NHKの「映像の世紀」で米国のアポロ計画の中心人物がナチス残党だったと知って驚愕しましたが、この小説には残党達が互助会のような組織を作って活動を続けてた事を詳しく書いてあります。フレデリック・フォーサイスの人物の描き方の細かい描写がいかにも英国人らしくて楽しめました。
但し、「ナチスは絶対悪である」という欧米の主張を確認するステレオタイプ的な内容である事には変わりばえがありません。確かに民族浄化等は絶対悪ではあるものの、ナチスがバーター取引を採用した事によってオートバーンの建設が可能となったのにその手法が否定されたという事実もあるらしいので、2022年の現代では、多角的視点からナチの活動を再評価する必要もありかなと思いました。

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オディサ・ファイル (角川文庫 赤 537-2) 文庫 – 1980/5/1
フレデリック フォーサイス
(著),
篠原 慎
(翻訳)
オデッサとは元ナチス親衛隊隊員の救済を目的とする地下組織で、その存在は公然の秘密とされている。リガの殺人鬼と呼ばれた元SS高級将校を追って、この悪魔の組織に単身挑む一記者の戦慄の追跡行。
- ISBN-104042537022
- ISBN-13978-4042537021
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1980/5/1
- 言語日本語
- 本の長さ467ページ
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1980/5/1)
- 発売日 : 1980/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 467ページ
- ISBN-10 : 4042537022
- ISBN-13 : 978-4042537021
- Amazon 売れ筋ランキング: - 246,606位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年4月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きれいに梱包されてました
2021年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
既に絶版となっているもので、程度も良く大変満足しています。
2018年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
CIAやMI6、KGBなどが動き回る話だと思ってましたが、もっと人間臭く深くて面白かった。
2014年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ツイテル人は、どこまでもツイテル。
知り合いの刑事から、自殺したユダヤ人(リガ収容所にいた)の日記(父親の写真付き)を渡され、内容を読むと父親を殺した人間(ロシュマン)が未だ生きて、ドイツ国内にいることを知る。
警察、検察、マスコミが非協力的な中(多数、ナチスの生き残りが居るから当然か)、イスラエルの諜報機関(別の目的で、オデッサに接近したがっていた)の協力を得て、組織に肉薄していく。
途中何度も脅迫を受けるも、引き下がらず、また、車(ジャガー)に爆弾を仕掛けられるが、足回りが固いという事で作動せず、広範囲に動き回れる(最後に、ロシュマンの部下が運転し、爆発)。
以前、バーでチップを渡した女性の恋人が、元コソ泥で、彼の手を借り、偽造屋の家からオデッサファイル(SSの主要メンバーの偽造パスポートの名簿)を手に入れることに成功する。
クライマックス、ロシュマンを追い詰め、いよいよって時、彼の部下に殴打され気を失い、取り逃がしてしまい、逆に、ヒットマンから命を狙われる。
拳銃で狙いをつけられ、もうアカンって時に、主人公の恋人からの連絡を聴いて飛んできたエージェントに間一髪助けられる。
ラストは、恋人と結婚し、依然同様民衆が楽しめ、求めるネタを中心に記事を書き、ルポライターとして活動する。
良い事の後には、また、いいことが起こる(幸運は続く、いいことが山ほどくる)。
知り合いの刑事から、自殺したユダヤ人(リガ収容所にいた)の日記(父親の写真付き)を渡され、内容を読むと父親を殺した人間(ロシュマン)が未だ生きて、ドイツ国内にいることを知る。
警察、検察、マスコミが非協力的な中(多数、ナチスの生き残りが居るから当然か)、イスラエルの諜報機関(別の目的で、オデッサに接近したがっていた)の協力を得て、組織に肉薄していく。
途中何度も脅迫を受けるも、引き下がらず、また、車(ジャガー)に爆弾を仕掛けられるが、足回りが固いという事で作動せず、広範囲に動き回れる(最後に、ロシュマンの部下が運転し、爆発)。
以前、バーでチップを渡した女性の恋人が、元コソ泥で、彼の手を借り、偽造屋の家からオデッサファイル(SSの主要メンバーの偽造パスポートの名簿)を手に入れることに成功する。
クライマックス、ロシュマンを追い詰め、いよいよって時、彼の部下に殴打され気を失い、取り逃がしてしまい、逆に、ヒットマンから命を狙われる。
拳銃で狙いをつけられ、もうアカンって時に、主人公の恋人からの連絡を聴いて飛んできたエージェントに間一髪助けられる。
ラストは、恋人と結婚し、依然同様民衆が楽しめ、求めるネタを中心に記事を書き、ルポライターとして活動する。
良い事の後には、また、いいことが起こる(幸運は続く、いいことが山ほどくる)。
2023年8月15日に日本でレビュー済み
映画を先に見て、ナチ&オデッサファイル&ナチハンターに興味があり本書を読みました。
潜伏ナチ相手の話であり、しかもキチンと取材して事実に基づいて書いているので面白いに決まってます。
ただ、どなたかが書いている様に話の中で余りにも都合が良い部分が多すぎて、なんだかなと言う所はあります。
でもジャーナリストが書いているだけあって話に遠回しな表現やムダなプロットが無い。
外国の作家は結構これが多くて読み辛いと感じる事が多いのですが、それが無いので非常に読みやすかったです。
自分的にはナチ及びSSについての詳しい記述が一番読み応えがあったな。専門書ほど難しくも無いし小説の中での説明なので端的だし。
話も面白いしナチやナチ逃亡犯について基本的な事が知れるので、一粒で二度美味しい本だと思います。
惜しむらくは書かれたのが1970年代、小説の中の設定が1960年代初頭なので、仕方の無い事だけど現在と状況がだいぶ違っているので違和感はあります。
けどこの話が書かれた時って小説に登場するSS含め、まだ殆どのナチ逃亡犯が生きていたのよね。
そう考えるとすごく複雑な気持ちになります。
潜伏ナチ相手の話であり、しかもキチンと取材して事実に基づいて書いているので面白いに決まってます。
ただ、どなたかが書いている様に話の中で余りにも都合が良い部分が多すぎて、なんだかなと言う所はあります。
でもジャーナリストが書いているだけあって話に遠回しな表現やムダなプロットが無い。
外国の作家は結構これが多くて読み辛いと感じる事が多いのですが、それが無いので非常に読みやすかったです。
自分的にはナチ及びSSについての詳しい記述が一番読み応えがあったな。専門書ほど難しくも無いし小説の中での説明なので端的だし。
話も面白いしナチやナチ逃亡犯について基本的な事が知れるので、一粒で二度美味しい本だと思います。
惜しむらくは書かれたのが1970年代、小説の中の設定が1960年代初頭なので、仕方の無い事だけど現在と状況がだいぶ違っているので違和感はあります。
けどこの話が書かれた時って小説に登場するSS含め、まだ殆どのナチ逃亡犯が生きていたのよね。
そう考えるとすごく複雑な気持ちになります。
2015年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
デビュー作の「ジャッカルの日」と似た冒険活劇小説である。数多くの登場人物と物語を進める際の専門用語(今回はナチスの話)の解説が複雑で、何度も読み返さなければわからない点も多々あった。しかしそのような自らの理解力の貧弱さを覆すような展開の雄大さに舌を巻く。その展開は生半可な読者でも十分に興奮できる。単純な想像を軽く超えた世界を垣間見ることができ、これぞエンターテイメント小説と叫びたくなる読後感であった。
ジャッカルの日もオデッサファイルも結末は寂しさの中に清々しさが同居したような印象を受ける。それと同時に長編大作を読み切った達成感が訪れ、読書の醍醐味を改めて気づかせてくれる。
冒頭の読みにくさをクリアすると、主人公ペーター・ミラー(フリーのルポライター)に寄り添うように自らもジャガーに乗って動き回っている気分になれる。優れた落語を聞くと、聞いている自分もその世界に引き込まれ、一緒になって喜怒哀楽を共感するようになるのだが、それと全く同様のことがこの作品で楽しめる。映画のような映像がないからこそ、一つひとつの文章から想像力が掻き立てられる。その展開の拡がりに面白さが増してきて、次の文章をむさぼるように追いかけている自分に気づく。まことに心地よいひとときであった。
ジャッカルの日もオデッサファイルも結末は寂しさの中に清々しさが同居したような印象を受ける。それと同時に長編大作を読み切った達成感が訪れ、読書の醍醐味を改めて気づかせてくれる。
冒頭の読みにくさをクリアすると、主人公ペーター・ミラー(フリーのルポライター)に寄り添うように自らもジャガーに乗って動き回っている気分になれる。優れた落語を聞くと、聞いている自分もその世界に引き込まれ、一緒になって喜怒哀楽を共感するようになるのだが、それと全く同様のことがこの作品で楽しめる。映画のような映像がないからこそ、一つひとつの文章から想像力が掻き立てられる。その展開の拡がりに面白さが増してきて、次の文章をむさぼるように追いかけている自分に気づく。まことに心地よいひとときであった。
2017年2月26日に日本でレビュー済み
映画を見てから、本書を読んだわけだが面白くなかったと言ったら嘘になる。両方とも一気観、一気読み。
ただ、一点どうしても気になる点が一つ。
話を面白くするためにエジプトまでナチの残党と手を組む悪の存在として描くのはどうなんだろう。
逆にミサイルに関しては、再三繰り返されてきて今日までなお続くイスラエルのパレスチナ人に対する「ホロコースト」に近いと言ってもいい蛮行、そしてそのことに対する怒りがイスラムテロリストへの大きな燃料源になってきたことを考えるなら、
オデッサの計画が成功してた方が良かったかもなんて感想を持たせかねない。(まあ、放射性物質や病原菌というのは、いかなる場合も手段としては認められませんがね)
歴史的事実としてはっきりしているのは、エジプトのナセル大統領が旧ナチに同情的であり、政府の役人として起用したり、あるいは旧ドイツ帝国の技術者を使って対イスラエル用のロケットを開発しようとしたことと、それにモサドの指導部が過剰に反応してドイツとの外交関係をおかしくしかねない行動におよんだこと(そのあたりは本書にも出てきますね)、それ以上でもそれ以下でもない。
その歴史的事実と、その動きを旧SSの組織が主導したというフィクションを巧みに織り交ぜ、しかも総て真実であるように語るのはあまりに低劣かつ姑息だと感じた。
ホロコーストが20世紀最大の悲劇の一つであり、その犯人たちはとことん追及すべきであり、もしそれを隠蔽しようとする風土があるなら改めるべきだということには全く異論もなく心から共感できるのだが(私の一番好きな映画、シンドラーのリストです)、
だからと言って、イスラエルという国のあり方を無条件に全肯定し、そのため敵対国を悪の存在として描くために旧ナチと結びつけるのは、あまりにも品性に欠ける低劣な手法だと思う。
ジャッカルの日、戦争の犬たちは大好きな作家なだけに、この作品には少しがっかりです。わざわざ図書館で借りて読むんじゃなかった。
持ってないには持ってないなりの理由があるんだ。
ただ、一点どうしても気になる点が一つ。
話を面白くするためにエジプトまでナチの残党と手を組む悪の存在として描くのはどうなんだろう。
逆にミサイルに関しては、再三繰り返されてきて今日までなお続くイスラエルのパレスチナ人に対する「ホロコースト」に近いと言ってもいい蛮行、そしてそのことに対する怒りがイスラムテロリストへの大きな燃料源になってきたことを考えるなら、
オデッサの計画が成功してた方が良かったかもなんて感想を持たせかねない。(まあ、放射性物質や病原菌というのは、いかなる場合も手段としては認められませんがね)
歴史的事実としてはっきりしているのは、エジプトのナセル大統領が旧ナチに同情的であり、政府の役人として起用したり、あるいは旧ドイツ帝国の技術者を使って対イスラエル用のロケットを開発しようとしたことと、それにモサドの指導部が過剰に反応してドイツとの外交関係をおかしくしかねない行動におよんだこと(そのあたりは本書にも出てきますね)、それ以上でもそれ以下でもない。
その歴史的事実と、その動きを旧SSの組織が主導したというフィクションを巧みに織り交ぜ、しかも総て真実であるように語るのはあまりに低劣かつ姑息だと感じた。
ホロコーストが20世紀最大の悲劇の一つであり、その犯人たちはとことん追及すべきであり、もしそれを隠蔽しようとする風土があるなら改めるべきだということには全く異論もなく心から共感できるのだが(私の一番好きな映画、シンドラーのリストです)、
だからと言って、イスラエルという国のあり方を無条件に全肯定し、そのため敵対国を悪の存在として描くために旧ナチと結びつけるのは、あまりにも品性に欠ける低劣な手法だと思う。
ジャッカルの日、戦争の犬たちは大好きな作家なだけに、この作品には少しがっかりです。わざわざ図書館で借りて読むんじゃなかった。
持ってないには持ってないなりの理由があるんだ。