知恵であって、当時はどちらが勝つか不明な戦いであった。
そして、この戦いはこれまでにない規模のもので、合戦慣れしていない人までもが多数動員される総力戦状態であった。
忠誠も全く強くなく、勝ち馬にのるように源氏への鞍替えをするものも終盤には大勢現れた。
また、合戦の様子も大河ドラマのイメージとは大きく異なる。
当時日本にいた馬は(TVで見るような)サラブレッドではなく、ポニーサイズのもので、足もそれほど速くなく、ちょっとの距離しか走れなかった。
また、弓は十数メートルぐらいの距離でしか射れないので、かなり互いに接近しないといけなかった。
欧州討伐は、これまでいろいろと言われてきたが、筆者は対朝廷の自律性の議論を退ける。
代わりに唱えるのは、武家体制の秩序形成のための戦いだった、というものである。
目から鱗の指摘が多く、歴史の本を読む楽しさを久々に感じさせてくれた。
良書。
2016年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
目からウロコ、とまではいかないまでも、騎馬戦や城郭、戦闘方法など、いろんな角度から改めて源平時代の武将について迫っている。諸説紛々といった内容もあるが、本書の視点はこれはこれで納得のできるものである。ただ、現実的には当時もっと混乱状態だったような気もし、一面的には語れない部分も多そうである。
2010年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よい状態で届きました。表示どおりの状態でした。
この本は、実は図書館で借りて読んでしまったのですが、源平合戦の時代の馬は、ポニーぐらいの大きさだったとか、鎧甲をかぶった武士を乗せて走る距離は短く、歩兵がついていくことができるスピードだったとか、武士は貴族の中から専門職として発生してきたとか、目を開かれることが多く、手元に置いて、時々調べ物をするのに使いたいと思い、購入しました。
この本は、実は図書館で借りて読んでしまったのですが、源平合戦の時代の馬は、ポニーぐらいの大きさだったとか、鎧甲をかぶった武士を乗せて走る距離は短く、歩兵がついていくことができるスピードだったとか、武士は貴族の中から専門職として発生してきたとか、目を開かれることが多く、手元に置いて、時々調べ物をするのに使いたいと思い、購入しました。
2005年6月12日に日本でレビュー済み
源平合戦を古代勢力と中世的封建領主の戦いととらえ、後者の支配への移行を歴史的必然と捉える従来の「平家物語史観」に対し、新しい見方を提示するものです。
当時の武器とその使用技術、馬の体格、城郭、民衆動員、兵糧調達など戦闘の実状と当時の政治状況の二つの面から考察が行われ、鎌倉幕府の成立に関しての説明がなされます。合戦の状況の話は具体的で興味深いものです。また武士の装備や技術が元々は京都に起源を持つもので、従って平家は源氏よりもむしろ高い戦闘技術を持っていたという説明や、武士は暴力的な職能集団だったという見方は新鮮です。ただし、この部分は川合氏に先立つ研究があり、またこの本の合戦に関する考察は、続いて出版された「弓矢と刀剣―中世合戦の実像」(近藤 好和)や、「刀と首取り―戦国合戦異説」(鈴木真哉)などにも大きく影響を与えることになります。このようにして我々が何となく持っている先入観を覆しながら、次々と研究が進んで行く様子を追うのは楽しいものです。
当時の武器とその使用技術、馬の体格、城郭、民衆動員、兵糧調達など戦闘の実状と当時の政治状況の二つの面から考察が行われ、鎌倉幕府の成立に関しての説明がなされます。合戦の状況の話は具体的で興味深いものです。また武士の装備や技術が元々は京都に起源を持つもので、従って平家は源氏よりもむしろ高い戦闘技術を持っていたという説明や、武士は暴力的な職能集団だったという見方は新鮮です。ただし、この部分は川合氏に先立つ研究があり、またこの本の合戦に関する考察は、続いて出版された「弓矢と刀剣―中世合戦の実像」(近藤 好和)や、「刀と首取り―戦国合戦異説」(鈴木真哉)などにも大きく影響を与えることになります。このようにして我々が何となく持っている先入観を覆しながら、次々と研究が進んで行く様子を追うのは楽しいものです。
2008年3月3日に日本でレビュー済み
手近にあったので特に期待もせずに読んでみたら、とても面白い。内容もいいが、それ以上に記述の節度が快いのだと思う。こういう本は、余りに論拠をたくさん示されると読むのが煩わしくなってしまうし、また逆に何の資料も示されないと単なる著者の妄想かと白々しく感じてしまう。誠に読者というのは勝手なものであるが、その点、この本は資料と考察のバランスがよい。