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丸の内魔法少女ミラクリーナ 単行本 – 2020/2/29
村田 沙耶香
(著)
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購入オプションとあわせ買い
単調でストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪い!
さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。
■「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
OLの茅ヶ崎リナは、日々降りかかってくる無理難題も、魔法のコンパクトでミラクリーナに“変身”し、妄想力を駆使して乗り切っている。そんなある日、元魔法少女仲間のレイコが、恋人の正志と喧嘩。よりを戻すためには「レイコの代わりに魔法少女になること」を条件に出すと、意外にも彼は魔法少女活動にのめり込んでいくが……。
■「秘密の花園」
「見ているだけでいいから」と同じ大学の早川君を1週間監禁することにした千佳。3食昼寝付きという千佳の提案に、彼は上から目線で渋々合意した。だが、千佳の真意は、小学3年生からの早川君への初恋に終止符を打つため、「生身の早川君がいかにくだらない男か」を目の当たりにし、自分の中の「幻想」を打ち砕くことにあった――。
■「無性教室」
髪はショートカット、化粧は禁止、一人称は「僕」でなければならない――。「性別」禁止の高校へ通うユートは、性別不明の同級生・セナに惹かれている。しかし女子であろう(と推測される)ユキから、近い将来、性別は「廃止」されると聞かされ、混乱する。どうしてもセナの性別が知りたくなるが、セナは詮索されるのを嫌がり……。
■「変容」
母親の介護が一段落し、40歳になって再び、近所のファミレスで働きはじめた真琴は、世の中から「怒り」という感情がなくなってきていること、また周囲の人々が当たり前のように使う「なもむ」という言葉も、その感情も知らないことに衝撃を受ける。その矢先、大学時代の親友から「精神のステージをあげていく交流会」に誘われるが……。
さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。
■「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
OLの茅ヶ崎リナは、日々降りかかってくる無理難題も、魔法のコンパクトでミラクリーナに“変身”し、妄想力を駆使して乗り切っている。そんなある日、元魔法少女仲間のレイコが、恋人の正志と喧嘩。よりを戻すためには「レイコの代わりに魔法少女になること」を条件に出すと、意外にも彼は魔法少女活動にのめり込んでいくが……。
■「秘密の花園」
「見ているだけでいいから」と同じ大学の早川君を1週間監禁することにした千佳。3食昼寝付きという千佳の提案に、彼は上から目線で渋々合意した。だが、千佳の真意は、小学3年生からの早川君への初恋に終止符を打つため、「生身の早川君がいかにくだらない男か」を目の当たりにし、自分の中の「幻想」を打ち砕くことにあった――。
■「無性教室」
髪はショートカット、化粧は禁止、一人称は「僕」でなければならない――。「性別」禁止の高校へ通うユートは、性別不明の同級生・セナに惹かれている。しかし女子であろう(と推測される)ユキから、近い将来、性別は「廃止」されると聞かされ、混乱する。どうしてもセナの性別が知りたくなるが、セナは詮索されるのを嫌がり……。
■「変容」
母親の介護が一段落し、40歳になって再び、近所のファミレスで働きはじめた真琴は、世の中から「怒り」という感情がなくなってきていること、また周囲の人々が当たり前のように使う「なもむ」という言葉も、その感情も知らないことに衝撃を受ける。その矢先、大学時代の親友から「精神のステージをあげていく交流会」に誘われるが……。
- 本の長さ216ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2020/2/29
- 寸法13.8 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-104041084237
- ISBN-13978-4041084236
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商品の説明
著者について
●村田 沙耶香:1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川龍之介賞受賞。その他の小説に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『地球星人』、エッセイに『となりの脳世界』『私が食べた本』などがある。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2020/2/29)
- 発売日 : 2020/2/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 216ページ
- ISBN-10 : 4041084237
- ISBN-13 : 978-4041084236
- 寸法 : 13.8 x 2 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 84,512位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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村田 沙耶香
(むらた・さやか)
1979年、千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年、『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。2009年、『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年、『コンビニ人間』で芥川賞受賞。同作は累計発行部数100万部を突破した。その他の著書に『マウス』『星が吸う水』『タダイマトビラ』『地球星人』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たしかにウザイもエモいも子供の時なかったけど理解できる感情。星新一のような世にも奇妙な物語のようにも思えるけど全てがこの現在の社会で起きてておかしくないような話。とってもまみまぬみました。
2020年3月10日に日本でレビュー済み
4つの短編をつなぐキーワードは「少女の心」。表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は、36歳になったリナが、小学3年生のときの魔法少女ごっこからいまだに抜けられないというお話。「いい年をして」と思っていたが最後のオチで「なるほど」と思った。生きづらい世の中だからこういうこともあっていいのかも。
「秘密の花園」は、小学3年生のときの初恋の相手を、大学生になった千佳が1週間監禁するお話。女子大生のストーカーということになるが、こんなおばかな男を1週間も観察しないと自分の気持ちに決着をつけられないものだろうか。その割にはすぐに次の相手を見つけるのだけれども。
「無性教室」は、校内では性別がわからない服装で過ごすという校則のある高校のお話。ジェンダーフリーが行きすぎるとこうなるのかと恐ろしくなる。ヒロインのユートは、欅坂46の楽曲『風に吹かれても』や『アンビバレント』のMVのセンター・平手友梨奈を彷彿とさせる。(「僕」という一人称や髪型やインナーを含む黒い服装も)。と、すると、女子であることをカミングアウトして退学していくユキは長濱ねるなのかもしれない。
「変容」は、大学1年生だったときの気持ちを周囲に合わせて変容させることができない、40歳の真琴のお話。エキセントリックに思えたおばさん・五十川さんの方がまともに見えてくる恐ろしさ。自己啓発セミナーみたいな集会が未来を決めるなんて…。
いずれにしても、少女の心を大人になって自分の中でどう扱っていくかという問題が根底にある。おじさんである私にとっては少し難しテーマだったかもしれない。文章はうまいと思うのだけれども。
「秘密の花園」は、小学3年生のときの初恋の相手を、大学生になった千佳が1週間監禁するお話。女子大生のストーカーということになるが、こんなおばかな男を1週間も観察しないと自分の気持ちに決着をつけられないものだろうか。その割にはすぐに次の相手を見つけるのだけれども。
「無性教室」は、校内では性別がわからない服装で過ごすという校則のある高校のお話。ジェンダーフリーが行きすぎるとこうなるのかと恐ろしくなる。ヒロインのユートは、欅坂46の楽曲『風に吹かれても』や『アンビバレント』のMVのセンター・平手友梨奈を彷彿とさせる。(「僕」という一人称や髪型やインナーを含む黒い服装も)。と、すると、女子であることをカミングアウトして退学していくユキは長濱ねるなのかもしれない。
「変容」は、大学1年生だったときの気持ちを周囲に合わせて変容させることができない、40歳の真琴のお話。エキセントリックに思えたおばさん・五十川さんの方がまともに見えてくる恐ろしさ。自己啓発セミナーみたいな集会が未来を決めるなんて…。
いずれにしても、少女の心を大人になって自分の中でどう扱っていくかという問題が根底にある。おじさんである私にとっては少し難しテーマだったかもしれない。文章はうまいと思うのだけれども。
2020年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなことが起こり得るはずがないと思うのに、想像することをやめられない世界観。圧倒的視点。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結構楽しめた。時間がある人は読んで損はない。
2023年7月2日に日本でレビュー済み
ただただ、面白い。
初めて小説読んで声出して笑った。
初めて小説読んで声出して笑った。
2020年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作家さんの本は初めてでした。
が、いかんせん、私とはとても相性が悪く、どの話も気持ちが悪くなってしまった。
でも、題材と考え方は面白く、究極は確かにこう言う表現になるよなあと納得する所が多かったです。
ただどの話にも狂気を感じてしまい、読了した時には恐怖しか感じず、全く感動もし無かったのでこの評価にしました。私には合わなかった。ただただ怖かった。
独特の視点を突き詰めた本でした。
装丁は可愛く、飾っておくにはもってこい。
が、いかんせん、私とはとても相性が悪く、どの話も気持ちが悪くなってしまった。
でも、題材と考え方は面白く、究極は確かにこう言う表現になるよなあと納得する所が多かったです。
ただどの話にも狂気を感じてしまい、読了した時には恐怖しか感じず、全く感動もし無かったのでこの評価にしました。私には合わなかった。ただただ怖かった。
独特の視点を突き詰めた本でした。
装丁は可愛く、飾っておくにはもってこい。
2020年12月17日に日本でレビュー済み
大人になっても魔法少女になる表題作品の「丸の内魔法少女ミラクリーナ」。初恋の幻想を引きずる女性の「秘密の花園」。18歳まで性別を禁止される世界を描いた「無性教室」。世代ごとに怒りの感情が消えたりセックスしなくなる現象がありその真相を探る「変容」。どれも村田沙耶香さんらしい突飛な世界を描く。著者にしては少し控えめな感じもするが、面白さは相変わらずだ。この一冊で、笑いと恐怖の両方を堪能できる。
2020年5月23日に日本でレビュー済み
『あのころは、夏休みはドリルや絵日記や自由研究があって、もっと忙しかった。大学生の夏休みは時間がありすぎる。だから、こんな風に男の子を監禁なんてしてしまうのだ。』
(P82、「秘密の花園」より)
村田沙耶香の著作は刊行されているものを九割方読ませてもらっている。そしておおむね時系列に従って読んできているので、内容の変化は理解してきた……つもりである。
そうして描かれるところのテーマは以下と捉えている。
1.少女性……女の子に訪れる第一次性徴の頃の変化の感覚とそれに付きまとう違和感など。本作「丸の内魔法少女ミラクリナーナ(1.と2.)」「秘密の花園」
2.普遍性への懐疑……世間一般がロールモデルとしている人間の形態=夫婦や成功の形、マトモさ・常識への疑い。本作「変容」
3.無性 ……前述の「少女性」を反転した結果訪れるもの。本作「無性教室(3.と4.)」
4.性行為……への過剰なまでの嫌悪、ないし依存。前述の少女性と無性に関連して描かれることが多い。これをフックに過去作で言えば「殺人出産」・「地球人間」など。
これらの諸要素を時に過剰なまでに肥大させ、時に掛け合わせる。必要によってSF的要素や、世間一般的な恋愛要素もバランス良く取り入れてきた結果、彼女の作品は体系だっての読書に耐えうるだけの強度を備え、様々な言語に訳され、世界中で読まれるに至っている。
そうした中で近しい短編集「生命式」の一連作品は、素材としての人間に焦点を絞り過ぎていたせいか、表現のグロテスクさがあまりに尖り過ぎていて、万人向けとは言い難かった。だが本作においては結末に用意されているヴィジョンが共感を抱かせるものが多く、非常に読みやすい。
少女的妄想をストレスに耐える手段=すなわち滑稽なものという前提を出した上で、結末でその評価を替えさせてしまう表題作や、性別系SF世界の中で行われるソフト百合と見せかけて……の「無性世界」など、過去作の「ハコブネ」や「トリプル(「殺人出産」収録)」の発展形と感じる。
また最終的に「まみまぬんでら」という造語の概念を通じて力ずくで、しかも感動的なフィナーレを迎えさせる「変容」なんて、まともなようでいて全然まともでない。「変半身」で唖然とさせられた、非常に有機的なデウスエクスマキナを思わす。村田沙耶香の真骨頂と言える。
そして二本目の「秘密の花園」、これが抜群に良いのだが、私の読解とやや異なるものが見受けられた。正当かどうかはさておき、私の読みとった結末へのヒントじみた解説を行いたい。以下はネタバレにつき、読後の方に読んでいただければ幸いである。
------------------------------------------------------------------------------------------------
1.彼女には大学三年生の現在、付き合おうとしていた異性がいた。
2.けれど、小学三年生の頃からの初恋を偶像化し過ぎてしまった結果、
異性とキスが出来ないまま、現在に至ってしまっている。
3.「だから」、彼女は男性を監禁するのである。
「だから」……ここにある理由というのが、地の文では明確に示されていない。ともすれば唐突な終わり方と展開に首を捻られるかもしれない。しかしこの「だから」は「1.」にかかっている。自分で育て、たくましくしてしまった幻想の異性像が現実のキスを阻むからこそ、彼女は幻想を壊すのである。この短編はある一人の女性の「現在」の異性への純愛、偶像への幻想、そしてその幻想を破壊するためにどれだけ残酷になれるか……身勝手になれるかを端的に表現している。行為に含まれている明暗の対比が実に素晴らしいのである。
加えて終了直前の「対峙」での様子から、彼女はいわゆるキスから先の行為についてをほとんど通過しているのではないか、ということが分ってくる。言い換えるとキス以外のこと全てを試してきたであろう彼女が、初めてキスを交わしたいと思った相手のため、幻想を破壊するのだろう。そうしてその幻想を破壊する行為が、監禁されていた男性が彼女へ抱いていた――もっと言うならば「我々読者が彼女に抱いていたイメージを破壊すること」にもつながっているわけだ。
そうした多層的な意味付けからも、短編集の中で白眉の出来と感じた次第である。
最後にもう一度言っておこう。彼女の作品は深読みにも耐えうるだけの強度を備え、様々な言語に訳され、世界中で読まれるに至っている。とりわけ「秘密の花園」はエンタメ的見地、また純文学的見地から見ても、実に優れた短編であると私は信じている。
(P82、「秘密の花園」より)
村田沙耶香の著作は刊行されているものを九割方読ませてもらっている。そしておおむね時系列に従って読んできているので、内容の変化は理解してきた……つもりである。
そうして描かれるところのテーマは以下と捉えている。
1.少女性……女の子に訪れる第一次性徴の頃の変化の感覚とそれに付きまとう違和感など。本作「丸の内魔法少女ミラクリナーナ(1.と2.)」「秘密の花園」
2.普遍性への懐疑……世間一般がロールモデルとしている人間の形態=夫婦や成功の形、マトモさ・常識への疑い。本作「変容」
3.無性 ……前述の「少女性」を反転した結果訪れるもの。本作「無性教室(3.と4.)」
4.性行為……への過剰なまでの嫌悪、ないし依存。前述の少女性と無性に関連して描かれることが多い。これをフックに過去作で言えば「殺人出産」・「地球人間」など。
これらの諸要素を時に過剰なまでに肥大させ、時に掛け合わせる。必要によってSF的要素や、世間一般的な恋愛要素もバランス良く取り入れてきた結果、彼女の作品は体系だっての読書に耐えうるだけの強度を備え、様々な言語に訳され、世界中で読まれるに至っている。
そうした中で近しい短編集「生命式」の一連作品は、素材としての人間に焦点を絞り過ぎていたせいか、表現のグロテスクさがあまりに尖り過ぎていて、万人向けとは言い難かった。だが本作においては結末に用意されているヴィジョンが共感を抱かせるものが多く、非常に読みやすい。
少女的妄想をストレスに耐える手段=すなわち滑稽なものという前提を出した上で、結末でその評価を替えさせてしまう表題作や、性別系SF世界の中で行われるソフト百合と見せかけて……の「無性世界」など、過去作の「ハコブネ」や「トリプル(「殺人出産」収録)」の発展形と感じる。
また最終的に「まみまぬんでら」という造語の概念を通じて力ずくで、しかも感動的なフィナーレを迎えさせる「変容」なんて、まともなようでいて全然まともでない。「変半身」で唖然とさせられた、非常に有機的なデウスエクスマキナを思わす。村田沙耶香の真骨頂と言える。
そして二本目の「秘密の花園」、これが抜群に良いのだが、私の読解とやや異なるものが見受けられた。正当かどうかはさておき、私の読みとった結末へのヒントじみた解説を行いたい。以下はネタバレにつき、読後の方に読んでいただければ幸いである。
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1.彼女には大学三年生の現在、付き合おうとしていた異性がいた。
2.けれど、小学三年生の頃からの初恋を偶像化し過ぎてしまった結果、
異性とキスが出来ないまま、現在に至ってしまっている。
3.「だから」、彼女は男性を監禁するのである。
「だから」……ここにある理由というのが、地の文では明確に示されていない。ともすれば唐突な終わり方と展開に首を捻られるかもしれない。しかしこの「だから」は「1.」にかかっている。自分で育て、たくましくしてしまった幻想の異性像が現実のキスを阻むからこそ、彼女は幻想を壊すのである。この短編はある一人の女性の「現在」の異性への純愛、偶像への幻想、そしてその幻想を破壊するためにどれだけ残酷になれるか……身勝手になれるかを端的に表現している。行為に含まれている明暗の対比が実に素晴らしいのである。
加えて終了直前の「対峙」での様子から、彼女はいわゆるキスから先の行為についてをほとんど通過しているのではないか、ということが分ってくる。言い換えるとキス以外のこと全てを試してきたであろう彼女が、初めてキスを交わしたいと思った相手のため、幻想を破壊するのだろう。そうしてその幻想を破壊する行為が、監禁されていた男性が彼女へ抱いていた――もっと言うならば「我々読者が彼女に抱いていたイメージを破壊すること」にもつながっているわけだ。
そうした多層的な意味付けからも、短編集の中で白眉の出来と感じた次第である。
最後にもう一度言っておこう。彼女の作品は深読みにも耐えうるだけの強度を備え、様々な言語に訳され、世界中で読まれるに至っている。とりわけ「秘密の花園」はエンタメ的見地、また純文学的見地から見ても、実に優れた短編であると私は信じている。