ふと気がつけばウォレスは過去の記憶が無いまま閲覧者が訪れることがない最果ての図書館の館長として、
ウォレスとは必要最低限の接触しかしない家事全般を担うメイドのリィリ、蔵書の仕入と管理を担い、
彼等もまたウォレスとは一定の距離を取る、見た目が子どもの図画工作の絵のような風貌をした魔物たち
とともに暮らしていた。ウォレスが手を替え品を替え自分は何者で、どこから来たのかを彼等に訊いても
要領を得ないため悶々とした日々を送っていたある日、屋根裏部屋で鏡を見つけたウォレスは鏡に映り込んだ、
はじまりの町に住むという少女・ルチアと邂逅する――というストーリーが描かれた連作短編。
『旅立たせる物語』
ウォレスはルチアと毎日のように同じ時間に鏡越しの会話を楽しんでいたある日、魔王の影響ではじまりの町
西側にある森に住む魔物たちが活性化し、困った町の人々は神託を受け、東から来たという二人の男の子と
女の子が勇者と魔導師として運命を託されるが、虫も殺せぬような勇者に町は肯定派と否定派の真っ二つに
分かれてしまい、肯定派の強硬的な考えを持つ者たちが魔導師の女の子を拉致して無理矢理男の子を戦いに
向かわせようという流れになってきたため、ルチアはウォレスに知恵を求める――というストーリー。
離れた場所に住む二人の少年少女が鏡越しにトラブルシューティングを図る話であるということを読者に
理解させる話であることが理解できる。また、間接的に登場する勇者と魔導師が今後、何らかの形で
かかわっていくことが示唆されているのが分かる。
『籠の中の物語』
勇者と魔導師が旅立ったあと、ルチアは仲良しの小鳥ピートに彼等を追わせ、遺跡の町フェルゼンに
滞在する彼等が、本来遺跡を守っていたゴーレムの凶暴化に手を焼いていたことを知る。ウォレスは蔵書で
知ったゴーレムの止め方をルチアに教え、その方法を記したメッセージを伝書鳩よろしくピートに託し、
フェルゼンにいる勇者と魔導師に伝える。ルチアはまた、勇者たちに渡したお守りと同じものをピートに
託してウォレスに届けようとするが、はじまりの町との距離にウォレスはそれを断る。
時を同じくして図書館には羽を痛めた鳥が飛来しウォレスはリィリに面倒を見るよう命じる。そして滅多に
来客が訪れない図書館に馬とともにアランと名乗る行き倒れの商人があらわれ、何か図書館の備品を
買い取らせて欲しいと提案するが――がこの章のストーリー。
本章のタイトルにある『籠』とは、ウォレスが保護した野鳥に使った鳥籠のみならず、図書館の中にいる
ウォレスとはじまりの町から出ることができないルチアのことを暗喩させていることが分かるとともに、
野鳥と商人・アランの来訪がどのような影響を及ぼすことになるのか、一方ルチアが小鳥のピートに
追わせている勇者と魔導師の少年少女がどのような形でかかわっていくのかという謎と期待感を読者に
うまく抱かせているのが分かる。
『勇者のための物語』
ルチアによれば小鳥のピートはザリア地方に入ったところで勇者と魔導師の少年少女を追えなくなっていた。
一方、図書館には魔法船(おそらく空中を飛ぶ船のことだろう)が不時着し、中からあらわれたのは勇者と
魔導師の少年少女だった――が本章序盤のあらすじ。
図書館の地下深い空間の『緩衝地帯』を守るケルベロス(サーベラスとも)との対峙を通じ、魔王城の
近くにありながら中立ゆえに魔王による攻撃を受けることのない図書館は逆に言えば勇者と魔導師の
少年少女たちにも与しないという一貫性、勇者は正義(『公共の福祉』という言い方をしても良いだろう)の
名の下にすべてを犠牲にして利己的な願い(ここでは声を発することができない魔導師の少女を何とかする)を
捨てる必要があるのかという問いをかけていることが分かる。
また、勇者が入手することとなる『光の勇者』の剣がなぜ図書館の地下に眠っていたのかという新たな謎を
提示している。
『探す物語』
勇者と魔導師によって蔵書以外の金目のものを持ち去られるも、唯一開けられることがなかった宝箱を
ウォレスが開けると中から飛び出してきたのは自分が館長になる前、以前の館長によって宝箱に
閉じ込められた本の魔物だった。しかも本の魔物が口を滑らせたことによってこの図書館には前任者の
館長がいたことそしてウォレスが館長になる以前の情報は魔物たちによって意図的に隠されていたことを知る。
一方、はじまりの町から小鳥のピートがたどり着き、ウォレスとルチアは互いに実在しているということを
確認する。ルチアとの会話を通じ、自身が把握していない本があるのなら、その本に自身の過去が記されて
いるのではというヒントを得たウォレスは何日もかけて広大な館内を探し始めるが――というストーリー。
RPGでは勇者はよく他人の家や城、ダンジョンなどに潜り込んでは宝箱を開けて中のものを頂いていったり、
レベルを上げるという目的や、欲しい装備の代金を稼ぐために魔王とは関係ない魔物を倒す
(自分はこれを『バイト』と呼んでいた)といった行為をリアルでやられるというのはこういうことなのだなと
いうことが理解できる。(もう一つのあるあるとしては、モンスターを倒すと得られる現金はおそらく勇者が
手負いのモンスターからカツアゲし、勇者が『オラジャンプしろよ! チャリンチャリンいってんじゃねぇか
ゴルァ!』みたいな言葉を発したであろうと推察できるがそれはまた別の話)
『昔の物語と今の物語』
明らかになる光の勇者の物語の真相、はじまりの町と最果ての図書館が鏡で繋げられていた理由、
リィリの正体とウォレスの過去――といった明示されていた、あるいは密かに提示されていた複数の伏線が
一気に回収されるとともに、それとなく読み手のミスリードを誘っていたということが分かると同時に
書き手はスケープゴートとして追い込まれた人は修羅となる、歴史は勝者の都合の良いように書き換えられる、
すべてを救おうとしても結局誰も救うことはできない。優先順位を決めろという教訓を示唆している。
総じて本作は計算し尽くされており、一見するとまったく異なる話に見える連作短編が最後に一つの物語に
まとまっていく姿は壮観ですらある。
本作は『リベリオ・マキナ ―《白檀式》水無月の再起動―』と並ぶ第25回電撃小説大賞銀賞受賞作品であり、
二つの銀賞がAmazon Vineの対象となっているが、これには何の意図があるのだろう。
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鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王 (電撃文庫) 文庫 – 2019/2/9
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これは勇者と魔王の決戦を陰で支えた人々の《誰にも語り継がれないお伽噺》
第25回電撃小説大賞《銀賞》受賞作!
空間が意思と魔力を持ち、様々な魔物が息づく世界・パライナの北端に、誰も訪れない《最果て図書館》はあった。
記憶のない館長ウォレスは、鏡越しに《はじまりの町》の少女ルチアと出会い「勇者様の魔王討伐を手伝いたい」という彼女に知恵を貸すことに。
中立を貫く図書館にあって魔王討伐はどこか他人事のウォレスだったが、自らの記憶がその鍵になると知り……
臆病で優しすぎる少女。感情が欠落したメイド。意図せず世界を託された勇者。
彼らとの絆を信じたウォレスもまた、決戦の地へと赴く――
これは、人知れず世界を守った人々のどこか寂しく、どこまでも優しい【語り継がれることのないお伽噺】
第25回電撃小説大賞《銀賞》受賞作!
空間が意思と魔力を持ち、様々な魔物が息づく世界・パライナの北端に、誰も訪れない《最果て図書館》はあった。
記憶のない館長ウォレスは、鏡越しに《はじまりの町》の少女ルチアと出会い「勇者様の魔王討伐を手伝いたい」という彼女に知恵を貸すことに。
中立を貫く図書館にあって魔王討伐はどこか他人事のウォレスだったが、自らの記憶がその鍵になると知り……
臆病で優しすぎる少女。感情が欠落したメイド。意図せず世界を託された勇者。
彼らとの絆を信じたウォレスもまた、決戦の地へと赴く――
これは、人知れず世界を守った人々のどこか寂しく、どこまでも優しい【語り継がれることのないお伽噺】
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2019/2/9
- 寸法10.7 x 1.6 x 15 cm
- ISBN-104049123355
- ISBN-13978-4049123357
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商品の説明
著者について
●冬月いろり:冬月いろり:第25回電撃小説大賞《銀賞》受賞。本作でデビュー
●Namie:「Fate/Grand Order」等で活躍する人気イラストレーター
●Namie:「Fate/Grand Order」等で活躍する人気イラストレーター
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2019/2/9)
- 発売日 : 2019/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4049123355
- ISBN-13 : 978-4049123357
- 寸法 : 10.7 x 1.6 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 899,430位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年2月16日に日本でレビュー済み
「最果て図書館」と「魔王VS勇者」の物語。
語られてきた「光の勇者」の正体をあかし、
世界に平穏を取り戻すストーリー。
最果て図書館長ウォレスとはじまりの町のルチアの冒険。
登場人物が少ないのでスれている読者には読めてしまう王道展開。
ただ、王道というものは王道展開のカタルシスを持っている。
女性作家ならではのドリーミーさは感じる。
女性や生き物に厳しすぎない図書館館長や勇者などはそれ。
女性読者受けしそうな作風なので、
対象読者層が絞れたら、もっと逆ハーレムに振り切るのかもしれない。
表紙挿絵イラストレーターも作家と同じで、ラノベデビュー作らしく、
作家ともども初々しさとデビュー作の熱量を感じさせる。
本作は本作として完結しているので、シリーズものになりそうな伏線はあるものの、
一冊でも単体で楽しめるようになっている。
物語の「語り」の部分に力が入っている。
ラノベ・ジャンルである性質上、会話劇にはなっているけれど、
地の文の語りをとても気にかけた作家。
あとがきに触れられているように、神話や民話のような世界観、
ファンタジー小説の朴訥とした読後感を目指しているよう。
現代人の「転生もの」でないことも一因だと思うが、
語り口を現代人のそれに近づけていないことも、素朴さにつながっている。
登場人物は少ないものの世界観はわりとしっかりしている。
物語の都合上か、登場する地域間の移動があまりに簡単に思えるのは、
なにかの仕掛けでないなら少しコンパクトすぎる。
表現や文法的に難がある表現が修正されていないことが気になる。
それは作者の問題でもあるけれど、編集者の怠慢かなと思う。
校正者でもないので、ひとつひとつ上げて指摘するのは控えるが、
ネガティブ表現を肯定的に利用していたりするのが散見される。
若い作家のデビュー作であるので寛く大きな目で受け止めるべき。
もっともっと自分なりの良さを見つけてほしい。
語られてきた「光の勇者」の正体をあかし、
世界に平穏を取り戻すストーリー。
最果て図書館長ウォレスとはじまりの町のルチアの冒険。
登場人物が少ないのでスれている読者には読めてしまう王道展開。
ただ、王道というものは王道展開のカタルシスを持っている。
女性作家ならではのドリーミーさは感じる。
女性や生き物に厳しすぎない図書館館長や勇者などはそれ。
女性読者受けしそうな作風なので、
対象読者層が絞れたら、もっと逆ハーレムに振り切るのかもしれない。
表紙挿絵イラストレーターも作家と同じで、ラノベデビュー作らしく、
作家ともども初々しさとデビュー作の熱量を感じさせる。
本作は本作として完結しているので、シリーズものになりそうな伏線はあるものの、
一冊でも単体で楽しめるようになっている。
物語の「語り」の部分に力が入っている。
ラノベ・ジャンルである性質上、会話劇にはなっているけれど、
地の文の語りをとても気にかけた作家。
あとがきに触れられているように、神話や民話のような世界観、
ファンタジー小説の朴訥とした読後感を目指しているよう。
現代人の「転生もの」でないことも一因だと思うが、
語り口を現代人のそれに近づけていないことも、素朴さにつながっている。
登場人物は少ないものの世界観はわりとしっかりしている。
物語の都合上か、登場する地域間の移動があまりに簡単に思えるのは、
なにかの仕掛けでないなら少しコンパクトすぎる。
表現や文法的に難がある表現が修正されていないことが気になる。
それは作者の問題でもあるけれど、編集者の怠慢かなと思う。
校正者でもないので、ひとつひとつ上げて指摘するのは控えるが、
ネガティブ表現を肯定的に利用していたりするのが散見される。
若い作家のデビュー作であるので寛く大きな目で受け止めるべき。
もっともっと自分なりの良さを見つけてほしい。
2019年4月14日に日本でレビュー済み
きっかけははじまりの町と最果ての図書館を結ぶ一つの鏡。
その鏡を通して出会ったウォレスとルチアの物語。
物語の展開からその結末をある程度予想しながら読み進めていったのだが悉く裏切られた。
それが本書の良さであり面白さでもあるのだが、今一つ物語に芯が無いので読んでいて心許なく感じる。
あっちへふらふら、こっちへふらふらとまるで著者の迷いが読み手に伝わってくるようである。
ファンタジー、神の視点、王道、中立性、人間臭さ、ミステリー的なレトリックなど。
いろんな要素がごちゃ混ぜになって内包されていた。
しかし一つ一つの要素を深掘り出来ず、まとめきれていないので中途半端に、
キャラが物語に振り回されているように感じてしまうのだ。
ここまで厳しめなことを書いたが、ルチアやリィリなど女性キャラはとても魅力的に描けていると感じた。
女性キャラの創作は著者の得意とする所なのかもしれない。
魅力的なキャラたちが作り込まれた物語にハマることで著者の作品はより高い次元に昇華されると思う。
電撃小説大賞「銀賞」受賞作品ということでこれが著者のデビュー作だろうか。
読んでいても、文章の節々から初々しさや熱量が非常に感じられた。
これから2冊、3冊と作品が世に出ることでより面白くなるだろう。
それだけのエネルギーを本書から感じ取ることが出来た。
「冬月いろり」の名は今後も記憶に留めておきたい。
その鏡を通して出会ったウォレスとルチアの物語。
物語の展開からその結末をある程度予想しながら読み進めていったのだが悉く裏切られた。
それが本書の良さであり面白さでもあるのだが、今一つ物語に芯が無いので読んでいて心許なく感じる。
あっちへふらふら、こっちへふらふらとまるで著者の迷いが読み手に伝わってくるようである。
ファンタジー、神の視点、王道、中立性、人間臭さ、ミステリー的なレトリックなど。
いろんな要素がごちゃ混ぜになって内包されていた。
しかし一つ一つの要素を深掘り出来ず、まとめきれていないので中途半端に、
キャラが物語に振り回されているように感じてしまうのだ。
ここまで厳しめなことを書いたが、ルチアやリィリなど女性キャラはとても魅力的に描けていると感じた。
女性キャラの創作は著者の得意とする所なのかもしれない。
魅力的なキャラたちが作り込まれた物語にハマることで著者の作品はより高い次元に昇華されると思う。
電撃小説大賞「銀賞」受賞作品ということでこれが著者のデビュー作だろうか。
読んでいても、文章の節々から初々しさや熱量が非常に感じられた。
これから2冊、3冊と作品が世に出ることでより面白くなるだろう。
それだけのエネルギーを本書から感じ取ることが出来た。
「冬月いろり」の名は今後も記憶に留めておきたい。
2019年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人に勧められて購入したが、キャラの心理描写が薄っぺらく、というより納得出来なかった。魔王の成り立ちといい、人間ってそんな単純な生き物かな、と疑問が湧いて素直に楽しめなかった。
2019年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルとイラストに惹かれて手に取りました。毎日仕事で疲れていて、書店であとがきを読んだら自分に合うかもしれないと思って購入にいたりました。
子供のころ、人がプレイするRPGを見ているのが好きでした。そのころの記憶をそっと呼び覚まして、人の暖かさを伝えてくれる物語でした。
ありがとう。
読んでいて優しい気持ちになれる小説に出会えてよかったです。2巻も楽しみにしています。
子供のころ、人がプレイするRPGを見ているのが好きでした。そのころの記憶をそっと呼び覚まして、人の暖かさを伝えてくれる物語でした。
ありがとう。
読んでいて優しい気持ちになれる小説に出会えてよかったです。2巻も楽しみにしています。
2019年2月17日に日本でレビュー済み
よくあるファンタジー小説です。
よくある決まり切った性格の主人公とヒロインの魔法世界のお話。
ですが、
「勇者は最初から勇者だったのか、魔王は最初から魔王だったのか。」
という着眼点は面白いとは思いましたが、結論から言えば設定負けした
内容だったなというのが感想。
中盤から、文字に魂がこもってないというか、なーなーな展開になっていき
最後はハチャメチャなバトル。登場人物の力量さもわからないので、
〇〇な攻撃をした、避けた、などと言われてもいまいち想像できなかったというか
想像したくなかったというのは正直なところかも。
面白い設定で、序盤の盛り上げ方はよかったけど、何でそこに着地するのか…という
疑問がわいてきて残念だなと思いました。
ま、著者は優しい物語が書きたかったと言っているので、緩い展開をあえて構築したのか
しれませんが…
カラーの地図が載っているが、地図を載せるほど世界が広くないのも残念。
終始、文句ばかり言っていますが、世界観は面白いので、是非もっと作品を書いて欲しいです。
良い設定で期待してしまったからこそ、不満が出てしまったと理解していただけると幸いです。
よくある決まり切った性格の主人公とヒロインの魔法世界のお話。
ですが、
「勇者は最初から勇者だったのか、魔王は最初から魔王だったのか。」
という着眼点は面白いとは思いましたが、結論から言えば設定負けした
内容だったなというのが感想。
中盤から、文字に魂がこもってないというか、なーなーな展開になっていき
最後はハチャメチャなバトル。登場人物の力量さもわからないので、
〇〇な攻撃をした、避けた、などと言われてもいまいち想像できなかったというか
想像したくなかったというのは正直なところかも。
面白い設定で、序盤の盛り上げ方はよかったけど、何でそこに着地するのか…という
疑問がわいてきて残念だなと思いました。
ま、著者は優しい物語が書きたかったと言っているので、緩い展開をあえて構築したのか
しれませんが…
カラーの地図が載っているが、地図を載せるほど世界が広くないのも残念。
終始、文句ばかり言っていますが、世界観は面白いので、是非もっと作品を書いて欲しいです。
良い設定で期待してしまったからこそ、不満が出てしまったと理解していただけると幸いです。
2019年2月20日に日本でレビュー済み
内容がいいです。
設定もわかりやすく、違和感がありません。
また、スピード感のある
文章もよい。
回りくどくなく、繰り返しの表現もない、読み手にとって非常に読みやすい文体です。
大人でも非常に楽しめる一冊。
もちろん、子どもも、ちょっと難しい感じにはルビも振られていて読みやすいと思います。
きれいな色使い、かわいいイラスト、で
女児用の本に見えてしまいますが、内容的には
老若男女問わず楽しめる一冊だと思います。
評価としては★5つ。良い一冊です。
設定もわかりやすく、違和感がありません。
また、スピード感のある
文章もよい。
回りくどくなく、繰り返しの表現もない、読み手にとって非常に読みやすい文体です。
大人でも非常に楽しめる一冊。
もちろん、子どもも、ちょっと難しい感じにはルビも振られていて読みやすいと思います。
きれいな色使い、かわいいイラスト、で
女児用の本に見えてしまいますが、内容的には
老若男女問わず楽しめる一冊だと思います。
評価としては★5つ。良い一冊です。
2020年10月2日に日本でレビュー済み
Kindle Unlimitedにて読みました。
起承転結があって、お話としてきちんと成立している。
それ以上でもそれ以下でもない。
面白くなくもないけど、面白いかと言われると面白くない。
アクがないが、味もない。
そんな読み味の作品です。
童話風で、あんまり山や谷のない淡々とした作風が好きな人には
おすすめできるかもしれません。
起承転結があって、お話としてきちんと成立している。
それ以上でもそれ以下でもない。
面白くなくもないけど、面白いかと言われると面白くない。
アクがないが、味もない。
そんな読み味の作品です。
童話風で、あんまり山や谷のない淡々とした作風が好きな人には
おすすめできるかもしれません。