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昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実 単行本 – 2017/3/16

5つ星のうち4.3 120

商品の説明

メディア掲載レビューほか

当局VS労組。国鉄民営化の裏で繰り広げられた熾烈な戦い

「富塚三夫」という名前を見て、即座にその顔を思い浮かべられる読者はまだ多いはずだ。日本最大の労働組合・総評(日本労働組合総評議会)の事務局長を長らくつとめた富塚のイメージは、重厚な労組官僚といったものであった。

その富塚が料亭での密談で、みずから土下座する場面が本書には出てくる。当時の肩書きは国労(国鉄〈日本国有鉄道〉労働組合)の部長。土下座の相手は国鉄当局の職員局長である。

「今後一切あなたのいうことを聞く」

と懇願する富塚を見おろして、局長は、

「富塚、お前(中略)徹底的にやろうじゃないか」

と啖呵(たんか)を切る。すると、富塚は顔色を変え、

「馬鹿にするな、俺は福島の水飲み百姓だ」

激昂して目の前の膳台を料理ごと引っくり返し、仁王立ちになるのである。

かつて流布していた労使の“馴れ合い"という見方は、この描写だけによっても一変しよう。「国鉄」が「JR」に変わる過程の水面下では、こんな熾烈(しれつ)なやりとりが繰り返され、攻守ところを変えながら、憎悪をつのらせていった。当局と労組の裏側でも、食うか食われるかの内紛が続いた。その一方、田中角栄と労組の重鎮が同郷の戦友で、始終ひそかに連絡を取り合っていたというのだから、話は一筋縄ではいかない。

私はつい、自民党・宏池会の事務局長をつとめた伊藤昌哉の『自民党戦国史』や、田中角栄の秘書だった早坂茂三の一連の著作を思い起こしたのだが、これらはいわば側近による回顧録であった。著者は違う。日本経済新聞の担当記者として両陣営に食い込み、地道な取材を重ねたアウトサイダーなのである。

国鉄の“分割・民営化"三十年目にあたる先ごろ出版されたこの大著には、中曽根康弘ら当事者への新たな取材も盛り込まれ、著者の言う「戦後最大級の政治経済事件」を日本のみならず世界の現代史に正確に位置づけようとする気概が滲(にじ)み出ている。分割・民営化の末、総評が解散した一九八九年(平成元年)にベルリンの壁が崩れ落ち、東西冷戦が終結したのは、決して偶然の一致ではない。

強大な労組の崩壊はまた、働く人々が分断され、裸同然のまま職場の寒風に晒(さら)される時代をもまねいた。

同業者としていえば、このテーマでの取材と執筆は困難を極めたはずで、複雑に入り組んだ人間関係や事の経緯(いきさつ)を、よくぞ読ませる物語(ストーリー)にまとめあげたものだと感嘆した。特に何らかの組織改革に直面している個人や集団にとっては、今後必読のテキストとなろう。

評者:野村進

(週刊文春 2017.04.27号掲載)

著者について

牧 久
ジャーナリスト。昭和16年(1941)、大分県生まれ。昭和39年(1964)早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、日本経済新聞社入社、東京本社編集局社会部に所属。サイゴン・シンガポール特派員、平成元年(1989)、東京・社会部長。その後代表取締役副社長を経て、テレビ大阪会長。著書に『サイゴンの火焔樹――もうひとつのベトナム戦争』、『「安南王国」の夢――ベトナム独立を支援した日本人』、『不屈の春雷――十河信二とその時代(上、下)』(すべてウェッジ)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社; 初版 (2017/3/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/3/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 522ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062205246
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062205245
  • 寸法 ‏ : ‎ 14 x 3.1 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
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「歴史は勝者がつくる」が「勝者は事実によって裁かれる」が如し
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「歴史は勝者がつくる」が「勝者は事実によって裁かれる」が如し
この本の9名の評価はほとんど絶賛され>力作>正史>名作などの熟語が使用されている。著者が元日経新聞記者という肩書きが信頼性にも加わって”正史”などという用語まで飛び出したのだろうこの本のキーワードは>経営計画室・・・・国鉄民営分割>秋山機関(経営計画室の秘密機関)・・・国鉄民営・非分割と思う。僕は前者の経営計画室に所属し国鉄最期まで分割民営の旗を振っていた。この関係で廃止された秋山機関の資料を読むことができた希少者でもある。いま思い出してもなかなかの内容であった。国会で国鉄分割民営化が決定し、秋山機関解散の際、作成した資料のすべてを廃棄作業もした。この経験を踏まえて、日経の元記者が作成した著書の多くは国鉄改革3人の備忘録をベースにした本を検証したみた僕がタイトルにした>「歴史は勝者がつくる」が「勝者は事実によって裁かれる」が如しの前段と後段の相関関係が>矛盾していることに読者は気付くことが評価に欠かせない前段の>「歴史は勝者がつくる」・・・世間では国鉄分割民営化は成功と称えられているが・・・実態は”大いなる失敗”だったと僕は思うつまり後段の>「勝者は事実によって裁かれる」ではなくて、国鉄改革3人組は敗者の可能性があるのです・・・もう少し正確に語ると>敗者は「国鉄改革3人組」とその神輿を担いだ「自由民主党政権」ということになりますあの2005.4.25-107名の死者を出したJR福知山線列車脱線でJR西日本の井手正敬さんら同社歴代3社長から受けた>改革当時の運輸大臣後の首相の橋本龍太郎さんは>「国鉄改革の設計ミスが」と呟いた逸話が国鉄改革が失敗であったを物語っている・・・「世界に冠たる安全と安定した日本国有鉄道」を分割・民営で国鉄最後の期間に急いだ施策は>近鉄など民鉄に勝つために旧国鉄車両の「スピードアップ」が容易になるよう準備をした>自動車の道路交通法に相当する国鉄鉄道運転取扱基準規程の条文の約2~3割が削除され、JRがフリードハンドで高速化の挑戦を可能にした>経営の足を引っ張る保安課は弱体化させ、旧国鉄のように安全問題で諫言するような人材は他部門に転出したなど・・・今年はJR30周年、上記を含めてJRの現状は>北海道、四国のJR各社は倒産直前の状態>建設する新幹線は需要予測では”単線新幹線”が適切だが、負担なしのJRは乱暴な提案をし、これに応えて国の鉄道族はジャブジャブ投資する>旧国鉄経営計画室では知っていた「在来線に並行して新幹線を開業させると在来線沿線は崩壊の危機に堕ちる・・・東海道新幹線の”線増”と違う>リニア中央新幹線も上記と同じ如し>JR東日本の幹部語る⇒”世界最大にJR東日本は組合指導で崩壊状態(組合による鉄道経営だと云う)・・・<総括>旧国鉄は安全・安定で世界の冠たる鉄道会社であったがJR会社の輸送は大混乱状態。国鉄と比較するとダイヤの乱れは約3倍にもなって大混乱(写真参照;出典NHK クローズアップ現代)つまりタイトル>「歴史は勝者がつくる」が「勝者は事実によって裁かれる」が如し勝者は本来は国鉄改革3人組であるはずだが、>橋本龍太郎さんが語る「設計ミス」からも”敗者”と僕は思うので>評価は☆一個です
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