現在の日本の狂った状況を考慮すると、戦前戦中から何も変化していない事がわかる。
ほとんどの日本人は根底に基軸がないから、重要な決定でさえ空気に流されてしまう。
名著である。
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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) 新書 – 2004/3/11
山本 七平
(著)
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この国の敗因を予言した幻の日本文化論
日本はなぜ敗れるのか・・・戦時中従軍して捕虜になった体験を持つ日本を代表する評論家が、日本の敗因を徹底的に追及して分析する。その敗因はいまも取り除かれることなくこの国を支配していた・・・。
日本はなぜ敗れるのか・・・戦時中従軍して捕虜になった体験を持つ日本を代表する評論家が、日本の敗因を徹底的に追及して分析する。その敗因はいまも取り除かれることなくこの国を支配していた・・・。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/3/11
- ISBN-104047041572
- ISBN-13978-4047041578
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●山本 七平:評論家 「日本人とユダヤ人」など著書多数
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
つまり、「では勝つためには」という本ではない。
というのも、自分の敗因は電子書籍で買ってしまったことだと思う。
意味も分からずにAmazonのなんでもかんでも電子化する
誤った煽動にすっかり乗っかってしまった。
また再度、紙切れの本を買うしか無い。
なんどもなんども同じ箇所を読み返すのには電子書籍は向かない感じである。
しおりを使えば良いという案もあったが、読み返す時に後で疑問が出た時に
その疑問があらかじめ分かるならば使えるが、多分それはこの本は無理。。
印刷できないのは致命的。。(TT)
というのも、自分の敗因は電子書籍で買ってしまったことだと思う。
意味も分からずにAmazonのなんでもかんでも電子化する
誤った煽動にすっかり乗っかってしまった。
また再度、紙切れの本を買うしか無い。
なんどもなんども同じ箇所を読み返すのには電子書籍は向かない感じである。
しおりを使えば良いという案もあったが、読み返す時に後で疑問が出た時に
その疑問があらかじめ分かるならば使えるが、多分それはこの本は無理。。
印刷できないのは致命的。。(TT)
2019年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の山本七平氏(1921-91年)は、戦後の一時期を風靡した保守系評論家である。本書は生前の1975年から76年にかけて雑誌『野生時代』に連載された記事をまとめたものである。フィリピンでの過酷な戦闘・逃避・俘虜体験から導かれた、痛切な日本人論といえる。日本人の本質は当時と全く変わらず、したがって本書の主張は現在でも十分通用する。
著者自身、砲兵少尉としてマニラで戦い、捕虜になった体験がある。本書はこの体験に加えて、故・小松真一氏(1911-73年)の戦争体験記『虜人日記』(筑摩書房1975年刊、現在はちくま学芸文庫)を随所に引用しながら、日本人あるいは日本国や帝国陸軍の本質を論じている。山本氏自身にも『一下級将校の見た帝国陸軍』(文春文庫)などの戦争体験記がある。その山本氏が小松氏の『虜人日記』を高く評価するのは、「現地性」と「同時性」(自ら体験したことを有り合せの粗末な「紙」に記録)を満たしていること、小松氏は軍人ではなくガソリン代用品(ブタノール)を粗糖から製造する技術者としてフィリピンに派遣され軍人同様の辛酸(捕虜体験を含む)を舐めたが自らの発言に誰かへの迎合をする必要が全くないこと、また山本氏と非常に良く似た体験をしているので比較検証が可能であること、による。
小松真一氏が『虜人日記』で掲げた「敗因21カ条」を、山本七平氏の著書を参考にして整理すると次のようになる。
(1) 帝国陸軍の不合理性(指導者・参謀本部・戦略・兵站・戦術・組織)
・精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた
・物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった
・日本の不合理性、米国の合理性
・将兵の素質低下(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)
・精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)
・電波兵器の劣等(物理学貧弱)
・陸海軍の不協力
・兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついたこと
・バアーシー(バシー)海峡の損害と、戦意喪失[フィリピン海域での初戦敗退]
・指導者に生物学的常識がなかった事
(2) 日本の科学技術体制
・日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する
・基礎科学の研究をしなかったこと
(3) 日本人・日本文化の特性
・克己心の欠如
・反省力なきこと
・個人としての修養をしていないこと
・一人よがりで同情心がないこと
・思想的に徹底したものがなかった事
・国民が戦いに飽きていた
・日本は人命を粗末にし、米国は大切にした
・日本文化の確立なき為
・日本文化に普遍性なき為
山本氏が分析したように、いずれの敗因も実戦体験(冷静な観察を含む)が込められており、全体として痛切な日本人論と言える。敗戦後日本は一貫してアメリカの支配下(実質的には属国)にあり、戦前とは政治社会事情が一変した。しかし上記敗因に挙げられた諸項目は日本に形を変えながら存続している。失敗の原因を分析することなく誤魔化して恥じず、隠蔽に走る政治家・官僚はその体質が「帝国陸軍」と変わらない。例えば、失敗が明白な「アベノミクス」は、あろうことか統計数値を誤魔化して失敗を隠し、日銀は膨大な債務で今や空前絶後の金融緩和からの「軟着陸」の見通しが全く立たない。またこのような状況に切り込めないマスコミ、政府やマスコミの囃したてる「改元狂騒曲」に踊る国民も責任は大きい。本書は、今後日本で起こりうる「第二の敗戦」を考える上で貴重なヒントを提供している。
著者自身、砲兵少尉としてマニラで戦い、捕虜になった体験がある。本書はこの体験に加えて、故・小松真一氏(1911-73年)の戦争体験記『虜人日記』(筑摩書房1975年刊、現在はちくま学芸文庫)を随所に引用しながら、日本人あるいは日本国や帝国陸軍の本質を論じている。山本氏自身にも『一下級将校の見た帝国陸軍』(文春文庫)などの戦争体験記がある。その山本氏が小松氏の『虜人日記』を高く評価するのは、「現地性」と「同時性」(自ら体験したことを有り合せの粗末な「紙」に記録)を満たしていること、小松氏は軍人ではなくガソリン代用品(ブタノール)を粗糖から製造する技術者としてフィリピンに派遣され軍人同様の辛酸(捕虜体験を含む)を舐めたが自らの発言に誰かへの迎合をする必要が全くないこと、また山本氏と非常に良く似た体験をしているので比較検証が可能であること、による。
小松真一氏が『虜人日記』で掲げた「敗因21カ条」を、山本七平氏の著書を参考にして整理すると次のようになる。
(1) 帝国陸軍の不合理性(指導者・参謀本部・戦略・兵站・戦術・組織)
・精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた
・物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった
・日本の不合理性、米国の合理性
・将兵の素質低下(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)
・精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)
・電波兵器の劣等(物理学貧弱)
・陸海軍の不協力
・兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついたこと
・バアーシー(バシー)海峡の損害と、戦意喪失[フィリピン海域での初戦敗退]
・指導者に生物学的常識がなかった事
(2) 日本の科学技術体制
・日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する
・基礎科学の研究をしなかったこと
(3) 日本人・日本文化の特性
・克己心の欠如
・反省力なきこと
・個人としての修養をしていないこと
・一人よがりで同情心がないこと
・思想的に徹底したものがなかった事
・国民が戦いに飽きていた
・日本は人命を粗末にし、米国は大切にした
・日本文化の確立なき為
・日本文化に普遍性なき為
山本氏が分析したように、いずれの敗因も実戦体験(冷静な観察を含む)が込められており、全体として痛切な日本人論と言える。敗戦後日本は一貫してアメリカの支配下(実質的には属国)にあり、戦前とは政治社会事情が一変した。しかし上記敗因に挙げられた諸項目は日本に形を変えながら存続している。失敗の原因を分析することなく誤魔化して恥じず、隠蔽に走る政治家・官僚はその体質が「帝国陸軍」と変わらない。例えば、失敗が明白な「アベノミクス」は、あろうことか統計数値を誤魔化して失敗を隠し、日銀は膨大な債務で今や空前絶後の金融緩和からの「軟着陸」の見通しが全く立たない。またこのような状況に切り込めないマスコミ、政府やマスコミの囃したてる「改元狂騒曲」に踊る国民も責任は大きい。本書は、今後日本で起こりうる「第二の敗戦」を考える上で貴重なヒントを提供している。
2007年3月25日に日本でレビュー済み
本書を貫くのは各章で繰り返される「組織内における自己規定の問題」に尽きています。そして明確に、通常の自己と組織の自己が連続したものとして規定されていることが重要であると説いています。
敷衍するなら太平洋戦争の敗因は日本の意思決定の誤りであると山本氏は言っています。日本国の指導者が戦争突入という戦略的意思決定において、意見の対立を封印し虚偽の報道により形だけのコンセンサス獲得し、政府決定に対しての現状認識と高度のコミットメント、組織的問題解決能力を備えていなかったと。
同じような状況が今も再現されており、組織内の「自由」が封印されているのだとしたら、日本(組織)は敗れ続けて当然なわけであります。
敷衍するなら太平洋戦争の敗因は日本の意思決定の誤りであると山本氏は言っています。日本国の指導者が戦争突入という戦略的意思決定において、意見の対立を封印し虚偽の報道により形だけのコンセンサス獲得し、政府決定に対しての現状認識と高度のコミットメント、組織的問題解決能力を備えていなかったと。
同じような状況が今も再現されており、組織内の「自由」が封印されているのだとしたら、日本(組織)は敗れ続けて当然なわけであります。
2018年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もうすぐ読み終わるけれども、
読んでいて「あるある…」「そんなもんだよね」と納得することがあった。
まずは、人数合わせのためにとりあえず戦地に人を送る。
が、まともな武器もなく互角に戦えるわけもなく、食料も不足して、仲間同士の殺し合いになる。
本土では「アジアのために」と英雄のように報じていても、
実際に現地に行けばアメリカやソ連の息のかかったゲリラに襲われ、
「これはおかしい」と本当のことを言えば「日本国民か!」と感情論。
上の人が現実見ずに数合わせとか、都合のいい感情論とか押し付けるのは、
今でもあるなと、
その後の捕虜収容所でのイジメも「分かる~」という感じでした。
かといって日本が悪いという気はなく(どこの国でも色んな問題があると思うので)、
「変な感情論」とか「マスコミの都合のいい情報」、「食べ物で人を釣って恐怖で人をコントロールする人間」なぞ
今も昔も変わらないのねという感じです。
読んでいて「あるある…」「そんなもんだよね」と納得することがあった。
まずは、人数合わせのためにとりあえず戦地に人を送る。
が、まともな武器もなく互角に戦えるわけもなく、食料も不足して、仲間同士の殺し合いになる。
本土では「アジアのために」と英雄のように報じていても、
実際に現地に行けばアメリカやソ連の息のかかったゲリラに襲われ、
「これはおかしい」と本当のことを言えば「日本国民か!」と感情論。
上の人が現実見ずに数合わせとか、都合のいい感情論とか押し付けるのは、
今でもあるなと、
その後の捕虜収容所でのイジメも「分かる~」という感じでした。
かといって日本が悪いという気はなく(どこの国でも色んな問題があると思うので)、
「変な感情論」とか「マスコミの都合のいい情報」、「食べ物で人を釣って恐怖で人をコントロールする人間」なぞ
今も昔も変わらないのねという感じです。
2018年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小松真一氏の『虜人日記』から触発され、同じような体験をした山本七平氏が書いたのが本書『日本はなぜ敗れるのか』である。
もう何十年も昔になるが、イザヤ・ベンダサンの偽名で著した山本七平氏の『日本人とユダヤ人』を読んだ記憶がある。
が、その確かな内容となると記憶が心もとない。
本書で小松氏は、日本の敗因二十一ヶ条を挙げている。
本書の著者が、その二十一ヶ条を取り上げ氏の経験も重ねながら詳しく概要説明をしている。
二十一ヶ条のなかで「バシー海峡」を、著者は最初にとりあげていたが、かって戦記ものなど多少なりとも読んできた評者は何を語りたいのかすぐ理解することができた。
小松氏の書いた「武官」というところで著者が引用した箇所を下の・・・内に転載したい。
・・・サイパンは陥落し、まさに日本の危機であり,比島こそこの敗勢挽回の決戦場と何人も考えているのに、当時(十九年四月、五月)のマニラには防空壕一つ、陣地一つあるでなく、軍人は飲んだり食ったり淫売を冷やかす事に専念していたようだ。
ただ口では大きなことを言い「七月攻勢だ」「八月攻勢だ」とか空念仏をとなえている。平家没落の頃を思わせるものがある。・・・(P41)
長距離爆撃機B29を擁しているアメリカ軍の戦力を冷静に俯瞰すれば、サイパン陥落は将棋で例えたら「参りました」と頭を下げる状態なのである。
著者はこのあとこのことにたいして下の・・・内のように慨嘆している。
・・・<前文略>制海権のないバシー海峡へ兵員を満載したボロ船が進んで行くのか。それは心理的に見れば、恐怖にわけがわからなくなったヒステリー女が、確実に迫りく来るわけわからぬ気味悪い対象に、手当たり次第に無我夢中で何か投げつけ、それをたった一つの「対抗手段=逃げ道」と考えているに等しかった。
だが、この断末魔の大本営が、無我夢中で投げつけているものは、ものではなく人間であった。<後文略>・・・(P42~43)
待ち構えていたアメリカ海軍の潜水艦から発射された魚雷で何万人もの日本兵(ろくに訓練も受けず、兵器も持たない)が海の藻屑と消えたのである。
小松氏が駐留していたネグロス島では、所属していた「今井隊」には、兵二千名に、三八銃が七十丁と読み、これは戦争ではないとすら思えてしまったのです。
この「捷一号作戦」と呼ばれる計画に基づいて防衛を試みたが、当然の帰結として日本軍は敗北、フィリピンを奪還されてしまったのです。
装備・火力に圧倒的な差(装備や火力だけではないことが本書で知ることができる)が両軍にあり、この戦いで、日本兵は三十万を超える犠牲者を出している。
今こそこのような本を日本人すべてに読んでほしいと思いながら、感慨深く読み終えたのです。
もう何十年も昔になるが、イザヤ・ベンダサンの偽名で著した山本七平氏の『日本人とユダヤ人』を読んだ記憶がある。
が、その確かな内容となると記憶が心もとない。
本書で小松氏は、日本の敗因二十一ヶ条を挙げている。
本書の著者が、その二十一ヶ条を取り上げ氏の経験も重ねながら詳しく概要説明をしている。
二十一ヶ条のなかで「バシー海峡」を、著者は最初にとりあげていたが、かって戦記ものなど多少なりとも読んできた評者は何を語りたいのかすぐ理解することができた。
小松氏の書いた「武官」というところで著者が引用した箇所を下の・・・内に転載したい。
・・・サイパンは陥落し、まさに日本の危機であり,比島こそこの敗勢挽回の決戦場と何人も考えているのに、当時(十九年四月、五月)のマニラには防空壕一つ、陣地一つあるでなく、軍人は飲んだり食ったり淫売を冷やかす事に専念していたようだ。
ただ口では大きなことを言い「七月攻勢だ」「八月攻勢だ」とか空念仏をとなえている。平家没落の頃を思わせるものがある。・・・(P41)
長距離爆撃機B29を擁しているアメリカ軍の戦力を冷静に俯瞰すれば、サイパン陥落は将棋で例えたら「参りました」と頭を下げる状態なのである。
著者はこのあとこのことにたいして下の・・・内のように慨嘆している。
・・・<前文略>制海権のないバシー海峡へ兵員を満載したボロ船が進んで行くのか。それは心理的に見れば、恐怖にわけがわからなくなったヒステリー女が、確実に迫りく来るわけわからぬ気味悪い対象に、手当たり次第に無我夢中で何か投げつけ、それをたった一つの「対抗手段=逃げ道」と考えているに等しかった。
だが、この断末魔の大本営が、無我夢中で投げつけているものは、ものではなく人間であった。<後文略>・・・(P42~43)
待ち構えていたアメリカ海軍の潜水艦から発射された魚雷で何万人もの日本兵(ろくに訓練も受けず、兵器も持たない)が海の藻屑と消えたのである。
小松氏が駐留していたネグロス島では、所属していた「今井隊」には、兵二千名に、三八銃が七十丁と読み、これは戦争ではないとすら思えてしまったのです。
この「捷一号作戦」と呼ばれる計画に基づいて防衛を試みたが、当然の帰結として日本軍は敗北、フィリピンを奪還されてしまったのです。
装備・火力に圧倒的な差(装備や火力だけではないことが本書で知ることができる)が両軍にあり、この戦いで、日本兵は三十万を超える犠牲者を出している。
今こそこのような本を日本人すべてに読んでほしいと思いながら、感慨深く読み終えたのです。
2020年3月18日に日本でレビュー済み
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1975年から76年にかけての雑誌連載をまとめたもの。なぜ日本はあの戦争に負けたのか?を問うているという意味では、大ロングセラーの『失敗の本質』(1984年刊)と同じテーマを掲げている。『失敗の本質』も面白くないことはなかったけれども、その結論については、戦争を知らない学者さんの書いた机上の理論のような印象がどうしても残った。一方で本書は、小松真一氏が『虜人日記』にて掲げた「敗因21カ条」が主軸にあるとはいえ、実際にフィリピン戦線を体験した著者の生々しい戦争体験に裏打ちされている。どちらが正しいとか正しくないとか、あるいは優れているとか優劣をつけることに意味はないと思うが、敗軍の兵士の語る敗因の指摘は余人の意見、反論を許さぬ説得力がある。『失敗の本質』と比べてみると、本書のほうが日本人の特質、人間の本性・本能に対する洞察を多く含む点で読み応えは上だと感じた。ただし本書では21の敗因を挙げるのみで、そこから教訓を導き出し今日的課題の解決に活かそうという視座には欠けているように思えた(『失敗の本質』の企図したものはまさにそれだったのだが)。