本書にはろくでもない人物や団体ばっかり登場する。あるレビューでは、「救いがない」と書かれていた。確かに読後感は爽快ではいが(そもそもそういう本じゃない)、希望を感じる部分もあった。
イスラム街化した群馬県の古い宿場町紹介した後の安田氏の思いは正直だった。
「多文化共生の重要性は、頭ではよくわかっているつもりではあっても、自分の生まれ育った街が荒廃し、イスラムシティに変わっていたとすれば、私はそれを心の底から歓迎できるだろうか」
今以上の多文化社会になることは避けられない日本。新時代の日本は、どうすればマシになるのか?
あわよくばどうすればより良い国になるのか?本書を考える糧にしたい。
あと個人的に笵博文さんのその後が気になる。どうか彼には幸せになってほしい。

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「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本 単行本 – 2021/3/2
安田 峰俊
(著)
「ルームメイトは逃亡しました」紋切り型報道では描かれないディープルポ!
「ルームメイトは逃亡しました」
国からは「高度」と見なされない、圧倒的多数(外国人労働者)の世界。
大宅賞『八九六四』著者が、絶対的な弱者でも敵でもない、彼らの「現実」に追るディープルポ!
日本政府をはじめ、公的機関が使用している言葉、「高度外国人材」。
「高度」な人材がいるということは、国の定義とは真逆の属性を持つ人材も存在するはずだ。
それは、「(年齢だけは若いかもしれないが)学歴・年収が低く、日本語はろくに喋れず専門知識もない、非熟練労働に従事している」人たちといえる。
しかし、日本社会は彼らにこそ強く依存しており、必要としているではないか。
生身の「“低度“外国人材」は、紋切り型の報道のなかで語られるような、絶対的な弱者や被害者たちの群れではない。
ましてや、陰謀をたくらむ存在でもない。
そもそも中国は経済成長をとげ、稼げない日本に見切りをつける中国人は多く、在日外国人問題の主役はベトナム人に移行している。
──われわれは記号としての弱者や敵を想定していたのに、いたのは人間だった。
3年にわたって中国、ベトナム、日本各地を回り、生身の姿に迫ったディープルポ!
【目次】
はじめに
第一章 コロナ、タリバン、群馬県――隣人は平和な「イスラム原理主義者」
第二章 「兵士」たちの逃亡と犯罪――主役は中国人からベトナム人へ
第三章 頼りなき弱者――ベトナム「送り出し」業者に突撃してみれば
第四章 「低度」人材の村――ウソと搾取の「破綻した制度」
第五章 「現代の奴隷」になれない中国人――稼げない日本に見切りをつけるとき
第六章 高度人材、低度人材――「日本語だけは上手い」元技能実習生
第七章 「群馬の兄貴」の罪と罰――北関東家畜窃盗疑惑の黒い霧
おわりに
主要参考文献
「ルームメイトは逃亡しました」
国からは「高度」と見なされない、圧倒的多数(外国人労働者)の世界。
大宅賞『八九六四』著者が、絶対的な弱者でも敵でもない、彼らの「現実」に追るディープルポ!
日本政府をはじめ、公的機関が使用している言葉、「高度外国人材」。
「高度」な人材がいるということは、国の定義とは真逆の属性を持つ人材も存在するはずだ。
それは、「(年齢だけは若いかもしれないが)学歴・年収が低く、日本語はろくに喋れず専門知識もない、非熟練労働に従事している」人たちといえる。
しかし、日本社会は彼らにこそ強く依存しており、必要としているではないか。
生身の「“低度“外国人材」は、紋切り型の報道のなかで語られるような、絶対的な弱者や被害者たちの群れではない。
ましてや、陰謀をたくらむ存在でもない。
そもそも中国は経済成長をとげ、稼げない日本に見切りをつける中国人は多く、在日外国人問題の主役はベトナム人に移行している。
──われわれは記号としての弱者や敵を想定していたのに、いたのは人間だった。
3年にわたって中国、ベトナム、日本各地を回り、生身の姿に迫ったディープルポ!
【目次】
はじめに
第一章 コロナ、タリバン、群馬県――隣人は平和な「イスラム原理主義者」
第二章 「兵士」たちの逃亡と犯罪――主役は中国人からベトナム人へ
第三章 頼りなき弱者――ベトナム「送り出し」業者に突撃してみれば
第四章 「低度」人材の村――ウソと搾取の「破綻した制度」
第五章 「現代の奴隷」になれない中国人――稼げない日本に見切りをつけるとき
第六章 高度人材、低度人材――「日本語だけは上手い」元技能実習生
第七章 「群馬の兄貴」の罪と罰――北関東家畜窃盗疑惑の黒い霧
おわりに
主要参考文献
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2021/3/2
- 寸法13.8 x 2.5 x 19.5 cm
- ISBN-104041069688
- ISBN-13978-4041069684
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出版社より


商品の説明
著者について
●安田 峰俊:1982年滋賀県生まれ。ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。立命館大学文学部東洋史学専攻卒業後、広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。2018年に『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』で第5回城山三郎賞、19年に第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。他著に『和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』『移民棄民遺民 国と国の境界線に立つ人々』(角川文庫)、『さいはての中国』(小学館新書)、『現代中国の秘密結社』(中公新書ラクレ)など。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2021/3/2)
- 発売日 : 2021/3/2
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4041069688
- ISBN-13 : 978-4041069684
- 寸法 : 13.8 x 2.5 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 64,639位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 13,922位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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安田峰俊(やすだみねとし)
ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了(中国近現代史)。『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)が第5回城山三郎賞、第50回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。他に『さいはての中国』(小学館新書)、『現代中国の秘密結社』(中公新書ラクレ)、『「低度」外国人材』(KADOKAWA)、『中国vs.世界』(PHP新書)など著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月27日に日本でレビュー済み
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2021年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書のタイトルにもなっている『「低度」外国人材』とは、著者の造語である。専門的な技術力や知識を有し、在留資格の1つにもなっている「高度外国人材」とは異なり、技能実習制度や就労目的の留学などで来日して非熟練労働に従事し、中には不法滞在となる在留外国人のことを指す。
本書は、この「低度」外国人の実態を描いたルポである。在留ベトナム人や、制度に関係する日本の受入れ機関・現地の送り出し機関を取材することで、著者は日本の技能実習制度の闇を明らかにしていく。そこで見えてきたのは、制度自体の欠陥、悪質な送り出し機関や日本の受け入れ企業などもさることながら、来日する技能実習生本人の「情報感度の低さ」だ。「東アジア規模での巨大な合成の誤謬」という著者の刺激的な言葉に、問題の根深さを実感する。
養豚場から豚を盗んで食べるなど、本書で紹介される外国人の生々しい犯罪には驚くものがある。著者は最後に、「低度」外国人材が日本で増えていくことへの率直な不快感と、それを解決する方法にも言及し、日本の移民社会化の行く先を占う。
なお、本書で登場したとある「高度な」ベトナム人の日本観が気になった。日本は働き方の効率性が悪く、外国人を公平に扱わない雰囲気があるため、住んで働くというよりは旅行に行くくらいがちょうどいい国とのことだ。中国を含むアジア各国の中産階級以上の若い人たちによく見られる意見らしい。外国人のことをどうこう言う前に我々自身を省み、移民を希望する外国人にとって魅力ある国にしていかなくてはならないと感じた次第だ。
本書は、この「低度」外国人の実態を描いたルポである。在留ベトナム人や、制度に関係する日本の受入れ機関・現地の送り出し機関を取材することで、著者は日本の技能実習制度の闇を明らかにしていく。そこで見えてきたのは、制度自体の欠陥、悪質な送り出し機関や日本の受け入れ企業などもさることながら、来日する技能実習生本人の「情報感度の低さ」だ。「東アジア規模での巨大な合成の誤謬」という著者の刺激的な言葉に、問題の根深さを実感する。
養豚場から豚を盗んで食べるなど、本書で紹介される外国人の生々しい犯罪には驚くものがある。著者は最後に、「低度」外国人材が日本で増えていくことへの率直な不快感と、それを解決する方法にも言及し、日本の移民社会化の行く先を占う。
なお、本書で登場したとある「高度な」ベトナム人の日本観が気になった。日本は働き方の効率性が悪く、外国人を公平に扱わない雰囲気があるため、住んで働くというよりは旅行に行くくらいがちょうどいい国とのことだ。中国を含むアジア各国の中産階級以上の若い人たちによく見られる意見らしい。外国人のことをどうこう言う前に我々自身を省み、移民を希望する外国人にとって魅力ある国にしていかなくてはならないと感じた次第だ。
2021年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数年前からネット上で時々、外国人労働者を日本企業が搾取している事件が記事になっていた。技能実習生は現代の奴隷制度と断定できるだけの状態ではあったが、詳細には知らなかった。
滋賀県は工場が多く、20年前から外国人労働者が多く、頭の片隅には常にあるテーマだった。そのため、実態を知るために本書を購入した。図書館で借りずに購入したのは1/20(Amazonでの予約注文)なので、今となっては何故購入を決めたのかについて記憶にないが、購入した方が良かったとは言える。何故なら他人に貸して、輪読すべき内容だからである。
日本政府は高度人材が日本で働くことを求め続けて来た。(しかし、給料が安く、上司がITに疎く、労働生産性を下げることに全力を尽くす組織で、我儘な高度人材が働きたくなるはずがない。)その一方で、日本全体に安価な労働力が不足していて、技能実習生という名目で「低度人材」である外国人労働者が大量に流入して来ている。多くの日本企業は、法治国家とは思えない劣悪な環境で彼らを酷使し、使い捨てていて、その様子が本書で複数描かれている。しかし筆者 安田峰俊氏は当初、外国人労働者を可哀想な人々というよくある視点から書くのではなく、あるがままの彼らを描こうとした。彼らのあるがままの姿は我々の予想外を含んでおり、読み物としては面白い。しかし本書は小説ではなく、現実である。その厳しい搾取の現実が、筆者をも苦しめることになるのである。
筆者はルポライターなので、搾取構造を作った麻生太郎等の話を書かれていないが、いづれ政治の問題に切り込む仕事をされるようになるのは時間の問題である。
滋賀県は工場が多く、20年前から外国人労働者が多く、頭の片隅には常にあるテーマだった。そのため、実態を知るために本書を購入した。図書館で借りずに購入したのは1/20(Amazonでの予約注文)なので、今となっては何故購入を決めたのかについて記憶にないが、購入した方が良かったとは言える。何故なら他人に貸して、輪読すべき内容だからである。
日本政府は高度人材が日本で働くことを求め続けて来た。(しかし、給料が安く、上司がITに疎く、労働生産性を下げることに全力を尽くす組織で、我儘な高度人材が働きたくなるはずがない。)その一方で、日本全体に安価な労働力が不足していて、技能実習生という名目で「低度人材」である外国人労働者が大量に流入して来ている。多くの日本企業は、法治国家とは思えない劣悪な環境で彼らを酷使し、使い捨てていて、その様子が本書で複数描かれている。しかし筆者 安田峰俊氏は当初、外国人労働者を可哀想な人々というよくある視点から書くのではなく、あるがままの彼らを描こうとした。彼らのあるがままの姿は我々の予想外を含んでおり、読み物としては面白い。しかし本書は小説ではなく、現実である。その厳しい搾取の現実が、筆者をも苦しめることになるのである。
筆者はルポライターなので、搾取構造を作った麻生太郎等の話を書かれていないが、いづれ政治の問題に切り込む仕事をされるようになるのは時間の問題である。
2021年5月22日に日本でレビュー済み
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この本だけからの情報だと、悪いケースばかりで、今の制度は極めてまずいと理解されることになる。
うまくいっている場合も取材して、比較記述して頂くとより有り難いと思った。
うまくいっている場合も取材して、比較記述して頂くとより有り難いと思った。
2021年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
良くぞ書いてくださいました。
あの技能実習制度は、実習生の転職、結婚の自由も奪ってなりたっているものなのに、なんで外国の方が応募してくるのか不思議でした。このフレーズで疑問が氷解しました。「日本の技能実習制度は、身も蓋もない言いかたをすれば、発展途上国出身の「〝低度〟外国人材」である若者の判断力や論理的思考能力の低さや、権利意識の弱さに依存して構築されているシステム」
自発的隷従論のエティエンヌ=ポエシにも評論させたい一冊。 なくてイイ、いや無い方がイイ制度、技能実習生制度ですね。
あの技能実習制度は、実習生の転職、結婚の自由も奪ってなりたっているものなのに、なんで外国の方が応募してくるのか不思議でした。このフレーズで疑問が氷解しました。「日本の技能実習制度は、身も蓋もない言いかたをすれば、発展途上国出身の「〝低度〟外国人材」である若者の判断力や論理的思考能力の低さや、権利意識の弱さに依存して構築されているシステム」
自発的隷従論のエティエンヌ=ポエシにも評論させたい一冊。 なくてイイ、いや無い方がイイ制度、技能実習生制度ですね。
2021年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当ルポは外国人材制度の蜜月関係や業の深さを感じる次第で、如何に社会に
組み込まれてシステム化していることが理解出来ます。
搾取される側にある外国人実習生でありますが、日本の個人主義的な都会人現代人
よりもコミュニティ志向で結束力が強く逞しく生活していてその点では
ある意味、恵まれている感じがしてしまいました。多くの方に読んで頂きたい一冊です。
組み込まれてシステム化していることが理解出来ます。
搾取される側にある外国人実習生でありますが、日本の個人主義的な都会人現代人
よりもコミュニティ志向で結束力が強く逞しく生活していてその点では
ある意味、恵まれている感じがしてしまいました。多くの方に読んで頂きたい一冊です。
2021年6月30日に日本でレビュー済み
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この制度の欠陥を鋭く突いている。
2021年5月7日に日本でレビュー済み
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読みやすく、現状が理解できました。