実はかなり長い歴史のある、某「琵琶湖でやるコンテスト」をモチーフにした青春ラブコメ小説です。
身も蓋もない言い方をすると、
１．ものすごい自転車バカの主人公がいる（当然のように女性にもてない）。
２．ひょんなことから某コンテストに出場する飛行機体のパイロットにスカウトされる。
３．製作スタッフの女の子に一目ぼれする。
４．いろいろ起こる。
といったストーリーです。
もう、ほんと、ここ数年の青春エンタメ小説で類例の非常に多い作品傾向ですし・・・・・・、
「その範疇から一歩も踏み出していない」ことを、ここに報告しておきます。
少し恋愛のほうにウエイトがあるのかな、とは感じました。
といっても、ストーリーが深いわけではなく、「主人公が根暗じゃなくてわりとグイグイいく」「複数のカップル模様を描写している」といった点でしょうか。
そのせいで、なんだか恋愛部分がまとまりのないゴチャゴチャとしたものになっているように感じられました。
あと、素人考えですが、
「あのコンテストは、あれだけ長い歴史やノウハウがあるのに、どうしてもっと飛べる飛行機が出ないのか？」
みたいな疑問が、裏話としてわかりやすく解説・紹介されている、ということもないです。
恋愛ものでありがちな「想い人はサッカー部のエースだが作中でサッカーをしているシーンは一度もない」みたいな。
実際にコンテストはラストにやりますし、そこにいたる過程も挿入されているので言い過ぎにはなりますが、コンテストの描写や心構えはとってつけたようなものだと感じています。
いろいろ惜しい作品でした。
もう少し硬派に某コンテストの内情を描いてもよかったのでは？
イカロス・レポートというタイトルの意味は、読んでいて「言いえて妙」だと思います。
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