生前に子供と語らうことのなかった無口な医師だった父から、晩年にほぼ唯一聞かされた若かりし頃の思い出話を通し、残された息子である作者に、父との果たされ得ることのなかった「語らいの幻想」としての遊戯の場を与えられる構図。これがとても素晴らしい文学作品として成立している点に、最大の魅力がある。
作者は戦中派の世代であるが、もう少しばかり年少の「内向の世代」に属する後藤明生の文学作品にも状況は異なれども、共通の力学が働いている。
幻想は幻想として結論を導き出すことはならないが、国文学の感性とそのレトリックとを駆使し、幾重にも執拗に折れては再び繰り返されてゆく思念の道行、その行程の軌跡は、今では死者となってしまった存在との「あり得なかった対話」の代替行為として、読む者の胸を深くも静かに打つ。
謂わばここに云う「種田山頭火」なる「横しぐれ」のような朧気なものとは、作者の亡き父の別名でしかない。
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横しぐれ (講談社文芸文庫) 文庫 – 1989/12/26
丸谷 才一
(著)
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父と、黒川先生とが、あの日道後の茶店で行き会った、酒飲みの乞食坊主は、山頭火だったのではなかろうか。横しぐれ、たった1つのその言葉に感嘆して、不意に雨中に出て行ったその男を追跡しているうちに、父の、家族の、「わたし」の、思いがけない過去の姿が立ち現れてくる。小説的趣向を存分にこらした名篇「横しぐれ」ほか、丸谷才一独特の世界を展開した短篇3作を収録。
- ISBN-104061960652
- ISBN-13978-4061960657
- 出版社講談社
- 発売日1989/12/26
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.1 x 14.8 cm
- 本の長さ314ページ
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1989/12/26)
- 発売日 : 1989/12/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 314ページ
- ISBN-10 : 4061960652
- ISBN-13 : 978-4061960657
- 寸法 : 10.8 x 1.1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 352,215位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1925(大正14)年、山形県鶴岡市生れ。東京大学英文科卒。1957年『笹まくら』で河出文化賞、1968年「年の残り」で芥川賞受賞。その後、小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞評論・伝記部門) 『忠臣藏とは何か』(野間文芸賞)「樹影譚」(川端康成賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞、朝日賞)等、多くの著作がある。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 人間的なアルファベット (ISBN-13: 978-4062160995)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月6日に日本でレビュー済み
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丸谷さんの最高傑作という評価もある『横しぐれ』。主人公の父親が旅先で出会った僧が俳人・種田山頭火だったかもしれない、という回想から著者ならではの世界が展開されます。
2006年3月14日に日本でレビュー済み
「横しぐれ」は導入部から話に引き込まれる。年老いた父が、自分の生まれる前の思い出話を嬉々として語る。“働きづめに働くだけで思ひ出話など滅多にしなかった人の、かういふ変わり方は恐ろしい”。確かに!その思い出話の語り口がまた怖い。「猥談もうまくてね、あいつ」。父の口から“猥談”なんてフレーズを聞いた主人公は、父の死期が近いのを悟る。やっぱ、父親という役どころでしか捉えてなかった人が、突然自分の知らない面をさらけ出すってのは怖い。そして思ったとおり、間もなく父は死ぬ。
そうやって滑り出す「横しぐれ」は、父がその昔、旅先で出会った坊主が実は山頭火だったんじゃないかって思い付きを、文献や、父の知人の証言から推論していくって構成になっている。ここら辺の丹念に仕掛けの施された文学的たくらみ、知的エンタメぶりが丸谷文学の真骨頂だろう。推論を重ねていくうちに、どうも山頭火説は怪しくなっていくんだけど、反証が出てくるたびに“親孝行のつもりで”、山頭火説を無理やり頭の中でこじつける主人公が可笑しい。父が会ったのは山頭火じゃなくて木村無相って別の放浪僧かもしんないってとこで、木村無相の資料がちっとも見つかんないって壁にぶつかるんだけど、試しにGoogleで引っ掛けたら「木村無相」で152件もヒットして、この主人公と同じ推論をネットを使ってアプローチしてみるのも面白いな、なんて思った。
ところでこの話、“父が会ったのは山頭火説”を追っかけてくうちに、父の秘められた過去を知るはめになってしまうのである。読み返すと導入部は暗示的。
一緒に収められてる「中年」って短編も、兄弟や夫婦の“他人性”みたいなことが語られていている。当たり前に思ってた関係がひょんなきっかけで様相を変えるってのは怖いけど、常にメタ的な視点で関係性を捉えるのは大事なことだなぁって丸谷作品を読むと思う。
そうやって滑り出す「横しぐれ」は、父がその昔、旅先で出会った坊主が実は山頭火だったんじゃないかって思い付きを、文献や、父の知人の証言から推論していくって構成になっている。ここら辺の丹念に仕掛けの施された文学的たくらみ、知的エンタメぶりが丸谷文学の真骨頂だろう。推論を重ねていくうちに、どうも山頭火説は怪しくなっていくんだけど、反証が出てくるたびに“親孝行のつもりで”、山頭火説を無理やり頭の中でこじつける主人公が可笑しい。父が会ったのは山頭火じゃなくて木村無相って別の放浪僧かもしんないってとこで、木村無相の資料がちっとも見つかんないって壁にぶつかるんだけど、試しにGoogleで引っ掛けたら「木村無相」で152件もヒットして、この主人公と同じ推論をネットを使ってアプローチしてみるのも面白いな、なんて思った。
ところでこの話、“父が会ったのは山頭火説”を追っかけてくうちに、父の秘められた過去を知るはめになってしまうのである。読み返すと導入部は暗示的。
一緒に収められてる「中年」って短編も、兄弟や夫婦の“他人性”みたいなことが語られていている。当たり前に思ってた関係がひょんなきっかけで様相を変えるってのは怖いけど、常にメタ的な視点で関係性を捉えるのは大事なことだなぁって丸谷作品を読むと思う。
2020年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山頭火のしぐれの解釈を推し量りながら自身の過去も明かされていくのは秀逸ですね。
2018年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丸谷才一の結構若い時の作品です。
好きです。
内容は完全な純文学なのですが、ストーリー仕立てがミステリーになっているところがゾクゾクしますね。
あと種田山頭火に興味のある方にも是非お勧めします。
読んで損はない忘れられた1冊です。
好きです。
内容は完全な純文学なのですが、ストーリー仕立てがミステリーになっているところがゾクゾクしますね。
あと種田山頭火に興味のある方にも是非お勧めします。
読んで損はない忘れられた1冊です。
2021年8月21日に日本でレビュー済み
『横しぐれ』(丸谷才一著、講談社文芸文庫)は、次々と謎が生じる文学的推理小説といったら、人々はどのような作品を思い浮かべるだろうか。
今は亡き父が実に嬉しそうに語った一つの思い出話が、謎の発端である。
「病中の父がいかにもなつかしさうに語つたのは松山での出来事であつた。道後の茶店で休んでゐると、居合せた坊主に馴れ馴れしく話しかけられ、そのうち三人で酒を飲みだして、結局すつかりこちらで持つことになつたといふのである。『たかられたの?』。『まあ、早く言へばさうなる』と父は微笑して、『ちびりちびりと、よく飲む奴でね。坊主と言つても、てくてく歩いて廻る乞食坊主だが、しかし話が上手だつたな。おもしろい話をたてつづけに、あんなにたくさん聞いたことはなかつた。将棋さしの手拭の話なんか、腹をかかへて笑つた』。そして思ひ出し笑ひをしながら、その手拭の話は紹介せずに、『猥談もうまくてね、あいつ』」。
「『三時間くらゐ飲んだんぢやないか。もつとかもしれない。おれよりずつと年寄りなくせに、むやみに酒が強い坊主だつた。何しろ、きりがなくて』。『黒川先生も好きだから』。『うん。でも、とうとうおしまひに、二人が喧嘩をはじめたんだ。それでお開きになつた。喧嘩といつたつて、言ひ争ひだが』。『何のことで?』。『坊主がシナ事変万歳みたいなことを言つたもんだから、黒川が怒つてね。あいつは戦争ぎらひだから』」。戦争の始まるちょっと前に、古風な産婦人科の町医者の父が、親しくしていた官立の高等学校の国語の教授の黒川先生に誘われて、先生の郷里を訪れた時の話である。
「『それで、どうなつた?』。『天気が悪くなつてね。それでまあ、何となく終りになつた。坊主が出て行つたんだ、雨のなかを』。『勘定は払はないで?』。『うん、すたすた行つてしまつた』。『お父さんと先生は雨宿り?』。『それはさうさ』。「それぢや払ふしかないよね』。『うん』。わたしは笑つたが、父は笑つたかどうか、はつきりした記憶はない」。
父の通夜の時、わたしは黒川先生に四国旅行のことを訊ねる。「『急にお天気が崩れましてね。雨まじりの風と言ふか、横なぐりの時雨と言ふか。その時雨を見てわたしが横しぐれだとつぶやいたら、坊主がえらく感心して・・・』。『風流な坊さんですね』。『しきりにうなづいてゐましたよ。まさにその通りですな、とか、それでいいわけですな、とか、何度もくりかへして』。『なるほど、横しぐれ。きれいな言葉ですものね』」。
父の死後、五、六年経った頃、当時、ある女子大学の国文学の助教授だったわたしは、種田山頭火の<うしろ姿のしぐれてゆくか>という自由律俳句に出会い、父たちが出会った乞食坊主は最晩年の山頭火ではないかという思いに囚われる。
これ以降、わたしの「父たちが出会った乞食坊主=山頭火」仮説を証明しようという、異常と言っても過言でないほどの証拠捜しが延々と続けられる。
この証拠捜しの経過は、著者・丸谷才一の文学に関する知識が総動員されていて非常に読み応えがあるが、ここには一々記さない。
高校学校で地学を教えてもらった八木沼先生に、碁会所で偶然出会い、わたしは先生から驚くべきことを聞かされるのである。「これだけ衝撃の強い話を聞いた以上、家に帰つてもすぐに仕事ができるものではなかつた。わたしは机に向つてやたらに煙草をふかしながらあれこれと考へつづけた。たとへば、親孝行のつもりで冗談半分にはじめた謎とき、ないし推理の遊びが、結局、父の秘密をあばくかたちになつたのはどうもをかしな話だ・・・」。
本作品を一気に読み終わって感じたことが、3つある。
1つ目は、山頭火に対する、何とも言えない親近感。
2つ目は、丸谷の国文学に関する豊饒な知識に対する畏怖の念。
3つ目は、入念に幾重にも張り巡らされた小説技法を存分に味わえたという充実感。
今は亡き父が実に嬉しそうに語った一つの思い出話が、謎の発端である。
「病中の父がいかにもなつかしさうに語つたのは松山での出来事であつた。道後の茶店で休んでゐると、居合せた坊主に馴れ馴れしく話しかけられ、そのうち三人で酒を飲みだして、結局すつかりこちらで持つことになつたといふのである。『たかられたの?』。『まあ、早く言へばさうなる』と父は微笑して、『ちびりちびりと、よく飲む奴でね。坊主と言つても、てくてく歩いて廻る乞食坊主だが、しかし話が上手だつたな。おもしろい話をたてつづけに、あんなにたくさん聞いたことはなかつた。将棋さしの手拭の話なんか、腹をかかへて笑つた』。そして思ひ出し笑ひをしながら、その手拭の話は紹介せずに、『猥談もうまくてね、あいつ』」。
「『三時間くらゐ飲んだんぢやないか。もつとかもしれない。おれよりずつと年寄りなくせに、むやみに酒が強い坊主だつた。何しろ、きりがなくて』。『黒川先生も好きだから』。『うん。でも、とうとうおしまひに、二人が喧嘩をはじめたんだ。それでお開きになつた。喧嘩といつたつて、言ひ争ひだが』。『何のことで?』。『坊主がシナ事変万歳みたいなことを言つたもんだから、黒川が怒つてね。あいつは戦争ぎらひだから』」。戦争の始まるちょっと前に、古風な産婦人科の町医者の父が、親しくしていた官立の高等学校の国語の教授の黒川先生に誘われて、先生の郷里を訪れた時の話である。
「『それで、どうなつた?』。『天気が悪くなつてね。それでまあ、何となく終りになつた。坊主が出て行つたんだ、雨のなかを』。『勘定は払はないで?』。『うん、すたすた行つてしまつた』。『お父さんと先生は雨宿り?』。『それはさうさ』。「それぢや払ふしかないよね』。『うん』。わたしは笑つたが、父は笑つたかどうか、はつきりした記憶はない」。
父の通夜の時、わたしは黒川先生に四国旅行のことを訊ねる。「『急にお天気が崩れましてね。雨まじりの風と言ふか、横なぐりの時雨と言ふか。その時雨を見てわたしが横しぐれだとつぶやいたら、坊主がえらく感心して・・・』。『風流な坊さんですね』。『しきりにうなづいてゐましたよ。まさにその通りですな、とか、それでいいわけですな、とか、何度もくりかへして』。『なるほど、横しぐれ。きれいな言葉ですものね』」。
父の死後、五、六年経った頃、当時、ある女子大学の国文学の助教授だったわたしは、種田山頭火の<うしろ姿のしぐれてゆくか>という自由律俳句に出会い、父たちが出会った乞食坊主は最晩年の山頭火ではないかという思いに囚われる。
これ以降、わたしの「父たちが出会った乞食坊主=山頭火」仮説を証明しようという、異常と言っても過言でないほどの証拠捜しが延々と続けられる。
この証拠捜しの経過は、著者・丸谷才一の文学に関する知識が総動員されていて非常に読み応えがあるが、ここには一々記さない。
高校学校で地学を教えてもらった八木沼先生に、碁会所で偶然出会い、わたしは先生から驚くべきことを聞かされるのである。「これだけ衝撃の強い話を聞いた以上、家に帰つてもすぐに仕事ができるものではなかつた。わたしは机に向つてやたらに煙草をふかしながらあれこれと考へつづけた。たとへば、親孝行のつもりで冗談半分にはじめた謎とき、ないし推理の遊びが、結局、父の秘密をあばくかたちになつたのはどうもをかしな話だ・・・」。
本作品を一気に読み終わって感じたことが、3つある。
1つ目は、山頭火に対する、何とも言えない親近感。
2つ目は、丸谷の国文学に関する豊饒な知識に対する畏怖の念。
3つ目は、入念に幾重にも張り巡らされた小説技法を存分に味わえたという充実感。
2014年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小谷野さんのブログを見て買って読みました。ほんと凄い小説で、驚きました。三浦雅士の有名な評論本(あえて名を秘す)では「樹影譚」の方が紹介されてましたが、こっちの方が怖いですね。
2022年4月29日に日本でレビュー済み
何をおもったか丸谷才一の『横しぐれ』を読了。
文学を読みとくとは、こういうことなのか。
途中、俳句の因数分解のような記述があった。
とすると、「横しぐれ」をそれだけで自由句というのか!
文学を読みとくとは、こういうことなのか。
途中、俳句の因数分解のような記述があった。
とすると、「横しぐれ」をそれだけで自由句というのか!