戦後の混乱期運命に翻弄された、家族の、生き残った兄弟の物語。
たくさんのやんごとなき時代の波と状況で殺人という犯罪を犯した、次郎の慟哭が物語を包む。
そこに、妹が女優となって活躍し出すという運命を見事に両輪としてからませている。
どうなるかと固唾をのんで読み進めた。次郎の心理描写や昭和の世界観がリアルで読みごたえ抜群だった。
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火のみち (上) 単行本 – 2004/8/4
乃南 アサ
(著)
罪の、意味がわからない。
たった1人の妹を守るために、人を殺した男。心を焦がす、怒りと憎しみを、「土の冷たさ」だけが鎮めた。
時間が止まった刑務所の10年。自由。希望。命の実感。そのすべてを奪われ、赦されることもない男がたどる、壮絶な人生。
たった1人の妹を守るために、人を殺した男。心を焦がす、怒りと憎しみを、「土の冷たさ」だけが鎮めた。
時間が止まった刑務所の10年。自由。希望。命の実感。そのすべてを奪われ、赦されることもない男がたどる、壮絶な人生。
- 本の長さ362ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/8/4
- ISBN-104062125765
- ISBN-13978-4062125765
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
時間が止まった刑務所の10年。全てを奪われ、赦されることのない男がたどる壮絶な人生。『徳島新聞』等連載を改稿して単行本化。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/8/4)
- 発売日 : 2004/8/4
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 362ページ
- ISBN-10 : 4062125765
- ISBN-13 : 978-4062125765
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,423,668位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 112,599位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。1988年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。1996(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞。他に『ボクの町』『団欒』『風紋』『晩鐘』『鎖』『嗤う闇』『しゃぼん玉』『ウツボカズラの夢』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ニサッタ、ニサッタ』『犯意』(共著)、エッセイ集『いのちの王国』『ミャンマー』など著書多数。巧みな人物造形、心理描写が高く評価されている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年11月11日に日本でレビュー済み
犯した罪を乗り越え、後悔を封じ、周囲から否定の中で、自己実現しようとする主人公が、陥った世界を、是とするか、非とするか、迷う。
2009年1月31日に日本でレビュー済み
戦後の日本。
兄は妹を救うために殺人を犯した。
塀の中で自分を見失いそうになりながらも、焼き物の道を見つけた兄。
現実の世界でたった一人で懸命に生きる妹。
戦後の貧しい日本では、実際にこのような出来事はたくさんあったのでしょうね。
家族、そして兄妹の絆についても考えてしまいました。
下巻は、どんな風に展開されるのでしょう・・?
時代背景や焼き物についても詳しい描写があるので、焼き物を少しやった事のある私は、そんな部分も少々興味深かったです。
兄は妹を救うために殺人を犯した。
塀の中で自分を見失いそうになりながらも、焼き物の道を見つけた兄。
現実の世界でたった一人で懸命に生きる妹。
戦後の貧しい日本では、実際にこのような出来事はたくさんあったのでしょうね。
家族、そして兄妹の絆についても考えてしまいました。
下巻は、どんな風に展開されるのでしょう・・?
時代背景や焼き物についても詳しい描写があるので、焼き物を少しやった事のある私は、そんな部分も少々興味深かったです。
2004年9月25日に日本でレビュー済み
昭和で華々しく活躍した今は亡き作家有吉佐和子や松本清張など
昭和文学で描かれた焦燥感がこの作品には噎せ返る
昭和八年人殺しにより南部次郎は警察に逮捕される
まだ二十歳になったばかりの次郎には、
人殺しでか守るしかない環境と境遇だったのだ
親に先立れ、兄も亡くなり、残された兄弟では稼ぎに家を出た姉の替りに
次郎が兄弟を守るしかなかった
戦後の混乱の中で、頼るべき大人を持たない幼い兄弟が殺人に関わってしまう
この小説はこの事件と昭和の時代の流れが主流となる
日本が戦後の混乱から抜け出し成長してゆくなか
殺人を犯し、刑務所で10年の月日を過ごした次郎
次郎無き後1人で頑張った妹の君子
二人の人生が戦後の昭和と絡めて蠢く
人殺しを背負い、次郎が見出した生きる道・陶芸
自分の為に人殺しをした次郎を思い女優を目指す君子
この上巻は日本の世油ショックまでの二人を主に描かれている
戦後の混乱、家族の固い絆、60代以降の人には堪らない作品だと思う
昭和文学で描かれた焦燥感がこの作品には噎せ返る
昭和八年人殺しにより南部次郎は警察に逮捕される
まだ二十歳になったばかりの次郎には、
人殺しでか守るしかない環境と境遇だったのだ
親に先立れ、兄も亡くなり、残された兄弟では稼ぎに家を出た姉の替りに
次郎が兄弟を守るしかなかった
戦後の混乱の中で、頼るべき大人を持たない幼い兄弟が殺人に関わってしまう
この小説はこの事件と昭和の時代の流れが主流となる
日本が戦後の混乱から抜け出し成長してゆくなか
殺人を犯し、刑務所で10年の月日を過ごした次郎
次郎無き後1人で頑張った妹の君子
二人の人生が戦後の昭和と絡めて蠢く
人殺しを背負い、次郎が見出した生きる道・陶芸
自分の為に人殺しをした次郎を思い女優を目指す君子
この上巻は日本の世油ショックまでの二人を主に描かれている
戦後の混乱、家族の固い絆、60代以降の人には堪らない作品だと思う
2020年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
星をつけないとレビューできないので1つだけつけましたが。以前読んで面白かったが処分してしまい、最近陶芸にハマっている母に読ませたかったので購入しました。
中身を確認せず母に送りました(カバーは上巻と下巻だったので)
母から連絡があり、上下巻どちらも同じ内容だったよと。どういうこと?!と思い聞いたら上巻のカバーを外したら下巻の中身が入っていたと。ひどいです。とりあえず下巻だけ読んだ母はそれでも面白かったとのことですが返金対応か何か対応を願いたいです。
中身を確認せず母に送りました(カバーは上巻と下巻だったので)
母から連絡があり、上下巻どちらも同じ内容だったよと。どういうこと?!と思い聞いたら上巻のカバーを外したら下巻の中身が入っていたと。ひどいです。とりあえず下巻だけ読んだ母はそれでも面白かったとのことですが返金対応か何か対応を願いたいです。
2008年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作家の作品は本当に当たり外れの差が激しい。
妹を守るために人を殺して刑務所に入るところから話は進んでいくのだけれど、まず、自分が悪いことをしたとはまったく考えていない次郎が、何故守らなければいけない妹がいるのに殺人を犯した理由も何も言わずに裁判を終え刑務所に入るのかがわからない。
出所してからも陶芸に打ち込み陶芸家として成功していくのかと思えば、中国の青磁・汝窯に魅入られ生活費にさえ困るようになり、守らなければいけなかったはずの妹にお金を無心して当然という態度も気に入らない。
しっかりと最後まで「妹を守る」という考えを貫くのであれば少しは共感できたかもしれないが、下巻では次郎の自分勝手な行動ばかりが目につくし、主要な登場人物の誰にも共感できず次郎の死によって話が終わってしまった。
上下巻でけっこうなボリュームなので、そろそろ面白くなるか?と何度も期待する場面があったが、クスリと笑うところもホロリと泣けるところも何もなく淡々と話が進んでいき、最後はアッサリ終わって「ガッカリ」でした。
残念の一言。
妹を守るために人を殺して刑務所に入るところから話は進んでいくのだけれど、まず、自分が悪いことをしたとはまったく考えていない次郎が、何故守らなければいけない妹がいるのに殺人を犯した理由も何も言わずに裁判を終え刑務所に入るのかがわからない。
出所してからも陶芸に打ち込み陶芸家として成功していくのかと思えば、中国の青磁・汝窯に魅入られ生活費にさえ困るようになり、守らなければいけなかったはずの妹にお金を無心して当然という態度も気に入らない。
しっかりと最後まで「妹を守る」という考えを貫くのであれば少しは共感できたかもしれないが、下巻では次郎の自分勝手な行動ばかりが目につくし、主要な登場人物の誰にも共感できず次郎の死によって話が終わってしまった。
上下巻でけっこうなボリュームなので、そろそろ面白くなるか?と何度も期待する場面があったが、クスリと笑うところもホロリと泣けるところも何もなく淡々と話が進んでいき、最後はアッサリ終わって「ガッカリ」でした。
残念の一言。
2005年4月29日に日本でレビュー済み
備前焼の世界にいればもっと穏やかな暮らしができたかもしれない。だが次郎は古代中国の汝窯に魅せられる。弟や妹、一緒に仕事をする仲間からも遠ざかり、孤独の中に身を置く。次郎を立ち直らせた焼き物の世界が、今度は次郎を押しつぶそうとする。次郎には、自分が幸せだと感じたときがなかったのだろうか?届かぬものを追い求め続けた男の哀れさが胸にしみる。
2020年2月14日に日本でレビュー済み
満州で終戦を迎えた家族が、帰国。
苦しい人生を生き、這い上がろうとする。
這い上がれる人、這い上がれない人。
彼らがどうなるのか、はらはらしながら読みました。
途中まで。
著者は、汝窯(青磁)、に強い思い入れを感じたのでしょうか?
その話になって、”贋作”のショックに陥ってから、退屈で、ありきたりな話になってしまったと思いました。
残念な終盤だと思いました。
苦しい人生を生き、這い上がろうとする。
這い上がれる人、這い上がれない人。
彼らがどうなるのか、はらはらしながら読みました。
途中まで。
著者は、汝窯(青磁)、に強い思い入れを感じたのでしょうか?
その話になって、”贋作”のショックに陥ってから、退屈で、ありきたりな話になってしまったと思いました。
残念な終盤だと思いました。