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最後の祈り 単行本 – 2023/4/21

4.3 5つ星のうち4.3 74個の評価

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殺人犯と、娘を殺された父。 死刑執行を前に、 命懸けの対話が始まる。

娘を殺した男がすぐ目の前にいる。贖罪や反省の思いなど微塵も窺えないふてぶてしい態度で。

東京に住む保阪宗佑は、娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。牧師である宗佑は、受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。今までは人を救うために祈ってきたのに、犯人を地獄へ突き落としたい。煩悶する宗佑と、罪の意識のかけらもない犯人。死刑執行の日が迫るなか、二人の対話が始まる。動機なき殺人の闇に迫る、重厚な人間ドラマの書き手・薬丸岳の新たな到達点。

〈著者・薬丸岳さんから〉
「死刑になりたいから人を殺した」
「誰でもいいから人を殺したかった」
世間で無敵の人と呼ばれる凶悪犯には心がないのか。いや、そんなはずはないという祈りを込めました。
ぼくの作品の中で最も重く苦しい物語です。どうか覚悟してお読みください。

〈担当編集者から〉
「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが、実際に愛する人を殺されたら、そうすることはできるのでしょうか? この究極の問いを突き付けられるのは、牧師であり、無償で受刑者の精神的救済もしてきた主人公・宗佑です。品行方正に生きてきたのではなく、過去に犯した罪の罪悪感に苦しんできた宗佑。自分が救われたように、人々を救いたいという強い気持ちを持って真摯に仕事に取り組んできた彼が、何よりも大事にしてきた娘を惨殺されたら――。復讐という動機で犯人に接する宗佑に湧きおこる、まさかの感情。犯人と、彼をこの世で一番憎んでいる宗佑との対話。重いテーマではありますが、読む人の心を揺さぶる傑作です。ぜひご一読ください。
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商品の説明

著者について

●薬丸 岳:1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2023/4/21)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/4/21
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 416ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4041109930
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041109939
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.8 x 3.2 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 74個の評価

著者について

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薬丸 岳
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2024年2月6日に日本でレビュー済み
すごく面白くて一気に読んでとても考えさせられた
罪を憎んで人を憎まずがどんなに大変なことか
でも最後は薬丸さんらしい終わり方だった
拘置所の職員が死刑囚に肩入れしすぎな気がしたけど実際のところはどうなんだろう
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
色々な考え方ができる一冊。
集団で読んでそれぞれの意見を聞きたくなるような。
答えなんてないんだろう。
本人でさえ。
私が読んだ今、現実では京アニの裁判が行われていて、連日の報道がなされる中ですので重ねて考えてしまいました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こういう系統で読み終えたくないと思った本は非常に珍しい。薬丸作品の中でも最高の出来ではないかと思います。

先ず以てありえないけどこの、被害者の父親が犯人の教誨師と言う設定をその筆力でのみこませてくれます。刑務官の仕事や教誨師のことは勿論、死刑制度についても、罪と罰、動機や後悔や改心までも事細かくかなり突っ込んで書きこまれています。犯人の罪意識だけではなく、皆が抱える原罪や宗教観にまでいたる叙述は圧巻。

特筆すべきは、表現の過激さで読者を釣るようなちゃちな話ではないというところです。グロテスクな表現などは事件当時の事以外一切出て来ません。
まさに人間ドラマ。
読んで後悔はしないと思います。
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年7月16日に日本でレビュー済み
結婚間際の娘を殺害された教誨師の保阪宗佑が、娘を殺害した犯人である石原の教誨を行うことになった。

殺人犯の石原に「生きる希望」を与えることで、死ぬ直前に地獄に叩き落とす言葉を突き刺し、娘の無念を晴らすために。

物語は教誨師の保阪、刑務官の小泉、殺人犯の石原の3人の視点で描かれていく。

石原は死刑にしてくれてサンキューと被害者遺族の感情を逆撫でする言葉を放ち、刑務所でも反省する様子は全く見られない。

そんな石原が保坂の教誨を受けることでどうなっていくのか、また保坂も果たして平常心を保つことができるのか、刑務官の小泉は石原とどう接していくのか、興味深くて読み応えがあった。

特に、石原が娘の由亜の最期の姿を語る場面は居たたまれなくなる保坂の気持ちが痛いほど伝わってきて、切なさと怒りがごちゃごちゃになるような感情に包まれた。

物語の本筋ではない部分だが、保坂の前に死刑囚に教誨をしていた鷲尾の残した言葉が特に印象的だった。

まずは「死神の手先だ」という言葉。

確定死刑囚の精神状態が動揺したり乱れたりしていると死刑は執行されにくいが、心から罪を悔い改めて償いとして死を迎える覚悟ができたとみなされたときは処刑されやすい。

教誨師は確定死刑囚を速やかに滞りなく刑場に導くために存在しているという言葉はとても重かった。

また、鷲尾が過去に自分が犯した罪を許せず苦しみもがいている中で、「死刑執行に立ち会うことが自分が犯した罪への罰だ」と受け入れ、死刑執行に立会い続けるという苦行も読んでいてつらかった。

さらに、教誨師は無力なのかと問う保坂に対して、鷲尾が言った「せいぜい彼らが抱えている宿題を一緒に考えて悩んでやることぐらいしかできない」という言葉も心に響いた。

自分の身も心もを削って、娘を殺害した男の教誨を行い続けた保坂の胆力は凄まじく最期まで目が離せなかった。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年7月30日に日本でレビュー済み
高評価が多いので、あまり書きませんが、号泣してしまいました。

途中までは、なかなか没頭できなかったのですが、やはり中後半で物語がシリアスさを増して佳境に入った辺りからヤバかったです。

最後の方は大泣きでした。
お勧めの一作です。
映画化されても泣けない気がします。
やはりこれは活字の力、で泣ける気がします。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後の言葉にたどり着きたくてどどん読み進めてしまいます。教誨師として、殺された我が娘の復讐ために殺人犯に近づく下心は、誰もが闇を抱えて生きる人間そのもの。牧師とてただの罪人です。赦せるはずのない犯人の極刑まぎわの一言には言葉を失いました。わたしならどうするだろうか。深く考えさせられました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年10月5日に日本でレビュー済み
最後の言葉の意味がわからない。
何故,彼はあの言葉をあの人に伝えたかったのか?
ネタバレになるからこれ以上かけませんが,誰か教えてください!
2023年4月28日に日本でレビュー済み
すっっっごく良かった。早く読みたい気持ちと、ゆっくり味わいと思う気持ちがここまで喧嘩し合うことは初めて。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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