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アースダイバー 東京の聖地 単行本(ソフトカバー) – 2017/12/27
2020年の東京オリンピックを錦の御旗に東京は大改造をされようとしています。レガシーを作ると言って、本物のレガシーを破壊していいのでしょうか?
築地市場の豊洲への移転が、決定しました。しかしアースダイバーは言っておきたいことがあります。なぜ、築地でなくてはならないのか? 日本人と海の関係、古代から連綿と続く、市場の特別な機能、江戸時代から紆余曲折を経て現代に繋がる歴史……。築地という場所が孕んでいる聖地性が見えてきます。仲卸の果たす重要な役割、博物館に匹敵する海産物に対する深い知の体系。効率だけを考えた豊洲市場への移転はこの国の文化の大切な暗黙知を消滅させてしまいます。
2014年には新国立競技場のデザインと費用について、大論争が巻き起こり、最終的にはザハ・ハディッド案は廃案に追い込まれました。
独創的なデザインの新国立競技場に、無意識的になんかおかしいぞと感じたのはなぜでしょうか? アースダイバー的視点から、その理由をあらためて解き明かしてみると、外苑と明治神宮との不可分な関係があったことに気づかされます。
アースダイバーの号外として、静かだが重要な提言をします。
【目次】
序文 聖地の条件
第一部 アースダイバー築地市場
はじめに 海と日本人
1 神々の空間
2 魚河岸の原型
3 江戸の魚河岸へ
4 日本橋から築地へ
5 築地--新しい魚河岸文化
地図1
東京の聖地1【写真】大森克己
《対談》 みんなの市場を目指して 伊東豊雄×中沢新一
第二部 アースダイバー明治神宮
はじめに 二つの森
1 森に包まれた神社
2 内苑-外苑の二部構成
コラム 日本の相撲
地図2
東京の聖地2【写真】大森克己
《対談》 B案の思想 伊東豊雄×中沢新一
謝辞
- 本の長さ226ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2017/12/27
- 寸法14.8 x 1.3 x 21 cm
- ISBN-104062209446
- ISBN-13978-4062209441
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
東京の遺産とは
中沢新一が提唱する「アースダイバー」は、縄文期(地質学では「第四紀」)の地図を現代の東京や大阪に重ねることで、古代からの地勢がそれぞれの街の成立にいかに深く関わっているか明らかにしてきた。
しかし今回、『アースダイバー 東京の聖地』で中沢が探索したのは、まだ歴史の浅い築地市場と明治神宮だった。なぜなら、それらが〈日本人の伝統的思考が凝縮されて表現されている〉場所であり、〈日本人の思考が「聖地」に見出してきた空間の構成原理が、ほとんど純粋な状態で実現されている〉からだと、中沢は序文に書いている。
では、築地市場において、古代から日本人が大切にしてきた「思考」と「空間的原理」とは何なのか?
アースダイバー中沢は、ここでいきなり弥生時代まで溯り、海洋性民族でもあった弥生人の魚貝類への執着にふれた上で、ヤマト王権下で誕生した魚河岸について推測する。その後は丁寧に歴史を追って魚貝市場とそこで働く人々の特長を分析し、仲買人ら市場の「中間機構」がどれほど重要な役割を果たしてきたか物語る。そして、関東大震災後に誕生した築地市場がその美点を重視して建造された史実を訴える。
明治神宮の場合は、その外苑の造営にこめられた日本人の思考を、前方後円墳の空間的な原理を例にあげて、また訴える。
中沢は、日本の伝統的創造性が発揮された築地市場が移転し、神宮外苑のもつ意味が忘れられている現状に強烈な危機感を抱き、この本を通して私たちに問うている。
真に次代に受け継ぐべき東京の遺産とは何なのか?
評者:長薗安浩
(週刊朝日 掲載)著者について
中沢新一(なかざわ・しんいち)
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、明治大学野生の科学研究所所長。思想家。
著書に『日本の大転換』『アースダイバー』、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)『森のバロック』(読売文学賞)『哲学の東北』(青土社、斎藤緑雨賞)など多数ある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2017/12/27)
- 発売日 : 2017/12/27
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 226ページ
- ISBN-10 : 4062209446
- ISBN-13 : 978-4062209441
- 寸法 : 14.8 x 1.3 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 320,338位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,115位マーケティング・セールス全般関連書籍
- - 6,461位その他のビジネス・経済関連書籍
- - 6,741位実践経営・リーダーシップ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、多摩美術大学芸術人類学研究所所長。思想家。著書に『チベットのモーツァルト』(サ ントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(伊藤整文学賞)など多数ある(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『カイエ・ソバージュ』(ISBN-10:4062159104)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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築地市場の特性が仲卸の存在によるとか、起源は大阪という説には驚かされる。
また身近にある明治神宮の内苑と外苑の関係も今まで思いもよらなかった視点である。
事実の当否については異論もあろうが、議論の進め方には流石に中沢新一と言うところがある。
施設となっていたとは思ってはいませんでした。
豊洲に移転し、使い辛い様子ながら、これから経過する中で、新たな歴史が生まれてくることに期待したい、
とりわけ日本文化は状態を上手く活かす力があります。
また、明治神宮内苑外苑も興味深い内容で興味深く読みました。場所選定ではおごそかな森林のある場所が
候補の大半占める中で、都心の駄々広いところに人工的な森林を作り上げ、それがしっかりと自然林に変容
して都心部に今では違和感なく存在していることに関係者の努力の成果に感服いたしました。
次の大阪編 神社編も楽しみたいと思っている次第です。
視点が違います。築地の成り立ちが良くわかりました。