養老孟司さんと久石譲さんによる、脳と音楽の考察。
絶対音感は、生物学的に見ると原始能力で、人間社会に適応していくために退化していく。
そのため、維持するためには退化(進化?)する前に対処しないといけない。
たいへん興味深い内容で、勉強になりました。

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耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105) 新書 – 2009/9/10
人間はなぜ音楽を生み出し、社会においてどのように役割づけてきたか? そして私たちはどのような曲を美しいと感じ、どうやってそれを受け入れていくのか? 謎の多い分野に脳科学と映画音楽の第一人者が挑む!
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2009/9/10
- ISBN-104047102059
- ISBN-13978-4047102057
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商品の説明
著者について
養老孟司:解剖学者。東京大学名誉教授。1937年生まれ。久石譲:作曲家。1950年生まれ。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/9/10)
- 発売日 : 2009/9/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 207ページ
- ISBN-10 : 4047102059
- ISBN-13 : 978-4047102057
- Amazon 売れ筋ランキング: - 379,175位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 869位角川新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なぜ日本人には、構築力がないのかについて、西洋人は、アルファベットですべての言葉を表すことができるので、素材の組み合わせでものを作ることに長けているという単純明快すぎる暴論に近い論法で語っていて、興味深く拝読しつつ、呆気にとられた。
では、対談中で語っている石垣のような形状が違う石を組み合わせることは、不得手なのであろうか。実際、ローマではセメントや四角の煉瓦で建造物を作っていった。形状がごつい原石などは、あまり使わなかった。
養老氏流に考えれば、かくて画一的西洋の町並みという環境が、さらに人間の意識形態を固定化し、「脳」だけが肥大化した文明が育つ。
この点、同じインド・ヨーロッパ語族のサンスクリット、つまりインドとは、考え方が違う。ラテン語系英語donate(寄付)とサンスクリットdanaは、語源が同じであり、「檀那」という言葉として日本では定着している。このインド・ヨーロッパ語に関しては、研究が続けられ、語根という概念が想定されている。
さてさて、アルファベットでカチカチに単純化されたから、構築力があるという論法は成り立つのだろうか。捨象による詭弁であろう。フランス語・スペイン語・ドイツ語もアルファベットを使っているが、別の記号を付加して独特な発音方法を示している。同じインド・ヨーロッパ語族を表記するデーヴァナーガリー・アラビアなどの表音文字も単純なのだが、それ故に構築力が優秀と言えるのだろうか。
和辻哲郎氏の言う風土や伝統という背景も考慮に入れなければならないだろう。
では、対談中で語っている石垣のような形状が違う石を組み合わせることは、不得手なのであろうか。実際、ローマではセメントや四角の煉瓦で建造物を作っていった。形状がごつい原石などは、あまり使わなかった。
養老氏流に考えれば、かくて画一的西洋の町並みという環境が、さらに人間の意識形態を固定化し、「脳」だけが肥大化した文明が育つ。
この点、同じインド・ヨーロッパ語族のサンスクリット、つまりインドとは、考え方が違う。ラテン語系英語donate(寄付)とサンスクリットdanaは、語源が同じであり、「檀那」という言葉として日本では定着している。このインド・ヨーロッパ語に関しては、研究が続けられ、語根という概念が想定されている。
さてさて、アルファベットでカチカチに単純化されたから、構築力があるという論法は成り立つのだろうか。捨象による詭弁であろう。フランス語・スペイン語・ドイツ語もアルファベットを使っているが、別の記号を付加して独特な発音方法を示している。同じインド・ヨーロッパ語族を表記するデーヴァナーガリー・アラビアなどの表音文字も単純なのだが、それ故に構築力が優秀と言えるのだろうか。
和辻哲郎氏の言う風土や伝統という背景も考慮に入れなければならないだろう。
2016年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
音楽について話してる対談は沢山読みましたが、こんな内容のものを
読んだのは初めてです。さすが養老先生です。
読んだのは初めてです。さすが養老先生です。
2013年6月30日に日本でレビュー済み
久石譲さんと養老孟司さんの対談本です。
久石氏は、宮崎駿の映画『ナウシカ』『ラピュタ』などの音楽を手がけたことで最もよく知られる作曲家です。
養老氏は、とくに哲学的な著作の数々で知られる、元・東大医学部(解剖学研究室)の教授です。
以下は私の印象に残ったところです(原文を簡素化しています)。
<久石譲>
・僕が一本調子で歌ったとしても、現在はデジタルで完璧に歌っているように作り変えることができる。いま世の中に出ている歌の大半はそうやって人工的に作り直されたものだ(p70)。
・音楽の良さを定義しづらい原因のひとつは、「どこでどんな風にその音楽を聴いたか」が印象に強く影響してしまうことだ(p99)。
・調子の悪い日に作曲すると譜面が真っ黒になってしまう。不安だから楽器をやたら重ねてしまうからだ(p105)。
<養老孟司>
・聴覚は脳の古い部分で処理されるため、情動に強く影響する(p40)。
・生物の基本にはリズムがあり、例えばそれは生命体のライフサイクルに見られる(p106)。
・人生は芸術であると考えるなら、人はみな芸術家だ(p182)
二人ともたいへん頭が良く、素人にも分かる範囲内で「音楽の本質」を掘り下げた議論をしていると感じます。久石氏が「現場で感じてきたこと」の意味を、養老氏が(自身の深い教養によって)的確に掘り下げているため、まるで素晴らしいデュエットを聴いた後のような心地よい読後感を感じました。
久石氏は、宮崎駿の映画『ナウシカ』『ラピュタ』などの音楽を手がけたことで最もよく知られる作曲家です。
養老氏は、とくに哲学的な著作の数々で知られる、元・東大医学部(解剖学研究室)の教授です。
以下は私の印象に残ったところです(原文を簡素化しています)。
<久石譲>
・僕が一本調子で歌ったとしても、現在はデジタルで完璧に歌っているように作り変えることができる。いま世の中に出ている歌の大半はそうやって人工的に作り直されたものだ(p70)。
・音楽の良さを定義しづらい原因のひとつは、「どこでどんな風にその音楽を聴いたか」が印象に強く影響してしまうことだ(p99)。
・調子の悪い日に作曲すると譜面が真っ黒になってしまう。不安だから楽器をやたら重ねてしまうからだ(p105)。
<養老孟司>
・聴覚は脳の古い部分で処理されるため、情動に強く影響する(p40)。
・生物の基本にはリズムがあり、例えばそれは生命体のライフサイクルに見られる(p106)。
・人生は芸術であると考えるなら、人はみな芸術家だ(p182)
二人ともたいへん頭が良く、素人にも分かる範囲内で「音楽の本質」を掘り下げた議論をしていると感じます。久石氏が「現場で感じてきたこと」の意味を、養老氏が(自身の深い教養によって)的確に掘り下げているため、まるで素晴らしいデュエットを聴いた後のような心地よい読後感を感じました。
2015年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久石氏も興味深いことを話しているが,ほぼ養老氏が引っ張っている。
2011年5月1日に日本でレビュー済み
高名な解剖学者の養老孟司さんとジブリ音楽ほかの作品を生み出した作曲家の久石譲さんの対談集です。博覧強記ともいえる養老さんから繰り出されるあらゆるジャンルの話題の多様性に驚かされるとともに、それを論理的に説明する久石さんの感性豊かな言葉が心地よく響きました。
69ページで展開される西洋音楽と東洋音楽の違いについて久石さんが述べた後、養老さんが「簡単にいうと、賛美歌と声明じゃない? 賛美歌はたいていハモっている。声明はもう完全なユニゾンでしょ。」というざっくりとした捉え方が本質を見極めていると思いました。一流の学者は洞察力に優れています。
養老さんが「文章でもリズムが大事ですね。僕はわりとリズムが気になるのです」「読みにくい文章というのは、根本はリズムが合わないのです。」と述べ、久石さんは「いいスコアは綺麗なんですよ。」「完成度の高い曲は音符の並び方がどのページを見ても美しい。」というコメントは全ての仕事に通じる奥儀のようなものでしょう。
久石さんの「オーケストラのように百人ぐらいの人たちを束ねて、ある同じ方向に向かっていくためには、やっぱり志向性が実に重要になってきます。」というのはリーダーシップの本質を述べています。志向性やベクトルの共有と指示は組織力の団結を高めます。指揮者の巧みなマネジメントは社会全般に通じることですから。
音楽に関心があるので読み取りがどうしてもそのジャンルに関心を持ってしまいますが、人間のあり方、生き方に通じる話題も多く、知的好奇心を刺激する内容の濃い対談集だと思います。
章立てです。
第1章 なぜ人は音楽で感動するのか
第2章 感性の土壌
第3章 いい音楽とは何か
第4章 意識は暴走する
第5章 共感性と創造
第6章 人間はみな芸術家
69ページで展開される西洋音楽と東洋音楽の違いについて久石さんが述べた後、養老さんが「簡単にいうと、賛美歌と声明じゃない? 賛美歌はたいていハモっている。声明はもう完全なユニゾンでしょ。」というざっくりとした捉え方が本質を見極めていると思いました。一流の学者は洞察力に優れています。
養老さんが「文章でもリズムが大事ですね。僕はわりとリズムが気になるのです」「読みにくい文章というのは、根本はリズムが合わないのです。」と述べ、久石さんは「いいスコアは綺麗なんですよ。」「完成度の高い曲は音符の並び方がどのページを見ても美しい。」というコメントは全ての仕事に通じる奥儀のようなものでしょう。
久石さんの「オーケストラのように百人ぐらいの人たちを束ねて、ある同じ方向に向かっていくためには、やっぱり志向性が実に重要になってきます。」というのはリーダーシップの本質を述べています。志向性やベクトルの共有と指示は組織力の団結を高めます。指揮者の巧みなマネジメントは社会全般に通じることですから。
音楽に関心があるので読み取りがどうしてもそのジャンルに関心を持ってしまいますが、人間のあり方、生き方に通じる話題も多く、知的好奇心を刺激する内容の濃い対談集だと思います。
章立てです。
第1章 なぜ人は音楽で感動するのか
第2章 感性の土壌
第3章 いい音楽とは何か
第4章 意識は暴走する
第5章 共感性と創造
第6章 人間はみな芸術家
2013年7月5日に日本でレビュー済み
養老孟司氏と久石譲氏の異なる分野で活躍されるお二人の対談
をまとめたものである。「耳で考える」というタイトルも興味
を惹くのだ。音楽家(アーティスト)の感性や領域について、科学
的な立場よりも、養老先生の簡潔な説明が、より人間臭い観点
が実に絶妙なバランスで挿入されている。
音楽・言葉などが聴覚で処理され、視覚よりも古い感覚器である
が故に、情動に強く影響を与えるのであると。
養老先生の著書を読む前には、爽やかでスッキリした状態で読ま
なければ、目だけで追いかけるだけでは、おふたりの会話から取り
残されてしまうのだ。
ナチスの精神的バックボーンは、神話と音楽でり、ヒットラー
は、ワーグナーの音楽を愛した。音楽と文明は、目に見えない
奥深い部分で繋がっていたのだ・・。
新鮮な気持ちで読むことで、今までとは異なる音楽の側面を気づ
かせてもらえる良書なのである。
をまとめたものである。「耳で考える」というタイトルも興味
を惹くのだ。音楽家(アーティスト)の感性や領域について、科学
的な立場よりも、養老先生の簡潔な説明が、より人間臭い観点
が実に絶妙なバランスで挿入されている。
音楽・言葉などが聴覚で処理され、視覚よりも古い感覚器である
が故に、情動に強く影響を与えるのであると。
養老先生の著書を読む前には、爽やかでスッキリした状態で読ま
なければ、目だけで追いかけるだけでは、おふたりの会話から取り
残されてしまうのだ。
ナチスの精神的バックボーンは、神話と音楽でり、ヒットラー
は、ワーグナーの音楽を愛した。音楽と文明は、目に見えない
奥深い部分で繋がっていたのだ・・。
新鮮な気持ちで読むことで、今までとは異なる音楽の側面を気づ
かせてもらえる良書なのである。
2014年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久石さんの発言が、単に相槌という箇所多々。
思ってたような内容ではなく残念。
浅かった。
思ってたような内容ではなく残念。
浅かった。