若者たち(といってもほぼ中年)が村おこしにアイデアを絞るという構想は珍しくはないが、年寄りまでよく書けていて実に面白かった。カメラを向けたとたんに、親切になったりサービス満点になったりする老人は、テレビ番組でも見かけるところであり、単純に革新対旧弊のステレオタイプに分けていないところがよい。
結構な騒動になりながらも、著者はそれぞれの立場を擁護して憎むべき悪人は登場させず、読後感は爽快でした。

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ロズウェルなんか知らない 単行本 – 2005/7/6
篠田 節子
(著)
俺たちがやるしかない! 過疎の町を救え!観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。町を再生することで、自らの生き方にも活路を見出そうとする青年クラブ奮闘。「日本の四次元地帯」として駒木野は再生する?
- 本の長さ502ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/7/6
- ISBN-104062130068
- ISBN-13978-4062130066
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/7/6)
- 発売日 : 2005/7/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 502ページ
- ISBN-10 : 4062130068
- ISBN-13 : 978-4062130066
- Amazon 売れ筋ランキング: - 919,982位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,380位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京都生まれ。東京学芸大学卒。1990年『絹の変容』で第三回小説すばる新人賞を受賞。97年『ゴサイタン―神の座―』で第十回山本周五郎賞を、『女たちのジハード』で第百十七回直木賞を受賞。2009年『仮想儀礼』で第二十二回柴田錬三郎賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 スターバト・マーテル (ISBN-13: 978-4334926977)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー

4 星
矛盾だらけの官僚による地方再生の失敗が滅びゆく地方に拍車をかける
村起こしの失敗から挫折そして復活の兆しまで日本の抱える地方再生をコミカルに描いた作品だ。安楽死の村と化した地方の町。嫁の来てもない青年団が考えたのが流星群観測ツアー。あいにく曇りで流星は見えなく町に宿泊した客からの感想は最悪だった。廃墟と化したスキー場で発見した遺跡をヒントにストーンサークル、四次元、UFOとアイデアを出し観光客を誘致するが新聞、雑誌などマスコミを通してインチキが暴かれる。有名になり過ぎた四次元地帯を再び再生したものとは。単純だが地方の悩める将来に鋭くメスを入れた作品だった。解説のロズウェル事件は非常に参考になった。一般文学通算1891作品目の感想。2017/06/14 20:45
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
青年たちがオカルトを利用した村おこしで奮闘するという内容ですが、主人公の行動も閉塞感のある村の状況、世間の反応などは、本当にありそうだなと思わせるほど真面目に描かれているのに、全体にコミカルな雰囲気が漂っていて最後まで楽しく一気に読めました。
特に終盤の主人公のお母ちゃんの啖呵は最高。
巻末には、と学会などでお馴染みの皆神龍太郎の解説があり、タイトルにある割に本編であまり説明のないロズウェルとはなにかについて補完していて面白いです。ただ、ラストのネタバレを書いています。後書きなどを先に読むタイプの人は要注意。
特に終盤の主人公のお母ちゃんの啖呵は最高。
巻末には、と学会などでお馴染みの皆神龍太郎の解説があり、タイトルにある割に本編であまり説明のないロズウェルとはなにかについて補完していて面白いです。ただ、ラストのネタバレを書いています。後書きなどを先に読むタイプの人は要注意。
2018年10月30日に日本でレビュー済み
その意気や、良し。的な
こういうのは「半端」じゃダメなんだよねえ。とことん行かないとw
楽しく読んだ
「地雷は戦車で踏め」に、とても同感。
こういうのは「半端」じゃダメなんだよねえ。とことん行かないとw
楽しく読んだ
「地雷は戦車で踏め」に、とても同感。
2017年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく笑える、ゾワゾワする、最後まで。偽物がついには本物になるという話。本家ロズウェルも同じだったのかな。作中の、こういう悪乗りし過ぎた観光施設、もっとできればいいのに、現実に。
2011年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村ごと「四次元ゾーン」遊園地にして町おこし。
今では同じ発想でいくつもの地域おこしが実際にスタートしている。
遊び心とおふざけのボーダーレス社会をユーモア小説に仕立てた。
素材への目の付け所がいい。
笑っちゃうけど笑えない。限界集落問題にも鋭く問いを突き付ける。
本家の「ロズウェル」自体が世界的規模の町おこしだったらしいというのは、本書の解説を読んで初めて知った。
一般人なんてこんなもの。駒木野の「青年」たちよ、胸を張れ。
今では同じ発想でいくつもの地域おこしが実際にスタートしている。
遊び心とおふざけのボーダーレス社会をユーモア小説に仕立てた。
素材への目の付け所がいい。
笑っちゃうけど笑えない。限界集落問題にも鋭く問いを突き付ける。
本家の「ロズウェル」自体が世界的規模の町おこしだったらしいというのは、本書の解説を読んで初めて知った。
一般人なんてこんなもの。駒木野の「青年」たちよ、胸を張れ。
2014年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ただただ面白かった。
テーマとしてはバカげたUFO騒動なのに、描き方も主人公の言動もいたってまじめなために子供っぽい作り話ではなくなり、
大人が楽しめるエンタメになっている。そしてまじめにバカをやるからこそ、かえっておかしみが増す。
この小説が面白いのは、きちんとした調査や取材を元に、偶然ではない論理的な原因でもって、筋の通ったストーリーを描いているからだと思う。
しかも住民らの反応がころころ変わるのも、人間的で面白いし、鏑木というトリックスターがまさにその役どおりに重要な役割を担っているのもいい。
これはトリックの謎解きがメインでもないし、殺人犯人を捜すミステリーでもない。
だから「最後の展開が読めた」という感想は、この作品の質にとってはハッキリ言ってどうでもいいことで、
そういう作品だけが小説だと思っている人にはお勧めしない。
テーマとしてはバカげたUFO騒動なのに、描き方も主人公の言動もいたってまじめなために子供っぽい作り話ではなくなり、
大人が楽しめるエンタメになっている。そしてまじめにバカをやるからこそ、かえっておかしみが増す。
この小説が面白いのは、きちんとした調査や取材を元に、偶然ではない論理的な原因でもって、筋の通ったストーリーを描いているからだと思う。
しかも住民らの反応がころころ変わるのも、人間的で面白いし、鏑木というトリックスターがまさにその役どおりに重要な役割を担っているのもいい。
これはトリックの謎解きがメインでもないし、殺人犯人を捜すミステリーでもない。
だから「最後の展開が読めた」という感想は、この作品の質にとってはハッキリ言ってどうでもいいことで、
そういう作品だけが小説だと思っている人にはお勧めしない。
2018年5月18日に日本でレビュー済み
題名からSF小説だと判断してはいけません。これは、地域興しにまつわるちょっとした冒険のお話です。殺人事件も起きません。
この作者の小説は、いつも何かの「戦い」が描かれています。今回の敵は、世間の常識とか、コミュニティ(村)の閉鎖性、世代の断絶といったものでしょうか。
色々と魅力的な人物が登場、交差します。様々なやり取りがあって、事件が起こり、最後は・・。もうひとひねりして欲しかったかな、このエンディング。でも平和な終わり方で読後感はいいです。
どうしても読んで欲しい、と思う本ではありませんが、時間があれば読んで損はない。そんな本です。
この作者の小説は、いつも何かの「戦い」が描かれています。今回の敵は、世間の常識とか、コミュニティ(村)の閉鎖性、世代の断絶といったものでしょうか。
色々と魅力的な人物が登場、交差します。様々なやり取りがあって、事件が起こり、最後は・・。もうひとひねりして欲しかったかな、このエンディング。でも平和な終わり方で読後感はいいです。
どうしても読んで欲しい、と思う本ではありませんが、時間があれば読んで損はない。そんな本です。
2006年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過疎の町を舞台にしたドタバタというふれこみに
かつてのベストセラー、井上ひさし「吉里吉里人」を
連想してしまいましたが、まったくの別物でした。
かつてはスキー場でなんとか過疎を食い止めていた
ある村の若者たちが、役場も敵に回して
ひょんなことから異星人伝説やアブダクションをネタに
村おこしをしてしまうという痛快な喜劇です。
日本の地方行政を強烈に皮肉って、
テンポのいい、群像劇に仕上げています。
主人公たちも、傍役たちも丁寧に書き込まれていて
最後まで飽きさせません。
最初はとんでもない村おこしだと馬鹿にしていた人たちが、
ひとたびマスコミに取り上げられると、
仕込んでもいないことをいきいきと語りだすところなんか
実に見事です。
映像化するなら、主人公の青年たちを
ユースケ・サンタマリアあたりで配役してもらいたいです。
かつてのベストセラー、井上ひさし「吉里吉里人」を
連想してしまいましたが、まったくの別物でした。
かつてはスキー場でなんとか過疎を食い止めていた
ある村の若者たちが、役場も敵に回して
ひょんなことから異星人伝説やアブダクションをネタに
村おこしをしてしまうという痛快な喜劇です。
日本の地方行政を強烈に皮肉って、
テンポのいい、群像劇に仕上げています。
主人公たちも、傍役たちも丁寧に書き込まれていて
最後まで飽きさせません。
最初はとんでもない村おこしだと馬鹿にしていた人たちが、
ひとたびマスコミに取り上げられると、
仕込んでもいないことをいきいきと語りだすところなんか
実に見事です。
映像化するなら、主人公の青年たちを
ユースケ・サンタマリアあたりで配役してもらいたいです。