かなり高評価の新聞書評もあったが、専門家ではない市民目線で読むと、そこはよくわからない。ともかく第三帝国が生まれ崩壊する流れがよくわかる。
新書の分量であってもナチスドイツを支えた人々の有り様をそれなりに示せるのだ。
しかし、そのグロテスクな蛮行を人々はなぜ選んだのかについて、あまり見えなかった。読み方が浅いのだろうか。
また繰り返すかもしれない時代にいる私たちは、他人事としてでなく考えたい。その入口にはなる書物であると思う。
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第三帝国 ある独裁の歴史 (角川新書) 新書 – 2021/2/10
ウルリヒ・ヘルベルト
(著),
小野寺 拓也
(翻訳)
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ヒトラーは東欧をいかに改造したか?
統治の全貌が明らかに。
世界最高峰、最新研究を踏まえた入門書、ついに邦訳!
国民懐柔のために東欧は生贄にされた。
第二次世界大戦の最中、金と資源の確保に追われたドイツ帝国は、植民地を徹底的に収奪し、捕虜の労働力利用も進める。
ドイツ本国で760万人の外国人労働者は差別的待遇を受け、共同体維持のガス抜きにもされた。
ヒトラーは領土を、国民をいかに支配したのか?
その統治の手法と欠陥を白日の下に晒す。
・ポーランドを蹂躙し、全土を軍需物資と食糧の生産場とした。
・数百万人のポーランド人をドイツ本国へ移送し、底辺労働者として工場や農場で使役した。
・巨額の国民貯蓄を秘密裏に活用したが、戦争末期には正規国家財源で歳出の10%しかまかなえなかった。
統治の全貌が明らかに。
世界最高峰、最新研究を踏まえた入門書、ついに邦訳!
国民懐柔のために東欧は生贄にされた。
第二次世界大戦の最中、金と資源の確保に追われたドイツ帝国は、植民地を徹底的に収奪し、捕虜の労働力利用も進める。
ドイツ本国で760万人の外国人労働者は差別的待遇を受け、共同体維持のガス抜きにもされた。
ヒトラーは領土を、国民をいかに支配したのか?
その統治の手法と欠陥を白日の下に晒す。
・ポーランドを蹂躙し、全土を軍需物資と食糧の生産場とした。
・数百万人のポーランド人をドイツ本国へ移送し、底辺労働者として工場や農場で使役した。
・巨額の国民貯蓄を秘密裏に活用したが、戦争末期には正規国家財源で歳出の10%しかまかなえなかった。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2021/2/10
- 寸法10.9 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104040823400
- ISBN-13978-4040823409
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商品の説明
著者について
●ウルリヒ・ヘルベルト:1951年生まれ。歴史学、ドイツ学、民俗学を修めた後、エッセン大学、ハーゲン通信教育大学、テル・アヴィヴ大学、ナチ史研究所所長を経て、1995年から2019年まで、フライブルク大学近現代史講座教授。現在、フライブルク大学名誉教授。専門はドイツ近現代史、とくにナチズム研究。著書は『20世紀ドイツの歴史』(2014年、いずれも未邦訳)など多数。ドイツ国内でもっとも顕著な業績を挙げた研究者に与えられるライプニッツ賞を、1999年に受賞している。
●小野寺 拓也:1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。昭和女子大学人間文化学部を経て、現在、東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。専門はドイツ現代史。著書に『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』(山川出版社)、共著に『エゴ・ドキュメントの歴史学』(長谷川貴彦編、岩波書店)、訳書にS・ナイツェル/H・ヴェルツァー『兵士というもの――ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理』(みすず書房)などがある。
●小野寺 拓也:1975年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。昭和女子大学人間文化学部を経て、現在、東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。専門はドイツ現代史。著書に『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』(山川出版社)、共著に『エゴ・ドキュメントの歴史学』(長谷川貴彦編、岩波書店)、訳書にS・ナイツェル/H・ヴェルツァー『兵士というもの――ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理』(みすず書房)などがある。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2021/2/10)
- 発売日 : 2021/2/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 4040823400
- ISBN-13 : 978-4040823409
- 寸法 : 10.9 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 110,703位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1975年生まれ.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了.博士(文学).昭和女子大学人間文化学部専任講師を経て,現在,東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授.専門はドイツ現代史.
イメージ付きのレビュー

5 星
ちょい難しめ、でもナチズム研究の第一人者が執筆&最新成果入りで熟読の価値あり!
刊行前から話題を呼んでいた一冊、噂に違わず良い書籍でした。石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』、芝健介『ホロコースト』(いずれも中公新書)と並んで、信頼できる概説書としてよく日本人ナチズム研究者の方がネットで言及しているのを見かけます。本書は上記のなかでは、ドイツ語からの翻訳書ということもあり、私のような初心者には少々難しい(スラスラとは読めない)読書感はありました。その一方、本格的な歴史研究に基づいているという信頼感があり、少し時間をかけても通読する価値は十二分にあったと思います。ちなみに全17章もありますが、各章のボリュームは10〜20ページ程度なので、テーマがつかみやすい&毎日1章ずつ読んでも2週間ちょいで読み終えることができます。訳者の小野寺氏による「まえがき」「あとがき」は日本人読者と本書をつなぐ懸け橋として理解の促進に大いに寄与してくれます。ナチズムは近年の世界情勢もあって大きな関心を集め続けているのに、虚偽情報・随分昔の時代遅れ情報が多く、また、研究蓄積が膨大であるがために全体像を見通すことが難しく、ゆえに、本書のような信頼できる概説書の必要性があるとのこと。また、本書には「民族共同体」論や「東部=植民地」論をはじめ、最新の研究成果が盛り込まれているのも貴重とのこと。「あとがき」ではナチズム研究の歴史についても概説されていて役立ちます。こうした最新展開を踏まえて、帯(初版)には「ヒトラーは東欧をいかに改造したか?」とババンとあるけど、本の中身は、第二帝政〜第一次世界大戦期から遡っての第三帝国通史であり、東部支配が本の主要テーマというわけではなかったです。巻末のもっと知りたい人に向けた「読書案内」もこれからの読書の指針となりたいへん有り難いです。星5つ。
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2021年2月11日に日本でレビュー済み
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ヴィッセン叢書「第三帝国」第三版(2018年。初版は2016年)の翻訳。
悪くない本、有用な本とは思うが、帯に書かれた宣伝と訳者前書きがかなり大げさで、ちょっと白けてしまう。
帯によると、「世界最高峰、最新研究に基づく入門書、ついに邦訳」「ヒトラーは東欧をいかに、改造したか? 統治の全貌が明らかに」。
訳者前書きによると、「陳腐化したナチズム像が蔓延する一方で、ナチズムを真摯に学びたいと願う人びとの足がかりになるような文献は少ない」「専門家による信頼に足る概説書が本書である」
しかし、なにぶん本書は大活字の新書で250頁程度の分量の本である。しかも、重要な1939年以後(第三部)は全体の半分程度(122頁)に過ぎない。しかも、一般向け通史なので、誰でも知っている歴史事実でも一応書き込まなければならない。この条件で、旧来のナチズム像を一新し、かつ説得力の高い本を書くのは無理だろう。
作者自身が次のように言っている。「第三帝国の歴史・・すさまじく多様で複雑な全体像であって・・いくつかの議論の筋道やテーゼのみから語ることは、もはや困難なのだ」「本書のような簡潔な概説では、他の文献で詳細に説明されているような研究史や研究上の論争について触れることはほぼ不可能である」(20頁)。
私的感想
〇初心者向けの第三帝国通史としては、ちょっと難しいと思う。
〇初心者でない一般読者にとっても、目から鱗が落ちるほどの本ではないように思う。しかし、これまで勉強したことに付け加える内容の本としては有用と思う。
〇問題はスラスラ読んでいると、どこが新しいのか読み落としてしまうことである。この点では「訳者まえがき」が役立つ。(さっきは失礼した)
〇まず、「民族共同体論」である。「民族共同体論」については、本文中で述べられている箇所が、訳者まえがきの6頁から7頁で全部引用されている。これを頭に入れてから本文を読むか、本文を読んでからここを読み直したほうがよい。
〇次が東欧支配についての「植民地支配変種論」である。これも訳者まえがき7頁から8頁に引用されているがちょっと少なく、むしろ帯の後面が参考になる。(さっきは失礼した)ただし、占領地の外国人のドイツ輸送と強制労働については、本文自体が内容はさほど多くはない(ポーランド人について147から149頁。ロシア人について168頁から169頁)。この内容は過去の本にも書かれている(たとえば中公新書『ナチスの戦争1918-1949』200頁から206頁)。
私的結論
〇初心者にはちょっと難しいが、初心者でない人には、それなりに有用な本である。
悪くない本、有用な本とは思うが、帯に書かれた宣伝と訳者前書きがかなり大げさで、ちょっと白けてしまう。
帯によると、「世界最高峰、最新研究に基づく入門書、ついに邦訳」「ヒトラーは東欧をいかに、改造したか? 統治の全貌が明らかに」。
訳者前書きによると、「陳腐化したナチズム像が蔓延する一方で、ナチズムを真摯に学びたいと願う人びとの足がかりになるような文献は少ない」「専門家による信頼に足る概説書が本書である」
しかし、なにぶん本書は大活字の新書で250頁程度の分量の本である。しかも、重要な1939年以後(第三部)は全体の半分程度(122頁)に過ぎない。しかも、一般向け通史なので、誰でも知っている歴史事実でも一応書き込まなければならない。この条件で、旧来のナチズム像を一新し、かつ説得力の高い本を書くのは無理だろう。
作者自身が次のように言っている。「第三帝国の歴史・・すさまじく多様で複雑な全体像であって・・いくつかの議論の筋道やテーゼのみから語ることは、もはや困難なのだ」「本書のような簡潔な概説では、他の文献で詳細に説明されているような研究史や研究上の論争について触れることはほぼ不可能である」(20頁)。
私的感想
〇初心者向けの第三帝国通史としては、ちょっと難しいと思う。
〇初心者でない一般読者にとっても、目から鱗が落ちるほどの本ではないように思う。しかし、これまで勉強したことに付け加える内容の本としては有用と思う。
〇問題はスラスラ読んでいると、どこが新しいのか読み落としてしまうことである。この点では「訳者まえがき」が役立つ。(さっきは失礼した)
〇まず、「民族共同体論」である。「民族共同体論」については、本文中で述べられている箇所が、訳者まえがきの6頁から7頁で全部引用されている。これを頭に入れてから本文を読むか、本文を読んでからここを読み直したほうがよい。
〇次が東欧支配についての「植民地支配変種論」である。これも訳者まえがき7頁から8頁に引用されているがちょっと少なく、むしろ帯の後面が参考になる。(さっきは失礼した)ただし、占領地の外国人のドイツ輸送と強制労働については、本文自体が内容はさほど多くはない(ポーランド人について147から149頁。ロシア人について168頁から169頁)。この内容は過去の本にも書かれている(たとえば中公新書『ナチスの戦争1918-1949』200頁から206頁)。
私的結論
〇初心者にはちょっと難しいが、初心者でない人には、それなりに有用な本である。
2021年2月27日に日本でレビュー済み
刊行前から話題を呼んでいた一冊、噂に違わず良い書籍でした。
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』、芝健介『ホロコースト』(いずれも中公新書)と並んで、信頼できる概説書としてよく日本人ナチズム研究者の方がネットで言及しているのを見かけます。
本書は上記のなかでは、ドイツ語からの翻訳書ということもあり、私のような初心者には少々難しい(スラスラとは読めない)読書感はありました。その一方、本格的な歴史研究に基づいているという信頼感があり、少し時間をかけても通読する価値は十二分にあったと思います。
ちなみに全17章もありますが、各章のボリュームは10〜20ページ程度なので、テーマがつかみやすい&毎日1章ずつ読んでも2週間ちょいで読み終えることができます。
訳者の小野寺氏による「まえがき」「あとがき」は日本人読者と本書をつなぐ懸け橋として理解の促進に大いに寄与してくれます。
ナチズムは近年の世界情勢もあって大きな関心を集め続けているのに、虚偽情報・随分昔の時代遅れ情報が多く、また、研究蓄積が膨大であるがために全体像を見通すことが難しく、ゆえに、本書のような信頼できる概説書の必要性があるとのこと。
また、本書には「民族共同体」論や「東部=植民地」論をはじめ、最新の研究成果が盛り込まれているのも貴重とのこと。「あとがき」ではナチズム研究の歴史についても概説されていて役立ちます。
こうした最新展開を踏まえて、帯(初版)には「ヒトラーは東欧をいかに改造したか?」とババンとあるけど、本の中身は、第二帝政〜第一次世界大戦期から遡っての第三帝国通史であり、東部支配が本の主要テーマというわけではなかったです。
巻末のもっと知りたい人に向けた「読書案内」もこれからの読書の指針となりたいへん有り難いです。星5つ。
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』、芝健介『ホロコースト』(いずれも中公新書)と並んで、信頼できる概説書としてよく日本人ナチズム研究者の方がネットで言及しているのを見かけます。
本書は上記のなかでは、ドイツ語からの翻訳書ということもあり、私のような初心者には少々難しい(スラスラとは読めない)読書感はありました。その一方、本格的な歴史研究に基づいているという信頼感があり、少し時間をかけても通読する価値は十二分にあったと思います。
ちなみに全17章もありますが、各章のボリュームは10〜20ページ程度なので、テーマがつかみやすい&毎日1章ずつ読んでも2週間ちょいで読み終えることができます。
訳者の小野寺氏による「まえがき」「あとがき」は日本人読者と本書をつなぐ懸け橋として理解の促進に大いに寄与してくれます。
ナチズムは近年の世界情勢もあって大きな関心を集め続けているのに、虚偽情報・随分昔の時代遅れ情報が多く、また、研究蓄積が膨大であるがために全体像を見通すことが難しく、ゆえに、本書のような信頼できる概説書の必要性があるとのこと。
また、本書には「民族共同体」論や「東部=植民地」論をはじめ、最新の研究成果が盛り込まれているのも貴重とのこと。「あとがき」ではナチズム研究の歴史についても概説されていて役立ちます。
こうした最新展開を踏まえて、帯(初版)には「ヒトラーは東欧をいかに改造したか?」とババンとあるけど、本の中身は、第二帝政〜第一次世界大戦期から遡っての第三帝国通史であり、東部支配が本の主要テーマというわけではなかったです。
巻末のもっと知りたい人に向けた「読書案内」もこれからの読書の指針となりたいへん有り難いです。星5つ。

刊行前から話題を呼んでいた一冊、噂に違わず良い書籍でした。
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』、芝健介『ホロコースト』(いずれも中公新書)と並んで、信頼できる概説書としてよく日本人ナチズム研究者の方がネットで言及しているのを見かけます。
本書は上記のなかでは、ドイツ語からの翻訳書ということもあり、私のような初心者には少々難しい(スラスラとは読めない)読書感はありました。その一方、本格的な歴史研究に基づいているという信頼感があり、少し時間をかけても通読する価値は十二分にあったと思います。
ちなみに全17章もありますが、各章のボリュームは10〜20ページ程度なので、テーマがつかみやすい&毎日1章ずつ読んでも2週間ちょいで読み終えることができます。
訳者の小野寺氏による「まえがき」「あとがき」は日本人読者と本書をつなぐ懸け橋として理解の促進に大いに寄与してくれます。
ナチズムは近年の世界情勢もあって大きな関心を集め続けているのに、虚偽情報・随分昔の時代遅れ情報が多く、また、研究蓄積が膨大であるがために全体像を見通すことが難しく、ゆえに、本書のような信頼できる概説書の必要性があるとのこと。
また、本書には「民族共同体」論や「東部=植民地」論をはじめ、最新の研究成果が盛り込まれているのも貴重とのこと。「あとがき」ではナチズム研究の歴史についても概説されていて役立ちます。
こうした最新展開を踏まえて、帯(初版)には「ヒトラーは東欧をいかに改造したか?」とババンとあるけど、本の中身は、第二帝政〜第一次世界大戦期から遡っての第三帝国通史であり、東部支配が本の主要テーマというわけではなかったです。
巻末のもっと知りたい人に向けた「読書案内」もこれからの読書の指針となりたいへん有り難いです。星5つ。
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)、リチャード・ベッセル『ナチスの戦争』、芝健介『ホロコースト』(いずれも中公新書)と並んで、信頼できる概説書としてよく日本人ナチズム研究者の方がネットで言及しているのを見かけます。
本書は上記のなかでは、ドイツ語からの翻訳書ということもあり、私のような初心者には少々難しい(スラスラとは読めない)読書感はありました。その一方、本格的な歴史研究に基づいているという信頼感があり、少し時間をかけても通読する価値は十二分にあったと思います。
ちなみに全17章もありますが、各章のボリュームは10〜20ページ程度なので、テーマがつかみやすい&毎日1章ずつ読んでも2週間ちょいで読み終えることができます。
訳者の小野寺氏による「まえがき」「あとがき」は日本人読者と本書をつなぐ懸け橋として理解の促進に大いに寄与してくれます。
ナチズムは近年の世界情勢もあって大きな関心を集め続けているのに、虚偽情報・随分昔の時代遅れ情報が多く、また、研究蓄積が膨大であるがために全体像を見通すことが難しく、ゆえに、本書のような信頼できる概説書の必要性があるとのこと。
また、本書には「民族共同体」論や「東部=植民地」論をはじめ、最新の研究成果が盛り込まれているのも貴重とのこと。「あとがき」ではナチズム研究の歴史についても概説されていて役立ちます。
こうした最新展開を踏まえて、帯(初版)には「ヒトラーは東欧をいかに改造したか?」とババンとあるけど、本の中身は、第二帝政〜第一次世界大戦期から遡っての第三帝国通史であり、東部支配が本の主要テーマというわけではなかったです。
巻末のもっと知りたい人に向けた「読書案内」もこれからの読書の指針となりたいへん有り難いです。星5つ。
このレビューの画像

2023年9月5日に日本でレビュー済み
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ナチス政権奪取の以前はやや難解な話が多いものの、政権奪取後はスラスラ読める異色の書物。
対ユダヤ人の政策についても多く言及しているものの、それよりドイツ自体が借金まみれで、戦争開始前からヒトラーの描く「戦争に勝てば借金は帳消し」の論理で突き進んでいたことが印象的。
そして、深刻な物資不足と食料の不足は長期戦になれば明らかに連合国側と比較すれば不利であり、ソ連との短期戦による勝利の目論見が崩れた時点で敗北は必至だったということだ。
労働力も兵士も不足していてもそれよりユダヤ人抹殺が優先される。600万人を生産に回さず抹殺する。
初期のシベリアやマダガスカルに追放して自然に死なせる目論見と戦争の遂行によるソ連領土の奪取が相反しており、両立しなかった。行き詰まり、処置に困った挙句の果てに「絶滅収容所」が戦時中にもかかわらず急ピッチで建設されて欧州各国のユダヤ人やジプシーやソ連人捕虜が送り込まれて大量殺人へ発展した。対ソ連の戦いの敗北が確実になってもそれが優先的に実行されている。
いや、もう負けるなら負けるで破滅するのだから「せめて当初の政策的目標であるユダヤ人種抹殺だけでも成し遂げておこう」というのがヤケを起こしたナチスの最終目標に摩り替わったのだろう。
対ユダヤ人の政策についても多く言及しているものの、それよりドイツ自体が借金まみれで、戦争開始前からヒトラーの描く「戦争に勝てば借金は帳消し」の論理で突き進んでいたことが印象的。
そして、深刻な物資不足と食料の不足は長期戦になれば明らかに連合国側と比較すれば不利であり、ソ連との短期戦による勝利の目論見が崩れた時点で敗北は必至だったということだ。
労働力も兵士も不足していてもそれよりユダヤ人抹殺が優先される。600万人を生産に回さず抹殺する。
初期のシベリアやマダガスカルに追放して自然に死なせる目論見と戦争の遂行によるソ連領土の奪取が相反しており、両立しなかった。行き詰まり、処置に困った挙句の果てに「絶滅収容所」が戦時中にもかかわらず急ピッチで建設されて欧州各国のユダヤ人やジプシーやソ連人捕虜が送り込まれて大量殺人へ発展した。対ソ連の戦いの敗北が確実になってもそれが優先的に実行されている。
いや、もう負けるなら負けるで破滅するのだから「せめて当初の政策的目標であるユダヤ人種抹殺だけでも成し遂げておこう」というのがヤケを起こしたナチスの最終目標に摩り替わったのだろう。
2021年12月14日に日本でレビュー済み
ナチス支配体制ドイツに関するコンパクトな概説。
第一部:第一次世界大戦以前の流れから1932年のナチ党の躍進まで
第二部:1933年のナチ党を含む連立政権発足から第二次世界大戦直前まで
第三部:1939年のポーランド侵攻から終戦まで
訳者まえがきにもある、主にポーランドにおける「東欧支配を植民地支配の変種として見る」捉え方を目新しく感じた。第三部で何度か述べられている、西欧と東欧の占領の内実が大きく異なっている点や、東欧の人びとが労働力としてドイツ本国に強制的に連行された事実や、占領地での振る舞いによって実感できる。
第二部の冒頭でヒトラーが連立政権の首相に就任した後、わずかの期間で独裁者として権力を掌握する過程には驚かされた。連立政権が誕生した時点では56.1%はナチ党を選んでいなかったにもかかわらず、「一年半のうちに、ナチ体制は革命のあらゆる要素を内包するような、政治体制の完全な変革に成功した」という事実には、問題は含みながらも安定していると感じさせる国家社会が、これほどの短期間で変貌してしまう可能性があるということに恐怖を感じる。それにつづく終戦にいたるまでの、ユダヤ人迫害をはじめとした暴力支配の過程はまさに悪夢としか言いようがない。
本書では、当初はナチに批判的な国民も少なくはなかったにもかかわらず、ナチ指導部と一般のドイツ人が徐々に「共謀関係」にいたった経緯も描かれている。ドイツ国民がヴァイマル共和国を拒絶し、ナチの独裁を生んでしまった原因を単純に説明はできないのだろうが、本書から受ける個人的な印象としては、世界恐慌による不況と、そして何より、ヴェルサイユ条約での戦勝国による過酷な賠償請求が人びとの不満の源泉として深刻な影響を与えていたように感じられた。
第一部:第一次世界大戦以前の流れから1932年のナチ党の躍進まで
第二部:1933年のナチ党を含む連立政権発足から第二次世界大戦直前まで
第三部:1939年のポーランド侵攻から終戦まで
訳者まえがきにもある、主にポーランドにおける「東欧支配を植民地支配の変種として見る」捉え方を目新しく感じた。第三部で何度か述べられている、西欧と東欧の占領の内実が大きく異なっている点や、東欧の人びとが労働力としてドイツ本国に強制的に連行された事実や、占領地での振る舞いによって実感できる。
第二部の冒頭でヒトラーが連立政権の首相に就任した後、わずかの期間で独裁者として権力を掌握する過程には驚かされた。連立政権が誕生した時点では56.1%はナチ党を選んでいなかったにもかかわらず、「一年半のうちに、ナチ体制は革命のあらゆる要素を内包するような、政治体制の完全な変革に成功した」という事実には、問題は含みながらも安定していると感じさせる国家社会が、これほどの短期間で変貌してしまう可能性があるということに恐怖を感じる。それにつづく終戦にいたるまでの、ユダヤ人迫害をはじめとした暴力支配の過程はまさに悪夢としか言いようがない。
本書では、当初はナチに批判的な国民も少なくはなかったにもかかわらず、ナチ指導部と一般のドイツ人が徐々に「共謀関係」にいたった経緯も描かれている。ドイツ国民がヴァイマル共和国を拒絶し、ナチの独裁を生んでしまった原因を単純に説明はできないのだろうが、本書から受ける個人的な印象としては、世界恐慌による不況と、そして何より、ヴェルサイユ条約での戦勝国による過酷な賠償請求が人びとの不満の源泉として深刻な影響を与えていたように感じられた。
2023年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ナチスドイツに関する入門書であるが、これもまた「国民社会主義ドイツ労働者党」と意訳している。新書は確かに取り付き易いが、簡便なるが故に著者の意図するところに陥り易い危険性がある。
私は数十冊以上のナチスドイツ関連の翻訳書を読了しているが、ほぼ全てが「国家社会主義ドイツ労働者党」となっている。「国民」という語は、ここ4、5年になって急に現れて来た。今さら意訳する必要があるのか。学会の流れという事を耳にしたが、「我が闘争」に始まる「国家社会主義ドイツ労働者党」こそが、過去から現在に至る真正の翻訳であると、個人的には確信している。読者に著者の意図を刷り込んではならない。
2023年卯月に記す
私は数十冊以上のナチスドイツ関連の翻訳書を読了しているが、ほぼ全てが「国家社会主義ドイツ労働者党」となっている。「国民」という語は、ここ4、5年になって急に現れて来た。今さら意訳する必要があるのか。学会の流れという事を耳にしたが、「我が闘争」に始まる「国家社会主義ドイツ労働者党」こそが、過去から現在に至る真正の翻訳であると、個人的には確信している。読者に著者の意図を刷り込んではならない。
2023年卯月に記す
2023年3月1日に日本でレビュー済み
論じられてる内容はいいのだが
翻訳が余りにも劣悪
翻訳が余りにも劣悪