オイレン、スプライトと読み終えたのでこちらも読み進めていく事にしました。文量は前二作にも増して多いですが、面白さもまた増大しています。妖精の3人組も悪くなかったのですが、やっぱり自分はケルベロス小隊の方が好きですね。オイレンでの、ミハエルと陽炎のやり取りや、几帳面で何だか可愛さすら感じる副長、副長に不平不満を漏らす涼月、夕霧と白露の行き着く先、これらをまた見れるのが嬉しいです。
勿論スプライトの面々にも期待しています。
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テスタメントシュピーゲル 1 (角川スニーカー文庫 う 1-1-1) 文庫 – 2009/11/28
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近未来のウィーンを舞台に〈特甲児童〉と呼ばれる少女たちが凶悪犯罪やテロに立ち向かう!「オイレンシュピーゲル」と「スプライトシュピーゲル」、2つのシリーズの謎が全て解き明かされる、シリーズ完結編第1巻。
- 本の長さ543ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2009/11/28
- ISBN-104044729093
- ISBN-13978-4044729097
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登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/11/28)
- 発売日 : 2009/11/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 543ページ
- ISBN-10 : 4044729093
- ISBN-13 : 978-4044729097
- Amazon 売れ筋ランキング: - 522,910位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1977年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の1996年に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年、第24回日本SF大賞 を受賞した『マルドゥック・スクランブル』などの作品を経て、2009年、天文暦学者・渋川春海の生涯を描いた初の時代小説『天地明察』で第31回吉川英 治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞し、第143回直木賞の候補となる(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『マルドゥック・スクランブル』(ISBN-10:4152091533)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この「シュピーゲル」シリーズはライトノベルの中で1番好きなシリーズだ。
自分の中では「角川」で出したから「富士見」でも出すのかと思っていた。
で12月。
「(富士見で)出ないんだ・・・」と思っていた。
しかも絵は「白亜右月」さんや「はいむらきよたか」さんだと思っていたら、なんと「島田フミカネ」さん。
自分はこの人が「シュピーゲル」シリーズのデザインに関わっているとは知らなかった。
実際、絵を見ると少し違和感はあった。
が。
それらの不満を忘れるほどの内容の濃さ。
500ページ以上の文。
やっと読み終わった今日。
感想としては
「2つの話を合わせるという、天才的な頭脳を持っている冲方丁さんは、すごい。」
でもMSS側も、もう少し書いて欲しかったという希望もあったりする。
自分の中では「角川」で出したから「富士見」でも出すのかと思っていた。
で12月。
「(富士見で)出ないんだ・・・」と思っていた。
しかも絵は「白亜右月」さんや「はいむらきよたか」さんだと思っていたら、なんと「島田フミカネ」さん。
自分はこの人が「シュピーゲル」シリーズのデザインに関わっているとは知らなかった。
実際、絵を見ると少し違和感はあった。
が。
それらの不満を忘れるほどの内容の濃さ。
500ページ以上の文。
やっと読み終わった今日。
感想としては
「2つの話を合わせるという、天才的な頭脳を持っている冲方丁さんは、すごい。」
でもMSS側も、もう少し書いて欲しかったという希望もあったりする。
2014年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
殺伐とした戦いの合間の素の少女たちの心がけなげでとてもいとしくなってくる。
2022年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スプライトの3少女とオイレンの3少女が主人公となり、それぞれの話は合流して謎や伏線が交錯し解消されて団円へと向かって行く物語が開幕。従って両シリーズは本シリーズを読む前に読んでおくことをお勧めする。
著者はシリーズを「最後のライトノベル」と位置付けているが、内容はライトでなく実にヘビイ、SF小説と言って過言ではないだろう。文体は読者に対しても優しくない。
1つは独特の記述形式にある。思考や行動、行為や結果の文節を記号で接続し文を作成する。そのため文の密度は大きく、読者は1文を分解して内容を把握する必要が生じる。このため脳が酷使されるが、文数を削減できるため戦闘シーンに迫力が生まれる。
もう1つは基本的に各少女の視点で記述されることである。そのため読者は段落が変わった時点で、同化していた主人公を切り替える必要が生じる。ウィンドウズに似ているといえる。時として主体の私は誰なのか数行読んで明確になることもあるだろう。
スプライトやオイレンの時から感じたが、政治情勢/パワーバランス/信仰/黙示/はては、議会/国防/公安/武器業者/AI/等実に多彩な知識が惜しげも無く投入されて細かく描写されている。よほど大量な資料を準備し、構成を考えたろうと感動した。
その中で苦悩し、信じ、決断し、踏み出していく姿が、6少女各々に異なって記述されてすばらしい。そして彼女らを取り巻く、接続官や脇役の大人たちに対しても過去や個性の設定が細かく記述されていて内容に深みを与えているのが心良い。ずっとこの世界に埋没していたい気分にされるが、良い大団円を期待したい。
著者はシリーズを「最後のライトノベル」と位置付けているが、内容はライトでなく実にヘビイ、SF小説と言って過言ではないだろう。文体は読者に対しても優しくない。
1つは独特の記述形式にある。思考や行動、行為や結果の文節を記号で接続し文を作成する。そのため文の密度は大きく、読者は1文を分解して内容を把握する必要が生じる。このため脳が酷使されるが、文数を削減できるため戦闘シーンに迫力が生まれる。
もう1つは基本的に各少女の視点で記述されることである。そのため読者は段落が変わった時点で、同化していた主人公を切り替える必要が生じる。ウィンドウズに似ているといえる。時として主体の私は誰なのか数行読んで明確になることもあるだろう。
スプライトやオイレンの時から感じたが、政治情勢/パワーバランス/信仰/黙示/はては、議会/国防/公安/武器業者/AI/等実に多彩な知識が惜しげも無く投入されて細かく描写されている。よほど大量な資料を準備し、構成を考えたろうと感動した。
その中で苦悩し、信じ、決断し、踏み出していく姿が、6少女各々に異なって記述されてすばらしい。そして彼女らを取り巻く、接続官や脇役の大人たちに対しても過去や個性の設定が細かく記述されていて内容に深みを与えているのが心良い。ずっとこの世界に埋没していたい気分にされるが、良い大団円を期待したい。
2010年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで角川スニーカー文庫で「オイレンシュピーゲル」、富士見ファンタジア文庫で「スプライトシュピーゲル」の2シリーズが、同じ時代の同じ街を舞台に進行していましたが、いよいよ1シリーズに合流して最終章が始まりました。比較的重くハードな展開が繰り広げられていた角川スニーカー文庫で進行することから、当然重くハードな展開になるだろうと予想は付いてましたが、まさか冒頭シーンで涼月が拳銃自殺を図るとは、初っ端から強烈なパンチを喰らいましたよ。
それから時間が少しさかのぼって本編が始まりますが、MPBの3人──涼月、陽炎、夕霧はそれぞれ分かれてある時は捜査し、ある時は戦いますが、その中で彼女達は自分達の過去と向き合うことになります。そして時には3人が集まり、時にはMSSの3人と交わりながら戦いを続けていきますが、どんな過程であの冒頭シーンに行き着くのか、そしてその続きはどうなるのか気になりますからどんどんページが進みます。
そして彼女達は絶望的な事実を知り、絶望的な事態に陥ることになりますが、その中で僅かな可能性に希望を見出していくライトノベルの王道は健在なので、その辺は安心して大丈夫ですよ!
あと、この巻ではMPBの3人を軸にして物語が進みますが、同時進行で鳳達MSSの面々が時折関わってきますので、次の巻ではその時MSS側ではどう動いていたかが書かれるでしょう。て言うか、書いてくれないと気になって仕方ないんですけど。
それから時間が少しさかのぼって本編が始まりますが、MPBの3人──涼月、陽炎、夕霧はそれぞれ分かれてある時は捜査し、ある時は戦いますが、その中で彼女達は自分達の過去と向き合うことになります。そして時には3人が集まり、時にはMSSの3人と交わりながら戦いを続けていきますが、どんな過程であの冒頭シーンに行き着くのか、そしてその続きはどうなるのか気になりますからどんどんページが進みます。
そして彼女達は絶望的な事実を知り、絶望的な事態に陥ることになりますが、その中で僅かな可能性に希望を見出していくライトノベルの王道は健在なので、その辺は安心して大丈夫ですよ!
あと、この巻ではMPBの3人を軸にして物語が進みますが、同時進行で鳳達MSSの面々が時折関わってきますので、次の巻ではその時MSS側ではどう動いていたかが書かれるでしょう。て言うか、書いてくれないと気になって仕方ないんですけど。
2020年2月2日に日本でレビュー済み
全作通して、ラノベと分類するには勿体ないクラスのSF作品。スニーカーのオイレン・富士見のスプライト両作品の合流作で、メインはケルベロスになっている。キャラの成長を描く手腕が見事すぎて、どのキャラにも惹かれるし、幸福に飢える彼女らが幸せになってほしいと願ってやまない。冲方先生の最後のラノベになると思われる作品なので、最後まで駆け抜けてほしい。
2009年12月5日に日本でレビュー済み
待ちに待った最終章突入。
すごい。
戦う機械化少女、こんな手垢のつきまくった最も難しい王道の題材が、どうすればこんなに重厚でスリリングなドラマに仕上がってしまうのだろう。
「あー、なーんか世界とか救いてぇー……」シリーズの冒頭で煙草をくゆらせ、捨て切れない希望と諦めのはざまでそう呟いていた少女は、もはや後ろ向きの劣等感にうじうじ悩んだりはしない。
代わりに想い合う少年との絆を深めながら、拳を突き上げこう言うのだ。
「どうだ今なら世界だって救ってやる」
……このセリフの重さは、描かれた「世界」の重さと深さですべて決まると思う。
そして読者の前に現出する「世界」のいわゆる「濃度」は、テクニックではなく、その「世界」に注ぎ込んだ作者の熱量と、残酷なほどに正比例する。
この「シュピーゲル」の世界は凄まじい。
膨大で複雑極まる設定、多彩な人物のそれぞれの葛藤、張られた夥しい伏線がここにきて奇跡のように鮮やかに回収されてゆく。後書きで作者自身が述べているように、複雑な設定のすべては単純極まりない真理を述べるためのもの。複眼の視点と平明な真実。
軸がまったくぶれていない。
だから膨大な設定も作者の蘊蓄ではなく登場人物の「所感」となり、抵抗なく読める。驚きなのは物語の展開上で許される「必要な」情報の蘊蓄さえほとんどなく、あれほど夥しい設定が人物の「感情」ないし「関心」として書ききられていること。
つまりは情報に「色」があるということです。つくづく見事だぁー。
息もつかずに読了した。次巻への引きもすごいため、早く続きを読みたくて仕方ない。
また一年半待たせるのだけはどうか平に許して下さい……。
すごい。
戦う機械化少女、こんな手垢のつきまくった最も難しい王道の題材が、どうすればこんなに重厚でスリリングなドラマに仕上がってしまうのだろう。
「あー、なーんか世界とか救いてぇー……」シリーズの冒頭で煙草をくゆらせ、捨て切れない希望と諦めのはざまでそう呟いていた少女は、もはや後ろ向きの劣等感にうじうじ悩んだりはしない。
代わりに想い合う少年との絆を深めながら、拳を突き上げこう言うのだ。
「どうだ今なら世界だって救ってやる」
……このセリフの重さは、描かれた「世界」の重さと深さですべて決まると思う。
そして読者の前に現出する「世界」のいわゆる「濃度」は、テクニックではなく、その「世界」に注ぎ込んだ作者の熱量と、残酷なほどに正比例する。
この「シュピーゲル」の世界は凄まじい。
膨大で複雑極まる設定、多彩な人物のそれぞれの葛藤、張られた夥しい伏線がここにきて奇跡のように鮮やかに回収されてゆく。後書きで作者自身が述べているように、複雑な設定のすべては単純極まりない真理を述べるためのもの。複眼の視点と平明な真実。
軸がまったくぶれていない。
だから膨大な設定も作者の蘊蓄ではなく登場人物の「所感」となり、抵抗なく読める。驚きなのは物語の展開上で許される「必要な」情報の蘊蓄さえほとんどなく、あれほど夥しい設定が人物の「感情」ないし「関心」として書ききられていること。
つまりは情報に「色」があるということです。つくづく見事だぁー。
息もつかずに読了した。次巻への引きもすごいため、早く続きを読みたくて仕方ない。
また一年半待たせるのだけはどうか平に許して下さい……。
2009年12月8日に日本でレビュー済み
衝撃の卒業宣言と共に世に送り出されたふたつの物語をひとつへと結実させる新シリーズ。
圧巻のボリューム、脅威の密度の奔流が読者を襲い、いま、終結への道筋が描かれる。
さて、当初はそれぞれに最終巻を出す予定だったものをよりふさわしい終着点へと向かわせるべく合流させたという本作。
なるほど、その名残なのか、1巻はほぼオイレン5巻と言っても差し支えないほどにMPB主体の展開となっている。
三人の妖精もそれぞれ別個に少なからず出番がある程度に留まり、MSSに至っては組織だった関与や登場はほとんど見られないに等しい。
(現場には参加しているのだが、経緯や背景、活動の様子が描かれない)
このことに対する評価は、どちらにより思い入れがあるかによっても変わってきそうだが、均等な配分による完全な合体・調和を期待していた人にとっては肩透かしだろう。
しかし、決してスプライトがないがしろにされているわけではない。
物語の核心に確かなる関与を示している。
とりわけ、今回鳳が見せた変容は特甲児童に秘められた重大な“何か”を紐解く上でも欠くことのできない問題であることが窺える。
はたして次巻はどちらを主体とした視点で展開されるのかも含め、関心は尽きない。
尚、ストーリーに関しては多分にネタバレを含めため多くは言及しない。
ただ、副長フランツが見せたこれまでにないほど彼女たちを気遣い、想う様子は冷血な人というイメージからの意外性もあって印象的だ。
そして何より、陽炎を取り巻く過去の因縁を解き明かす過程は見所である。
両親に関して涼月にも意外な救いがもたらされた点も見逃せない。
そして、圧倒的な文字量/情報量を有しながらマルドゥックシリーズの時のそれよりも格段に読みやすくなっているのが良い。
衝撃的なプロローグにはひとまずの安心を得られたが、目下、喫緊の問題が彼女らの前には立ち塞がっている。
次巻も大変待ち遠しい。
圧巻のボリューム、脅威の密度の奔流が読者を襲い、いま、終結への道筋が描かれる。
さて、当初はそれぞれに最終巻を出す予定だったものをよりふさわしい終着点へと向かわせるべく合流させたという本作。
なるほど、その名残なのか、1巻はほぼオイレン5巻と言っても差し支えないほどにMPB主体の展開となっている。
三人の妖精もそれぞれ別個に少なからず出番がある程度に留まり、MSSに至っては組織だった関与や登場はほとんど見られないに等しい。
(現場には参加しているのだが、経緯や背景、活動の様子が描かれない)
このことに対する評価は、どちらにより思い入れがあるかによっても変わってきそうだが、均等な配分による完全な合体・調和を期待していた人にとっては肩透かしだろう。
しかし、決してスプライトがないがしろにされているわけではない。
物語の核心に確かなる関与を示している。
とりわけ、今回鳳が見せた変容は特甲児童に秘められた重大な“何か”を紐解く上でも欠くことのできない問題であることが窺える。
はたして次巻はどちらを主体とした視点で展開されるのかも含め、関心は尽きない。
尚、ストーリーに関しては多分にネタバレを含めため多くは言及しない。
ただ、副長フランツが見せたこれまでにないほど彼女たちを気遣い、想う様子は冷血な人というイメージからの意外性もあって印象的だ。
そして何より、陽炎を取り巻く過去の因縁を解き明かす過程は見所である。
両親に関して涼月にも意外な救いがもたらされた点も見逃せない。
そして、圧倒的な文字量/情報量を有しながらマルドゥックシリーズの時のそれよりも格段に読みやすくなっているのが良い。
衝撃的なプロローグにはひとまずの安心を得られたが、目下、喫緊の問題が彼女らの前には立ち塞がっている。
次巻も大変待ち遠しい。