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アンダ-グラウンド 単行本 – 1997/3/13
村上 春樹
(著)
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村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
迫真のノンフィクション、書き下ろし。
1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。
迫真のノンフィクション、書き下ろし。
1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。
- 本の長さ728ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1997/3/13
- 寸法14.3 x 2.5 x 19.4 cm
- ISBN-104062085755
- ISBN-13978-4062085755
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
1995年3月20日、それは何の変哲もない朝だった。変装した5人の男が、傘の先を奇妙な液体の入ったビニールに突き立てるまでは…。村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1997/3/13)
- 発売日 : 1997/3/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 728ページ
- ISBN-10 : 4062085755
- ISBN-13 : 978-4062085755
- 寸法 : 14.3 x 2.5 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 380,097位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 138位その他の事件・犯罪関連書籍
- - 271位事件一般関連書籍
- - 7,000位社会学概論
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事件の凶悪さへの理解が深まったと同時に、それぞれの全く異なる人生を垣間見て、人生の尊さをより一層考えさせられる内容でした。おすすめです。
2024年4月28日に日本でレビュー済み
「またこんなことがあっちゃいけない。それがいちばん大事なことです。だからこそ、みんなにこの事件のことを忘れないでいてもらいたい。僕がこうして語ったことが活字になって、少しでもあとまで残って、皆さんに覚えておいてもらうための役に立てばいいなと思います。それだけです」(本書P538より)
そういう意味では、村上春樹という作家によって本書がものされたことの意味は大きい。僕の読んだのが2015年発行の第40刷だから、今はもっと版を重ねているだろうし、これからも読み継がれていくに違いない。本書には62人のインタビューが掲載されている。その中でもとりわけ心を揺さぶられるのは、病院でリハビリをしている明石志津子さん(仮名)と、亡くなった和田栄二さんのご遺族の話ではないかと思う。
著者は、1995年の初めに起きた阪神大震災と地下鉄サリン事件についてこう記す。「それらはともに私たちの内部から――文字どおり足元の下の暗黒=地下(アンダーグラウンド)から――『悪夢』というかたちをとってどっと吹き出し、同時にまた、私たちの社会システムが内奥に包含していた矛盾と弱点とをおそろしいほど明確に浮き彫りにした」
あれから約30年。日本は東日本大震災を経験し、世界はコロナ禍を経験した。カタストロフという文脈では、これらも先の記述に当てはまるだろう。しかしオウム事件が特殊なのは、社会に適合できない多くの自我に与えられた「物語」によって悲劇が起きたことだ。そして私たちも「誰か(何か)に対して自我の一定の部分を差し出し、その代価としての『物語』を受け取ってはいないだろうか?」と著者は問いかける。
そういう意味では、村上春樹という作家によって本書がものされたことの意味は大きい。僕の読んだのが2015年発行の第40刷だから、今はもっと版を重ねているだろうし、これからも読み継がれていくに違いない。本書には62人のインタビューが掲載されている。その中でもとりわけ心を揺さぶられるのは、病院でリハビリをしている明石志津子さん(仮名)と、亡くなった和田栄二さんのご遺族の話ではないかと思う。
著者は、1995年の初めに起きた阪神大震災と地下鉄サリン事件についてこう記す。「それらはともに私たちの内部から――文字どおり足元の下の暗黒=地下(アンダーグラウンド)から――『悪夢』というかたちをとってどっと吹き出し、同時にまた、私たちの社会システムが内奥に包含していた矛盾と弱点とをおそろしいほど明確に浮き彫りにした」
あれから約30年。日本は東日本大震災を経験し、世界はコロナ禍を経験した。カタストロフという文脈では、これらも先の記述に当てはまるだろう。しかしオウム事件が特殊なのは、社会に適合できない多くの自我に与えられた「物語」によって悲劇が起きたことだ。そして私たちも「誰か(何か)に対して自我の一定の部分を差し出し、その代価としての『物語』を受け取ってはいないだろうか?」と著者は問いかける。
2024年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上春樹がこのような素晴らしいノンフィクション小説を書くとは思わなかった。彼の問題意識がよく分かった。
2024年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は平成6年生まれです。自分の出生数ヶ月後に阪神淡路大震災が、そしてこの地下鉄サリン事件が起きた事を、小学生だった頃に社会科の授業で知りました。それ以来、度々ネットで事件について検索しており、この本を知ったのもつい最近のことです。注文して自宅に届き、まず本の分厚さに驚きました。文庫本で700ページ超え、さらに本編は二段組構成の大ボリュームです。内容は、最初の方の証言を読んで私は率直な感想、とても怖い。と思いました。深夜に読んでいたせいもあるのでしょう。正直、大丈夫かな、最後まで読めるだろうかと思いました。しかし読み進めるごとに、リアルな現場の状況や居合わせた人々の背景に引き込まれてゆき、2週間以上かけて全て読み終わりました。たくさん印象に残った所があるのですが、事件に関係ないところでいうと、通勤の大変さですね。地下鉄を複雑にいくつも乗り継いでみえる人、遠方から片道2時間かけてみえる人、ぎゅうぎゅうに押し潰されそうになる満員電車での通勤…。また、被害に遭われた方の中には、何が起こったのか事態を把握しきれず、体の不調を感じながらもそのまま出勤したというケースも多かったようで、その事にも驚きました。そして、私だったらどうしただろうと考えました。いつものように地下鉄に乗って通勤していて、目の前で起きた事が化学テロだったなんて、すぐに判断できないですよね…。事件後、頭痛や気持ち悪さといった後遺症に悩まされている方の言葉に、ハッとした部分があります。自分を立て直すのは自分という発言です。理不尽な被害を被りながらも、気を強く持ち、前を向こうとする男性の言葉でした。ここに書きたいことはたくさんあるのですが、最後に。サリンの被害に遭われ、亡くなられた男性の遺族の方のインタビューです。涙なくしては読めません。もうすぐ娘さんが生まれる予定で、心待ちにしていた矢先とのことでした。娘さんの年齢は私と同じで、自分と重ね合わせながら読んでいました。本当に悲しく、辛いです。この本に出ている人々には、一人一人かけがえのない人生のドラマがあります。オウム真理教が引き起こした犯罪は、決して風化させてはなりません。この本は、これからも多くの人にずっと読み継がれて欲しいと思います。
2019年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待して読んだけど、普通に悲しみ、怒り、感動した。心に響いたけど、教団は不条理だけど、それ以上でも、以下でもない。著者は、営団地下鉄組織の指揮者を批判するけど、批判する気にはあまり、なれない。マスコミ批判には同意する。予期できなかった警察も批判されてしかるべき。
2024年3月25日に日本でレビュー済み
読んでみて驚愕した。小説家としての村上春樹しか知らなかったが、優れたジャーナリストとしての一面があったとは。巨大な犯罪事件に巻き込まれると人はどうなってしまうのか。特に精神医療関係者に読んでもらいたい。
2021年9月21日に日本でレビュー済み
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地下鉄サリン事件の被害者に村上春樹が行ったインタビューを書籍化したもの
物凄い労力を要した仕事だと思うし、かなり辛い思いをしながら出来上がったものだと思います
著者の努めて被害者のありのままを書こうとした姿勢にも共感できます
こうした本が出ることの社会的意義も感じ取ることができます
村上春樹が感じてしまったこの事件のやるせなさに私も心を揺さぶられました
でも、読んでてこっちも辛くなってくる上に、インタビューも膨大で、しかも淡々と語られるんです
私は半分くらいで挫折、ずっと飛ばして巻末だけ読みました
不真面目な人には向かないです
物凄い労力を要した仕事だと思うし、かなり辛い思いをしながら出来上がったものだと思います
著者の努めて被害者のありのままを書こうとした姿勢にも共感できます
こうした本が出ることの社会的意義も感じ取ることができます
村上春樹が感じてしまったこの事件のやるせなさに私も心を揺さぶられました
でも、読んでてこっちも辛くなってくる上に、インタビューも膨大で、しかも淡々と語られるんです
私は半分くらいで挫折、ずっと飛ばして巻末だけ読みました
不真面目な人には向かないです
2022年12月10日に日本でレビュー済み
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もう何十年と経ちますが、風化させてはいけない事件だと思います。
被害者の方がどういう思いでいたのかを知るのは必要だと思います。二度と同じような事件を繰り返さないために。
被害者の方がどういう思いでいたのかを知るのは必要だと思います。二度と同じような事件を繰り返さないために。